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30

砂漠の海岸で、人が豊かに暮らせないのが不思議です。

少し海岸から離れた奥から順に、
太陽熱発電所・風力発電所
淡水化残渣の高濃度塩水から太陽熱での塩作り
上の電力で淡水化した海水で、野菜などの栽培
居住区・ラクダ飼育場
海水面より少し深く掘り下げた部分を広く設け、そこでマングローブの栽培
マングローブの葉と、海水および淡水化した海水でラクダを飼育、肉・皮革・チーズなどの生産
電力を用いる海水淡水化施設・空中窒素固定装置
(海上)浮体洋上風力発電・海にガラス鎖を入れ、窒素肥料・砂漠砂・ラクダ厩肥などを薄く散布して海藻・貝の養殖

なされていないのは、採算が合わないからとしか思えません。
ならば、この世界は間違っています。

再生不能な資源が安価で、再生可能な資源が高価なのです。
化石地下水の方が海水より安価なのはおかしいです。海水のほうがどう見ても圧倒的にたくさんあるのに。

白米より玄米が、白砂糖より黒砂糖が高価なことが、普通に考えればおかしいように。

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僕が本を読み、ネットをめぐり、思索しているのは、「かめはめ波の練習」と同じ無意味なことでは?

まあ実際には、本当にかめはめ波の練習を、深い腹式呼吸と腰を落として両手を突き出すだけでも一日千回十年もやれば、それでかなりの体力にはなりますが。まして亀仙流の修行を少しでも真似すれば。

28

石英ガラスにデータを数億年保存(ナショナルジオグラフィック日本語版)

これはきわめて重大なニュースになりえます。

僕が以前から考えている「種」、大量に放つ無人播種船、宇宙船地球号のボトルメールにとって、最も必要な技術です。

この技術がなくてもやる価値はありました。
しかし、この技術があれば、今人類が手にしているテキスト全てを、小さなカプセルに簡単に詰められます。

全人類の力を、それを毎年何万個も何億個も打ち上げることに費やしても、惜しくはないでしょう。
どれか一つでも、そのためには何億個でも種をまき、卵を産む。
それが生物なのです。

人類は生物ではないのですか?

27

自民党の新総裁、ほぼ間違いなく来年の首相が安部氏に選ばれた、というのは諸外国にとってどのようなメッセージを意味しているか。
その視点が弱かったですね。

中国・韓国に対しては、実質宣戦布告となるでしょう。
少なくとも、「もうお前らに服従しない」という。

そのメッセージは、アメリカに対しては何を意味しているでしょうか。
日本の「保守」とやらは、アメリカにどんなメッセージを発しているでしょう。

問題なのが、その「アメリカ」というのが安定した一つの存在ではないということです。
大統領選挙で、とてつもなく変わってしまうのです。

そう考えれば、日本の民主党や自民党が誰を選ぶかなどどうでもいい、本当に重要なのはアメリカ大統領選挙です。

何よりの問題が、安倍氏の健康問題。
健康に不安がある人に、敵意ある、そして激変する諸外国とタフに交渉し、場合によっては六十四年の平和を破って戦うことは、できるのでしょうか。
まあ、この状態では戦後最初の戦時首相は野田首相、となりかねないですが。

…野田首相の、戦時首相としての能力は?今防衛省は?自衛隊の最高幹部は?
日本に戦時体制が取れるでしょうか?
どれだけの人が、それを前提にして準備しているでしょうか?

26

ほぼ間違いなく、次の首相に選ばれた安倍氏。
民主党もそうですし、もちろん社民党・共産党も同様ですが、いかに既成政党に人がいないか思い知らされます。

そして、安倍氏は根本的に、「保守である」の一事以外にないにもかかわらず選ばれた…日本の、本来国民政党であった自民党が、「保守」という中身が事実上ない観念だけで動いてしまっていることを強く感じさせます。

何をやるか、ではない、ただ「保守である」それだけを選ぶ人たちの党。
それが日本全体だとは思えません。
しかし、それ以外の人たちは、何を支持すればいいのでしょう。

橋下氏に「改革」という、同じく実体のない観念を託す人も多いようです。

僕が欲しいのは観念ではありません。
今餓死しそうな人の口におにぎりを。

非正規社員に、職か、非常に安価な住宅と食糧供給手段を。
具体的には、カプセルホテルレベルで長期契約ができる住居と、質素な家庭料理レベルの食事と、風呂と洗濯を無料または非常に安く供給する、一生フリーターの賃金で生活できるシステムを。

そのようなことを考えもせず、「保守」「改革」という観念だけに酔っていては、気がついたときにはガス室を建てる財政余力もなくなっているでしょう。

ちなみに僕には、これからの日本の「保守」とは、「グローバル経済に順応しつつ勤勉・家族・秩序を保つため、国民の大半である脱落者は殺すか奴隷化し、優れた者だけがきわめて高い道徳を叩き込まれて貴族化する」ビジョンだと思っています。

問題が、それに対抗しうる「革新」が日本では非現実護憲しかないことです。

25

一週間以上更新していない間に、日本の政治は動いている…ように見えて、動いている気はしません。

結局のところ、「橋下氏の左側版」が決して出てこれないのです。
誰もいないのです。

護憲にこだわらず、適切に軍事と外交を使い分けて平和を保つ。

内部留保と富裕層増税にこだわらず、誰も餓死しないことを最優先する。

現実にごくわずかな天才とマニュアル労働者に分かれ、マニュアル労働者は世界の誰でもできるので際限なく給料が下がる現実を直視し、その人々も屋根の下に暮らせるように超安価な住宅を大量に整備する。

脱原発ばかり叫ぶのではなく、原発を時代遅れにする技術開発を進める。

そんな左派はどこにもいないのです。

しばらく更新できませんでした。

17

中国での反日デモ・暴動が、大規模な日本人虐殺に結びついた場合、日本政府には何ができるでしょう。

いや、こう問うのが正しいでしょう…アメリカは何をしてくれるでしょう、と。

アメリカは大統領選ですから、それでどうなるのか…大統領選の最中、国際紛争にどう対応してきたか…

中国も政権交代がどうとか、また日本も、政権交代には結びつかないようですが民主・自民双方で党首選挙が行われようとしています。
どうやら各国に大きな権力の空白があり、そこでこういうことになったようです。

またこれはとことん素朴な疑問ですが、なぜ日本人はこれほど嫌われるのでしょう。
日中戦争の前も、中国への「進出」が侵略として激しい憎悪を受けました。
その「進出」には、経済的なものも多かったはずです。
日本人の、経済的な「進出」というのは、それこそスペイン人がカリブ諸島で先住民を奴隷化・皆殺しにして砂糖を作らせたような、ジェノサイドレベルの残虐さだったのでしょうか?
中国の歴史家に聞けば当然その通りだ、そんなものではなかった、というでしょう。

ですが、経済的進出はウィン・ウィンの関係になることも多いのです。
無論、日本人と中国の有力者が儲けて、中国の庶民は貧しくなる、ということも多くありえますが。

ただ、そのようなことを考えても無意味です。「日本は残虐な侵略者だ」というのは、中国でも韓国でも、公教育で可能な限り強くすりこまれた、彼らの民族・国家的アイデンティティの中核なのですから。

さて、どうすればいいのでしょう。
左側は「日本が悪い、石原慎太郎が悪い、領土など捨てろ、心から反省し友好と平和を」でしょう、自分が政権をとれないことを前提にして。
右側も「中国打つべし」でしょう、大砲の数・黄金の重量・アメリカの属国であること・日本は貿易無しには三日ももたないことを無視して。

運を天に任せるほかどうしようもないようです。

16

水爆は三層構造をとっているそうです。
原爆を爆発させ、そのエネルギーで、水素を普通ではできないほど圧縮して核融合を起こさせます。
さらに核融合で出る大量の中性子線で、その周囲にあるウランやプルトニウムの原子を叩いて、普通の原爆では望めないほど強い爆発を起こさせるそうです。

原発の廃棄物も、そのやり方を使えばどうでしょう。
核融合で、周囲に大量に高速中性子が出ますから、そこにガンガン危険な原発廃棄物を流しこんで、完全に核反応させてやれば、消せるでしょう。

15

最新の思想世界で、「人間とは何か」「この宇宙はどうできているのか」に、最新科学の知見は反映されているのでしょうか?

われわれは、何を前提にしているでしょう。何を目的として重視しているでしょう。
なぜ、地球生命の永続や、人類文明の存続、世界の全員の人権に無関心になったのでしょう。

その「われわれ」とは何でしょう。『現代思想』誌の執筆陣でしょうか。東京大学の哲学教授でしょうか。
それともテレビ局の首脳陣でしょうか。

その人たちにどのような影響力があるでしょう。

今、「思想・哲学の最先端」はどこにあるのでしょう。誰なのでしょう。
その「最先端哲学」は今、何をしているのでしょう。
何を考え、何を書き、何を訴えているのでしょう。

日本だけでなく、フランスでは。イギリスでは。アメリカでは。ドイツでは。
中国では。インドでは。ブラジルでは。韓国では。カナダでは。

14

自転車の、後部の荷台はどの程度使われているでしょう。
使われていないなら、かなりの無駄重量であり資源の無駄です。
太い鋼棒がかなり使われており、はずした物を手にしたら結構重いのです。

何もつけないか、小さい籠を標準にするかすべきでは。

籠以外の用途は何かないでしょうか?無論、子供用の籠をつけているケースも多くあります。

実際には二人乗りは絶えません。
そのための小型サドルのほうが現実的でしょうが、それは無理でしょう。
まあ、後輪の軸カバーに立つのが今は一般的でしょうが。

13

「民主党政権の実際の貧困対策」が知られていません。
右側はバラマキと批判し、左側は何もしていない、相変わらず餓死者は出ていると批判します。
本当はどうなのでしょう?

バラマキというのは、具体的にいつどこでいくらばら撒いたのでしょう。

民主党はリベラル売国と言われますが、日本はより自由な国になったのでしょうか?どんな法案を成立させたのでしょうか?
同姓婚ができるようにはなっていないと思いますが?
左側が、リベラルという意味で民主党政権を、どのように評価しているでしょう?

民主党の政治を、鳩山氏と普天間問題とかではなく、きちんと検証するには、どんな資料があるでしょう?

そして、自民党が政権に復帰しても同様に検証したいです。

といっても、どこが政権をとってもねじれが常態化していてはなにもできないが当たり前、という可能性もあります。

というか、政権を降りた後の民主党は、悪いことは「官公庁の抵抗」と「自民党の妨害」のせいにできます。
もちろん、政権に復帰した自民党も、同じことができます。
まあ問題は、次の参院選がどうなるか…いや、衆参同時の任期満了?

12

人間の誤り方…

それは誤りではあるのですが、社会的には成功してしまうことも多いんですよね。

11

「人間に無理を求めるな」それが現実的、理性的な態度です。

しかし、それは誰もが反対します。
人すべてが欲望を捨て去り、完全となった理想郷を求めるのが、人間の本性です。

何と呪われた話でしょう。

10

渇水でダムの底が露出したら、それは低費用で浚渫する好機では?
今底の泥を大量に除いておけば、ダムの寿命は延びるでしょう。

まあ、台風シーズンですしリスクもありますが。

また、ダムの泥をダムの下に積んでおいて流れるに任せれば、ダムは「水が溜まっている間」はその下流の流量は少なくなりますが、満水になればダムがない状態と極端な変動がないだけで変わらないはずなので、下流に土砂を送り出すこともできるはずです。
ダムのせいで下流に土砂が行かない、それで砂浜がなくなるとかいろいろな障害が起きるそうですし。

よく考えてダムを作れば、環境破壊は最低限で済むでしょう。

9

大卒の六割しか正規雇用になれないとか。
大学進学率を半分とすれば、三割。
高卒以下の正規雇用を入れれば、どうなるのでしょう。
さて、四つの意見があります。

1学力が低いからだ。
2景気が悪いからだ。
3ミスマッチ。
4どうしようもない。

それぞれ、より深く「何を前提とした意見なのか」に着目して分析しましょう。

1、大学生の学力の低さ、大学で小学校レベルの補習が必要、などの記事には人気があります。
そしてこの意見は、「全員に高い学力をつけることができれば、全員が正社員になれる」という前提を無意識に含んでいます。
解決策としては、教育制度を改善し、できるだけ多くの人が高い学力をつけて大学を卒業するように、というものです。
ただし、反論するなら、もし全員が高い実力をつけたとしても、この世界にはその人数分の椅子はないのでは、です。

2は、確かに就職率が高かった高度成長期の実績を踏まえています。データから導かれる推論です。
ただ、「どうすれば景気は回復するか」で、根本的な違いがあります。
 A「軍事費・企業の内部留保・累進所得税」の左派。
 B「規制緩和」の新自由主義右派。
 C「公共事業」の抵抗勢力…具体的にどこにいるのかはともかく。
他にも景気回復のために、という意見は政府貨幣とかグリーン・ニューディールとか多数あります。

3、学生が大企業ではなく中小企業に目を向ければ。雇用を流動化すれば。学力の高さではなく「新しい時代・仕事に合う教育」にすれば。
どれも本質的に「れば」であり、社会の価値観や人間の心の変化すら要求しています。

4、ある時期から、三割から半分程度しか、正社員…昇給があり、家族を養い家を持てる収入を得られる仕事が、どうやってもないのだとしたら。椅子がないものはない。
ならば、少数のエリート以外に高等教育は無駄です。
そうなれば、身分制度の確立が答えになるでしょう。
誰もそんなことは言っていない、と言われるでしょう。ですが、「大学を増やしすぎたのが悪い」と、進学率を下げろという意見は多くあります。
それで、今Fラン大学を出てフリーターになっている人は、大学が少なければ工業高校を出て正社員になれるのでしょうか?
そうでないなら、大学を減らすのは、単に社会が無駄な費用を使わないだけ、Fラン程度の学生の生涯収入はむしろ低下するでしょう。

未来の実際の選択肢を、「技術」「福祉」「警察」で考えることができます。

1技術発達による高度成長はない。多数の低賃金単純労働者に対応した福祉制度もできない。警察制度の強化も遅い。
結果は、ポピュリズムによる現実に遅れる権威主義の暴走、社会の分断。
財政破綻を含む、社会の自然発生的な崩壊…社会が深く分断され、貧困層は何の希望もなく、道徳を原理主義宗教にしていく。
最も現実的な展開です。

2技術発達による高度成長はない。多数の低賃金単純労働者に対応した福祉制度もできない。警察制度の強化、権威主義の暴走を意図的にコントロールして対応する。
正確に時代の流れを読む人が権力中枢にいれば、それ以外にないでしょう。むしろ福祉制度は消し去り、貧困層を計画的に「人間」のカテゴリーから切り離して憎悪の対象にして抹殺するのが、理性的には最も現実的です。
富裕層が貧困層を人間でないと感じ、ゲーテッドコミュニティや島国に離脱するのもありえます。
ただし、これを制御するのが人間に可能かどうかはわかりません。圧倒的に強力な米軍など外国軍の支援を受けた軍事政権なら可能でしょう。

3技術発達による高度成長を諦める。多数の低賃金単純労働者に対応した福祉制度を作り、警察制度の強化はしない
これが、あって欲しい対案です。
僕が、左派に脱皮して欲しい方向です。
フリーターがフリーターのままで生きられる、というのが、技術発達を前提にしないなら現在の人権を守るため進むべき方向なのです。

4技術発達による高度成長。福祉制度・警察制度は現状と同様でよい
これも理想的ではあります。ただし、可能なら。
技術発達というのは、たとえばカーボンナノチューブ技術の進展による軌道エレベーターがあります。
他にも単に砂漠に太陽熱発電所を作り、熱帯の海にタライを浮かべて水田を作り、砂漠に海水を引いてアッケシソウを育て、海に肥料を撒くだけでも、全世界での高度成長は可能かもしれません。単に、やればできるのにやっていないだけなのかもしれません。

現実の政治言説では、この四つの方向性はどれも、誰も考えもしません。

右派は「規制緩和と小さな政府による経済成長、家族道徳復活」しか主張しません。
要するに、改革と道徳という、万能薬に頼っているだけです。
その変形といえるワークフェア、「職業訓練により自助」は、本当に可能だとは思えませんし、自民党も民主党もそれすら実行しようとしません、反対のための反対が強すぎて。

左派は「軍事費・内部留保・富裕層資産課税の資金で、全員が正社員」というような楽園です。
さらに「経済成長ではなく豊かな清貧」「古い集団・道徳を全否定、市民による新しい公共の自然発生」という二つの、人間性とはかなり隔たった前提…ぶっちゃけお花畑にいます。
左派は現実なんか関係ないのでしょう。
ひたすら人の道徳感情に訴える、決まりきった言説を繰り返していれば、閉じた集団の内部で評価され、地位と承認と収入は得られるのでしょう。
九条同様、「実現されることを前提としない主張」をしていれば、それでいいわけです。

3の「フリーターがフリーターのまま生きられる福祉制度」は左右どちらも嫌いなのです。
右は保育所や無償公的介護施設を嫌い、あくまで家族の美風にこだわります。現在の家族制度の歴史も考えず。
ベーシックインカムも嫌います、「働かざる者食うべからず」で。かといってガス室を作るほどの計画性もなく、単に面倒なことを思考しないだけです。
左はベーシックインカムを嫌い、あくまで「軍事費・内部留保」を主張し続けます。思考停止は同じです。

現実の言葉の世界には思考停止しかありません。
現実の選択は、消えてしまっています。

8

エネルギー問題や二酸化炭素温暖化防止のために、天然ガスタービンや、新設の石炭・石油火力でもコジェネでより効率を上げることは、原発に賛成でも反対でもやるべきだと思います。

なぜその話が出ないのでしょう。
単純に、人間の感情に訴えない話だからでしょうか?

また発電所のコジェネは、特に周辺地域への湯供給システムが加わると、「発電所は安全のため都市から遠く」という原則を根こそぎにします。
都市に、温水給湯網を張り巡らせ、そして最新システムのガスタービン火力発電所を立てるには、都市システムを縦割りを崩して大幅に変え、さらに膨大な予算を費やすことになるでしょう。
それには多くの、反対のための反対もあるでしょう。
そんな面倒なことをするぐらいなら、「再稼動反対」とに耳をふさいで、神に等しい大先輩である前任者のそのまた前任者が決めた計画を押し通しているほうが楽なのでしょう。

ただし、温水利用は都市だけとは限りません。
本質的に都市近郊に作れない原発の温水も含め、利用法はあるのです。

たとえば、温水だけで製氷はできます。
また、温水の温度でもうまく使えば、温室を温めるには充分です。
日本の農業が、温室を温める重油をどれほど使っているかは恐ろしいほどです。

他にも頭さえ使えば、とてもたくさんできることはあるでしょう。
原発の是非に使っている頭を、少しでもそちらに向けてみるべきです。

7

「天才を無駄にしない」だけを目的とした教育システムは?
もし、「全人類の天才を一人も無駄にしない」ために限られてはいるけれど潤沢な予算があれば?

世界の貧困国の、膨大な極貧の子どもたちから、天才を見出すにはどうすればいいのでしょう。
テスト?読み書きすら教わっていない子どもたちも無数にいるのです。

8歳?15歳?5歳?どこかで半年ぐらい、全寮制の極めて栄養状態がいい場で、治安問題がないよう実質孤立させて計算・幾何・絵画・音楽・運動の特訓…一定量の基礎練習や小テストをこなさなければ食事が出ない、とか…をし、伸びが上位10%の子だけを採用して、その後は全寮制の特殊な学校で選抜し……
基盤は公文式になるでしょう。普遍性が高いので。

といっても、僕は公文式が、天才の選抜に適しているかどうかは知りません。
天才の訓練にはとても向いていますが、天才の激しすぎる魂が、あの単調な基礎訓練を喜んでやれるかといえば…

6

僕の、思想的な部分が、一つの前提を軸に二つに分裂しています。
「正しい政策で、多くの不要層を高給を得られる知的労働者にし、地球人全体で新しいエネルギーと農法を用いて高度成長」が、可能かかどうか。

可能ならそちら側を進めたい、進歩的な近代主義者がいます。

反面、不可能なら近代の価値を全て放棄し、弱肉強食原理で弱いものを皆殺しにする社会システムを冷徹に計算している面があります。

環境に関しても同様です。
宇宙と海の文明を構想している部分と、冷徹に人類の大半を死なせるか、また文明崩壊が避けられない場合何を埋めるか計算している部分があります。

5

「自分がこう考えているのはなぜか」は、検討されるべきことです。

新自由主義の経済学者が、「科学的に自明だ」と再生可能エネルギーに反対するのはなぜでしょう。
「保守論壇の雰囲気」が判断をゆがめているのでは?
保守仲間が、反再生可能エネルギーの情報ばかり与えてくるのでは?
思想史として、環境思想自体が左派であり、だから右派として受け入れられないのでは?
人を保守にする、意識できない因子が、深いところで、再生可能エネルギーを拒否する方向に心を誘導すし判断をゆがめるのでは?

僕自身も。
さまざまなことが僕の判断をゆがめ、操っているはずです。

4

99%をイノベーターにするにはどうすればいいのでしょう?
新しい時代は、99%を低賃金マニュアル労働者にします。イノベーターではありません。
せっかく高等教育を受けているのに。
学校教育のほとんどは無意味になろうとしています。

クリエイターになろうと横文字教育をしたりしても成功者は千人に一人です。
起業も成功するのは千人に一人です。

まあ問題が、「イノベーター」というのは「椅子の数」なのか、それとも人間の質なのか、です。
一人一人は「イノベーターになる」のが正しくても、それが何千万になれば、イノベーターの椅子が一万しかなければ大半にとって間違った選択となってしまいます。
もしかしたら、正しいイノベーター教育なら、何千人でも椅子を自分で創造して豊かに暮らせるのかもしれません。わかりません。

99%をイノベーターにできないのなら、下層民の知能を引き下げ、反抗もしないし疑問も持たない、絶対服従するだけの家畜にすべきです。
それにはどうすればいいのでしょう。
そちらこそが必要になるでしょう。

99%が、イノベーターでも家畜でもなく、比較的単純なルーティンワークをしつつ中流の高収入生活をする、というのは高度成長期以外には不可能でしょう。
そう思えば、僕もいっそ、知能引き下げ措置を受けたいほどです。

単純に、「今後のために、若者の下から八割は、《マニュアル通りにアルバイトを正確にこなす以外の思考力・知性を持たず、生殖能力がなく、四十歳になったら死ぬ、コーンシロップで動くロボット》と入れ替えても日本経済は保たれる、いやそのほうが圧倒的によい」これは正しいのでしょうか?
彼らが消費しなければ、誰が消費するのでしょう。

しかし、生産にはそれ以上は必要ではありません。選べるのであれば、ロボットを使うほうが儲かり、ゆえに市場で勝つのです。
今はそのロボットはないですが、別の方法で可能なのです……海外進出。
日本人の大半は餓死させ、企業だけが生き延びることが、どの企業にとっても合理的です。

これからの時代は、どちらなのでしょう。

逆に、七十億地球人の半分でもイノベーターにして、そのアイデアをインターネットなどで「交配」させれば、どんどんとてつもないイノベーションが生じ、世界経済は爆発的に発展しだれもが豊かになる…
そうなっていないのはなぜでしょう。
本当に椅子がないのか、それとも規制緩和が足りないからなのか。
その「どちら」は、これからの人類にとって根底的に重要です。

3

武田邦彦氏の、

「今研究開発されている新エネルギーは全部使いものにならない。
しかし温暖化は嘘で石油は何千何万年分あるから心配無用。
千年後には、千年前と今の違い同様、想像を絶する新技術があるに決まってるから今は何も心配しなくていい」

という主張を検討してみます。

今後、科学技術が……コンピューター以外、特にエネルギーおよび移動に関して、たとえ千年石油使い放題で研究しまくっても、根本的に進歩する可能性はあるでしょうか。

現実には、石油火力発電・ディーゼルエンジン・ジェットエンジン・水素酸素ロケットの完成以来、それ以上のものはできていません。ラムジェットすら失敗続きです。タービンの耐熱温度や石油を掘るドリル・衛星探査は進歩しているでしょうが、原理は変わりません。
原理としてそれ以上のものは、物理法則のレベルで存在できないようにすら思えます。「あなたのためのサイエンス」が大気中化石燃料の絶大なエネルギー密度を強調するように。

少なくとも、今知られている、また研究されている新エネルギーは、「四十年も研究しているのに電力の1%もないし補助金がなければ市場で競争できない、それが根本的に使いものにならないことの、動かぬ証拠だ」が正しいのなら、単純に使いものになりません。
風力・太陽光。これらは世界全体で大量に造られています。情報源の立場によっては、いくつかの国では原発や火力以上の電力源になっているようにも見えます。日本では万年1%以下です。電力会社が研究費を出させないから、は陰謀論に聞こえます。
洋上・浮体洋上風力。なぜこれが、今も「実証研究」の段階に留まっているのでしょう。根本的に使いものにならないからでしょうか?
太陽熱・波力・潮流・海洋温度差・地熱。これらも四十年前に研究しつくされ、全部ダメだったから主流にならなかったんだ、昔の資料を調べてこい、のひと言で切り捨てられます。
バイオマス。これはもう、エネルギーペイバックすら怪しいようです。ブラジルサトウキビの熱帯雨林破壊とアメリカトウモロコシの化石地下水でもう弁護不能。海に肥料をまいても海岸砂漠で塩生植物を育てても、やはり資金の無駄のようです。
どれも、似たようなもののようです。

高温超伝導・高速増殖炉・核融合も、何十年も研究していて全然ものにならないので、使えないのでしょう。
ジョセフソン素子や量子コンピューターも。
ウィスカーも、カーボンナノチューブもそうでしょうか?だとしたら、軌道エレベーターは完全に絶望です。

ナノテクノロジーも十何年いろいろやって、一つ一つの画素がカーボンナノチューブから電子を放つ微小ブラウン管であるディスプレイの安売りすらありません。
IBMが原子で描かれてから何年経っているでしょう?でも、CPUがナノになる以外、特になにもありません。レプリケーターは売られてません。
自己増殖ナノマシンで水星を太陽電池に組み直すのは無理そうです。

バイオテクノロジーも、もう何十年も膨大な研究費がつぎこまれ、またドリーからも何年経っていますか?
確かにDNA鑑定技術は成熟してきましたが、癌もエイズもなくなっていませんし、恐竜どころかマンモスも復活していません。まあ反対は続いていますが遺伝子組換農作物はかなりの力があるようですが。
バイオ系も、もう自噴石油は尽きたようです。

ケブラー繊維での極超音速スカイフック。飛行機から発射されるロケット。
地上からレーザーでエネルギーを送られ、大気があるうちは大気を、その後は積んでいる推進剤を加熱するロケット。
どれも、今できてないと言うことは百年経っても千年万年でもできないものはできないのでしょう。

少なくとも、今ネットを回っても本屋を回っても、「今後、情報以外、特に宇宙やエネルギーの技術進歩はない」が支配的です。

さて、今研究されている、現実として考えられている技術は、全部使いものにならない。
でも千年後には絶対とんでもない技術ができているから、今は何も考える必要はない……そうでしょうか?

千年後も億年後も、(今もニュートン力学・マックスウェル方程式が通用しているように)相対性理論・素粒子標準理論……量子電磁力学・電弱統一理論・量子色力学は問題なく通用するでしょう。
別の大理論の一部になることはあっても、それらの今に至る、あらゆる実験との超高精度な一致は凄まじすぎます。
今物理学で分かっていないのは、現象としてはダークマター・ダークエネルギー、理論上予言されて発見されていないのは超対称性、あと理論も実験もどうしようもないのは特異点や超ひも。それぐらいです。兆電子ボルトの、ヒッグス粒子発見で素粒子標準理論は問題なく完成しました。
そして、原子までのサイズでは、ナノテクノロジーも含めてあらゆる技術が不毛なのです。

電弱統一理論のスケールに技術が進めば、一気に豊饒な超エネルギーが出てくるでしょうか?
百兆電子ボルトの加速器とリーマン予想を証明したついでの超数学がダークマターの正体を暴き、それから相対性理論や量子力学が出てきた二十世紀初頭のように現代物理学が吹っ飛んで、そして空間からエネルギーを出して超光速で移動できる波動エンジンが実用化されるでしょうか、四百年後に?

なぜそうなるとわかるのでしょう。
それに人類の存続自体を賭けるのは、僕は怖いです。未来を考えない人ならともかく。

今、物理学は完成に至った……ダークマターを除いて。それは十九世紀末に、もう物理学でやることは何もない、といわれた状態から、「わずかな間隙」だった水星軌道・黒体放射・エーテルの観測を突き詰めたら相対性理論・量子力学が飛び出したように、今の我々は何も分かっていないのでしょうか?
次の物理革命の前夜なのでしょうか。
それとも、ここから先は半永久的な「砂漠」なのでしょうか……理論物理学の次の理論を検証しようとすると、太陽系規模の加速器ですら足りないとされるような。

たったひとつ言い切れること。未来は予測できません。絶対は何もない、熱力学第二法則を除いて。
少なくとも、「今研究されているのは全部没。でも千年後には絶対とんでもないのがある」は、僕にはダブルスタンダードによる思考停止・思考節約にしか思えません。

全部没なら種をばらまけ、有望な技術があっても、それを研究しながら念のため種をばらまけ、が結論です。
種をばらまくことは、技術的な前提がなんであろうと可能ですべきことです。

:r戦略生物が、膨大な子をばらまくことの類推。
植物ならタンポポの種、蜘蛛は糸で風に乗り、マンボウは何億という卵を産み、乾燥などひどい環境に耐える卵を産む昆虫も多くいる。
そのように、ボイジャーのような無人の、「水を見つけたら生命を探し、生命がなく水がある、生命発生前夜の地球と同じ星を見つけたらまず微生物を投じる。内部に電子情報や受精卵などを積めるだけ積み、異星人や、上記の微生物の子孫に拾ってもらうことも期待する」

2

その前提を検討するうえで、鍵になりうる考え。
「我々は、鐙(あぶみ)を見落としていないか?」

人類が馬に乗るようになったのは四千年前、鐙(あぶみ)の発明は四世紀前後だそうです。
四千年の間、人類は馬に乗りながら鐙(あぶみ)を思いつかなかったのです。
そして鐙(あぶみ)は、誤差一ミクロンのものさしや、三千度の耐火煉瓦は必要としません。アイデアさえあれば、皮ひもで可能なのです。

ここで、こんな思考実験をしてみてください。それによって、技術全体を分類できます。
「タイムマシンでアレクサンダー大王に教えたら、役に立つ技術か」
鐙(あぶみ)は前者で、蒸気機関車は後者です。
後者の例としては、「レオナルド・ダ・ヴィンチのヘリコプター」も挙げられます。当時の技術や素材では不可能でした。
蒸気機関車を作るには、丈夫な=純度が高く、品質のばらつきの少ない鉄を、大量に作り精密に加工する技術が必要です。
鉄を削れる旋盤には、その前提としての技術が多くあります。数学的にネジに直結する螺旋を理解していること。蒸気機関本体以上に質のいい刃物材。ミリより誤差の小さいものさし。
レールを作るための大量製鉄に必要な、高温に耐えて石炭の硫黄で壊れない特殊な耐火煉瓦、炉の構造。
どれも、アレクサンダー大王でも皇帝ネロでも、夢のまた夢です。

ですが、鐙(あぶみ)ならアイデア一つで簡単に実現でき、騎馬隊の戦力を何十倍にも高めます。
空中窒素固定能力のある植物を使った緑肥も前者の技術でしょう。単純に「痩せた土に茂る草木を輪作に加える」だけです。

そして今の我々に、千年後の人類から見て、
「ワープエンジンはそりゃ無理だ、六次元フォティーノの超球配置技術がないんだから。
でも**を**すれば、**式宇宙都市や***炉ぐらい、当時太陽電池に投資してた予算の5%あれば実現でき、それがあれば二十年で九十億の人口全員、肉とクーラーと木綿と情報は使い放題の生活が簡単にできたはずだ」
といえる、鐙(あぶみ)同様の見落としは、何一つ絶対にないのでしょうか。

市場原理主義者は言うでしょう…「あるならばもう市場によって量産されている。また、国が技術を進歩させようとしても失敗するだけだ。ひたすら市場に任せろ」と。
本当に、鐙(あぶみ)は存在しないのでしょうか。または市場化で見出せるのでしょうか。

市場化がそれほど万能なら、これほど市場化が進んだ世界で、なぜこれほど多くの極貧があるのでしょう。
二酸化炭素が排出され続けているのでしょう。
宇宙旅行すら、どんな金持ちもできないのでしょう。
それは、やはり鐙(あぶみ)は存在しないからでしょうか?

いや、こう思いたいです…人類は、四千年も鐙(あぶみ)を思いつかないほどバカだ。遺伝子的に違いがない今の人類も、絶対同様の見落としをしている、と。

1

日本で、先進国で現実的な未来像は暗澹としています。

それこそ「閉塞感」がキーワードになって何年でしょう。
日本はずっと閉塞感に支配されています。
閉塞感という言葉の象徴として、ホリエモン事件もあります。
頭のいい若者が活躍し、時代を切り開くことはできない。勝つのは旧体制だ、体制に順応せよ、と。

政治の変化に期待していましたが、それはこれ以上なく深刻な失望になりました。細川内閣は瓦解し、民主党政権は悲惨に終わったと。アメリカのオバマも同様のようです。
日本もアメリカも、再度の政権交代が迫っています。どちらも保守に。政権交代しても何も変わらなかった、悪くなるばかりだったと絶望をこめて。
絶望が保守につながったら財政削減と治安道徳の強化、貧困層を犯罪者として社会から排除する道しかありません。
それは「選択肢のない」、避けられない道に見えます。
構造改革が訴えられて、もう三十年にはなるでしょう。一つの改革も進んでいない、ずっと抵抗勢力が勝ち続けているだけでしょうか?

未来を冷徹に見通せば、格差拡大・大量失業は避けられません。
ごく一部のエリート以外給料は下がり、格差が広がるでしょう。
公務員の給料引き下げ圧力はどんどん高くなり、さらに正社員を非正規社員に合わせて給料を下げるか、またもっと正社員を非正規社員にしなければ生産性が下がりますから。
社会保障費も削減し、消費税は際限なく上がるようです。
それでも国家破綻がありえるのです。

格差の拡大は身分制度になるでしょう。
非正規社員の子は非正規社員であり、存在自体が卑しく努力不足で不道徳とされ、憎まれ蔑まれるでしょう。
ベーシックインカムは財政的にも、もっと重要ですが道徳的にも不可能なのですから、結局死んでもらうしかないのです。
なら人間ではないとしておいて、自殺させるのが最善です。
非正規社員を正社員にすることは不可能です。少なくとも内部留保・軍事費・富裕層増税では。でも左派はそれ以外は考えません。
また非正規社員に子育てができる環境を作るのは、日本では家族の美風が崩れますから絶対に認めないでしょう。
左右両方が現実から徹底して目をそむけ、結果的には非正規社員は人間ではない悪人だ、だから子を作らせず殺せ、それを言葉にせず選択する以外、選択肢はないのでしょう。

そして、監視社会化は強まり、そして一般道徳での相互監視も厳しくなるでしょう。
警察が国民全員に、一昔前の最も厳しい管理教育や刑務所の規律と同じ道徳を強制し、逆らう者を容赦なく潰す力を与えられるのも、遠いことではないでしょう。

この暗澹とした未来像には、根本的な前提がいくつかあります。
多くは疑えませんが、疑えるものもあるのです。

「知識と創造性による、高い収入を得られる仕事は今後も非常に少ない。人口の圧倒多数は創造者ではなくマニュアル単純労働者となる」
「科学技術は(コンピュータ以外)停滞する。(技術開発による)高度成長は今後絶対無い」
これらは疑える前提です。
特に重要な、「知識と創造性による高い収入を得られる仕事は今後もとても少ない」を、「ザ・前提」と呼びましょう。

他の、「人口減少」「財政」「グローバル化でマニュアル化できる仕事は世界の誰でもできるようになり、賃金が下がる」「人間が道徳と警察を支持する」「リスク増大に伴い監視社会が好まれる」「格差が拡大すると固定に向かう」などの前提は、事実上疑いようがありません。

そう、この暗澹とした未来像は、時代によって多数の人が何をするか、産業構造(エネルギー革命も隠されています)の変化歴史と、その延長としての未来予想を背景にしています。
だから説得力が高いのです。
貧農(薪炭:家畜)が都市に出て炭鉱(石炭:蒸気機関)で働き、炭鉱から読み書きを習って土木公共事業や旋盤工(石油・原子力:電力)となり、それにつれて豊かになっていった…
しかし建設業や自動車工場から、コンビニは給料が下がるし、職業訓練学校でコンピューターの勉強をしてもIT土方で低賃金長時間労働。(石油・原子力の次のエネルギーは存在しない。風力・太陽電池:電気自動車は使い物にならず、核融合や宇宙太陽光発電は不可能

今までのところは、上記は事実としか言いようがありません。
チェーン店によって商店街自由業が潰されていることは事実です。
そのチェーン店は、非正規社員を多く用い、きわめて労働条件が厳しく低賃金なのも事実です。
旋盤工がロボット化で少なくてすむようになり、また中国との競争でますます厳しくなっていることも事実です。
そして介護や医療は低賃金重労働なのも事実で、その給料を上げようとしても税金しかないので不可能なのも事実です。
新時代の産業であるはずのコンピューターを学んだ、圧倒多数がIT土方といわれる低賃金長時間の、しかもマニュアル労働になってしまっているのも事実です。
声優やアニメーター、ゲームデザイナーなど、新しく生じた「創造」に関する仕事は食える人間が極端に少ないことも事実です。

問題は、「知識の時代に、本当に知識が必要なのはごく少数」であることです。
現実は、その「ザ・前提」の証拠のように思えます。
農林業から鉱工業と都市自営型のサービス業で豊かになった人々は、新しいサービス業でより豊かになることができず、没落する…それが現実に起きているのです。
日本はまだましで、ヨーロッパでは若者の半分が「不要」の烙印を経済そのものに押されています。
それは絶対の必然なのでしょうか?

それが、「ザ・前提」が絶対の必然なら、ごく一部以外の人間は際限なく給料を下げるしかありません。
仕事がなくなれば、財政が破綻すれば飢え死にさせるしかありません。
近代の人道は生存権があるから生きさせろと主張しますが、財政が破綻するし、「働かざる物食うべからず」という道徳が強すぎます。
創造的な仕事はずっとごく少なく、計算が必要な仕事も減るのであれば、教育はわずかな天才か、貴族以外必要ありません。身分制度は公の損になりません。
むしろ大多数は、今ある脳味噌も破壊して、犬や馬程度の知能にして、極端に貧しい生活に順応して忠実に働き、さっさと死ぬのが正しい、となります。
そして貧しくても社会が保たれるよう、警察と監視を強め排除を厳しくし、道徳圧力を強めるほかないでしょう。

ですが、本当に「創造的で高い収益を得られる仕事は徹底してごく少ない」は、絶対の事実なのでしょうか。
特にヨーロッパでは、膨大な若者が失業しているそうです。
なぜ、その人たちに数学を学ばせ、核融合の研究をさせることができないのでしょう。
今の職業訓練では、失業した旋盤工や商店街喫茶店の店員を、せいぜいIT土方にしかできない…
別の職業訓練なら、新しい時代で高給を得られる仕事を、それも何千万という人数を吸収する仕事を作れるのでしょうか?
グリーン・ニューディールがその希望に近かったのですが、それもうまくいかなかったようです。

それは、単に「ザ・前提」が絶対に正しいからの、当たり前のことでしょうか。
それとも、多数を創造者にし、その知識を交換して爆発的に科学技術が発展し、それで社会全体が爆発的に豊かになる方法が、正しい教育と職業訓練が、あるのでしょうか。

ちなみに、もう一つの「技術発達・高度成長はない」という前提が間違っていても、暗澹とした未来は避けられます。
高度成長なら、マニュアル労働者も給料が上がっていくことはできるのですから。
世界経済の大幅な拡大のための研究開発・大規模工事の投資…軌道エレベーターやメガフロート、砂漠地帯沿岸の海水灌漑、大規模太陽熱発電などは、どれも絶対に無駄にしかならない、というのが「前提」です。その前提が違えば話は違います。

簡単に、短くまとめましょう。
「Fラン大学は潰せ」という意見があります。
それは、「今後、知識を必要とする仕事は少ないまま」という前提の意見です。
その前提が正しいなら、先進国は今後、大半が貧困な超格差社会しかなく、生存権が不可能になり権威主義が暴走した身分社会となるでしょう。
その前提は、正しいのでしょうか?