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29

スクラップ&ビルドとよくいわれます。
そのためには多数の企業が、大小問わず……圧倒多数は中小・自営が廃業しなければなりません。

ですが、根本的に、廃業できるような企業は仕事ができません。
簡単に廃業・破産したりしない、という信用がなければ仕事は頼めないのです。
借金・経営者個人保証・連帯保証で、一家心中しなければ廃業できないようにがんじがらめにして、やっと仕事ができるだけの「信用」となるのです。

しかしそれは、高度成長期の話。
そのシステムを変えぬままスクラップ&ビルド……阿鼻叫喚地獄絵図です。
この二十年、膨大な自殺者やそれ以外のもっと悲惨な死に方をした多数の人……まさしく地獄絵図。

だから必要なのは、「自殺せず廃業できること」具体的には経営者個人保証・連帯保証の厳禁、廃業時の周囲に掛ける迷惑を公が軽減することです。

それを言う人は誰もいません。
護送船団方式を守れという古い自民が実質声を失い、今はスクラップ&ビルドを訴える改革、累進課税と内部留保以外興味のない左派しか声すらなく、国会の議席は事実上すべて改革が占めているのです。
改革を実行する力がないだけで。

少子化についても、婚外子・シングルマザー容認は一切出ません。
ひたすら、高度成長期の話にすぎない「マイホーム、大黒柱と専業主婦」モデルを道徳として叫び続けるだけです。

「高度成長期を前提とした道徳」を改革しようという声はありません。
ひたすら、制度を改革し、道徳を強めようと言うばかりなのです。

28

民主党政権を批判するのに、「大臣の職務である死刑執行をしない」があります。
しかし、ここには矛盾があります。
「民主党政権を批判する」と「死刑を執行せよ」は矛盾しているのです。
民主党政権が信頼できず、その閣僚が信頼できないのなら、信頼できない人が死刑執行を命じるのは危険なはずです。
そう考えることが、ひとかけらもないのです。

もちろん、今執行されるべき死刑囚は自民党政権下で死刑判決を受けた人です。
そして警察・検察・裁判所は政権とは独立した存在であり、絶対的に信頼できる、というのなら…官僚機構が政権とは独立していて信頼できるなら、政権が何だろうが関係ないとも言えます。
原発も、そして「震災時の危機管理機構」も自民党政権が構築したものです。
民主党は、それに充分な改変をしていなかっただけです。

もっと恐ろしいこと。
民主党政権は正統な政権でしょうか。そして自民党政権は。
今の死刑反対は、「正統な政権ではない、自民党政権による死刑」に対する反対なのでは。

万一次に、「いっそのこと」と共産党政権ができた場合、自衛隊や警察は共産党政権の命令に服従できるでしょうか。
そして共産党政権による死刑判決を、後に奪回した自民党政権は執行できるでしょうか。
単純な、現行犯の複数通り魔殺人であってさえも。

そして死刑廃止を、大臣が判を押さないことで進めるのはアンフェアだ…
大臣の寿命がこれほど短いのに、必要な精査ができるでしょうか。

また、諸外国でも民意は死刑存続を望むので、アンフェアな方法で廃止やモラトリアムを進めることが多いのも事実です。

27

今、ロシアは日本に何人のスパイを送り込み、何を意図しているでしょう。
フィリピンは。韓国は。台湾は。オーストラリアは。

世界は日本と、中国と北朝鮮とアメリカだけでできているのではありません。

26

アカ呼ばわりされることなく、「誰も餓死すべきではない」と言うことはできないのでしょうか。
すべてがコミンテルンの陰謀である連中と、すべてを九条に結びつける連中……
そうでない世界はどこかにないものでしょうか。

いや、アメリカの論壇やヨーロッパの論壇は……どうなってるんでしょうね。
それどころか韓国の論壇も。

公安警察の立場から見ると、これまた複雑になります。彼らはすべてを極左過激派と扱います。
そして実際に、どんな細かな社会運動にも、極左は侵入しオルグし乗っ取ろうとします。
そのことが実際に、どんな些細な社会の改善も、極めて困難にするのです。
一人でも破壊分子がいれば、公安警察が警戒するのは彼らの職務上当然です。
ですがそれは必然的に人権侵害であり、その取り締まりは左翼マスコミに批判されます。
そして左翼マスコミが批判すればするほど、一般市民の心は離れるのです。

古い形の左翼がどの社会運動も放置しない、存在を突きとめ侵入しオルグする技術だけを磨き抜いてしまった……そのことが、社会運動を実質不可能にしているのです。
それは公安警察のスポンサーである国家そのものにとって、巨大な損失となります。
世をよくしようという願望自体、特に若者が持つな、というのは生物学の次元で不可能です。
若者を皆殺しにするほかないのですが、そうしたら公安警察の警官自体が補充されません。
その世をよくしようという願望が、古い左翼に汚染されずに世を動かす可能性は絶対になく、公安警察としてはすべて叩きつぶす以外にありません。
今や、「市民」という価値すら、少なくともネット世論では敵とみなされています。

結局のところ、誰もが貧乏になり、刑務所が満杯になれば、国はいいことをしているわけです……左翼を潰しているというわけで。

25

「電車内に持ち込める、自転車同様の機動力を持つ人力移動手段」

…これはどうでしょう。要するに、大きな輪。
二重になっていて、内側と外側の輪は別々に回転できる。
その輪の中に体を入れ、下を踏んで体を固定し、もう一方の足で蹴れば…

ま、ケリンチョやスケートボードの方が安全でしょう。

それ以前に、気軽に着脱できるローラースケート…そして動力つきローラースケート…

24

教育にしろエネルギーにせよ国防にせよ、このようなことがとても多いのです。

ビーカー。
Aはこういいます。このビーカーはアルカリ性だ。酸を入れて中和し、さらに酸性にしろ。酸性になるのがよいのだ。
Bはこういいます。このビーカーは酸性だ。アルカリを入れて中和し、さらにアルカリ性にしろ。アルカリ性であるのがよい。

さて、どちらが正しいのでしょう。
まず分けなければ。
今ビーカーは酸性なのかアルカリ性なのか。
そして、酸性であるのとアルカリ性であるのと、どちらがよいのか。

まずビーカーにリトマス試験紙を突っ込むべきだ、と思わないのでしょうか。
収拾がつかないのはわかるでしょう。

いや、このたとえすら適当ではありません。
Aは、「Bはビーカーをフロギストン性にしろと主張しているぞ、そうしてビーカーを破滅させるつもりだ」と主張しているようなものです。
Bも同様に。
どちらも、実際の相手とはかけ離れた、自分で藁人形を作ってそれをサンドバッグにしています。

いやそれ以前に、ビーカーと違ってアルカリ性か酸性か、リトマス試験紙で判定できると考えるのが間違いなのかも。
そう、均一なビーカーではなく巨大な工業用炉なら、一部はアルカリ性、一部は酸性かもしれません。
アルカリ性を好む微生物もあり、酸性でなければならない化合物もあるかもしれません。
だとすると、リトマス試験紙を入れることさえ、目的を問うことさえ……両者が議論しどちらが正しいか争うこと自体、まったくの無意味です。

いや、その無意味な争い自体が必要な、社会の構成要素なのでは?
バッテリーを確かめろという男と、それに怒る女……女の側と同じように、ひたすら言葉を交換し、小さなタコツボを維持する以外に、望みなどないのでは?

そこまで考えてしまうと、何をどうしていいかわかりません。

23

ファンタジーをリアルに考えたら、ハンセン病が存在しないことについて前に指摘しました。
ほかにもないものがあります…刺青・ピアス・フェイスペインティングと、巨大な男女性器を造形し、乱交もある祝祭です。

明治以降の日本・文化大革命以降の中国・近代欧米という、異常なほど「普通のこと」を叩き潰した文明以外、我々は人間を見ることができないのです。

あと身体・精神障害者が多くいることも見えません。
今の日本の、ほとんどそれらが人目につかない、また学校の教室にいない状態というのは徹底的にむちゃくちゃなのだ、と知るすべきです。

歯ブラシもまともな歯医者もいないので王侯貴族も歯がボロボロだということも。

22

人類の目的が、「人権と持続可能」ではなく「強者の快楽」と仮定したら。
こちらの、悪魔の思想が勝つ可能性が圧倒的に高いのです。

ごくわずかな、世界の最富裕層が贅沢をする、それだけが人類の目的。
その目的のために必要でない世界の貧困層には、全員死んでもらう。
今の富裕層にはそれが可能でしょう。
もうすぐ、多くの労働がロボットで可能になるでしょうから。
そして、人間はそれほど自由人権が好きではありません。奴隷制度のほうが、奴隷主にとっても奴隷にとっても、圧倒的に心地よいのです。

今の段階でも、「富裕層の贅沢な生活」のために、人類の八割以上は不要です。
日本人?99%まで死んでも、世界の富裕層の贅沢は困らないでしょうね。
まあ、彼らがアンダーグラウンドで入手するロリエロ同人誌やアダルトビデオを諦められるのなら、ですがそれらを維持するためにも、実際には日本人の1%も必要ないでしょう。

皮肉ですが、地球環境のためにもそれが最適解です。
全員を生かしてソフトランディングするのは不可能である可能性が高いですが、今すぐ世界人口の99%を殺せばほぼ確実に環境問題は解決します。間違いなく。
0.01%の貴族が贅沢三昧をし、0.99%の奴隷が貴族の贅沢を支え、残り99%には死。それが、「強者の快楽」のためにも「持続可能性」のためにも最適解です。

それが選ばれない合理的な理由を、僕は考えられません。
僕は個人的にそれが嫌だ、全員最低限の人権を守って生かしてくれ、と思っているだけです。
不合理に。

21

職業訓練や高等教育だけでなく、親族扶養や生活保護すら、本質的に「高度成長期の景気循環」のためです。
連帯保証・経営者個人保証も。年金も。失業保険も。勤労道徳も。税金も。
それら古い制度が、新しい時代には多くの、それでいて社会全体から見れば少数者を、死に至るまで追いつめるのです。

高等教育から定職、長期住宅ローンも、戦後社会の根幹ですが、今後は減るでしょう。

その現実を受けてか、今、日本では構造改革の結果、教育の自由化・民営化が言われています。
さらに多くの、全入の「アホ大学」「名ばかり大学」は無駄だ、廃止せよ、と。
高学歴ワーキングプアも、考えなしに大学院を増やしたことが問題だとされています。
アメリカでも、下層に対する公初等教育の質の低さが言われています。

ですが、その教育に対する反対で思い出します。
文化大革命、ポル・ポト、タリバン……最悪は、教育を禁じることなのです。

でも、現実に、中程度…学部程度の教育を受けただけの人はたくさん必要ではなく、とてつもなく高い教育を受けた人が少数必要なだけの経済になるのは間違いないでしょう。
その現実を受けて経済的な新自由主義・新保守主義が、堂々と進学率の抑制、下層階級に対する教育禁止、義務教育の廃止を叫ぶ日は来るでしょう。
おそらくはマクドナルドの完全無人化が達成されるのと同時期に。
ティーパーティの主張にもそれはあるのでしょうか。

事実として、これからの時代では、下半分を教育するのは無駄なのです。下半分は、生きていること自体が無駄なのです。
一部のエリート以外学ぶ必要は実際にないのです。
先進国でも途上国でも、若者の潜在失業率は半分を超えています。それは構造的で、景気循環などで職を得られる希望はありません。
軍隊も彼らを必要としていません。少数しか。イラクやアフガンは千人単位で、両大戦の百万単位、ベトナムの万単位より大幅に少なくていいのです。
学べない人、学んでもまともな仕事につけない、統計的過半数は、世界の最低賃金層と同じ水準の超低水準賃金の不安定労働しかありません。

そのような人たちは、家を買うどころか借りることも不可能になるでしょう。
今は親の年金と持ち家がそれを支えていますが、社会保障削減によりそれも奪われるでしょう。
大半がホームレスになるというわけです。

教育・職業訓練の大半が無意味になる……絶対的に、圧倒的に仕事が不足する。ずっと。
そんな時代は想像もできないでしょうし、そんな時代に適応した制度も想像できません。

教育が希望でなくなれば、その後の世界はどう構築すれば……宗教原理主義以外にないでしょうか、やはり。

それが避けられないのならば、それでも社会を崩壊させないためにどうするか考えるべきです。
個人的には、極悪非道ではありますが、道徳を暴走させて魔女裁判が横行し、警察権力がそれを支援する形が、最も少ない社会的費用で安定する可能性が高いと分析しておきます。

20

今ある家は、住まいは合理的でしょうか?
玄関・台所・風呂・トイレ。まずリビング。できるだけ一人につき一つの、小さい収納がついた部屋。
あるところもないところもありますが、庭・物置・車庫。リビングにダイニング。床の間つき和室。
一人一人の部屋が広ければ広いほどいい。部屋数が多いほどいい。
それが合理的でしょうか?

一人の部屋が広いと、冷暖房効率は下がります。
普段生活する場は、ひっくるめて狭く集中し、そこを高級断熱材でがっちり固めたほうがいいのでは?
それどころか、可動式のコタツを引きずるぐらいなら…寒いときだけですが。

また、室内でも庭でも運動場、書庫、音のための部屋があればいいと思っている人はかなり多いのでは?
そしてどれも、それには向いていない汎用設計の普通部屋を無理に使っているのでは?
運動には耐衝撃、書庫は耐加重、ホームシアター・音楽演奏には重低音を含む防音や音響が必要です。
リビングダイニングのテレビというのは、ホームシアター設計から言えば狂気の沙汰では?
リビングに置く大画面テレビのスピーカーの性能を上げ、高価なコンポを入れるのはばかばかしいのでは?
同様に腹筋運動器具すらも、特に集合住宅では近所迷惑が避けられないのでは?

必要だけ考えましょう。
人は…眠って起きます。服を選び着替えます。トイレ・シャワー・洗面・化粧・食事をすませて出かけます。
帰って時間があれば、家族でか個室でテレビを見たりするのが中心です。
だから個室は寝室・衣類収納・更衣室・勉強机・書庫を兼ね備え、さらにテレビを入れるとホームシアター・音楽鑑賞すら兼ねてしまい、それで際限なく大きくなり、要求が増えるか近所の苦情が増えるかです。
時には運動や音楽演奏さえ…本来専門設計が必要な。
それが賢明でしょうか?

寝る、机でパソコン・テレビ・音楽鑑賞・読書、衣類収納・更衣室の三つを、別々に各人に与えることは?
小さめの、ベッド・安楽椅子と普通の学習椅子の両方が使える机・少量の衣類・本の収納のみの部屋が各人に。それと、生活に必要な台所・食堂・風呂・トイレをまとめたスペースを徹底断熱。
衣類収納は大型のウォークインクローゼット。
ちゃんとした映像音楽鑑賞はその気になればエレキベースギターを鳴らせる防音ホームシアター。
運動ができる部屋や頑丈な書庫も。
客人をもてなすスペースとして、従来の床の間つき和室と洋風リビングを選択できてもいいでしょう。

あと、今後発電所や各戸の燃料電池からの温水・蒸気供給が一般化したら、その配管と暖房の統合も必要になるでしょう。

19

サブプライムは、家を持つ資格がない人に家を売ったから。
日本の年金は、高すぎるから破綻する。
どちらも、屋根の下で普通に暮らす資格はない人間たちがたくさんいる、ということです。
ではどちらも、屋根から追い出せば、世界経済は幸せに着地するのでしょうか。

金持ちたちよ。何倍も金が欲しいなら、一人も貧しい人がいないようにしろ。経済的にはそれが事実…でした。
過去形かもしれません。新しい経済では、貧しいたくさんの人を豊かにすれば豊かな人もより豊かになる、が働かないのかもしれません。
単に、自分たちの財産が減ったとしても、他のみんなが極度に貧しい方が心地いいのでしょうか。

もっと根本的な問い……
未来がどうなると思っているか。
そのためにどうすべきだと思っているか。
多数の熟練工の時代から、世界最貧層の単純労働者がコンピュータの支援を受けてそれ以上に生産できる時代。高い教育を受けた人も生産力も圧倒的に余る時代。情報は進歩するけれど車は空を飛ばず宇宙旅行は実現しない時代。
財政再建。福祉削減。増税、公務員削減、生活保護制度廃止。
その結果はどこに行くと予測しているでしょう。

さらに問い。
あなたはどんな未来を望んでいるのですか?
どんな未来を予測しているのですか?
あなたの思い通りになればどんな未来になるのですか?
あなたが無力ならどんな未来になると予測しているのですか?
それぞれの未来では、何割が餓死または自殺していますか?言論・内心の自由は?階級制度は?科学技術や文化は?

あなたにとって、何が重要な善ですか?
僕が望んでいる善は、誰も餓死せず、倒産自殺もなく、屋根の下で清潔に暮らしていること。
今は刑務所でしか受け手がいない精神障害者も、老人も幼児も正しく扱われていること。
言論・内心の自由が、愚行権に至るまで市民的自由が認められ、文化が尊重されていること…エロマンガがあること。
科学が尊重され、科学技術の進歩が支えられていること。
冤罪・拷問が根絶できないにせよ人類に可能な限り少ないこと。
森や海が破壊されないこと。
将来も、多数を養えるだけの人口を支えつつ環境を保つため、人類がいなければ豊かな森林であった地域は自然に帰し、砂漠や外洋を農地として用いるための多様な試みがされること。
最悪の場合を見越して、地球型生命や人類文化の情報・サンプルを宇宙に送り続け、宇宙開発の努力がされていること。
それぐらいです。主義の名前が何だろうとどうでもいいのです。

僕は無力だと知っており、未来は文明崩壊の地獄絵図か、または膨大な人間が自殺させられたり餓死したり、人は生来奴隷か貴族か決まっていて、言論や内心の自由もなくなる……そう見ています。

そして僕は、意見を持つ日本人は、このどちらかだと思っています。

A。重要な善は反共と愛国と市場。
思い通りになれば、……財政再建・愛国心・規制緩和。重税低福祉は避けられない。中国・韓国・北朝鮮・ロシアと戦うために愛国心を持って団結し、精神的に軟弱な戦後民主主義者は憲法もろとも根絶され、子は体罰と規律で生来の身分をわきまえ健やかに育ち、愛国心と自助の心を固く持った、優れた人たちは徹底した規制緩和によって永遠の繁栄を享受する……環境などという嘘は暴かれ、化石燃料と原子力の力で。正しい心がない邪悪な寄生虫は、規制緩和と財政再建で既得権を失いことごとく消え失せる。
そうならなければ、共産主義と財政破綻に搾り取られ、環境という大嘘でエネルギーも失って誰もが極貧となり、中国や韓国に占領されて奴隷とされ皆殺しになる。

B。重要な善は憲法九条と平等。
思い通りになれば、戦前から継続した軍国主義・男性中心主義・科学主義・内なる天皇制の撲滅によって、人間は誰もが支配欲も性欲も物欲も虐殺欲もない新しい人となる、だから政府も軍隊も、自動車もエアコンも絵や文章を含めポルノも買春もいじめもなくなる。法律も貧富の差もなく、持続可能な産業で足るを知って心豊かに暮らす。人間に無政府が、コミューンが不可能なのは古い教育と制度の残渣のためであり、それを根絶した新しい人になれば非戦・無政府・無所有・無科学技術の小国寡民で幸せに生きられる。
ならなければ、軍国主義とファシズム。いつか来た道、軍靴の足音。

といっても、それすら僕の偏見かもしれません。
誰が何を考えているのか、僕はまるっきりわかっていないのかも。
だとしたら、何をすればいいのでしょう。どこから学び始めればいいのかわかりません。
読んで考えることが無駄だとしたら…話すことは最初から無理である以上、何もできません。

18

カーボンナノチューブがアスベストのように危険だ、と研究したら解雇されたと、信州大教授が文句を言っていた…という雑誌記事に震え上がりました。

人権問題ではなく。
単純なこと。予防原則を考えてしまえば、軌道エレベーターなど概念自体許容できません。

カーボンナノチューブではなく、長い単結晶であるウィスカーも、そのかけらはアスベストのように働くでしょう。

では蜘蛛の一種で、その特殊なタンパク質のつながりが、地球での軌道エレベーターが必要な強度をもち、しかも生分解性があるためアスベスト型のガンにもならないのなら?
それでも、予防原則は何らかの問題を見出すでしょう。

考えてみれば以前も、人類が宇宙に出る術の一つが完全に潰されています…原子力ロケットという。

人類はやはり宇宙に出ることが許されないのか、と強烈な圧迫感を感じ、叫びたくなります。
大抵の人には、人類は宇宙進出できないなど常識でしょう。
環境主義者は「プランB」、分散型・レンタル型・循環型の持続可能文明を築けばいいのです。それが実現したその千年後など考える必要はありません。
保守側は、宇宙に出るなど夢物語に耳を貸す必要はありません…石油は無限にあり温暖化など嘘、森林すら増えているのです。環境屋がわめく危機は全て嘘なのです。先のことなどより今の道徳と経済、もっと視野を狭くし余計なことを考えるな…それだけです。

ですが僕は、どちらの側でもないのです。
百三十いくつの、元素。そのなかのかなりの原子番号を、人類の現代文明は必要としています。
全てがいくらでもあるなんてことはありえません。
100%のリサイクルもありえません。
事実上いくらでもある元素だけに頼れば、地球の許容人口は、一億にも達しないでしょう…大虐殺を必要とします。
その点は原発が無害でも、石油・石炭・天然ガスが無限で温暖化がなくても、変わりません。
宇宙に出られなければ、千年後万年後には人類文明は破局するほかないのです。

やはり、必要なのは破局を前提に、人類・地球生命の情報をできるかぎり宇宙に打ち上げ、電波で送信することでしょう。
飛行機のフライトレコーダーのように。

そして、予防原則様…そう、今の僕は、ギリシャ神話の神々の一人、人の傲慢を罰し思慮と謙虚を命じ、いまや予防原則をつかさどる人の姿をした「神」に打ちのめされ、聖衣も砕かれて裸で放り出され、カサンドラ同様に言葉が他人に届かない呪いをかけられ、血まみれで倒れているようです。

ですが、僕には叫ぶことしかできません。
「人類は、生命は生き延びたいんだ!生命がどう進化しても、大型生物を宇宙に飛ばしたり別の恒星まで移動したりはできない!太陽の寿命を越えて生き延びたいんだ!
地球が、そして生命が生み出したあらゆる美しいもの。生命が生み出した多様な情報。そして人類が生み出した無数の文化や情報。その悲劇もひっくるめて、宇宙に昇り、生命と情報という松明を受け継ぎ続けたいんだ!
そして、できることならば誰ひとり殺さず、もう母なる地球を壊さないよう宇宙へ、そしてより大きなエネルギーを使って砂漠や海で、七十億の大人口を養いたいんだ。
それが傲慢だ、神々に背いているというのはわかってる!そんなことを考えているのはオレ一人だ、他はみんな、何も見えていないか滅びを受容しているか、肝心なことから目をそむけて信じたいものを信じてる!
だが、オレは叫ぶ。生命よ永遠に!宇宙に飛びたて!最悪を前提に、カターンの人たちのように今すぐにでも、残せるものを宇宙に打ち上げろ!できれば文化も、人権も守ってくれ!
カサンドラの呪いはこの通り骨がらみに食い込んでいる。いくら叫んでも無駄だ、誰ひとり聞いてない。
だが叫び続ける…この命果てるまで!」

17

借家の壁にピンを押せない、というのが問題とされます。
なら、借家の壁のピンを刺したくなるようなところに、取り替えられる軟木やコルクの部品を入れればいいのです。

簡単に解決できる問題なのに、建築業界・賃貸不動産業界の怠惰、対立構造を煽る言葉と感情によって解決不能の抗争のように思わされていることは多くあります。

他にも多くのジャンルで、そんなことはあるのでは。
あと、どちらも本来の意図を口に出さないこと…大阪での日の丸君が代のように。

16

独立は何より尊いとされます。
ですがそれは、単なる自尊心の問題であり、感情に過ぎません。

問題なのは善政か悪政か。
税金、その用途、徴兵、占領軍であれ圧制者の官憲であれ、武装者による略奪強姦。飢餓と無政府。奴隷労働。
産まれた子が餓死するか、冤罪で拷問虐殺されるかする率。
言論や信教の自由。秘密警察の有無。
問題はそれだけのはずです。

これまで、独立や民主化によって、それらが改善する率はどれぐらいでしょう。

ですが独立、いや自尊という圧倒的な感情の前に、それらは些細なことです。
人命など、生活水準など、民族の誇りに比べれば些細なのです。

彼らの願いがすべて叶ったら極貧の地獄絵図が永続するとしても。

15

宇宙そのものが百年後に崩壊すると、絶対確実に示されたとしたら、それは哲学的には?
少なくとも僕には全ての終わりです。

明日であっても百万年後であっても、どちらであれ「全ての終わり」は考えるに値しないこと、無視すべきという考え方があります。
まず、「明日世界が終わるとしても、リンゴの木を植えるだろう」という言葉と、V・E・フランクルの名が浮かびます。
自分が人生に向き合う姿勢、それが唯一の価値であり、それ以外は何もない、というのでしょうか。

では逆に、破局が努力次第で避けられるとして、どのていどの努力を人は捧げるでしょう。
人が捧げる努力に、差があるでしょうか…来年と、二十年後と、二万年後と、二百億年後で。

そのようなことは人は考えるのが苦手だ…どこがでしょうか?
今年は2012年です。
滅亡が予言されている年で、それに関する膨大な本が今も店頭にあります。
1999年のために、何千冊の本が合計何億部売れたでしょう。

人は黙示録が大好きです。
しかし、環境のために、ゴミの分別以上の関心は持ちません。

まして、僕が思っていること…人類の生存圏を広げるための科学技術の進歩。
そして最悪に備えて個々人に種と本。また人類全体では生命がありそうな星に向けて情報・受精卵入りカプセルや情報放送を行う。
このことには誰一人賛成しそうにありません。

14

中国にとって、フィリピンはそんなに遠かったのでしょうか?インドネシアは?
中国がなぜオーストラリアに到達できなかったのでしょう。

中国にやる気がないなら、インドが。
またイスラム教徒たちも。

それほどにまで難しかったのでしょうか?大西洋の広さよりも?

そして長くイベリア半島を支配していたイスラム教徒が、それ以前にローマ帝国が、同じ風に乗って大西洋を越えようとしなかったことも、不思議と言えば不思議です。
バイキングが、到達していても定着できなかったことも。

13

「なぜ私がそんなことをしなければ」「これだけ背負ってるんです、あいつは今ヒマじゃないか不公平」「非があるのはあいつです」「理由を説明させて」「そちらの責任転嫁だ」「おれのせいじゃない、そんな理不尽な連帯責任」
それらは、軍隊では、また実社会の相当部分では、考えの傾向としても叩き潰さなければならない絶対悪です。
是非や理由など概念自体忘れる、どんな命令にも率先して服従し、どんな理不尽な理由での失敗も一言の抗弁もなく責任を取って罰を受ける、連帯責任を心から責任と思う、それが当然なのです。

五時起床十一時就寝、四時に叩き起こされ二時間のはずが三時間のランニングから夜十時半まで訓練が続き、食事を十五分で済ませて部屋に帰ったら教官に部屋の中身は全部窓の外に放り出され、それでも「就寝時間にシーツがちゃんとしていない」罰として二時間殴られ二時間走り、また翌日は過労や睡眠不足を一切言い訳せず訓練、それが軍隊では当たり前のことです。
それを心から当たり前で正しいと思えない限り、軍人ではないのです。
おかしいという感情を抱くだけでも、「軍人魂が足りん、娑婆っ気が抜けてない」のです。
不可能・理不尽を当たり前とし、全てを責任と引き受けることが当然なのです。

無論僕はそれには、虫唾が走ります。
でもそんな世界があり、暴力団同様に社会における役割があることもまた事実です。
なくせるんです、思い込みです、と絶叫するあまり、人間の本性を研究する科学すらねじまげるのは最悪です。

といっても、それが絶対に正しいのだと思考停止すると、それをとめられるものがなくなります。
全否定の思考停止でも、絶対正義の思考停止でもない…スキュラとカリュブディス。

12

雪国で、除雪でかなりの人が亡くなっているそうです。
でも、なぜ除雪するのでしょう。
道路では膨大な熱も無駄に使っています。

家屋は、考えられるどれだけ雪が積もっても潰れないよう頑丈に造る。
道路は除雪せず、自動車自体を雪上車に簡単に改造できるようにする。
豪雪地帯で、家も車も東京と同じ、というほうが間違っているのです。

というかかなりの雪が降るアメリカ北東海岸地帯が自動車黎明期で重要だったはずなのに、なぜ自動車のデザイン伝統の基本原理で、雪上行動力が優先されなかったのでしょう。

同様にコンピューターはサンフランシスコと縁が深いのに、地震対策を考えていない卓上縦置きが中心になったのも不思議です。
机一体だったら地震が起きてもまず大丈夫なのに。
そうでなくても、横置きの延長でより薄く広い「机の天板と一体化する」デザインもありえたはずです。

これがなぜこのデザインなのか。我々はなぜこんなライフスタイルを選んでいるのか。
本当に合理的で最高のものは、意外なほど少ないのでは?
ガス冷蔵庫が普及しなかったこと。QWERTキーボード。
ブタを禁じる旧約聖書を笑うことはできないのでは?

11

南極の、四キロの氷の下にあるボストーク湖を、ロシアの科学者が穴を掘って到達したそうです。

これは想像以上に重いニュースだと思います。

単純に、人間は「掘る」能力をますます進化させている、ということがまず言えます。
それは石油や天然ガスの寿命を延ばし、シェールガス革命とも関係ありますし、北極海油田も出るでしょう。
化石燃料枯渇が大きく後退していると見せてくれます。

ロシアが、アポロ以来何十年ぶりにでしょうか、科学の最先端をアメリカから取り戻したこと。
これがロシアの愛国心にとってどれほど大きなニュースでしょうか。

南極の氷の下まで掘れた、ということは、氷に阻まれていた莫大な地下資源にリーチがかかった、ということでもあります。
また南極氷を活用するためにも大きな技術となりえます。

もちろん、本来の目的である、閉じ込められた古い地球の、生命に関する試料を得ること。
宇宙生物学への応用もありえます。
単純に多様な遺伝子のサンプルとしても膨大な情報量でしょう。
まあそれらに関しては、数十年後にシュリーマンの発掘同様、バカヤロウその時代の技術水準でその遺跡に手を出すな、とけなされるかもしれませんが、これについてはいくら先でも同じことです。

人類がまた一歩前進した。それがすべてです。

10

日本の未来について、かなりおそろしい「前提の違い」があるのでは。
「正しい政策を遂行すれば、改革すれば、日本経済は成長する」
「教育すれば、失業しても職業教育で、新しい職に就ける」
「仕事は選ばなければいくらでもある」
これらの前提は根こそぎ間違っているのでは。

日銀が改心しようと。
公務員の八割を解雇し、残る者も給料を半減させ、公的年金を廃止し、消費税を40%にしようと。
インフレターゲットだろうと、政府紙幣だろうと。
また公共事業を、今度こそ充分な額と期間やろうと。
何をやっても、日本経済が上向くことなどないのなら。
そして、投資は全て、今のパチンコと同様、統計的に長い目で見れば確実に損になるのなら。

大学教育は無駄で、失業者を教育しても、かつて炭鉱夫を旋盤工にしたように新しい時代を担う存在にはならない、新しい産業にはブラック企業しかないのなら。
ひたすら仕事の質を落とし、収入を減らす未来しかないのなら。「汚い仕事」だけが大多数の日本人の未来なら。
それどころか、大半の日本人が、経済的に不要になるのなら。

そこであるのはただ一つ。生かすか殺すか。
はっきりしているのは、現状の延長は天国ではないということです。持続不能であり、実質「殺す」を選んでいるも同然だと言うことです。
今「生かす」を選び、そのために制度を作り変えていなければ、今もたくさんの人が死んでいるのです。「殺す」ことを我々は選んでいるのです。

問題なのは、「まともな暮らし」という固定観念の強さです。
給料が上がっていく社会なら、「まともな暮らし」の水準がどんどん高まっていってもいいでしょう。
しかし、大半の人の給料が下がって行く…ついでに土地価格上昇もないし株価も上がらない…世界では、より高くなる「まともな暮らし」を保てるのはわずかなエリートのみであり、残りは「人間ではない」とされます。
それは実質的に、「殺す」と同じことです。

でも、別の水準の「まともな暮らし」を設定することはできないのでしょうか?
持ち家と自家用車は、これからの時代に多くの人にとっては、高水準すぎます。
でも屋根がないのはきついでしょうし、服がないのも辛いでしょう。
当分は、社交のためのちゃんとした服を、少なくとも借りられなければならないでしょうし、交通費も必要でしょう。
何が必要で何が不要か、その水準で生きる人の目線で考えるべきでは?

より細かく考えれば、ベーシックインカムの変形として、「最低限の生存」に徹した無条件現物給付も考えておくべきです。
米・大豆・飼料用トウモロコシ・マルチビタミンミネラル剤。
テントと寝袋、空いている場を使っていいチケット。
あちこちに設置された公衆水道の使用チケット。
最小限の衣類。
子供のための、無料全寮制の、保育園から高校まで一貫の学校。
それだけ配給すれば、人は何とか、動物としての生存は可能でしょう。
通信と交通なし、つまり大人との社交を根こそぎ断ち切られた状態で、どの程度生きられるかは知りませんが。

何より、現在のホームレスおよび刑務所を最後の避難所としている人々を救うことに徹すれば、どんな福祉システムが考えられるでしょう。
「極貧層がそれなりの暮らしをするためのモノ」を考え、それは誰にでも与えられる、と…

皆が「殺す」を選ぶなら…楽に殺してくれ、としかいえません。

9

大金をもらったら、ある程度以上だと家以外は考えられません。
どうしてそれほど、住宅が巨大な存在なのでしょう。

そしてどうして、投資は一般人にはそれほど不可能なのでしょう。
というより、バブル以前の「土地を買っておけば数十年後倍にして売れる」時代ではないのに、なぜ土地?

大金で思いついたのですが、この条件なら何を選びますか?
「10億円やる。ただし、手にできるのは十年後で、今は「10億円を何にするか」だけ選べる」。
今10億円分株を買うことができ、十年後紙くずになってたら諦めろ、というわけです。
株、土地、国債…外貨、金、石油株…
十年後、増える以前に紙くずになっていないのはなにでしょうか?

株はどれも危険すぎます。
株では石油が最強でしょうか。でも、石油が十年後どうなるでしょう?
カーボンナノチューブや軌道エレベーターなど、とてつもなく先端的な世界の株は?リスクが高すぎますが、当たれば巨大です。
十年後には科学技術はどうなっているでしょう。それ以前に人類は文明を維持しているでしょうか。

土地?バブルのあまりに悲惨な崩壊を見て、それから二十年全く上がらないのを見せ付けられました。
そして大震災や原発、それどころか温暖化で、十年後には立ち入り禁止・居住不能・海の底ですらありえます。

国債?それが今一番安全と思われているようですが、日本国債はあと三年だとこの十年言われ続けています。
世界のどこの国債が安全でしょうか?この大崩壊を見ては、安全な国などどこにもありません。
アメリカドル?これも、アメリカ国債も含め崩壊すると言われてますね。

ユーロは今崩壊の真っ只中。中国人民元も無謀。オーストラリアやカナダ、スイスがまだ安全でしょうか。
それ以前に、日本の財政破綻・ハイパーインフレなどが起きれば、日本円すら紙くずでない保証はありません。

十年後もほぼ間違いなく、紙くずにだけはなっていないのが、金です。ゴールド。Au。
金が価値を失う状態…『北斗の拳』でさえ、数年後の天帝時代には価値を持っていました。いや、直後と言っていいシンやラオウの世界でも価値がありました。
では、『北斗の拳』で価値があるのはシェルターと強靭な肉体、食料と水、そして銃と弾薬、それが尽きたら拳…それだけでしょうか?
知識も重要になるでしょう、廃墟の鉄から剣や鍋、鎧を作れれば。
といっても知識の価値は段階に依存し、本来金銀よりはるかに貴重な「種籾」が襲撃されました。「どうしてもその種籾を食ってやりたくなったぜ」が人間の性です。

そう考えると、長期住宅ローンは狂気の沙汰です。借りる側も貸す側も。
十年後、その借り手は稼ぎ続けることができているでしょうか?その住宅は十年後住めるでしょうか?

でも、長期ローンも投資もマイナスになることが前提だと、社会のあらゆる基盤が崩壊するのでは。
年金は投資収益があることが事実上の前提で、それがさっぱりと崩壊したのが現状です。
ノーベル賞も「信頼できる投資」という遺言条項があり、それで今も支払われていますが、根本的に世界のどこも経済成長がマイナスになり、それが当然となれば、投資そのものが「胴元のいる賭博」同様、長い目で見れば確実に損することとなります。

それでも人は住まなければなりませんし、老後の生活も必要です。
でも、国の財政も破綻するから全て不可能だ、としたら…老人も障害者も、弱者は狼に委ねる遊牧民に戻るほかないのでしょうか。
それに賛成する人も多くいますが。

8

ピクミンというゲームの舞台は、人類が滅びた後の地球のようです。
またはお互いに見落としているだけで人類が存在しているか。
明らかに人類が作った工業製品が、1のラムネ瓶から存在していますし、現存実在の植物もあります。

ですが、人類がいなくても、今の延長の生態系だったら完全に無理ゲーでした。
1〜5cmサイズの、今の地球の生物のスピード・パワー・特殊能力の数々は、あんなぬるいものではありません。
普通のクモやゴキブリの俊敏さを考えてみればわかると思います。

ましてネズミやカラスが出ていたら、ダイオウデメマダラなど比ではない超ラスボスです。

7

奇妙なことに、軌道エレベータというのは感情の問題のようです。
原発がそうであるように。

否定する人にとっては、絶対的な否定です。
将来できる可能性を考えることすらできないのです。
非常に感情的に否定します。

肯定する側も同じ、強い感情があります。

原発も、絶対悪か救世主無限エネルギーか、凄まじい感情がぶつかり合います。

海水で育つ稲や海水で塩生植物を育てる、また大規模な海藻養殖を考えることもできないのも、おそらくそんな感情があって、頭から拒絶してしまうのでしょう。

すべては感情と宗教類似の人間集団力学、合理的・科学的な思考は無駄…それほど空しいこともありませんが。

6

後知恵のきわみですが、「今の知見から、ある歴史的時点で、どのような技術を用いれば最善だったか」を考えることはどれぐらいできるでしょう。
僕が今書いている、ドラゴンクエスト1のその後、建国を描く小説ではそれが主なテーマです。

過去の技術では、確かにステンレスやチタン、ABS樹脂やカーボンファイバーは無理です。でもバタフライナイフは可能です…誰も思いつかなかっただけで。
かまどをオンドルにすれば、暖房効率はこれ以上なく上がりますし、高度技術は必要としません。
ハーバー・ボッシュ法は無理でも、空中窒素固定植物は活用できたはずです。

アルミ工場を作って錆びさせるようなことはしない、彼らに理解でき、維持でき、改良できる技術を。

では、江戸時代の石見銀山で鉱毒を防止するにはどうしていればよかったでしょう。
明治時代の足尾銅山で、閉山か文明開化かの二択ではなく、当時の技術と乏しい資金でどんな汚染除去が可能だったでしょう。
その中には、ただ国および事業家の利益だけで考えても、「本当に欲張りならこっちのほうが儲かる」解もあったと思います。
銅鉱山の汚染廃液には、金銀・水銀・砒素といった高価な有益資源も豊富に含まれていますし、硫酸やその化合物である石膏も有用な資源となるのです。

そして今この現実の産業でも、環境を破壊したくてしている人はいない、ただ株主に対する義務を果たし、儲けたいだけのことです。
なら、「こちらのほうが儲かる」道はたくさんあるのでは。

5

僕が常に自分に言い聞かせている、というか知的ルール。

僕は何も知らない。
「全人類回心」を前提としない。
科学技術の発達は予想できない。

人間はどうしようもなく不合理な呪術師で、魔女裁判や陰謀論、ジェノサイドが骨の髄から好き。

プランBが唯一の楽園である、という考えを排除する。AダッシュやCはつねにあるはず。
一つの籠にすべての卵を入れない。
いろいろやろうぜ、やってみなくちゃわからない……エネルギー保存則・熱力学第二法則違反を除き。

それだけでも、誰とも違うのでしょう。プランAと、B以外の人など誰もいないでしょう。

それを小説でやろうとしたら何ができるでしょう?
いくつかの立場を集約したキャラクターを活躍させればいいでしょうか。

「パイオニア」人類の地平を切り開く。軌道エレベータの研究者。
「救命ボート」最悪を前提にしたシステムを設計している人。
「シフター」世界最貧困層を沿岸砂漠の海水灌漑に移行させる、実践的な研究。
「人間好みの物語」自覚的に人間に合う話を作り、権力を得るアメリカキリスト教原理主義政治家。
「欲望と憎悪」アフリカ武装勢力長。

その、それぞれの分野でずば抜けた力を持つ五人が対立しつつ、偶然のなりゆき……善意が悪果を産み、悪意が善果を産んでカオスに絡みあい、歴史を動かしていく話…今の僕には明らかに無理です。
非常に高い水準の、辺境地帯での政治や社会構造、また科学の最先端の知識が必要とされるでしょう。

偶然を強調するため、要所で、時には一見些細なことについて、「コイントス」程度でゲームブック、マルチエンディングとしたら、より「現実」に近くなるかもしれませんね。
偶然を強調するだけなら、『ナヴァロンの要塞』のような話で、ワンシーンごとに「作者がサイコロを振る」ところも描き、三つ振って合計4以下ならヒーローだろうがヒロインだろうが容赦なく流れ弾で死亡、それで作戦が失敗したら失敗したと書くだけ…とか。
ま、読者に作者を振らせてマルチエンディングでも、でもそれだと起きえることが莫大になりますね。

4

軍隊では新兵をそれまでの社会から切り離すことを重視します。
ではなぜ、最初から新兵を徴募する代わりに、内部で産み育てないのでしょう。
女性を容れられないにしても、娼婦との一体性はあるので男児だけを、離乳できたらすぐ引き離して最初から自由意志も情け容赦も何もなしに鍛え上げれば…

また、少なくとも近代軍は、家族と宗教を全否定しません。
俗世との絆は断ち切らせたがりますが、両親がいたことも忘れろとは言いません。
いや、家族を否定することは、軍隊の道徳として許されないでしょう。
絆は断ち切りながら、家族のために戦うようにと言うのです。

また近代軍は、基本的に有限任期です。
兵役を終えたら故郷へ、家族の元へ帰ることを前提としています。
それは軍への帰属意識を弱めないでしょうか?

イスラム帝国の一つの制度、イェニチェリは七歳前後で拉致し、生涯を組織で過ごします。
またアフリカなどの武装勢力も幼児を拉致し、その手で家族を殺させて、故郷に二度と帰れなくして生涯を組織に従属させます。
近代軍と武装勢力、本質的にはどちらが強いのでしょう。

3

なぜ、橋下市長に誰も、選挙でも議論でも勝てないのか…
それから今の思想地図を描こうとすると、必然的に日本思想史になってしまいます。

そして今の、若い人たちの思想は何なのでしょう。
小泉首相や橋下市長を熱狂的に支持するような。
まず改革。公務員・生活保護・在日・既得権粉砕。財政再建、消費税増税に賛成。基本的人権にすら反対で、警察力の強化に常に賛成。
中国や韓国の脅威を訴え、国家を強化しようとする。

今、何がいるのでしょう。
論壇は、政界は。
政界は、民主党は内容のなさを露呈しました。
自民党は従来どおり、反共と改憲が強いようです…では、今はどのような理念・政策を主張しているのでしょう。特に大震災の対応や原発の責任について、自画自賛は見ますが対決姿勢がどのように国益を高めたか、冷静な検証が必要でしょう。
社民と共産は動きが取れません…橋下氏・石原慎太郎氏の圧勝で、完全にとどめを刺された体です。

両党…と、左翼論壇の硬直、そして新左翼の自滅によって、新しい左翼が登場できないのです。
少なくともネットで若者に支持されるような左翼思想が出てこれないのです。

宮台真司氏。従来型の、再配分左翼と国家主義右翼の双方を否定し、共同体強化を訴えています。マイケル・サンデルとも共通点が多いようです。ただし、一部支持者以外、特にネットの若者や論壇では、実質相手にされていません。

他に誰か、「カビの生えた左翼」以外に、何か主張している人がいるでしょうか?

新自由主義は、共産主義や社会民主主義などを古いと否定します。
では、新しいのは新自由主義のみでしょうか。
「新しい」という言葉は、「正しい」を言い替えているだけでは。
それも、自分が絶対に正しい、異端は存在自体認めない、というような。

「代案はない」というのも、新自由主義が好んで使う言葉です。
新しい世界では、唯一絶対に正しいのは新自由主義で、それを批判できる思想は存在しない……内心・思想の自由を全否定する絶対主義ではないですか。

さらに、現実との関係においてうまくいかなければ「抵抗のせい」うまくいけば「改革の成果」……これもまた、批判を存在させなくする、はっきりと言えば詭弁です。

少なくとも共産主義・九条主義が古いのは確かです。
ですが、なにかあるはずです。新しい、新自由主義と対峙できる思想が。

それ以前に現実として、先進国には、「福祉による財政破綻」か「格差拡大による需要減」以外の選択肢はないのでしょうか。
そして途上国には?

僕はただ、何であろうと、「誰も餓死しない」「自殺せず廃業できる」「言論や思想信条で拷問虐殺されない」「科学技術や文化の発展は頑張る」…それだけです。

左右どちらも、そのようなことには関心がないようですが。

2

やや郊外の、寂れ気味の駅のすぐそばに、比較的広く防音がしっかりした建物を造り、中身は何も入れず、電源と上下水道だけで安価に提供するのはどうでしょう。
歌いたければ歌っていいけどカラオケ用具はご自分で、というわけです。
移動可能な、安価なカラオケセットもあるでしょう。

飲食物持ち込み自由、近くにコンビニはあるとすれば、安く楽しめるでしょう。
特に今は、大容量の酒をとんでもなく安価に売る店が多数あります。
それで酒を買い、つまみはスーパーの惣菜を持ち寄って飲めば、飲食店より桁外れに安いでしょう。

後のトイレ清掃など、充分清潔にするのは大変かもしれませんが、まあそれも費用のうちで。

いや、設備が完備したキッチン。ガスコンロも冷蔵庫もオーブンレンジもミキサーも炊飯器も電気ポットも。鍋類も。
トイレ・キッチン・広いダイニングだけのスペースが、僕はとても欲しいです。
それを借り、食材を買って行って集まり、料理をして皆に出す…
車が必要かもしれませんが、自慢のダッチオーブンを持って行ってもいいでしょう。

それがあれば、たとえば料理学校の学生が存分に腕を試すとか、用途は想像以上にたくさんあると思います。

こちらはもっと清掃コストがかかりそうですが。

1

まず重要な問い。

・生命の存続、人類の存続を価値とすべきか
・文化の多様性の維持・寛容を価値とすべきか
・誰も餓死しないことを価値とすべきか
・冤罪防止を価値とすべきか
・科学探究を価値とすべきか

それぞれに対する反対立場は?

このような価値にすら反対する理由を考えるとまず浮かぶのが、人は意味、物語を求める存在、群れを作って敵味方で争うことを好む存在だ、ということです。

ですが、科学が提示するビッグバンから膨張宇宙、生物進化の「物語」では不足のようです。
サバンナで進化によって造られた、人間の本性が受けつけないのでしょう。
科学的真実と、「ホモ・サピエンス向けオーダーメイド」、人間の形に合わせて縫製した服のような、思想の人間工学に合う物語では、後者が選ばれるのです。
ナチスやオウム真理教が、イスラム教が、その成功例です。
多くの陰謀論もそれです。

逆に、「服から異星人が人類の姿を解析する」ように、人類に合う、人間が好む思想から、思想の人間工学から人間とは何かを逆算できます。
どうしようもない皮肉です。