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30日

歩兵が持てる武器について、西側を中心に一から考えてみましょう。
ちなみに、「多くの安価な弾丸を持つことができる」ことと「本体5kg以下」が何より優先される必須条件のようです。
*マークは現在歩兵が個人で持つことはまずありえないです。

使用弾薬 種類 西側代表 重量 近距離 遠距離 射程 特殊 取り回し
ライフル弾(大)
12.7mm×99など
対物狙撃銃 M82バレット 13kg 安価

少し重く多く持つとかさばる

速射はできないし取り回しが悪いが当たれば強力 非常に有効

要専門訓練

2km 軽装甲は貫通
多様な弾丸
対人は国際法で禁止
長い悪い
ライフル弾(中)
7.62mm×51NATOなど
多目的機関銃 M240(FN-MAG) 11kg 腰だめで撃てれば多数を制圧できる。
待ち伏せ、塹壕防御などに使うと最強。
有効。拠点防御にも使える 1km 車載など用途が広い 重い長い悪い
バトルライフル M14,FN-FAL 5kg 普通 セミオートなら 現在主流から外れ、狙撃銃化 長いやや悪い
ライフル弾(小)
5.56mm×45NATO、など
アサルトライフル M16,AUG 3kg 安価

軽くかさばらない

バーストも速射もでき強力だが、マンストッピングパワーは低いとも 横風に弱い

貫通力低い

300m 現在主流
各種電子機器、グレネードランチャーとの統合
ブルバップは良好
SAW(軽機関銃) M249ミニミ 6kg 弾幕で強力な制圧力 500m 主流に 短銃身バージョンも
拳銃弾
9mm×19、45ACP、FN5.7mm など
サブマシンガン UZI、H&K‐MP5 2.5kg 非常に有効 無効 50m 特殊部隊、塹壕戦で使用 非常にいい
PDW FN-P90 3kg 非常に有効 200m 非歩兵の護身、特殊部隊 非常にいい
ピストル M1911,M9(M92F) 1kg 有効 50m(実質10m) サイドアーム、非歩兵の護身、特殊部隊 最高
ショットガン M870,M1014(ベネリM4) 3kg 安価
やや重くかさばる
非常に有効、高威力 50m 特殊部隊、塹壕、ジャングル戦
多様な弾丸
戦争では違法
非常にいい
グレネードランチャー M79,M203 1.4kg 高価
やや重くかさばる
至近距離では信管が作動しない
中距離では最強
それほど長くない 400m アサルトライフルに取りつけるのが主流
曲射性能
アサルトライフルによる
手榴弾 500g 安価
重くかさばる
至近距離では非常に有効 全く届かない 20m 塹壕や部屋に放り込むなど どこでも使える
ロケットランチャー AT-4,パンツァーファウスト 7kg〜 多くは使い捨てで高価 白兵戦以外では有効 長射程のものは有効 まちまち 戦車級の装甲を貫通できる 悪い
後方噴射
*迫撃砲 M224 21kg 高価

重い

かさばる

至近距離では使えない 特に防御で非常に有効 3km 曲射性能=対塹壕では最強、陣地防御
対装甲弾も
要専門知識
悪い
地面に置かねばならない
*無反動砲 カール・グスタフ 16kg 普通使わない 非常に有効 1km 徹甲弾から対人榴弾まで多様な砲弾を撃てる 悪い
後方噴射

現在の歩兵に多い拳銃、手榴弾、アサルトライフルが基本、分隊で軽機関銃とロケットランチャー、グレネードランチャーという装備は、軽量化に徹していて事実上遠距離を捨てていることがわかります。
ただし近距離の正面で非常に有効な、非常に取り回しやすくマンストッピングパワーが強い武器もありません。

300m以内の中距離において有効、軽くコストの安い火器に集中しています。

では近距離のマンストッピングパワー、中距離の制圧、曲射兵器、遠距離、対装甲攻撃のバランスがいい兵器体系はどのようなものでしょうか。

50m以内の至近距離では手榴弾を除くとショットガンとサブマシンガンがベストです。
最近はショットガンで発射できるグレネードも登場していますし、サブマシンガンではFN-P90のようなPDW(パーソナルディフェンスウエポン)が登場しており弾丸も軽く、200m前後まで射程が延びています。
またH&K G36Cのように、極端に切り詰めたアサルトライフルをサブマシンガンのように使うことも考えられています。
マンストッピングパワーでは圧倒的にショットガンが高いのですが、弾丸がかさばり、反動が強く、法的な問題もあります。

中距離では現在の歩兵分隊のシステム…アサルトライフル、SAWの低コスト軽量な弾丸と本体、多目的なグレネードランチャー、それに装甲も貫通するロケットランチャーの組み合わせは非常に優れたものといえるでしょう。
米軍が計画している(棚上げ?)OICWは、グレネードランチャーの射程を延ばすことによって長距離もカバーしようとしているようですが、コストがかかりすぎ、全体も重くなり、高度なコンピューターの戦場での信頼性が確保できない上に電池でさらに重くなるためかなり難しいようです。また至近距離の絶対的な武器はあるでしょうか(グレネードのほうがショットガンも撃てるならいいのですが)?

遠距離では迫撃砲と多目的機関銃のコンビは、歩兵が持ち歩くのには無理がある重さですが最強です。特に陣地を固めて防御に回る際には必須です。
またもし迫撃砲が現在以上に小口径化、軽量化され、歩兵が単独で持ち歩けるようになればこれ以上強力なものはほとんどないでしょう。
長距離で使えて比較的軽く、弾丸コストも安いのがバトルライフル、対物狙撃銃です。その中間が最も軽量低コストの長距離兵器になるのではないでしょうか。

そうなると…今の僕の一つの結論、個人なら長距離単発の大口径ライフルとグレネードも撃てるショットガンを組み合わせる、でしょうか。ブルバップ式のボルトアクションにして非金属素材を多用すればある程度軽く短くでき、さらにグレネード兼用ショットガンを統合すれば全体もある程度軽くできるのでは…
対戦車は無理ですが軽装甲は大口径ライフルで貫通でき、近距離はショットガンと手榴弾、中距離は主にグレネードランチャーで制圧できます。できれば近中距離のサポートとして、SAWを持つパートナーがほしいところです。
数人なら全員グレネードも撃てるショットガンを基本に大口径ライフル、SAW、軽量化した軽迫撃砲など一人一人が使い分けて全体がどの距離でも強力な打撃を浴びせられるようにしたいです。
それと全員OICWと、どちらが優れているのでしょう。そんな重いものより多目的機関銃のほうがましかもしれません。

問題は重量制限です…OICWが6.5kgになるのさえ重すぎるといわれていますし、合計5kgのアサルトライフル+グレネードランチャーでさえ全員が装備しているわけではありません。
装填した本体が5kg以下でなければならない、ということなのでしょうか。
そうなると実質、中距離まで届き弾をたくさん持てる装備としてはバトルライフルかアサルトライフル+グレネードランチャー以外にない、ということになります。難しいものです。

そうなると簡単に担げるほどとことん軽量化した軽迫撃砲と、アサルトライフルとサブマシンガンの中間…FN-P90または東側の5.45弾をより軽いライフルで撃てるようにしたものを同時に持つのがベストでしょうか。
もしかしたら、M2重機関銃の弾丸である12.7mm×99が対物狙撃銃で個人発射できるようにOCSWの25mm砲弾を発射できる兵器が個人使用の分隊火器として出てくるかもしれません。
中遠距離ではそれも非常に有力でしょう。

ちなみに東側のAK74、AN94の5.45弾は有効射程1kmといわれ、さらに軽く当てやすく信頼性も高いとデータ通りなら文句なしの性能を誇るのですが…それと対戦車ロケットランチャーがあらゆる距離+装甲に最も有効かも。

29日

議員が口にした「反日」という言葉について、強い反論がありました。
こういう舌禍を見ると言葉の難しさを痛感します。
多くの内容を、わかりやすい一言で表現しようとする…逆にマスコミの側は、その一言だけを取り上げて批判することで本質が見えなくなる代わり、反応する人の情緒に火をつけて話題を作って売ることができる…

本来「反日」という言葉は「左翼」が主な対象だと思います。「左翼」はソ連、中国共産党の意を受けて日本を滅ぼす活動をしているのだ、という…昔はかなり事実でもあったことを受けています。
ただし、平和、人権、自由平等など普遍性の高い理想を「左翼」が利用したため、純粋にそういう理想主義で動いている人も組織の沿革や人間関係、本などを通じて「左翼」思想に触れて…汚染ともいえます…スターリンを信じて日本政府を滅ぼそうとしているわけではなくても、自民党政権と日米安保体制に反発する感情、政治的信念をもつことも多くあります。

問題は、その割合を知ることが非常に難しいことです。本当に金正日に忠誠を誓い、日本で共産革命を起こすことを目標にしている人なのか、純粋に劣化ウラン弾の悲劇に心を痛めている人なのか判断するのは簡単ではありません。
逆に冷徹に日本の歴史と国益を考えた末に日米安保、自衛隊イラク派遣を支持している人と、アメリカの軍産複合体に雇われ、戦中からの日本の黒い人脈に乗っている人を区別するのもとても難しいです。
実際に「敵」が存在し、そして双方が激しい情報戦を繰り広げた事実がある…どちらもそれぞれの国益や私益、理想を色々ごたまぜにして戦ってきた…そんな中で、ある発言の意図、相手の本当の背景を知ることがどうしてできるでしょう。

「反日」「非国民」などの言葉は批判を封じてしまう危険があります。
でも、その批判者の中に本当の敵が混じっているなら…という、「本当の敵」を協調するのも政府の情報操作かもしれない…という宣伝が敵かも…もうどうすればいいのでしょう。
それに批判が正しいとも限りません。
批判が自由に許されるのが一番なのですが…

28日

イラクで人質になった被害者の「自己責任」バッシングと、それに反発する声が紙面をにぎわしています。
まあ、人質が全員無事だったからそんな太平楽を言っていられるのですが。

この問題で「自己責任」という言葉にこだわると、本質を見失います。

人質およびその家族に対するバッシングの本質は、特に人質の家族がメディアで「自衛隊の撤退」以外にないと主張したことに対する反発です。
国民の多くがダッカ事件でテロリストの脅迫に従うことには懲りており、「テロに屈してはならない」という論理を理解しているため、国民も「テロに屈しない」覚悟をしようとしていました。
そこで「自衛隊は撤退しろ」と、頭から決めつけられて腹が立ったのでしょう。
さらに、彼らの思想が広まるにつれて人質事件があってもなくても、人質が助かっても殺されても「だから自衛隊は撤退しなければならない」だとわかったから…しかもその主張が、明らかにイラクのテロリストの側に立っているような感じでもあった(反ブッシュ反小泉)ため、観ている側の感情的に曇った目にはテロリストとぐるであるようにさえ見え、自作自演説がネットを席巻したのでしょう。

多分、被害者のとるべき態度と、国民の世論を情緒的に動かして自らの家族である人質さえ利用するかのように「自衛隊撤退」を押しつける態度が違ったのでしょう。

ただ、それなら「人質を取っての脅迫に屈したらきりがないから屈することはできない。
人質の家族という同情を誘えるいいことに政策に口を出し、情緒的に世論を誘導するのは危険だ…たとえ今回あなた方が正しくても、大事件とその情緒が世論と政府を動かすとしたら、次には間違った方向にも動かせるのだから。
自衛隊撤退は一市民として主張すべきであり、人質の家族として主張するのは間違っているし、現状ではテロに屈することが政府にできるはずがない」
といえばいいのであり、自己責任云々は無意味な言葉遊びにも感じられます。

27日

補選は自民党の完全勝利、在職三年を超えた小泉政権もますます安泰のようです。

もちろん前々回の参院選で、補選では圧勝だった自民党が負けて橋本首相が退陣に追い込まれたことを考えるとこのままかははっきりしませんが。
何よりイラクに派遣されている自衛隊、国内の大規模テロなどギリギリまでどういう結果になるか予想がつかない不安要素があります。

ただ、基本的には小泉政権は信任されたといっていいでしょう。
投票率が低いことでわかるように、他を全部徹底的に否定した結果の消極的信任と考えられますが、小泉自公≫菅小沢民主という結果なのは事実です。
低投票率により、公明党の存在感がますます強まることに危機感がないのは不思議ですが…

26日

テロをなくす方法は軍事力の行使ではなく、世界中を平和で豊かで自由平等で民主的にするほかない、といわれます。

でも、地球の資源がそれに足りなかったらどうするのでしょう。
現在の先進国の「平和で豊かで自由平等で民主的」な生活は、圧倒的多数を搾取しない限り維持できないものだとしたらどうするのでしょう。
無理に世界の富と資源を平等にならしたら、自由平等民主を維持するのに必要な生産の安定、何より治安が絶対に維持できないとしたら。
皆が「平和で豊かで自由平等で平等で民主的」な生活が…もし物理的にありえないとしたら。

地球全体を先進国のようにしようとすると、どうしようもなく破綻するとしたら。アメリカのサイズが限界だとしたら。

地球が狭ければ宇宙に行こうという世迷いごとはもう誰も信じていませんし、社会主義は自由どころか平等でさえありませんでした。

25日

もし「一票の格差」が早期に是正されていたら、どんなことになっていたでしょう。

諸悪の根源といわれるそれがないのですから、日本は現在のような経済的苦境もイラク派兵のような国の倫理が問われる問題もなく、誰もが素晴らしい生活をしているでしょうか。
自衛隊もとっくに解散され、きちんと公平と人権が守られる理想的な社会になっていたでしょうか。

「一票の格差」は農村有利で都市が不利です。それで農村に補助金を出す自民党が政権に居座り続けています。
それがなくなったら都市部で強い政党が勝ちます。で…それで昔に社会党が勝っていたことはありえたでしょうか。昔の力関係はどうだったのでしょう。そして、それでどうなっていたでしょう。

また、単純に政策が農村優遇ではなく都市優遇になっていたとしたら?
それは現実のそれよりはなはだしい「地方農政切捨て」に他ならなかったのでは?
現実には「一票の格差」があっても、地方や農村は決して楽ではないようですから…
そしてその結果、今の日本よりよくなっていったのでしょうか。

24日

日本が中国の軍門に下ったとき、最も不利益をこうむるのはアメリカでは?
在日米軍基地と自衛隊というパートナーを失うことは、事実上アジアから追い出されることを意味しています。
それは世界の覇権を半分以上手放すことです。

ではなぜ、アメリカは中国が日本にかけてくる圧力から日本を助けようとしないのでしょうか。

大戦に謝罪する件については、アメリカも東京裁判など同罪の面もあり、また日本のナショナリズムがアメリカからの自立に向かうのを恐れているのかもしれません。

尖閣諸島や沖ノ鳥島など領土問題、北朝鮮難民の問題などについてはどうなのでしょう。
いや、チベットなどの人権問題について、アメリカではどう…

もっと端的に言えば、アメリカは中国をどう見ているのでしょうか。
覇権を争う最強の仮想敵国か、たとえ台湾や日本を見捨てても敵に回さない戦略的パートナーか…

23日

水戸黄門型の話は日本以外では不可能なのでしょうか。
ロシアでの暴れん坊皇帝とか…

22日

日本のキリスト教の靖国神社をはじめ国家神道、日の丸君が代、天皇制に対する否定的態度はいくつか疑問を感じます。
特に基準として、

はどうなのでしょう。

自分の国に対する忠誠を国旗国歌、国王への敬意という形で表明することは欧米のキリスト教にとっても当然の義務では?
なぜ日本の日の丸君が代だけがだめなのでしょう。
それはナチスのハーケンクロイツと同様だからでしょうか?国家神道の旗=偶像だからでしょうか?
侵略の象徴というなら大抵は同じようなものです。
偶像というなら、なぜ他の国の国旗は許されるのでしょう。
日の丸君が代は、少なくとも明治政府以来の伝統があります。明治政府も正統な日本政府として認めない、というのは歴史認識としては偏っています。

また、日本のキリスト教は絶対的な非暴力、軍事全否定が特徴ですが、海外のキリスト教はなぜ軍事力による祖国防衛を否定していないのでしょう。
イエス=キリストやパウロの権力に対する態度は「カエサルのものはカエサルに、神のものは神に」と世俗の権力を認め、キリスト教の支配は内面のみです。

内閣総理大臣の靖国参拝問題ですが、靖国神社はだめで伊勢神宮はいい、としたらそれはダブルスタンダードです。すなわち伊勢神宮も許されないことになります。
もちろんキリスト教信者の首相が誕生しても、在任中は教会に行ってはならないことになるでしょう。外国の王室も主要政治家も、教会に行くことは許されないことにならないでしょうか?
本人それぞれの、特に内面の信仰は立場によらず認められるべきであり、政治家はあくまで能力で評価されて国を動かし、王室は伝統の体現者であるべきです。
西洋における王室、アメリカにおける大統領就任式などのキリスト教的伝統は許されるが日本の天皇制、神道は伝統とは認められない、というダブルスタンダードはないでしょうか。

日本の総理大臣の靖国神社参拝は特別な問題だ、ということですが、それなら憲法の政教分離規定で提訴すべきではありません。
伊勢神宮に参拝するのは国家神道とは関係なく、靖国神社に参拝するのは国家神道の復活を狙う蛮行だというのは矛盾しています。
国家神道は国教であり、他の宗教を弾圧したことがあるからよくない、というならカトリックもプロテスタントも昔は国教であり、他の宗教を弾圧した歴史はあります。

靖国神社参拝=侵略肯定であり、それは憲法の精神に反するため憲法遵守義務を犯している、または靖国神社の存在自体を否定するべきですが、どちらも普通裁判所は判断しないでしょう。

伊勢神宮は伝統があり、靖国神社は伝統ではない…では何かが伝統かどうか決める基準は何でしょうか。
明治時代にできたものは伝統ではない?人工的で不自然?
それは白か黒かはっきりできるものではないでしょう。同じようにプロテスタントやイギリス国教会は伝統的とはいえないから、伝統儀式としてもふさわしくないと言えます。
成立プロセスに多少疑問があっても、一種の時効で伝統となる…そう考えなければ不自然で犠牲の多い復古かイデオロギーによる社会改造を主張するほかありません。

キリスト教はキリスト教国以外の伝統は一切認めない、という基準をとってしまうと、ペテロが夢で神が与えたトカゲなどを食べなかったのと同様であり、せっかくパウロらがイエスの福音を世界宗教とした努力を無にすることになります。
伝統、国権、宗教はよほどのことがない限り相争うべきではありません。特に伝統はある程度尊重されなければならないでしょう。

天皇制や日の丸君が代は国家神道(という異教、邪教)の偶像であり認められないという考えですが、こう考えてみてはどうでしょう…キリスト教徒は確かに神の肢体ですが、同時にそれぞれの国に生まれ育った存在でもあります。
そして、確かに自然、祖霊を神としてあがめてはならないでしょうが、神道における「神」とキリスト教における「神」は違う概念です。
最も自然な感情として、海や太陽など自然の壮大さに触れれば、誰もが何らかの宗教的感情を抱きます。そして人は先祖の積み重ねの上に生きています。
確かにキリスト教の神は、それを偶像として崇拝することを禁じています。
しかし神社を神として拝むのではなく、ちょうど太陽を見てすばらしい、ありがたいと思う延長で、あくまでキリスト教徒の信仰としては日本という美しく快適な国土、豊かな自然について(キリスト教の)神に感謝することは当然だと思います。
また、自分につながる先祖、そして日本という国を作り上げた先人たちに対する感謝も、あくまでキリスト教の神の恵みの一環として感謝すべきでしょう。
ならば神社という場が異教のものであること、形などにこだわらなければ、例えば畳敷きの教会が許されてしかるべきなのと同じように日本の伝統の枠の中からキリスト教の神に祈ることはできるのではないでしょうか。
まあ、偶像崇拝と伝統、そして信仰がどれだけ内面のものかは深い進学議論がありますし、キリスト教徒としては、どんな不純物も混入してほしくない、ただ神にのみ祈りたいのでしょうか。自然神学を全否定し、ひたすら聖書のみに従えという考えもありますが…
僕は踏絵はさせるべきではないと思いますし、それには僕自身全力で抵抗します。そして僕が外国の教会に観光で入るとしても軽く礼はし、礼拝中なら沈黙は守るのと同様に神道に対しても礼儀をもって対応すべきだと思います。確かにキリスト教の神は寛容を説いてはいませんが…

そして、靖国神社自体が問題である、ぶっちゃけていえば侵略神社だという非難です。
どこの国でも、その国を守ってくれた…例えば日本が近代化できずロシア領になり、そのまま共産革命に巻き込まれて倭民主主義人民共和国と化していたら、キリスト教の存在自体許されなかった可能性があります…功労者、中でも戦没者たちに感謝すること自体を否定するものではないでしょう。
朝鮮などの侵略者というなら、欧米の戦没者も同様です。

そこでA級戦犯問題に帰着するわけです。まずすべきことはまずA級戦犯が何をしたか知ること、そして真摯にそのA級戦犯の霊と向き合ってみることだと思います。
中学の頃、「火垂るの墓」という映画でクラスメートの一人の感想が、主人公も権力者の立場にあれば同じようなことをしただろう、とありました。
まさにその通り…確かに地獄を見た日本兵、空襲などの被害にあった日本の庶民、使い捨てにされた朝鮮人や台湾人、そして敵側や戦地原住民にとっては日本の当時の指導者層はどれほど呪っても足りないでしょう。(本来空襲の犠牲者やシベリア虜囚などは相手国も恨むべきですが)
ただし、まず{当時の日本の指導者層}と{A級戦犯}という集合は一致していません。
そして何より、一方的に物言わぬ霊に呪いの言葉を吐き続けるだけでは、そこから一歩も動きません。
何よりキリスト教は許しを説いています…「人を裁くな、自分が裁かれないために」という智慧として、そしてどんな罪人も無条件にイエス自ら十字架にかかって罪を贖った、と。
当時の指導者も、純粋な悪、利己主義ではない…ただ視野が狭く、あまりにも狭く、世界の新しい潮流はおろか日本という国の利害さえ客観的に考えることができず、小さな派閥、局などのコップの中の嵐しか見えていなかっただけに思えます。
枠の中で生まれ、自分と枠を客観視できなかった愚かしさしか見えないし、そんな教育で育って枠ごと自分と周囲の人間を、そして天下国家を見通せる人はそうはいません。また、いたとしても潰されるでしょう。試験と派閥争いの勝者が(どんな失敗をしても責任を問われることなく、現場の経験も求められず)トップになるシステムの会社が潰れた場合は、そのシステムでは誰がトップになっても潰れると考えたほうがいいでしょう。それでもそのトップは本質的に責任を免れないのは人間の不条理の一つですが…
僕は、あんたがたは無能だったが精一杯やったことはわかってる、ただしこれだけの災厄があるし、システムが悪くてもトップが結果責任を問われるのは不条理だからしょうがない、まあ同じミスはしないよう頑張るさ、と言いたいです。
それぞれの立場や時代背景を理解し、今の基準から裁かなければそこにいるのは全て自分たちの祖先であり、祖国を守った、または守ろうとした人々です。

もちろん新撰組や被爆者らがいないという批判はわかりますが、{靖国の神々}={日本のために尽くした人々}である必要はありません。靖国神社からもれた日本のために尽くし、あるいは歴史の中で死んでいった人々の処遇は別に考えればいいことで、全部でないことを理由に靖国神社を全否定するのには意味はありません。

この論理の相当部分は、もちろん他の左翼に対しても適用できます。

21日

もしある日、人間に欲がなくなったらどうなるでしょう。

変なウイルスのせいで、悪の心がなくなって善の心が増幅され、貧富の差の存在が全員にとって我慢できなくなったら…
財産を持つ人全てがその財産を貧しい人に施したら?

そして、もし人間に元から欲がなかったら?「人間不平等起源論」の、私有の発明がなかったとしたら?

20日

アメリカがイラク統治の権限を国連に移譲する方針に転換したそうです。
にもかかわらず、スペインのサパテロ新政権は公約もありましたが軍を撤退させる方針だそうです。
国連に権限を委譲すること自体が信用できない、ということでしょうか?

いや、ベトナム化ともいわれる大規模な戦闘、多発する外国民間人拉致、そしてイスラエルがハマスの新指導者ランティシ氏をも殺したことと関係があるのかもしれません…やはりアメリカについていったらろくなことにならない、もしくはアメリカ(とイスラエル)は悪だ、と…?

この「テロに屈してはならない」イスラエルやアメリカの政府側と、「民族や宗教の尊厳、そしてゆえなく殺された子供たちの恨みのために決して屈しない」という泥沼について、囚人のジレンマに近いものがあるのではないでしょうか。

   

政府

   

強硬

柔軟

テロリスト 強硬  政府は人権侵害でテロ側民衆の支持を失い、テロ組織の権威が強化される結果、とことんテロの応酬が続く
 またはどちらかの皆殺し
 テロによって政策変更ができるとなると、果てしなくテロによる要求がエスカレートする
柔軟  政府側の邪悪な支配が無制限に正当化され、無抵抗のまま土地や文化を奪われ、民族を滅ぼされる  双方が合意し、暴力を止めて話し合う

上記の表を見ると、どちらも相手を信頼しない場合、強硬−柔軟の場合に非常に悪い結果になります。それと強硬−強硬の泥沼と、どちらがひどいでしょうか。
相手が信頼できるとした場合にはどうでしょう。互いに信頼すれば双方が合意し、暴力を止める最も言い場合になりますが…あ、強硬−柔軟の場合のシナリオも変化するかもしれません。政府側が信頼できる存在なら、テロリスト柔軟−政府強硬の場合にテロの減少につれて強権支配を和らげ、段階的にテロ側をテログループの解散、武装解除を条件に自治権を認めていくこともできます。
でも現実には互いに強硬−強硬という最悪の結果を受け入れざるを得ないほど相手を信頼していないのでしょう。

また、理性的に考えて妥協することを宗教が許さないということもあるのかもしれません。
交渉したとして、双方の妥協できる範囲が全く交わらない場合には意味のある交渉が不可能になります…大量の人名や治安の不安定、経済的損失、国際的非難よりしばしば宗教的なことが上位になっています。

双方の意思決定はどのように行われているのでしょう。

例えばイスラエルの意思決定はどのように行われているでしょうか。

まず最重要なのが、ユダヤ教の神自身の命令です。それを掲げている宗教右派ともいえるでしょう。
それは変更の余地はなく、どんな妥協にも植民の停止にも絶対的に反対します。
ラビン氏が暗殺されたように、そのためにはテロも辞さない勢いがあります。

そして一般の民意はどうでしょう。
ある程度良識を持つ徴兵拒否者もいるようですが、選民思想とテロに対する恨み、力には力という思想が強いためあまりだらしないテロリストへの妥協はしたがらないでしょう。
思想統制などはないようですが…

全体としてはその二つの調整がメインになるでしょうか。
ただこの場合、民主的に妥協を選択してもそれが力でひっくり返される可能性もあります。
理由に関わらずパレスチナが大規模なテロを起こしたときには、結果的な共謀が起きてイスラエルが強硬化します。

パレスチナの側はハマスなどテロ組織、宗教指導者、一般市民がどのような関係にあるのでしょう…

問題は停戦合意をしてもイスラエル側が約束を破って植民を続けたり、パレスチナ側がテロを続けたりすることが多いことです。
互いに約束を破ることが多ければ、互いを信頼できなくなるため強硬−柔軟の最悪を避けるために強硬−強硬を選ばざるを得なくなります。
イスラエルは植民者、宗教右派を、パレスチナはテロリストを確実に抑えられる強権が存在していないのが問題でしょうか…ただ、イスラエルは曲がりなりにも民主的であり、強権的に柔軟路線に進もうとすると強烈な反動があるでしょう。
どちらも、仲介者としてであっても強制者としてであっても上位者、特に国連の権威を認めていないのも問題です。
イスラエルにとって国連は無力な飾りであって危機から自分たちを守る存在ではない(自分は自分で守るしかないとホロコーストで学んだ)ですし、パレスチナにとっては国連もアメリカの手先でしかありませんから。

誰もイスラエル植民者、パレスチナテロリストに命令できないとしたら…暴力の応酬が終わるのは絶望的です。

19日

人質が全員解放されたのはありがたいことですが、その理由がわかりません。

ということで、人質を短期で解放するのが一番利益になるという読みでしょうか。

また、テロ組織も一枚岩ではないのかもしれません。
だからこそイタリア人の人質に犠牲者が出たり、イラク戦争と直接関係ない中国人を拉致したりというややこしいことが起きているのでしょう。

18日

コンピューターや携帯電話のコントロールシステムとして、これはマウス以上に便利では…
ボタンがついた棒状のワイヤレス装置を、ボタンを押しながら空間で動かすことでさまざまな操作ができるシステム。
物体の空間における自由度は六次元。二次元のマウスとは比較にならない幅広い操作ができるでしょう。

キーボードとの併用が少々不便ですが、やはりキーボードは左手一本で使えるものにすべきでしょう。
従来の両手用キーボードを使うなら、マウス操作は足か視線などを用いるほうがいいでしょう。

17日

韓国の選挙は…そういえば、韓国もイラクに軍を派遣しているのに人質を取られてもすぐ釈放されて脅迫もありませんでした。

第一、なぜこの総選挙の直前に大規模テロが起きなかったのでしょう。スペインで成功しているのに。
韓国はなんでもありの北朝鮮と長年戦い抜いてきて、対テロのノウハウは社会全体が十二分にあるからでしょうか。
単にアラブ系が進入しにくいのかもしれません。
またはテロ組織にとって、何らかの理由で関心がない、または手出し無用とされているのかもしれません。

イスラム過激派テロ組織と北朝鮮との関係についても、何の情報もありませんでした。

選挙結果そのものは盧武鉉大統領の信任のようです。
それが一体どんな方向に向かうか…非常に大きな潮流は感じるのですが、それがどこに向かうのかはわかりません。
革新党の民主労働党が議席を獲得したのも気になる動きです。

16日

とりあえず解放でほっとしました。
結局どうやったか(金か?)は藪の中ですが、まあ人質が無事だからいいです。政府の行為の評価は、ある程度秘密が残るのは仕方がない…長い目で見た結果の評価が最も重要でしょう。
まだ二人消息不明であることは変わっていませんし、他国の多数の人質が今も囚われていますから、これで解決するわけではありませんが…

さて、こうしてイラクでのジャーナリストやNGOも外国人の活動が危険になったら、そして彼ら民間外国人が排除されたら客観的な視点がなくなる危険性もあります。
ぶっちゃけていえば、駐留軍が住民を虐殺してもテロリストが暫定政府関係者の家族を惨殺しても、それを報道する者がいなくなるということです。
その点、結果的にテロリストたちは駐留軍に大きな大義名分を与え、その行動力を倍増させたともいえます。
どちらの側も陰謀はないでしょうが、結果的に…その方がどちらもやりやすいのかもしれません。
テロリストは駐留軍の暴虐が目の前にある以上住民は誰もが武力抵抗に協力するし、軍隊は撤退できない状態になりますから。
その意地の張り合い、チキンレースの中ひたすら犠牲になるのは住民です。

この状況をどうすれば解決できるのか…今軍隊が撤退してNGOと交代しても、よくはならないでしょう。
希望はないけれどやるしかない、というのが現状でしょうか。

まあ僕はイラクの現状は知りません…危険なのは一部かもしれないし、全土かもしれません。

15日

イラク戦争の是非を世界の全成人が投票したらどうなるでしょう。
それが圧倒多数で「非」とされたら、アメリカはどうするでしょうか。

あ、今入った情報では、アメリカはイランに仲介を依頼したそうです!
イスラム圏の最大の問題は、サミュエル=ハッチントンの言うとおり中核国家がないことです。
その中で最高権威を持つ存在がないため、一貫した交渉がしにくいですが…イランにその可能性があるでしょうか。

そして、拉致されたアメリカ民間人の、ひどく傷つけられた死体も発見されたそうです。
ただ、それだけでは有効な脅迫にはならないでしょう…エスカレートしそうで不安です。
もう一つのエスカレートの可能性は、先進国内部も含む世界各地で拉致脅迫が多発しないかです。

14日

イラクでは日本人以外も多数誘拐されているようです。
イタリアに対して、撤退を求める脅迫もあるという報道がありました。
この手が本当に広がった場合、特に残虐な処刑が相次いだ場合には国際社会は持たないでしょう…

それでどうなるのでしょうか。米軍主導ではなく国連主導になって、それで混乱が収まらず国連も手を引くことになったら…その可能性が高く思われます…どうなるかです。

シーア派つながりでイランに飲み込まれるという声もありますが、イラクとイランは民族にも違いがあります。
イラクはスンニ派も強く、クルド人もいます。
最終的にはなるようにしかならないでしょうが、ろくなことにならない気がします。
少なくとも人権と民主主義とは、このまま米軍が撤退したらイラクとは半永久的に無縁でしょう。
どうすればこの騒乱、テロが止まるか…米軍の今までのやり方は間違っているのは確かですが、ではどうすればいいのか。
もうNGOにもどうにもならないのは見ればわかります。

13日

後北条も徳川幕府も、箱根の山という天嶮があれば西から攻められる心配はない、と豪語しながらあっけなくやられました。

箱根山系が非常に険しい、天然の防塞であることは確かなのに不思議だ、守りに入る精神が悪いということかと思っていましたが、もっと簡単な答えがありました。

城は十分な人数がいなければ役に立たない。
箱根山脈全体をその城砦としての潜在能力を活かせるように満たす人数などありえない、それだけのことです。

もちろん徳川幕府が敗れたのは時の流れ、海軍力の発達、錦の御旗などいろいろあり、箱根要塞を実際に使ってはいませんが。

12日

なかなか解決しそうで解決されないです…と思ったらまたとんでもないことに!
結局はっきりしているのは、「人質の身柄は確保できていない」「自衛隊は撤退していない」の二つだけのようです。

大山鳴動して鼠一匹、または(不謹慎、名誉毀損になるため公的なメディアは口にできませんが)自作自演ならそれが一番いいのですが…テロ組織の側が交渉に出ているのは一つの進展ではあります。

11日

かなり多くの人が、こう考えているのでは?

「小沢、近う寄れ」
「ははっ」
「よいか、自民党を割って新しい政党を作れ。」
「なんとおっしゃいます!」
「共産圏は滅びる、冷戦はもう終わりじゃ。さらにこのバブル崩壊の不況、ただごとではない。何より国の基である人口そのものが減っておる。」
「それは確かに考えておりました。なればこそ、今自民党が社会党を滅ぼし、大政翼賛会として国難に当たるべきと」
「そちは考えが古いの。わかっておろう、自民党も今のままで政権を維持する力などない」
「……」
「なればこそ新党を作るのじゃ。社会党は滅びよう…されど自民と社会は唇歯輔車、下手をすると自民党の単独三分の二どころか、全く新しい、山県の御老公以来百数十年続いた官僚主権システムに牙をむき、民主主義を貫く市民が勃興してしまうかもしれぬ。彼らがアメリカにも背き、生活者主権を実現しようと無茶をするかもしれぬ」
「さようなこと、断じて許せませぬ!」
「なればこそ、社会党に替わる自民党の新しき相棒が必要なのじゃ。それをそちに任せる!」
「は……」
「どうした?政権を奪ってもよいぞ」
「なんとおっしゃいます!」
「奪ったとしても社会党を含むバラバラ理念では、一年もたぬであろう。一年までなら自民党は持ちこたえる。そうなればどうなる?」
「ははっ、社会党を含む連立与党が崩壊し、自民党が復活すればやはり野党は愚かだ、自民しかないと国民は思うでありましょう」
「そして、社会党は滅びる。その手も織り込み済みよ…非自民連立与党が崩れたとき、甘言で自民との連立政権に誘えばよい」
「なんということを!それで、与党となった社会党は自衛隊を認めざるを得ない…確かに社会党は滅びますな」
「共産党だけでは何もできぬ。その時のために、そちは今から新しく政治家を育てよ。規制政治のしがらみに縛られぬ清新な若手、と見せて、きちんとアメリカで教育を受け、どうするのがよいかよくわかっている若者をな」
「おそれいりましてございます、何たる深謀遠慮…なればわたくしは、その新しい野党を何度も潰してまとまらぬようにし、やはり野党はだらしない、自民党しかないと思わせるのですな」
「好きにいたせ。小選挙区制にするがよい…政権交代しやすく、二大政党に収斂する。どちらも同質の、な。公明党も全面的に協力してくださるそうだ」
「それは心強い!小選挙区制で宗教の力が加われば、自民に負けはありませぬ!公明党を支えるには比例代表も入れねばなりませぬな」
「別に負けてもよいわ。そちもわれらと同じことをすればよい。真田家を見よ、信幸は東軍、幸村は西軍についていずれが勝っても真田の家は生き延びた」
「おそれいりましてございます。これにてわれらアメリカの忠実な総督、大企業、官僚の天下は万々歳でございます」

……というシナリオだったのではないか、と。

これは結構説得力はありますが、反論は簡単です。
人間はそんなに頭が良くない。
そんな歴史の先の先まで読んだ深謀遠慮を、一糸乱れぬ意思統一でこなせるほど人間が優れた存在なら、ソ連は理想世界になっていたでしょう。
これが全ての陰謀史観に対する、最も簡単な反論です。

第一、これは現状から逆算しているだけです…民主党は長年小沢氏とは別に最大野党として動いていました。
たとえば細川内閣成立時から、現在に至るまで多数の分岐があります。それを樹状図にすれば、現状は必然ではないことはわかるでしょう。
因果の樹上図を逆にたどってしまい、本当は非常に広い可能性があった中の一つでしかない「現実」を必然であるかのように捉えるミスは結構ありがちです。

10日

テロは、イラク、チェチェン、パレスチナ人などその母体となる人たちのためにもなっていないのでは?
政府がテロに譲歩し、その言いなりになることが許されない…これはどうしようもないです。
そして、政府はテロに譲歩することもテロリストと交渉することもできない以上、ひたすら争うしかない…

例えば現状では、日本政府が人質事件を含むテロとは関係なしにイラクから自衛隊を撤退させるべきだと考えたとしても、今撤退したら「テロに屈した」ことになってしまうため、引くに引けなくなります。
そうなったのも出したのが悪いということはできますが、出さなかったとしたらそれはそれでテロリストに屈していることです。
テロの存在自体が、政府の選択肢を大きく狭めているのです。
ただ…テロリストは、逆に政府に強硬姿勢を取らせることで政府に対する批判を強めさせ、それを自らへの支持につなげることもできます。
そう、政府の強硬姿勢がテロ組織にとって利益になる可能性も高いです。

結果的に、テロリストと政府の二つのプレイヤーだけがいて、肝心の「そこの人々」は発言権も政治的権利も、それどころか生きる権利も法の保護も全てを失うのです。
この状況を打開する術はあるでしょうか…「テロに屈してはならない」という前提そのものが間違っている?
いや、本当にテロに屈してしまった場合、テロは「儲かる」ことになるためますます盛んになり、多くの犠牲者が出ます。
また、弾圧側が見捨て、独立を認めたテロ地域では、そのテロ組織がその被抑圧民の代表者になるでしょう。
彼らには多くの面があります…山口組が阪神大震災でいち早く被災者の支援を行ったように苦しい生活を支える互助組織としての面、厳しい言論弾圧の中唯一立ち上がる民族の闘士としての面、犯罪組織としての面、教育担当者としての面、(排他性の高い、狂信的な)宗教団体としての面…
いずれにせよ、彼らが民主的で理性的なよい政権になると考えるのは合理的ではありません。

例えば、「テロリストではない、民主的で合理的な政府を作れるなら独立を認める」と、支配側が条件をつけるとします。
ですが、テロリストでない有力者は少なくとも有名ではありません。テロであっても手柄をたてた者は声が大きく、強い力があります。
結局テロリストでない勢力が出てこなければ、いつまでもテロと報復、抑圧の悪循環が続くことになります。

他にぞっとすることがあります。テロは報道されます…だからテロが起きます。
下記の情報発信の不平等を唯一解消する手段、圧倒的な弱者が唯一自分の主張を言える場がテロなのです。
これについてはどうすべきでしょうか?人質事件において、テレビでは繰り返し繰り返しテロ組織の声明文を流しました。これは宣伝として有効と考えれば、結果に関わらず誰もが真似るでしょう。
では報道すべきではないか?というと、それも非常に危険な道です。
そして、ここに大きな問題があるのです…テロ報道でしか「弱者」の声が伝わらないということは、逆にテロ組織の思想だけが「弱者」のものとなり、テロ組織を支持していない「弱者」側の言葉は完全に無視されるということです。

日本にとっては、特に人質の家族から見て何よりも大事な命…と、もしまた「人命は地球より重い」と自衛隊撤退をしてしまった場合、起きるであろう多数のテロや人質事件による見込まれる犠牲…人質テロで各国が次々に撤退した場合、テロリストの手に落ちたイラクが一体どうなるか…最終的な核テロの悪夢…だが、どちらにしても核テロは起きるかもしれない…

9日

人質事件は前から特に憂慮していました。
微妙に違いますが、米兵の死体に加えられた残虐行為の映像がきっかけで、ソマリアからアメリカが撤退した実績があります。
デメリットはテロ組織が、自分の側の宗教、民族でも良識がある者の支持を失うリスクですが…
韓国の牧師、イギリス国籍の男性なども人質になっているようです。
世界的にこの手を使われ、特に惨殺映像が大量に流されたときに世界がテロに対する抵抗力を持ちうるか…残念ながら疑わざるを得ません。

日本はどうすべきでしょうか?
まず最初に…事実として、三日で自衛隊が撤退することは小泉首相が決断しても物理的に不可能です。

その上で、犯行グループの意図と行動を分析し、日本の行動を考えてみましょう。

  1.  本当に自衛隊が撤退したら人質を釈放する意思がある。撤退行動を始めなければ時間通り即座に殺す
  2.  どちらにしても殺す…この可能性は低くありません。組織の売名目的としても有効であることに触れておきます。
  3.  三人ともは殺さず(期限に一人殺すか、または殺さずに拷問映像を流すか、無傷で交渉するか)日本の出方を見て交渉する
  4.  身代金で釈放する

が考えられることです。

  1. の場合ですが、物理的な撤退行動にしても政治的意思決定にしても、三日という期限は現実的ではないです。テロ組織の側から考えると、それ以上時間をかけると救出作戦の希望が出てしまう可能性があるから短い期限にしたのでしょうか。
  2. の場合、日本に今できることはありません。三日では自衛隊にしても米軍にしても、救出作戦は不可能でしょう。
    結果的に人質が殺された場合、それは「日本の国策による自国民の犠牲」となります。ある意味覚悟があった自衛隊とも微妙に違うでしょう…民間人(無関係とまではいえませんが)です。
    その場合、当然日本国内で非常に強い政府批判があるでしょう。世論がどう動くかは確定できません…自衛隊員と違い、任務で戦死するわけではないので「その死を無駄にするな」という論が成立しません。
    ただし、日本人が怒り狂う可能性も、日本人である僕はまずないとわかりますがアラブ人の論理では考えないほうがおかしいです。
    それが政局になるかどうか、自衛隊撤退論が与党政府内で強まるか…これもどう転ぶかわかりません。
  3.  この場合は撤退するかどうか、議論の余地があります。
    ただし、交渉ということ自体現実的とはいえません。そのテロ組織は決してイラク人民およびイスラム教の代表者ではありませんし、彼らがちゃんとした交渉に出てくる保証もありません。
    また、日本は「人命は地球より重い」という国是があるとはいえテロ組織との交渉は何よりアメリカ、そして国際世論も許さないでしょう。
    スペインの政権交代に次いで「テロが国の方針を転換させられる」ケースを増やすことは日本の名誉、人類そのものの意思にかかわります。テロに屈しない、というのは世界共通の決意です。
    その結果、人質の死は避けられないかもしれません…しかし、それで屈したら次にもっと多くの人質が出ます。そのように、どうしてもやむを得ず国民の死を甘受する場合にはそれなりの名誉、遺族補償などのシステムは絶対に必要でしょう。
  4.  三人が助かるほとんど唯一の道である以上、これを祈りたいのは山々ですが…アメリカも国際世論も許さないでしょう。犯人グループにとっても多くの情報を持つ人質の釈放は危険が大きいです。

問題は、人質が殺されたときの日本の反応です…どうするべきでしょう。
自衛隊派遣反対派は自衛隊の派遣、アメリカのイラク攻撃が原因だと政府攻撃を強め、自衛隊の即時撤退と小泉首相の退陣を求めるでしょう。
福田官房長官の会見における、自衛隊はイラクを侵略に行ったのではない、イラクの復興を支援するために行ったのだというのは…話がかみ合っていません。現実に脅迫されており、現実に外国人(異教徒!)の軍隊の存在自体を侵略とみなす勢力があるのです。アメリカ追随も(アメリカのイラク戦争自体の是非は措いて)事実です。相手側から見てどうなのかも重要です。ただし、テロ組織がイラク国民の代表ではないことも忘れてはなりません。
ただ、同じく福田官房長官の会見における、自衛隊が行かなければテロはないのか、というのもまた事実です。

人質が自衛官ではなく、援助団体やジャーナリストであるのも複雑な問題になります。
丸腰こそ安全だ、という自衛隊派遣反対派の常套句は詭弁であることは実証されました…これは日本だけでなく、世界各国のNGOなどにとっても大きなプレッシャーとなるでしょう。
また民間人だからこそ、その死を甘受するのは政府、国民にとって非常に難しいでしょう。
不安なのが、政府がきちんと国民を説得できるかです。小泉首相自身きちんとした議論、演説は苦手ですし、国民を説得できる言葉はどこにも見当たりません。
行き場のない怒りだけが…それがどうなるか。

シーア派過激集団との武力衝突、自衛隊への砲撃も無視すべきではありません。
この人質事件も、大きな流れの中でとらえるべきです。

8日

小泉首相の靖国神社参拝に対する違憲判決…しかも、どうせいつもどおり最高裁で棄却だろうと思ったらこれで確定だそうです。

「政教分離」とは一体どういう意味でしょう。
この判決で問題になりそうなのが、毎年恒例となっている伊勢神宮参拝、そして例えばヴァチカンとの外交やイラクに行ってモスクで頭を下げるなども違憲行為になるのか、です。
靖国神社参拝を政教分離で非難すると、どうしてもそういうダブルスタンダード問題が出てきます。

もう一つ重要なのが、「首相が靖国神社に公式参拝」することの是非を最終的に判断できるのは誰でしょう。
これは単なる憲法解釈の問題ではなく、本質的には上記のダブルスタンダード、そして原告が戦没者をどのように祭祀するか、という権利を主張した=公的な死後、霊観の確定、靖国神社および東京裁判自体の是非…裁判所が判断していいことでしょうか?
三権の一つとして裁判所が存在感を示すのはいいのですが…逆に判決は本質的に主権者である国民がチェックできません。

いや、その上記の問題、「靖国神社の是非」「東京裁判史観」「政教分離」「公的な死後、霊観」は誰が判定できるでしょうか…日本の主権者は国民ということですが、憲法理念は国民の多数決より上位にあるという意見もあります。
僕には広く議論すべきだとしかいえませんが、その議論自体少なくとも雑誌の上ではかみ合う余地がなくなっているのが困ったことです。まるで別の宗教同士が互いを全否定しているようなものですから。

あ、「政教分離」とは宗教的には中立であるべき、ということですから、それらの問題は宗教的議論である以上、「神が存在するか」について首相も触れるべきではなく、裁判所も国会も判断するべきではないのと同様判断してはならない問題…?

ただ、できれば小泉首相には、堂々と大演説をやってもらわなければ。
どうして参拝するのかを得意のワンフレーズではなく、説得力のある言葉で…論文の形でもいいです。

7日

標準的な大人の、運動量と字を書く量はどれくらいでしょうか。
パソコンが普及しているオフィスで、手で字を書く量は相当落ちている気がします。
ましてブルーカラーは自分の名前以外書く必要がないこともあるのでは?
そしてホワイトカラーの運動量は…考えるだけでもがっくりします。

6日

イラクに派遣されている自衛隊が、鯉のぼりを立てているというニュースに頭を抱えました。
それも立派な偶像崇拝、死刑に値する大罪です。今のところは無事なようですが、これからも無事とはいかないでしょう。

そのようなたるみがあるということは、自衛隊の人間もイスラム教の厳しさを理解していないということです。
そんなミスをするということは、他にも写真や神棚への礼拝、仏像を含むお守りの持込など、イスラム圏では絶対やってはならないことをしでかしていると考えたほうがいいかもしれません…十分勉強してからだと思っていましたが。

日本は地理的な隔たりがあるため、日本文明とイスラム文明が接触したことはありませんでした。
今回史上初めての接触…ろくなことはないでしょう、偶像崇拝全盛で聖典の民でさえない、そして島国根性で他者を理解できない日本人は…
逆にイスラム教徒が大挙して日本に来ることもありませんでした…接触しないほうがいいですよ。

5日

何かが「伝統」である条件とは何でしょう。
カレーライスは本質的にイギリスがインドを領有して、カレーとシチューとインスタント技術が合わさり、米飯食の伝統がある日本で発達したものです。
何が伝統的な元祖か、インドかイギリスか横浜かといっても意味はないに等しいです。
トンカツなど洋食全体が日本が明治時代に西洋料理の一つを日本風にアレンジしたものであり、何が伝統的で正しいのかなど追求してもほとんど無駄です。

そして、靖国神社はどうなのでしょう。
靖国神社を伝統と認めないならば、それは明治政府自体が伝統ではない、正統な政権ではないということです。
では何が正統なのか?というと日本国憲法を最優先、それに縄文時代の平和で自然と一体化した文明という歴史的には千年以上断ち切られているものをあげ、それ以降の歴史を武力と支配として全否定しますが、それには説得力がありません。日本は1945年に始まったのではないのです。
明治政府、天皇制の正当性を否定するのは、まずは江戸幕府および攘夷を正統とする明治政府への反対者、そして共産主義者が内に築いたもう一つの世界ではないでしょうか。そう形にすれば、賛成できる人は少数でしょう。

話が少しずれましたが、問題はある時代を伝統から切り離すことが本当にできるのか、です。
例えばドイツの歴史におけるナチス「歴史」「伝統」とは無関係な「他者」とみなすことは本当にできるのでしょうか。
ナチスを他者…ハイジャッカーとみなし、その上で賠償することによってのみ、ドイツ人は愛国心を維持しつつ謝罪賠償に努めることができます。
アメリカは先住民虐殺、黒人奴隷の歴史を正当化する苦闘を続けています。

日本はどうあるべきでしょうか。
明治政府を他者とみなし、否定、謝罪すべきでしょうか。
それとも日本史全体を罪悪とみなしてひたすら反省、謝罪を続けるべきでしょうか。
それとも現在の価値観で過去を裁くことをせず、理解して受け入れるべきでしょうか…ではその場合、近隣諸国の恨みと国際常識といっていい膨大な反日宣伝の積み重ねで国益を損なう問題は?

4日

情報発信の不平等はインターネットが解決している、という人もいるかもしれません。

しかし、現実にはインターネットにも限界があります…利用する人間の時間です。
一日たった二十四時間で、約352,000件ヒットをどうしろというのでしょう。
たとえ情報を発信しても、多くのユーザーは比較的限られたところを回るだけで小さな情報に目をやる余裕はないのでは。
海は確かにとても広く豊かですが、それは広く豊か過ぎて隅々まで知り尽くすことなど到底人間にはできないように。
本が一部の大ベストセラーと、圧倒的多数のほとんど誰にも読まれず消えるものに分かれているように、圧倒的多数の情報は確かに自由に発信されますが、事実上誰にも読まれることはないのでは。

また、インターネットでは必然的に言葉の壁もあります。英語を使えない人間は情報を発信するのも受信するのもきわめて不利です。僕は英語の読み書きがある程度できますが、日本語の何倍も時間がかかります。
そして、強力な貧富の壁もまぎれもなくあります。パソコンと電話線と接続料、サーバー使用料…途上国のスラムや貧農村、難民キャンプから情報を発信するのはきわめて難しいでしょう。禁止がなくても。

3日

テロの原因の一つに、情報発信の不平等があげられます。
特にテロリストを輩出するアラブ諸国の多くは言論の自由のない抑圧的国家です。
ただ、言論出版の自由があったとしても問題は、ただ言葉をいい、書くことができるだけでは、それだけでもとても大きいですが、十分ではないことです。

自分たちの窮状を世界に訴えるためのテロも多くありますが、彼らの仲間がアメリカに渡航し、そこで声明を書くことも言うことはできると反論できます。
それに対する反論は、どこでどう言うのか、です。

テレビや新聞など大きいところで発言できなければ、都市の街角で叫び、わずかなビラを配るだけではほとんど意味がないのです。
そして、そのテレビや大新聞はユダヤ資本ばかりだから被抑圧者の声は取り上げられず、実質的に言論の自由を奪われているに等しい、ということになります。
ただ問題は、テレビも大新聞もその資源は有限であり、しかもそれぞれは商業的な企業です。全ての人の言い分を公平に取り上げ続ける時間も紙面もないのです。
国有化すれば公平どころか国の言い分を一方的に流されるだけです。
では弱者が占拠すれば、といってもそれは表裏に過ぎません。革命政権のプロパガンダも企業のプロパガンダも同じことです。

どうすればいいのか…答えは出ないです。

2日

スイスやスゥエーデンのような「永世中立国」で大規模テロが起きたらどうなるのでしょう。
いくら国家間の戦争からは背を向けていても、テロリストには関係ないはずです。
豊かな国であるというだけで、攻撃理由としては十分です。

1日

グローバリズムに対する、人間性の限界内で実行可能な対案はあるのでしょうか。
第三の道、もう一つの世界など色々言われますが…

根本的な問題、グローバリストが選択肢はないというように、資本主義に対する代案であった社会主義が失敗したために代案を出すのが非常に難しくなっています。
まず第一に、どんな代案を出してもそれは共産主義の焼き直しだ=結局世界を破壊する共産主義者の陰謀だとなります。
もちろん反グローバリズムの側も、現代社会を特権階級の陰謀としてとらえていますから、互いに敵対以外なく議論は不可能です。

あまりにも多くの頭脳が資本主義か社会主義かという二項対立にとらわれた歴史が続き、硬直しています…
あ、マルクス主義を知らない新しい頭脳が今の資本主義を冷徹に分析し、全く新しい発想を、という可能性はないのでしょうか?