枕元の計算用紙

ホーム ブログ

1999年7月 8月 9月 10月 11月 12月
2000年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2001年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2002年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2003年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2005年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2006年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2008年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2009年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2010年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2011年1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

2012年1月

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日 8日 9日 10日 11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日 21日 22日 23日 24日 25日 26日 27日 28日 29日 30日 31日

31

根底的な態度……「世界はわがイデオロギーのためにできている」

だから、「あなたの思い通りの政策を選んだ場合、何百万人がホームレスになるでしょう。最悪の場合を考えて」は攻撃の言葉なのです。
「津波で電源が故障したら?」と同じように。

そのタコツボの一員でない人の発言は、同じ宗教を信じない人の言葉どころか存在自体、攻撃でしかないのです。

30

「市場は正しいのだから、今売れているのは最も優れたものだ」QWERTYキーボードを見れば間違っているとわかります。

最高の者が勝者になる、というのも人間の思いこみでしかありません。
ほとんどは偶然なのです。

その偶然を、太陽電池が使えるかどうかの根拠にするのは馬鹿馬鹿しいのでは?
「今普及していないということは使えないということだ」……ベータビデオは、間違っていましたか?

29

核廃棄物を、このどれかが可能ならどれがいいでしょう。

100mのダイヤモンドに閉じこめる
地球の核まで掘って捨てる
宇宙に持ち上げて太陽に放りこむ
加速器で陽子にまで原子核を壊す

批判者は、「それは駄目だ」としかいいません。

現実に検討されている、地層処分も海溝処分も反対されます。

今後どうしようもない核廃棄物を、もう出すなというのはわかります。
しかし、今ある大量の核廃棄物を、どうすることにも反対するというのは論理的でしょうか。
全部だめだから何もせず放置する、というのは最悪の選択です。地表にばらまくのと変わりありません。

今の福島第一原発も。
なぜ、その隣に、最低限の支えだけつけて、キロメートル単位のとことん深い穴を掘り、支えを爆破して丸ごと埋めるということを考えないのでしょう?
コストでしょうか?この超巨大核ゴミが存在し続けることが、これからずっとどれほどのコストになるでしょう。
不可能?日本の技術で、人類がすでに掘っている八千メートルの記録すら破れないのですか?

28

あちらでは常識でしょうし、今の日本人にもピンと来ないでしょう。
ですが、これはとてつもなく恐ろしいことです。
「西洋人は、人間の糞尿を肥料にすることができない(という伝統的タブーを持つ)」らしいのです。
これは確かな話ではありません。確実な証拠がある話ではありません。

そのことすら知らない人が多いでしょう。
日本が人間の糞尿をどれほど巧妙に利用してきたかも知らない人が多いでしょう。

ユーゴーの「レ・ミゼラブル」ではパリの大下水道が描かれ…マリウスを担いでの脱出は名場面です…この汚水汚物を近隣の畑に戻せばどれほどの農業生産になるか、と嘆かれてもいます。
そしてヨーロッパの、近代前期までの町の不潔さも知られるようになってきました。
ベルサイユ宮殿にトイレはなく柱の陰で用を足し、街にはおまるしかなく中身を道路にぶちまけ地下室に溜め、道路は糞尿の泥濘と乾燥した埃でハイヒールが発達する…

ずっと僕は、それはフランス人が馬鹿だから、または技術水準が低いからと思っていました。
違うのです。単に、ヨーロッパ人には日本のような下肥リサイクルシステムは、パリ下水道から畑に肥料を売ることは、できないのです。
人が食うものに人の糞尿を注ぐことは、糞尿を食うのと同じぐらいに汚い印象になってしまうのです。

それがどれほど、彼ら自身にとって大損だったことか!
では逆に、今の我々に、同じように大損に他ならない、意識すらしないタブーはないでしょうか?多数あるはずです。

そして今思い出すと恐ろしいのは、日本が人糞肥料を使わなくなったのはGHQの指導です。
おかげで日本は寄生虫から解放されたように書かれています。
でも、そのかわりに下水道が整備されるまで膨大な水質汚染が発生しました。
肥料不足による不作もあったでしょうし、化学肥料を買わされることで貨幣の悪しき魔力に支配されることもあったでしょう。
GHQは、一方的に、より不合理である彼らのタブー・習慣・価値観を日本に押しつけたのです。

それどころか、今も…アメリカでは膨大な家畜の糞尿と化学肥料の流出からミシシッピ川が流れ込むメキシコ湾に広い死の海域が生じているといわれます。
それも、「糞尿を肥料にできない」という彼らのタブーが原因では?
家畜厩舎の近くに畑を確保し、いくつかに区分して糞尿をすきこんでは肥料要求が多い作物を育てることは、効率云々ではなくヨーロッパの末裔であるアメリカ人には、絶対にできないことなのでは?

さらに恐ろしいのが、世界各国の貧困地帯で、人間の生活から出る糞尿を含む汚水を肥料とすることが、危険だが革新的な方法として紹介されている記事をナショナルジオグラフィックの日本語ネット版にありました。
ヨーロッパが影響を及ぼした地域全てで、人間の糞尿は決して肥料とされていなかったとしたら…アフリカが滅んでいないのが不思議でなりません。

27

みんなヨーロッパを馬鹿にしていますが、基礎物理学の先端は今やヨーロッパに、セルンに移っています。
ニュートリノの超光速と思われる現象も、ヒッグス粒子の確認もヨーロッパです。
SSC中止以来、アメリカの最先端はそれほどに衰えたのです。

日本も中国も、それにはついていっていません……韓国や台湾もですが、国際協力ができない歴史もあり、素粒子物理学にはそれほど強い関心はないようです。

それに、アメリカが事実上有人宇宙ロケットから撤退した今、宇宙ロケットはロシアがぶっちぎりトップです。
ロシアがヨーロッパに入るかどうかはともかく。

26

最も頭のいい人たちをなにに使うか。
マンハッタン計画やアポロ計画は、どうなのでしょう。
当時は天才を集めて素晴らしい成果を上げ、その産業技術上の応用も多いと絶賛されました。
しかし新自由主義が強まってからは、官僚主義的で頭脳の無駄遣いだと批判されることが多いです。

それ以前に、分野は?
鉄鋼の研究でしょうか。
それとも二十世紀後半のように、素粒子物理学こそ学問の王でしょうか。
それともSSC中止以来素粒子物理学の天才たちがウォール街に職を求めたように、金融工学こそこれからの天才の受け皿でしょうか……リーマンショックで完全崩壊しましたが。
それとも、コンピュータでしょうか。

少なくとも、金融工学が失敗したことは確かです。それは単に、そっちに行った人びとは天才ではなかったからでしょうか?それとも本質的に間違ったことをしたのでしょうか。
要するに、天才は線形な世界に使うべきであって、非線形な経済に使うのは、紙を石材加工に使うぐらい間違ってる…?
バイオは何を生み出しているでしょう。弁護士だけでしょうか?
コンピュータは、一応ムーアの法則は保たれています。でもコンピュータが高性能化された分だけソフトも肥大化するのは変わってません。そしてメガネにはなぜかなりません。

今後、天才たちは金だけで、市場に従って動くのが正しいのでしょうか。
それとも、もう天才は出ないのでしょうか。

日本では最も頭のいい人たちは東大から学部卒で官僚や一流企業、理系なら医者です。
素粒子物理学でも鉄でもありません。

さて、何が正しい使い方なのでしょう。
本当に望ましいのは、人類に新大陸を切り開くこと…膨大な余剰生産力を使い尽くすような、新しいフロンティアを与えるような技術進歩のはずです。一番大きいのは軌道エレベータ。またメガフロートや海水灌漑、藻類バイオマス…
技術でフロンティア、というのは古い、神に否定された発想でしょうか、マンハッタン計画やアポロと同じく。

25

資源の有限性を実質克服するのに、宇宙に出る以外もう一つあります……地球の、核まで掘ることです。
人類の掘った穴は、入れない穴で一万二千メートル、入れる穴で八千メートルあるかどうかです。
核は五千キロメートル、どう見ても無茶です。

でも、水爆や、地球に接近したのをつかまえた小惑星で同じ場所をひたすらえぐり続ければ……いつかはたどり着くでしょう。
それは無限の地熱源となり、また実質無限の金属元素資源ともなるでしょう。

掘るための連続爆発で、まして核爆発ならそれだけで地表生命は死滅するかもしれませんが。
化学爆薬では不可能でしょうか?

24

量子力学について、粒子と波の解釈とかで色々言われています。
でもそれはおかしい、単純に、「人間は人間の言葉で考えている」からわけがわからないのでは。

人間の言葉や思考は、「このサイズのため」です。
ですが実際にはこの世界は、「これこれこういう方程式を満たす代物の集まり」にすぎず、「そいつら」でしかない「量子」が集まって相互作用した結果この大きさで「見る」存在が、水面が波打ったり石を投げたりすることに慣れ、それらをベースに言語や認識を組み立てた……それだけでは?

最初から、波と粒子があるのではない……粒子や波は、「量子の集まり」の、奇妙にも似たような数学的道具で扱える事象でしかないのでは。
人間にはそれしか見えないだけで。
人間はそれを扱うように脳が設計され、言語を組み上げただけで。
基本的には走って逃げる獲物に石を投げて当てるために、より古くは木の枝と枝の間を渡るための、目と脳と手足の強調が。

23

新しい時代の道徳。
それを考える前提として、どれを選ぶか……中産社会か、身分社会か、貧者を皆殺しにした精鋭社会か。
長期的にはこの三つ以外選択肢はありません……現実には不可能な選択肢もあるでしょうが。特に中産社会。
おそらく、「仕事を創造し完全雇用を維持する」のは不可能なのでしょう。

新自由と新保守、共同体・恒産を破壊する新産業と権威主義・道徳や宗教・軍事治安重視の組み合わせという狂気が、どれだけ続けられるでしょう。ポピュリズムの力を借りても。
貧者撲滅は具体的には?自殺だけで可能でしょうか?
その場合、道徳は、多数を殺しつつ社会を維持するための道具となります。

固定された格差社会を安定させるために、身分制度を道徳として再構成し、徹底することは可能でしょうか?
この場合も、道徳は安定した格差社会を維持するための道具です。

ヨーロッパはどうなるでしょう。膨大な恒久失業・福祉依存層と、移民層という存在を抱えて。
そして凄まじい格差社会となった韓国は。
格差に加え、人種と価値観分裂という爆弾を抱えるアメリカは。
道徳という面では、アメリカやフランスなど建国の理念が強い国は。韓国のように秩序感覚が強い国は。
キリスト教の影響は。

また環境、人類圏の限界という要素は無視していいのでしょうか?
人類の現状でも圧倒多数を占める、旧来型の極貧層は?

そして、この巨大で超高効率な世界産業でも不足するほどの需要を生み出す、根本的に新しい科学技術の可能性は?
軌道エレベータ、メガフロート、核融合、分子アセンブラ(レプリケーター)…どれも永遠絶対不可能と言い切っていいでしょうか?
それらが成功した場合、どのような道徳が育つでしょう。
また失敗した場合には。

22

さて、この推論で、僕のどこが誤っているか教えてください。

人類は生物である。
生物は、増殖し自らの情報を保存することを主に行う。
それは、人間の「使命」「目的」という概念と一致する。
ゆえに、人類の使命は、自らの子孫を永続させることである。
一人の人類の子孫が永続するには、人類という種が続いていることが必要である。人類という種が続いているためには、「地球型のこの生命」が続いていることが必要である。
文明および地球の生態系が維持されていることも、絶対とはいえないが望ましい。

これまではどうでしょう。第二の推論。

人類が現在築いている文明、人類が住んでいる地球は、長期的に見れば安定したものではない。
人類の現在の知識では、温暖化がどうなるかは予測できない。化石燃料を使い続けても、節約に成功しても、どちらでも予測はできない。
太陽の変動、温暖化の予測不能性、巨大隕石の衝突、超巨大火山の噴火、核戦争、政治や経済の不安定な挙動などから、現在の人類文明が破局し、人類が絶滅する可能性は常にある。
また、人類の存在を無視しても、地球に液体水の海があり表面に生物が繁栄している状態は、四十億年後には成立しない。数億年後という予測もある。
また、人類の科学技術の進歩は、本質的に予測できない。
ならば人類は、
「最悪を前提に、別恒星に向けて人類やその他生物の受精卵、情報を入れたボイジャーのような恒星間人工物を打ち上げる」
「生物がいそうな恒星に、片端からあらゆる情報を送信する」
「〈一つの籠に全ての卵を入れるな〉、まず地球の近く、そして太陽系から恒星間も、可能な限り少数の〈方舟〉だけでも移住の努力を続ける」
「文明崩壊は起きると最悪を想定するべき。かつ飢餓と混乱の中では、人間は文化破壊に走る修正があることも事実。だから重要な知識や主要農作物の種子などを、できるだけ多くコピーし分散して保存すべきだ」
これらに力を入れるべきである。
ボイジャーと電波送信は、現時点の技術で可能である。

もう一つの推論。
人類の現在の文明は、多種類の元素を地下資源から得て利用しており、その多くは必須である。化石燃料や原子力燃料、化石地下水や漁獲も同様に、現状では再生不能資源である。
リサイクルはすべきだが100%のリサイクルは熱力学第二法則により不可能。
シェールガス、石炭、石油無機起源説、原子力は安全、太陽光や風力…どれを使おうと、地球表面の資源が限られている(銅が尽きたらどの電源も使えない)し、燐や化石地下水が尽きたら現代農業が不可能になる以上、現在の人類文明に千年単位の持続可能性はどのみちない。
「宇宙から資源を得たり移住する努力」
「失敗した時に備え、宇宙各地に電波放送・受精卵および情報を詰めて打ち上げる」
「文明崩壊を前提に、本と農作物種子のセットをできるだけ多く配り、あちこちの地下に埋める」
これらは、エネルギーや温暖化についての議論で、誰が正しくても必要である。

科学技術を放棄することで文明を持続させよう、というのは、完全に人類・地球生命の、太陽寿命後の存続可能性を放棄している。
また、「欲望を捨てよ」は人間の歴史で何度となく主張され、常に社会を混乱させた末に失敗してきた、人類の習性と言うべきものだ。

どこが間違っていますか?

21

日本の牛丼や立ち食いそば、コンビニのメロンパンは、マクドナルドのセットより安価です。
ついでに、まあコーンシロップとそのままの脂肪は口に入りません。

アメリカで似たような、マクドナルドより安く太りにくい食品を提供するには?
まず豊富なのが、デントコーン。日本のスーパーで売られるトウモロコシとは違う、飼料・工業材料として莫大に、とてつもなく安価に作られているトウモロコシ。
そのトウモロコシは飼料で使われているものに近いほど安価で、清潔だけは確保した程度。
味はトウガラシがいいでしょうか。トウガラシはそれ自体が栄養豊富な野菜でもあります。

それに、アメリカで膨大に行われている畜産処理の、血液・内臓・骨はどれだけ活用されているでしょう。
そう…廃棄されているような骨を巨大畜産処理場近くで、巨大な圧力鍋で煮込み、その濃厚スープを店に送って、それを凍結トウガラシを砕いたのと塩で味付けしながらトウモロコシを煮て提供する。
それに血や挽いた内臓を煮固めたプディングを添えてもいい。

さらに冷凍野菜を店のミキサーで粉砕した、そのままのジュースを提供する。

それで栄養は完全で、しかもマクドナルドよりはるかに安価になるでしょう。

ビタミンだけなら工業的に発酵で作られたもののほうが安いでしょうか?
そう考えると、非常に安価な一日分のビタミン・ミネラルを含む飲料があってもよさそうです。
特に栄養不足で病が出る途上国向けに。

20

貨幣の普遍性は、限界効用という言葉を考えると混乱することになります。
人間は、貨幣的にはごく安価なものから「限界効用」を得ることはできます……ランニングや小石からも。

その点、「隣と芝生を比べる」価値観は、実に簡単に需要を無限大にすることができます。
逆にその価値観さえなければ、簡単に需要を減らすことができます。それは経済成長を阻害し、資源を節約することになります。

19

こんな話も、多分あると思います。

三人称、探偵が主人公。
その探偵は「日常的な、犯罪性のない事件」を丁寧にやって、平凡に処理するだけです。
つまり「現実の探偵」。

でも三人称で見ている読者は、その「何でもない日常・調査仕事」が重大な陰謀や大犯罪と密接に関係しており、そのため事故に見せかけて殺されかけ、暗殺者が放たれたが幸運にもその暗殺者が事故死して助かり、そして間接的に大事件を解決していたことを知っています……
が探偵本人は徹頭徹尾何も知らないまま、平凡を歎きホームズに憧れています。

18

イスラム教徒は歴史の主役になりたい。
中国もインドも、ロシアもです。

歴史の主役……ずっとイギリスであり、今はアメリカです。
どちらも暴虐と非難され、自爆攻撃ででも排除しようとし続けます。

自尊心、歴史の主役、物語……その欲は強いです。
さらに、ただ真面目に働いても経済的な豊かさも、腹が立つほど遅いです。

豊かになり、軍事的に強くなるには科学と市場を受け入れなければなりませんが、それ自体が「西洋」と一体化しているようで嫌です。
今まで通りに、サラディンが剣とコーランで十字軍を撃退したように……
サラディンも当時の科学を最大限に使った、それこそ鋼の剣も科学だったことは無視して。

いつイスラムは科学に背を向けたのでしょう。どうしようもないのでしょうか。タリバンとサウジアラビア以外勝利できないのでしょうか。民主選挙をしたら原理主義政党が勝つ、弾圧すれば腐敗し進歩しない……一歩も出られないのでしょうか、この罠から。
自尊心と宗教しかない……どうしたら、イスラム教徒たちは科学と市場を受け入れ、力を得ることができるでしょう。

中国は科学と市場を受け入れ、今やアメリカを凌駕しようとしています。
そして南米は、ロシアはどこに行くのでしょう。
東南アジアは、インドは…

ただ、科学と市場は確かに巨大な生産力と軍事力にはなります。しかし……人権にはつながらず、特にある時点からは、多くの人から役割と自尊心、豊かささえも奪います。
それが市場そのものを破壊することになるのは……質を、目的を変えるべきなのでしょう。

科学と市場自体、情報など新しい技術の力が貧しい人を豊かにし、拷問を減らし、人類の領域を拡大することに。
それができるかどうかは知りませんが。

17

不確定性原理に重大な補正が、と(読売新聞Nature Physics掲載論文)。
日経サイエンスによれば、量子力学そのものがひっくり返ったわけでなく、より厳密にしただけのようです。
それでもとてつもないですよ。不確定性原理がどれほど重要かを思えば。

イタリアでの、ニュートリノによる光速以上の速度と言い、今何が起きているのでしょう。
今は、二十世紀初頭同様、従来の物理学が粉砕され新しいものが生まれる、その時なのでしょうか。

相対性理論も量子力学も…光速不変も不確定性原理も、僕にとっては実質絶対の前提でした。
それが破れ、全く新しいものが生まれるときが、来てしまったのでしょうか。

呆然として、ワクワクする余裕もありません。
ひたすら生唾を飲むだけです。

16

ヤマトの仕事は、いやエンタープライズの仕事も、本来は艦隊ですべきでは?
ペリー黒船艦隊や、コロンブスの艦隊と同様に。

無論、単艦での探査航行が、現実の大航海時代になかったわけではないですが。

SFフィクションで、艦隊での探査航行……聞いたことがありません。
なぜでしょう?

テレザート星に話を聞きに行くため、戦艦2、空母1、巡洋艦5、巡洋空母4、駆逐艦12、輸送艦3で…
それだけの戦力があれば白色彗星の前哨軍は撃退できそうです。

15

僕は温暖化や再生可能エネルギーの問題を、「どちらであっても問題ではなくなる視点」で見ることで、僕の中では解決しました。
温暖化は、石油枯渇に目を向けることで。再生可能エネルギーの実用性は、銅や燐など文明必須元素の枯渇に目を向けることで。
どちらも、より長期的な視野に立つことでもあります。

今議論している問題の答えが、どちらであっても問題ではない……それ自体は、こんなたとえができるでしょう。
二万の兵を率い、山向こうの敵と戦わねばならない。
斥候の何人かは敵は一万という。何人かは五万だという。
どちらも多くの証拠と説得力のある言葉を述べる。
さあどうする?

「相手が一万でも五万でも勝てる戦術」をとればいいのです。
夕方に山に登り、木々に松明を結んで野営と見せかけ奇襲、それも剣は抜かず駆け抜けて集合場所に向かえ、とのみ。
相手が五万でも、ただ駆け抜ける二万の奇襲には蹂躙され、同士討ちで多大な被害を出し、集合場所で向き直った時には互角となっているでしょう。少なくとも逃げることはできます。
一万なら踏みつぶせます。
どちらの斥候が正しくても、少なくとも全滅は免れるのです。
少なくとも一万か五万かずっと考えて戦機を逃すよりはましです。

この問題解決法は、もっと活用できそうです。

14

自転車の補助輪は、あれで正しいのでしょうか。
あれはある程度以上の、失敗した急カーブではかえって転びます。
いや、あの補助輪があるとまともなカーブを体で覚えることができません。

補助輪なしで鎧を着て自転車を練習した方が、多分早いでしょう。
転ぶことを前提に…どうすれば安全に転べるでしょうか。

スキーでは転ぶ練習から始まります。
自転車はなかなかそうはいきません。

まあ、少なくとも練習のとき何重にも厚着をしてフルフェイスヘルメットもかぶせれば、かなり…問題は骨折ですが。

13

日本という国は本質的に孤独です。
戦闘機の開発や、大型粒子加速器の建造、大規模な宇宙開発を、ともにできる国はありません。

隣国であるロシア・韓国・中国を軍事的パートナーとして信頼し合うことは到底無理です。北朝鮮というどうしようもない国もあります。
台湾はどうなるかわかりません。香港同様自由を捨て中国の圧力に屈するか、それとも独立国になれるのか……前者のようです。
東南アジア諸国は遠い存在ですし、最先端技術を共に追うことはできないようです。
アメリカと、他のことではどれほど信頼関係が強くとも、距離も遠いですし最新戦闘機の共同開発は武器三原則が許さず、加速器はアメリカだけで作ってしまいます。

日本は、日本だけで小さい加速器を作り、単独で外国に輸出できず戦闘で機能を証明されないため信頼できない、高価な兵器を作るほかないのです。
日本・韓国・台湾・中国共同で戦闘機を設計し、加速器を掘り、ロケットを打ち上げればヨーロッパやアメリカ以上のものを作れるかもしれない……でもそれは夢のまた夢です。

大陸アジアは、同じく西洋文明の圧力を受けても、日本と肩を並べて立ち向かってはくれませんでした。
日本も、どうやら大陸アジア諸国の人びとの期待を裏切ったようです……その期待がどのようなものかは知るべくもありませんが。

日本がどうしていればよかったのでしょう。最初から近代科学に背を向けガンジー主義でいればよかったのでしょうか。それとも清帝国に絶対服従していればよかったのでしょうか。
朝鮮がロシア領になるのを座視し、樺太はおろか北海道もロシアに献上し、台湾も沖縄も誰が取っても構わないと放置し、ひたすら自国防衛のための軍事力増強に専念していればよかったのでしょうか。それとも日本さえじっとしていれば、ロシアはどこも欲しがらなかったでしょうか。
なぜ欧米という共通敵がありながら、有色人種・アジアとして共に立ち向かうことができなかったのでしょう。日本が悪かったのでしょうか。日本だけが。
日本人が、一人一人我欲を持ち自国を特別視し、他者を蔑み奪う普通の人間であったことが、そんなに悪かったのでしょうか。

日本はアジアでも孤独なのだ、そう思わざるを得ません。
何よりも、民族や信仰の絆による無条件の同盟は、日本にはあり得ないのです。
他国から見れば、存在自体に困惑し、憎み滅ぼす他ないでしょう。

12

パソコンは起動データが壊れると起動できません。
でもそのデータを覚えるのはハードディスクなのですぐ壊れます。

なら、起動データを、ハードディスクの別のところに移してそこから起動できればいいわけです。
レコードの、最初に針が落ちるところが傷ついて音楽が始まらないなら別のところに針を落とせばいいように。ハードディスクはレコードとプレイヤーぐるみに似た構造ですし。
でも起動データは移動できないとなってます。

または、別のSSDで起動するほうが安全ですし、また二つハードディスクを入れて、どちらからでも起動できればもっと安全です。

もちろん、BTOでハードディスクを二つ、またSSDを入れることは容易です。
しかし、壊れやすいハードディスクではなく、OS関連はSSDのほうが・・・まだまだコストが高いのでしょうか。

11

まず、誰でも、まず飢え死にしたくないし、自殺もしたくない。
また家を失い、結婚もできず、子供を大学に行かせられないのも嫌です。
何らかの共同体の一員として仕事をしていたいです。
毎日がロシアンルーレット、というのは嫌です。明日も生きていたい、何十年もして老いたら年金をもらい、屋根の下で暮らし、畳の上で家族に看取られて死にたいです。
それは、大半の人が当然ですよね?

次々と主力産業が移り変わり、「安定した職」など存在せず誰もが起業を強いられ、ごくわずかな成功者は大金を得るけれど残り大半は失敗して家も奪われ一家離散、また下半分、いやほとんどは不安定な未熟練労働者として、ちょっとした不況で住み処も仕事仲間も失い放り出されて餓死に至る……
それが、理想的な社会ですか?
それが、ファシズムにならずに長期間安定した統治が可能ですか?資本主義の前提として、暴力が蔓延する無法地帯ではない、というのは絶対条件なのに?
誰もが十年後ホームレスかもしれない世界で?

そして、明らかに職業訓練が無駄、一度レールから弾かれたらブラック企業で過労死するしかない世界で?職業訓練を受けても就職できる確率は低く、できたとしても短期間でまたその職が消滅して放り出されるのが当然でしょうに。特に間違った職業訓練……横文字専門学校の類が山ほどあり、それに引っかかったら自己責任だの誇大自己像だのと責められるのに。
また起業は特別な資質があるか、また大企業の主力としてやっていける人脈と社会人基礎力がなければ100%失敗、さらに成功してもホリエモンと知れ渡っているのに。

第一志望が大企業と公務員なのを責めるのは無茶です。
若い人たちはただ、餓死したくないだけです。

この国の将来は失敗者には容赦しない、レールに乗れぬ者は飢え死にさせられる。起業はほとんどが失敗で連帯保証人ごと自殺、成功しても刑務所。
二十年かけて、この国は若者にそう叩きこんだのです。
大船も沈む、だが大船にしがみつけず海に落ちた者・小船で漕ぎ出す者には死あるのみ、と。
「誰も餓死させない」などという甘いことはない、失敗したら自己責任で餓死しろ、と。

それというのも、何十年もの不況で、肝心な二つのことをしなかった……経営者個人保証・連帯保証制度と、生活保護制度の大幅な改正を。
前者は起業のリスクを高め、廃業は死を意味するものとし続け膨大な人材を文字どおり殺した。
後者は働いたら負け状態を常態化し、失敗者を憎悪の対象として分断し、失敗したら終わりという恐怖感・絶望感を国民に植えつけました。

弱肉強食、絶対順法、共同体粉砕の「保守」とは何でしょう。
彼らの望むとおりになった世界は、まさに地獄なのですが。
本当にそれは、強者にとって天国でしょうか?
「運が悪かったな、だがそれは自己責任だ。社会に迷惑を掛けぬよう、家族もろとも自殺しろ」というのはただの地獄絵図です。

10

牛丼屋、ハンバーガーファストフード店それぞれの厨房設備から、「まったく別のものを供給する」ことはできるでしょうか。

そば(うどん)屋はうまいカレーとカツ丼や天丼を出します。
ですからそばがなくても、カレーや丼でやっていけます。
その気になれば天ぷら定食も出せます。

牛丼の設備で何ができるでしょう?カレー・ハンバーグ併設店でないとして。
煮込む設備が全てですから、それをカレーに置き換えるのは簡単でしょう。
シチューでも。
海鮮鍋をかけてもいいですし、キムチ鍋をかけてもいいでしょう。

ハンバーガーは?
パティを焼く、フライドポテトを揚げる、ドリンクを提供する…この三点が中心です。
それで他のことはできないのでしょうか?

9

「友だち」にはカルト的な面があります。
友だちの根本規範……
秘密の禁止。恋愛の抑圧。内部規範を法律・校則・道徳より優先すること。

どれもカルト教団と共通します。

問題なのは、「友だちの内部規範」が全員の学力を低下させていることです。
そのかわりに「友だち」たちに、何を与えているでしょうか?

8

袋があふれています。
スーパーやコンビニのビニール袋も、本屋やパン屋の厚手のビニール袋も、薄く巨大なビニール袋も、薄く小さなビニール袋も、もやしの袋も、米の厚く細かな穴が開いたビニール袋も、紙袋も、取っ手のない紙袋も。
買い物袋を持ち歩き、買い物のほとんどはそれを使っているのに。
ゴミをスーパーや米のビニール袋で出しているのに。
もうダンボール箱三つ分、一度あふれてこのままではゴキブリからみれば最高のマンションだ、とダンボール箱に密封しましたが、また箱に詰めても入りきらないレベルであふれています。
古チラシもあふれています。包装紙も。
そして、卵のパックも、プラスチックの種類は明白なのにどこもリサイクルしてくれません。
捨てるしかない…それが現実です。大きいゴミ袋を四つほど。

ですがもったいないです!
どれほど昔の人たちが、樹皮を細く裂いて編み、皮をなめして袋を作るのに苦労してきたか。どんなに貴重な財産だったか。
大震災の時には袋がどれほど助かるか。浮き輪に、水の配給を受けるのに、衣類の代用に、空気を入れて口を結びクッションの代用に、トイレに、切り開くなどしてシェルターに。
そしてビニールでも紙でも、ついでに卵のパックも、きわめてカロリーの高い燃料になることもわかっています。
ちゃんとした設備があれば、この袋で何日米と味噌汁を炊き、風呂を沸かし、部屋を暖めることができることでしょう。

あと、ゴミ袋は指定でなければというのがばかばかしい話です。なぜ充分丈夫なビニール袋に入れ、シールを張るか、より合理的にはゴミの種類を意味する紋様の細紐で口を縛ったのではダメなのでしょう?
決まりだからと思考停止していたら、そのうちアイヒマンになるでしょう。
この決まりは、絶対に守らなくてはならないものでしょうか?
どの決まりも無条件に、絶対に守らなければならない…そんな雰囲気が強まっているのも感じます。絶対遵法を全員に、きわめて激しく強要する。
時代の不安を、遵法という道徳に転化する。そんな危険な匂いがします。

それ以前に、つくづく日本の過剰包装は間違ってます。
あと…おそらく、袋を捨てた翌日が大震災だったら、バカなことをしたと絶叫するでしょうね。

もう一つ。その、捨てる袋と、今何らかの形で使っている袋…
それには、何の違いもありません。
未使用できれいに畳まれたスーパー袋を捨てる側にしています。破れた紙袋を、簡易物入れに使い続けています。
使うか使わないか、それは偶然であり、縁でしかありません。
そして袋にとって使われるかどうかは、物に神が宿るのでなければ何の痛手でもありません。神が宿るとしても、使い続けられるより焼却所のほうがいいと思っているかもしれません。
人間も同様では。
名簿から適当に選ばれてシベリア送りになる人もいました。
戦争では、天才でも英雄でも人間の屑でも、砲弾の破片は平等です。主人公は必ず生き残るのはフィクションだけです。
ホーンブロワーが提督となってから、若い優れた部下が戦死したことで罪悪感にさいなまれましたが、逆に彼を育てたペリューには優れた若者が百人もいて、ホーンブロワーはその中で生き延びた数人の一人、それだけでしょう。
今の日本でも、「冤罪リスト」は警察にはあると僕は思っています。事件が迷宮入りになりそうなら、リストにあって近くに住んでいる人を適当に引っ張って自白させ、それで解決、しているはずだと。誰からでも自白は取れるのですから。

それほどこの世界は不条理と偶然でできていて、正義と論理、因果応報勧善懲悪ではできていません。
そう考えると、フィクションほどこの世界と遠く離れたものはないですね。
ラザフォード原子模型と量子力学が描く現実より遠いです。

7

擬人化は危険です。

特に人間集団を擬人化することは。
多くの色のピクミンとパンモドキがペレットを奪い合っていれば、ペレットの動きだけを見て擬人化できるでしょう。ましてペレットの動き以外見えなければ。
実際にはプログラムの動きであり、自然に同様なことが起きても、その小さな虫たちはわずかな脳で決められた動きをしているだけです。
人間の巨大組織も同様に動くものです。

人を擬人化することすら危険です……大抵のことは、人は「習慣」「同調」であり、善意でも悪意でもありません。
特に人を敵だとみなしたり、また味方と感じたりする感情はとても危険です。

僕は、科学技術の進歩を冷笑する論調、太陽電池・軌道エレベータ・宇宙開発・素粒子加速器などを否定する言葉に、感情的に反発します。
そんな感情が、バイアスが自分にあると自覚していなければ。
自分が色つきサングラスをかけていると自覚していれば、それを見越して運転できます。自覚していないのが一番怖いのです。

6

僕が見ているのは百年、千年、十億年の時間軸。
特にその最悪の場合を前提にした、生物の類推での拡散戦略です。

電気自動車や太陽電池が、何でできているか考えて下さい。
植林に必要な肥料の元素も。
モーターの銅や磁石レアメタル、蓄電池のリチウム、軽量車体のバナジウム、それを加工するタングステン……肥料のリンとカリウム……どれも有限資源です。他にも何十元素も。
どれか一つでもなくなれば近代文明は維持できません。
銅が尽きれば江戸時代も無理、もう人が手で掘れる銅山など掘り尽くしました。

軌道エレベーターが…その他どんな意味でも大規模な宇宙進出も、マントルまで掘ることも物理法則として絶対に不可能ならば、もはや人類は文明の永続を諦め、人権も捨てて播種船と放送に力を集中するしかないでしょう。
不要な人間は皆殺し、五十年で温暖化で滅びても構わないつもりで化石燃料を燃やしまくって。

そうでないなら、永続などどんな形でも望まないなら、ただひたすら「今力がある人間の快楽」だけが、人類の目的のすべてです。好きなだけ化石燃料を燃やし、宴を楽しんで下さい……25年ぐらいは持つでしょう。
25年しかないのなら、石油に優るものはないのです。

どれほど環境保護に力を尽くそうと、七十億人の欲望には勝てません。
昔の『ジャングルの王者ターチャン』という漫画の終盤に、人口増による飢餓で人類が破滅する際、アフリカの野生動物も全て食料として狩りつくし、主人公も抵抗空しく殺される暗黒の未来が描かれていました。
そしてそれは、今現実に起きていることです。現実に、飢えた人々はチンパンジーやゴリラさえ食料として狩っているのです。
植林も環境保護運動も焼け石に水。腹をすかせ金に飢えた人間が七十億から八十億に増え、それからゆっくり減るとしても、その圧倒的な人口圧は全ての自然を破壊しつくすでしょう。
枯渇資源のどれかが尽きるか、何らかのバランスが崩れたときは破局に陥り、あらゆる自然を一瞬で消滅させるでしょう。
99.9%を皆殺しにするか、宇宙か海に向けるか、冷凍するかしなければ、来世紀に一本の木もないでしょう。
25年以上の未来を考えてはならない……この禁忌は、絶対なのですね。それを破ってしまった僕は、永遠にカサンドラの呪いをかけられてしまった……

人類そのものの現状を宇宙から見下ろせば、こんな感じに見えます。
難破船。周囲に陸影なし。針路は霧。人びとは遠慮なく飲み食いしています。
多数は飢えていますが、そのうち飲み食いに混じりそうです。
さて、どうするか。

25年後だけ考えて太陽電池・風力発電・電気自動車というのは、単に「倉庫の缶詰を半量配給にして食い延ばそう」でしかありません。援軍のない篭城は、希望のない漂流は無意味です。

植林も、甲板に種を蒔き釣り糸を垂らそうでしかありません。やらないより飢餓は伸びますが、有限な船の食糧も資材も早晩尽きます。

一家族だけ残して皆殺し。これでもかなり食い延ばせるでしょう。子供の代までいくかもしれません。甲板の畑と雨水でしばらく生きられるかもしれません(計画的な狩猟採集生活回帰)。
でも船体に穴が開く日が、どうしようもない嵐がいつか来ます。

好きなだけ飲み食いし、後は考えない。神様が助けてくれる。
これもありです、というか客観的に見れば、今人類はそうしています。

機関を修理し陸を目指す。ばらばらに救命ボートに乗り、別々の方向に向かう。遺書を通信機で送信し、SOSを打ち、瓶に写真と名簿と事故原因を書き入れて海に放る。
僕が望むのはこの道です。生き残りたいのです。

一人でも生き残ればいい、無理ならせめてこの船があったことを誰かに知ってもらいたい……人間にはそんな気持ちはないのでしょうか?
飛行機にはフライトレコーダーがあります。この飛行機がなぜ落ちたか誰かに知ってもらうために。せめて花を投じてもらうために。遺体の一片でも回収してもらうために。
今は大丈夫に見える船でも、それはすべきです。船はいつ沈むかわからないのですから。
そして、生物はすべて、「多数の子供をばらまく」ことで、誰か一人でも生き延びてくれればいいという発想です。人類もそうすべきです、未来が見えないのですから。明日巨大小惑星の激突やイエローストーンの噴火かもしれないのですから。
それよりもただ遊んでいたいのでしょうか。パーティと、隣人より贅沢をし、敵と戦うことが、人の目的の全てでしょうか。

機関を修理する、ボートを流す希望がないなら、遊ぶか瓶に手紙を詰めて流すか……
25年先だけ見て、食い延ばししか考えないなんて……そして遊ぶことも、神以外見ないことも……僕には想像もつかない考えです。
でも逆に、僕の考えのほうが異端で少数派です。おそらくはこの地球でただ一人というほど。
なぜ違うかも、誰も言ってくれません。考えることすらバカバカしいのです。

5

なぜスーパーでは、ちゃんと野菜・果物を食べたとはっきりわかるような野菜・果物ジュースが買えないのでしょう。
果物は濃縮果汁還元ばかり、野菜ジュースも加熱で多くの栄養が壊れているのは周知です。

でもジュースはきわめて手軽に野菜・果物を摂取できます。
そう…単純に、工場で野菜・果物を粉砕し、そのまま急速凍結させて、そのパックを冷凍されたまま売ればいいのです。
家で解凍し、好きなように混ぜて飲むだけ。

旬の野菜を産地で粉砕冷凍するだけでも、野菜そのものより安くなるでしょう。
そして栄養は損なわれていません。

まあ、自家菜園のほうが栄養価は高いですが…やはり難しいです。
せめて屋根ぐらいは自家菜園にしたいものですが。

4

『人類の長期的存続に無関心
最初から「百億年後に人類は絶対生存していない」と決めつける
科学進歩に対する悲観
「人間は意味物語を求める動物」だと認めない、少なくとも科学、「生命・人類の存続」を意味とみなすことは絶対反対』
そんな姿勢が、とても多くの本から見られます。

V・E・フランクルは人類が遠い未来には滅びると断言し、「人類の存続」を人生の意味とすること、人間を動物と認めることを否定しました。
ホロコースト生存者である彼には、ナチスドイツの「生存圏」と共通する、集団の永続を目標とすることは絶対に受け入れられないのでしょう。また人間の価値は絶対であり、貶めることには耐えられないのでしょう。
しかし、彼が主張するようにその瞬間の生きる方向だけが人生の意味ならば、客観的には人類を滅ぼすような行動を、自己満足と確信を持って行うことも正しいとなります。

文明崩壊・人類滅亡・地球型生命全滅……なぜ人はそれに関心を持たないのか、それどころか受容している人が圧倒的に多いのか。
人間の中にある、「科学技術と理性で文明が存続するのは嫌だ。宗教と愛国心に溺れ、階級や欲望を肯定し、自滅したい」「ユートピア(それも反科学・小国寡民・原理主義宗教……「全員が道徳的に完全」)がだめなら滅びたい」という衝動を、どのように言葉にすれば白日の下に暴けるでしょう。
多くの、特に古代超文明遺跡収集型冒険小説やバイオパニック小説の悪役たちの言動が参考になるでしょうか。
「魔神ガロン」の、支離滅裂なまでに出続ける悪の組織も。
ただ、「進歩はもう古い」「宇宙進出は夢物語だ」という言葉、それを強要する群れの雰囲気のために。
多くの本では、極度に精神論的な、要するに人間が欲望を持たないヒトモドキになる、ということばかり言って、社会制度や科学技術の進歩に真剣に向き合いません。
SFでさえ遠い未来については、人間の精神面での変容か、説明のない超光速技術はあるけれど人間精神が変わっていない世界だけで、何とかなる程度の科学技術とそれに合わせた社会制度についてはまず語りません。

「人類は百億年後には一人も生きていない」とは、僕は絶対に認めたくありません。
人類・地球生命の遠い未来が、「すでに決まっている」ということ自体が傲慢です。
「滅びるに決まっている」という人が多いですが、実際にはわからないのです、滅びるか、それとも宇宙への橋渡し種になるか。
「わからない」から、「ビジョンを選び、そちらに向けて努力することは誤り」とはなりません。
努力が無意味、世界が舵を切れば動く船なのか、レールに乗った電車なのか、統計しかわからないパチンコ玉なのかも、今の段階ではわかっていません。
どうなるかわからないけれどやってみる、またリスク分散のため種を広く蒔く、それ以外にないはずです。

なぜ努力をしないのでしょう……理由は、人類そのものの本性がそういうのは嫌いだから、ですが。
人間一人一人にあるのは、自らの欲だけです。
個体の、呼吸し、飲み、食い、眠る欲。
性欲。
その結果産まれた子を生かす欲。
他人とコミュニケーションを取り、支配しすること、さらに集団や神に合一し、物語を追求することも、欲です。
目的論を排除すれば、その「集団に加わる欲」によるまとまった群れは、より生存する率が多かったのです。
しかし、個体の関心は個体の欲と、自らの家族、そして進化心理学的には数十人の群れのみです。
それ以上の関心は、進化上必要ありませんでした。

どうやら、その小集団に対する関心を(原理主義的)宗教およびナショナリズムに対する忠誠にすることには、人類の精神はたまたまかなり適合しているようです。
しかし、人類が今後……百年以上の長期間文明を続けるには、それ以上の関心が必須です。
人類全体に対する関心が。また、わかりやすい構造の物語と異なる、科学が語る物語に耳を傾ける理性が。
残念ながら、人類のわかりやすい物語好み、保守性、宗教好きが、その足を引っ張っています。
その結果滅びを選びそうなほどに。

「宇宙は人類の第二の故郷ではない」「宇宙進出は間違っている」「進歩すべきではない」と主張する人たちは、将来の技術進歩の見通し、そして絶対的な善悪を、絶対的にわかっているということです。
そんなはずはありません。
技術進歩もわかりません。善悪も決めていいはずはありません。人類は生物です。

そして、人類は「我々はどこから来て、何者で、どこへ行くのか」という問いに、関心を失ったのでしょうか。
科学的には、人類は生物の一つの種です。宇宙や地球の成り立ちについても、科学は多くのことを言っています。
しかし哲学はそれを無視し、言葉の世界だけに耽溺しているようです。少なくとも最先端の科学知識を基礎に「その問い」に答えようとも、人類を導こうともしていません。
前進も「問い」もないのでしょうか。
ひたすら経済がすべてでしょうか。
誰が人類の行く末を決めるのでしょう。誰が地球号の舵を握っているのでしょう……その舵が実際に効くかどうかはともかく。

そして宇宙進出を拒む、進歩を否定する環境保護主義者に聞きたいこと。
何十億人もの人間がずっと地球に居座って、千年後に森や木やサンゴ礁が残っているとでも思っていますか?
今、地球の陸地の何割が耕地ですか?耕作可能降水量・気温の面積の何割が?
再生可能エネルギーによる「自然と調和した」文明でも、それどころか江戸時代の水準でも、五十億かける五千年になれば……人数も時間もその十分の一でも、確実に地球の森は切り尽くされるでしょう。古代の中国やローマ帝国も森を切り尽くしました。
地球環境を守りたければ、人類は一億以下除いて、皆殺しにするか、それとも宇宙に移すか、まあ砂漠・外洋・海底・地中に人工都市+農場を築いて移るか、どれかしかないのです。

そして将来の人類は、原始生活に戻るのか、江戸時代水準か、省エネを極めた近代生活を送るのかどれですか?
原始生活なら地球の定員は一千万以下。江戸時代でも数億。
近代生活をするのなら、省エネをすればするほど多様な元素資源を消費し……どれかが枯渇したら近代文明は終わりです。
宇宙か滅びるか、万年後には原始生活でいつか滅びるか、です。
マントルまで掘れるドリルを作れば、それで深いところからレアメタルを掘り出し、それと風力や太陽光発電で何億年か地球で暮らせるかもしれませんが……それには多くの人口と高い環境負荷のある高度技術文明が必要でしょう。

まず、「人口*年月*生活水準」で環境が破壊され、少しの再生が、特に人口圧の低い地域でのみある……それが事実です。
それが地球環境全体を越えたら、もちろん終わりです。また生活水準を落としても、人が生きているかぎりゼロではありません。
宇宙進出が物理学的に絶対に不可能なら、播種船に人類の総力をつぎこむべきではないでしょうか、地球のこの生命、人類という種、双方が生み出した多くの文化や美を残したいのなら。残したくないのですか?たくさんの種や卵を産んでばらまき、自らは死ぬ生物を、なぜ真似ないのですか?

それ以前の前提、「人間の目的」が何かが違うのかもしれません。僕は「地球型生命の(太陽寿命を越えた)永続、人類文化の維持」が目的ですが、環境保護側は「正しい生」、いや自分たちの権力が示され寄付が集まることが目的なのかもしれません。
これは考えていいがこれは考えてはいけない、という暗黙のリストも、その目的でしょう。

さて、僕はどこが間違っているのでしょう。
間違いについての指摘はないでしょう。僕の全人格が誤っているのですから。
単に僕は、どの立場の人にとっても、敵なのです。
僕が前提を指摘しても、その言葉自体を拒否するでしょう。「国体とは何ですか」という問いが禁じられたのと同様、前提を議論することは共同体の非言語規範に反している、暴力より重い犯罪行為なのです。

3

「人類の未来の予定表」
目的は「一つの籠にすべての卵を入れるな」は共通。新技術の有無を基本に。

悲観シナリオ
人類も地球型生命も何十億年後には確実に滅びる…それを前提とするなら、少なくとも僕は全ての価値や意味を喪失します。
極端な温暖化による、五十年以内、いや二十年以内の文明崩壊を前提にしたら、それこそ情報・受精卵を入れたカプセルを打ち上げ、電波情報を送信し、人類が壊滅しても自動的に送信し続ける大型衛星を打ち上げることに総力を挙げるべきです。

というわけで以下楽観シナリオ。

できるだけ早く極超音速スカイフックの実証実験から実用化。2030年前後を目標に。
静止軌道エレベータも2050年ぐらいには、ただしこれは技術の神様次第。
その後は月開発、水・金・火星開発、恒星間連絡船と進む。

人類の食料は、できるだけ化石地下水ベースの地上農耕から、海水・海に降る雨水ベースに移行する。
沿岸砂漠での大規模な塩生植物農耕
富栄養化海域や窒素は多いのに鉄不足で光合成が少ない海域での鉄散布による海藻・牡蠣大量養殖(牡蠣は保存食として基幹食料、海藻はバイオマス液体燃料および家畜飼料化)
貧栄養外洋での肥料散布による海藻養殖
赤道大河河口から広がり、大河と雨水を利用したメガフロートでのアゾラ・水稲・大豆複合農業
これらを同時平行で技術開発、特に世界の膨大な極貧層・過剰人口を吸収する方向に。

本格的な宇宙移民が進むとしたら、どんな順番で、またどんな目標に向けて進むでしょう。
技術として軌道エレベータ……現実的には極超音速スカイフックと、大規模で宇宙空間に長期間耐える太陽電池、マスドライバーも想定しますか。
少なくともスカイフックと太陽電池は、今の技術で可能なはずです。つまりやればできるのです。
最初にやるのはロケットでスカイフック・宇宙太陽光発電の技術を実証すること、静止軌道エレベータ用のカーボンナノチューブの量産方法にむけた研究開発でしょう。
それと長期間の宇宙生活のための、次世代の宇宙服や宇宙生活技術、回転による人工重力技術ですね。

さて、少なくともスカイフックができてから。
大規模な宇宙太陽光発電所、また月の恒久基地が最初に作られるでしょう。
まず地球近くは、ガンダムタイプのスペースコロニーと、地球をリング状に囲むのと、どちらが楽でしょう。特に人工重力を保つのに。
月は表面で半分の日光を受けるのと、月から離れて一日中日光を浴びるのと、さらに地球の近くまでマスドライバーで資源を打ち上げるのに徹するのと、どれがいいでしょう。

太陽系で、農業を行うのに一番いいのはどこでしょうか。
僕は地球の外洋および砂漠だと思っています。スカイフックを利用して大規模な宇宙太陽光発電所を作り、エネルギーをほぼ無限としてからが前提ですが。
中緯度の外洋では窒素肥料を散布するか、大深度から栄養塩に富む水を汲み上げ、コンブやホンダワラの類の大規模な農場を作れるでしょう。それは発酵させて家畜飼料にも、またバイオエタノールにもなるでしょう。
赤道直下では外洋でも豊富な雨があり、メガフロート農場で水田を作れるでしょう。アマゾンなどの大河沖なら大量の、栄養豊富な淡水を受けとることもできます。水田でアゾラと稲を交互に育てれば、窒素肥料も必要ありません。
砂漠地帯は、奥地であれば莫大な費用がかかりますが淡水化した海水を送り、沿岸部なら安価に海水で塩生植物を育てることができます。
また非常に大規模な土木工事で、アマゾンの水を中南米の、中央アフリカの水をサハラ、東南アジア赤道地帯の水をオーストラリアに送ることも将来はできるでしょう。
膨大な水・窒素・二酸化炭素を必要とし、面積当たりの生産量が低い農業は、やはり地球が適地でしょう。

それで膨大な食糧生産量があれば、地球の陸地、特に人類が存在しなければ森林だった場所は徐々に森林に戻せるでしょう。ついでに温暖化は解決どころか寒冷化が心配になるでしょうね。
その技術が確立すれば、人類の大半の都市文化生活は元砂漠に移せそうですね。

ただし「一つの籠にすべての卵を入れるな」、地球外でもある程度はやっておくべきでしょう。

火星やそれ以遠は太陽から遠いので、無理をして大規模な農業をやるには適していない気がします。
核融合ができてから人工照明での、また鏡で日光を集める手を使えば、小規模なドーム内なら高密度水耕農業を考えるならいいでしょうし、恒久基地のための現地食糧生産は必要かもしれませんが。

火星に軌道エレベータを作り、それで資源を吸い出して巨大コロニーを周辺に作るのと、テラフォーミングするのと、どちらが容易でしょう。
いや、火星のテラフォーミングにも、火星地表で極薄の金属板を作っては軌道エレベータやマスドライバーで周辺に打ち上げ、日光を反射させて大きい虫眼鏡のように日光を集めれば結構早く行く可能性はあります……気圧そのものを考えなければ。
気圧は、膨大なケイ酸塩鉱物を莫大なエネルギーで分解し、要するに酸素を分離して酸素分子主体の大気を……可能でしょうか、火星の重力で?

金星は何に使えるでしょう。
熱すぎる上に水がありません。軌道エレベーターを下ろしても、当面手に入る資源は二酸化炭素と窒素と硫酸の硫黄ぐらいです。
鏡で、日光をさえぎって冷やしても水がなければ農業はできませんね。
正直使い道がない、ダイソン球の素材でしょうか…

そして最重要なのは水星です。
太陽に最も近く、莫大な鉄資源がある水星から大量の太陽電池を作り、水星よりさらに近い太陽公転軌道に……それが、核融合炉に期待しない場合、人類が最大級のエネルギーを得る方法です。
それを地球まで送れるかはともかく。送れないのであれば、金星から二酸化炭素、地球や彗星から水を運んで人口の大半は水星内軌道で暮らせばいいのです。
最終的には、水星より太陽に近い公転軌道に、水星の鉄を構造材にし、金星の二酸化炭素と窒素を利用した大規模なコロニーを多数、農業規模は小さいけれどエネルギーは桁外れに使い放題の生活、それができれば水星を使い潰すまで当分仕事はなくならないでしょう。

もちろんどの段階でもその余剰エネルギーで、宇宙各地に地球型の生命と、情報を詰めこんだ「種」をできるだけ送り出す努力もするべきです。

そのような未来が嫌いなら、地球は別に安全なところではないし、いろいろな資源は有限……滅びたいんですね、ということです。

物理法則が許さないとしたら?長いカーボンナノチューブも核融合炉も絶対に不可能、スカイフックと宇宙太陽光は圧倒的にエネルギーの無駄遣い、人類は本質的に宇宙で暮らせない、化石燃料は圧倒的に強力……だとしたら、今ある化石燃料で種を蒔くことに専念すべきです。人類の、地球生命の行く末は諦めて。
ですが否定する人たちは、極超音速スカイフックについて、どれほど知っているのでしょう。

大切なこと……
生命の火を受け継ぎ続ける。たいまつをリレーするように。
これは選択だが、文化の火も。人権、誰も餓死しないことを。
全員、より長い視点で充分豊かに暮らすために、宇宙進出や砂漠緑化のための労働力とできるはず。

2

言葉は言葉だけではありません。
htmlファイルは、テキストのみであっても、ちゃんとメモ帳で開けばテキスト内容の前に、ページタイトルや作成ソフトなどのデータが必ずあるように。
テキストファイルでさえも、少なくともMacで作成したものなら、本文の前に開くソフトを指定する情報文字列が存在します。
人はまずそれを見ます。

僕は、その「見えないヘッダ」部分に「私はあなた方の敵です。私の言葉は読むに値しません」と書いてあるようなものです。
共通前提、立場、肩書……文章の微妙な部分に、魂そのものの穢れがむき出しにあふれ出すのです。
ちょうど、『パタリロ!』でロリコンのヒューイットがパタリロから借りた機械をつけたら、少女には笑顔の裏に「欲望むき出しの獣」が見えてしまう(善人に見られるようにするつもりだったが設定を間違えた)ように。
それこそテキストファイルで投稿しても、開く前にウィルス対策ソフトにはねられるようなものです。
だから内容をどう練っても無駄です。

人が他者の言葉を聞く・読むには、その前に何かが必要です。
おそらくはきわめて魔術的な。
その「何か」がない言葉は、聞く・読むことはできないのです。たとえ無理に耳にし、目にしても頭に入らないのです。
それを出した人に対する人格的な敵意しか感じないのです。

僕は、いかなる場合もその「何か」がありません。
だから僕は誰にとっても敵であり、言葉を読むに値しないクズなのです。
僕は言葉を磨き、学んで内容を高めても無意味なのです。「何か」がないのですから。

「何か」でもっとも大きいのは肩書きです。
そして「自分の同じ群れの一員であること」。
「言葉の内容」ではなく、「誰が誰に語り、その結果受け手はどんな反応をするか」が言葉だとしたら、それは僕にはもう理解不能、まったく手の届かない世界です……リー代数や段違い平行棒よりも。

いや、それ以前に僕の文章には内容もない……徹底的に支離滅裂で、意味不明で、科学的事実と矛盾し、内容も矛盾し、日本語の体をなしていないのでしょう。
狂人の戯言でしかないのでしょう。文法的に誤っているのでしょう。すべてが間違っているのでしょう。
誰にも内容が通じない、それが事実です。

1

世界は複雑で予測できない。
しかしくり返すことはできない。
一つだけの球を持ってパチンコをするのと同じ。
ならどうすればいい?

最悪を想定して救命ボート、一つの籠に卵を入れぬよう散らばれ……人類文明や生物情報を電波で放送し、ボイジャーのように太陽系外に飛ぶできるだけ情報と受精卵を積んだカプセルを打ち上げ、宇宙進出の努力をする……あらゆる技術革新の可能性に投資する……それだけのはずです。

それを拒否する時点で、はっきりすることがあります。
人の「目的」が根本的に、僕の「生命圏の永続>人類の存続期間延長>人権・文化」とは、まったく違うということです。
ほとんどの人は、「現在の常識に従うこと」「自分の属する群れの物語」「他者を攻撃する快楽」が目的なのです。生命と文化の松明などどうでもいいのです。
人間が生物の一つの種であることを、物語構造ではなく偶然がすべてであることを、絶対に受け入れられないのです。

パチンコ玉に戻りましょう。
人類が生物代表として、宇宙への橋渡し種になれるかどうか……それは結果が決めます。人類が歴史を必然であるかのように振り返り、理由を探すように……産業革命が中国ではなくイギリスであったことの。
そしてその結果は、事実上努力とは無関係の偶然、パチンコ玉です。
しかし、ユーステノプロンには何兆もの機会があったのでしょうが、人類には一度きりです。
次はありません。人類は掘りやすい地下資源をほぼ使い切り、それは残り数億年の、全生命滅亡までの期限では補充されません。
一個の球だけを持ってパチンコ屋に入る……それは、事実上敗北と同じ、客観的には愚行の極みです。

ではどうしますか?諦めますか?
いや、すべきことは……最悪を前提に遺言書を弁護士に預け、玉を投じ、落ちるまでにできることは全部やってみることだけです。
でもどちらもしそうにありません。遺言書を書くことは「人類の設計上」嫌い、玉は投じるのは「人類の設計上」嫌だから、玉をしゃぶって食べてしまうだけでしょう。先のことは何も考えずに、幻想にすがって。

僕のメッセージは処女作『こんな明日はいかが?』を書いたときから変化したようです。「未来を選ぼう」から、「パチンコ玉なのだから、最悪を想定せよ」に。操舵室争奪戦より、救命ボートと通信室の点検に。目的は変わっていませんが。
心底不都合な真実……「必須元素の有限性・完全リサイクルの不可能性により持続可能は、もちろん化石燃料・原子力も高々百年の先延ばし」「人間が未来を選べるというのは妄想。歴史の流れ・科学技術の発展は偶然」を認めれば、そうなります。

宇宙船地球号には、救命ボートもフライトレコーダーも通信機もありません。
舵をどちらに切るかより、まずその三つです。
舵はダミーかもしれないのだから、舵をどちらに切るか検証不能な泥沼議論より、まずそれら、重大事故を前提とした装備です。
少なくともボイジャーとパイオニア、アレシボメッセージは何十年も前にできたのですから、今の技術でできるのははっきりしています。

地球の生命が、人類が作り出してきた無数の情報を、全てがダメでも宇宙にばらまこう……文明崩壊時、生き残りがいれば必要とする本と作物種子のセットを配っておこう……それが、最悪を前提としてすべきことです。