クラシック妄想覚え書き






妄想の覚え書きです。
普通の名盤なんか書いてもしょーがない(?)ので、強烈なやつでも取り上げていきます。


Last update 2001/10/14



バーバー バイオリン協奏曲/ドヴォルザーク 新世界より

En Larmes ELS 01-120
DDD
裏青盤(CD-R)

バーバー
バイオリン協奏曲
ジェイムス・イーネス(Vn)


ドヴォルザーク
交響曲 第9番「新世界より」


スクロヴァチェフスキー指揮
ザールブリュッヘン放送交響楽団




2001.3.19のライブ。スクロヴァ初の裏青盤か?
そもそも、ザールブリュッケンってどこだろう? 廉価レーベルArteNovaでよく名前を見るから、こりゃ東欧のオケかな? と思ってましたが、探してみたらザールブリュッケン放送交響楽団のWebサイトがありました。ま、放送交響楽団というくらいですから、N響みたく、運営母体はザールブリュッケン放送なわけで。どうやら、ドイツの放送局みたいですね。東欧じゃないんですな。

で、スクロヴァチェフスキー、通称ミスターSなんて呼ばれたりしますが、この人は録音はほとんどなくて、せいぜい今手に入るものといえば、ArteNovaのブルックナー全集(これは大変イイらしい)くらいだからよけいにマイナーなんですが、その人のライヴがバーバーとドヴォですか!

まずバーバー。バーバーといえば「バーバーのアダージョ」という曲、しかもタイトルしか知らないんですが、この協奏曲が実にイイ。ロマンティックだけども、決して雄弁ではなく、涼しく荒涼とした感じです。スクロヴァが指揮する伴奏は、過度にしゃべらずあくまでサポートに徹し、後述したオケのミスもほとんど感じられません。ソロはポルタメントを多用したやや時代的な演奏ですが、これが適度に甘くて実に曲想に合ってます。たまらん。

それで、一応メイン(?)のドヴォ「新世界」、こいつはまず大変にテンションが高い。ライブだからそうなんだろうけど、非常に厳しい。ただし、オケの下手さが非常に目立つ。金管がなんともヘタクソなんですよ……。これはチェリのルツェルンなシベ2でもそうですが、ホルンやペットが前に出てくるフレーズでことごとくピッチが低い。これじゃあダメでしょう、スクロヴァさん!
しかし、2楽章の美しさ、それとは対照的な1楽章と4楽章の激しさなんかは特筆モノです。スクロヴァ・マンセー! これでオケがそこそこの技量なら文句なしなんですが。

最後に音質ですが、非常にクリアです。まったくもって問題なし。(今回はまとめはありません)

R・シュトラウス ドンキホーテ/シベリウス 交響曲 第2番

RARE MOTH RM 423/4-S
ADD ステレオ
裏青盤(CD-R)



R・シュトラウス
ドンキホーテ

グートマン(Vc)


シベリウス
交響曲 第2番


チェリビダッケ指揮
ミュンヘン・フィルハーモニー


待望のチェリ&MPOによるシベ2です!(・∀・) 1991.4.28 ガスタイクでのライブ。
ルツェルンとのヘタクソ演奏と比べて、手兵であるMPOとのこの演奏は如何か?(恐らく初出音源)

まず、音質。全体的にはまずまずといったところ。強奏部分で若干音割れっぽい気もするけど、それほど気にはならないかな?といったレベルです。ただし、ヒスノイズが若干アリ。音もなんだか少しだけ曇りっぽいところから、ラジオ放送のエアチェックが音源なんでしょう。(とここまで書いて置いてから言うのも何だけど、これ実は隠し撮りらしい……)

しかしこれまたテンポが遅いにゃー?と思って、例のルツェルンのやつと比較してみました。

1楽章  10:59  12:07
2楽章  17:31  17:42
3楽章  06:22  07:23
4楽章  14:31  16:38

左がルツェルン、右が今回のミュンヘンです。やっぱりルツェルンよりだいぶ遅い。そのテンポの遅さもあって、このシベ2はものすごく粘っこい(笑) バーンスタインのマーラーみたいな感じでしょうか。
たぶんチェリはこのくらいのテンポと粘性、それに見通しの良さで演奏したかったんじゃないかなぁ。でも、ルツェルンはヘタクソだから、あんまり遅くするととても演奏にならなかったから、上記のテンポだったのではないかと。それに比べると、手兵のMPOは技術的には全く問題がないわけだから、自分の望むテンポで演奏できたのではないかと。
どっちにしても、これだけ遅くやっても「さすが!」と思わせるあたりがチェリです。凄いです。

それではまとめ。
・レーベル名は稀少蛾
・2枚組なので販売価格は約4000円。チェリ・マニア以外は避けた方がいいかも。
(これだけかよ)

※ドンキホーテはあんまり興味ないからまだ聞いてません。だってこのCD、シベ2目当てで買ったんだもん……。



シューマン ピアノ協奏曲/バルトーク ヴァイオリン協奏曲 第2番

イタリア/URANIA URN 22.184
ADD モノラル
シューマン
ピアノ協奏曲

フリッチャイ指揮、コルトー(p)

ベルリンRIAS交響楽団


バルトーク
ヴァイオリン協奏曲 第2番

フリッチャイ指揮、ヴァルガ(Vn)

ベルリンRIAS交響楽団




有名な1951年のライヴ録音で、海賊盤の宝庫イタリアのMERODRAMレーベルから出ていたもの(らしい)。
コルトーの最後のシューマンの録音で、なにやら物凄い名演だったらしいので、ずっと探してましたが、URANIAから復刻されたので購入。

てっきりマスターテープから正規手続きを経て復刻されたのかと思ってましたが、「Registrazione effettuata a Berlino dalla RIAS nel Maggio 1951 e pubblicata per la prima volta su LP dalla Replica(RPL 2749)」という注意書きが。イタリア語はわからんなぁ……、ということで翻訳サイトにて英語に変換。
「Recording carried out to Berlin from the RIAS in Maggio 1951 and published for before the time on LP from Replica(RPL 2749) 」っつーことらしいです。
要するに「(発売後50年を経て)著作権が切れたため、1951年に発売されたLPレコードから復刻しました」ということですか?

復刻は非常に丁寧で、針音は特になし。それよりも凄いのが、コルトーのピアノだ! コルトーという人は、マニアにとっては当たり前だけど「とにかくヘタクソ」かつ「前時代的・時代錯誤的とは言いながらも、非常に詩情豊かでロマンティックな演奏」が特徴。

しかしまぁ溜める溜める。曲が短調というのもあってか、すでに忘れ去られてしまった古い時代への憧れ、郷愁、そんなものを感じさせる演奏。ただ、ホントにピアノはヘタクソです。崩しというよりも、ボロボロ。(ただし、フリッチャイの伴奏は完璧)
やっぱりコルトーは凄かったと言うべきなのか。これだけヘタクソなピアノでも、ちゃんと「聞かせる」し、ほぅ……と手を止めてしまうくらい。30年代にもこの曲を録音しているものの、こっちの方がかなり濃厚で甘美なので、このURANIA盤がオススメです。

ということでまとめ。
・コルトーのピアノはやはりボロボロだった。
・フリッチャイは完全にコルトーのサポートに徹している。
・濃厚で甘美で濡れ濡れなコルトーのピアノはイイ!


なお、ヴァルガのバルトークについてはこの曲自体をよく知らないので、なんとも言えません。



シベリウス 交響曲 第2番

アメリカ/AUDIOR AUD-7014
AAD
海賊盤
シベリウス
交響曲 第2番

チェリビダッケ指揮

ルツェルン祝祭管弦楽団




一部では、大変有名な(?)ヘタクソCDがこれ。
いや、ヘタクソなのはチェリの指揮ではなくてオーケストラ。「ルツェルン祝祭管弦楽団」なんて言うとなんだか物凄く立派なオケに聞こえたりしますが、実際は単なる一時的な寄せ集めオケなんで、烏合の衆です。(言い過ぎかな?)
とにかく弦も管も下手すぎ! 特にヘタなのが管楽器で、シベリウスの2番の特徴である「現代的な管の咆吼」が台無しです。ちゃんと練習したんか?と思ったりするんですが、実際どうだったんでしょうか……。
でも、でも! 3楽章から4楽章へと続くフィナーレはまさに感動的。でもヘタクソ……。特に、4楽章冒頭の主題(?)のところで管がヘタレているのだけはもう死刑だ。どうしてこんな録音しか残ってないんだ? とはいえ、チェリの「でぃ!」というかけ声もちょっと入っていてなかなか楽しいので、ヨシとしましょう。つーか、チェリマニア(必然的に海賊盤マニア)は、CDの評価を「チェリの声が入っているかどうか」で行ったりもします。ゲハハ。


最後に言うのも何ですが、このCDは海賊盤です。一時期は専門店ではどこでも売っていたらしいけど、もう手に入らないと思ふ……。



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