好き勝手言いたい放題

ここでは、なかよしについてまあ好き勝手語っていきます。

増刊 保存 ファンレター ホラー アンケート 誰に向けて? オムニバス


 現状では苦しいのはよく分かっています。僕が卒業した中学校のホームページがあったので見てみたら、生徒数は僕の時代の半分でしたもの。つまり読者になる年齢層も半減しているはずです。

 でも、希望は捨てないでほしいです。未来を見て、少女たちに夢と希望と人生の真実、そして喜びを与えてほしい。それが一番の願いです。


 2011年、まさに地獄のような知らせが連発で…
 まず初夏ラブリーがなく、それだけでもショックだったのが、10月の秋号で…ラブリー休刊。
 それも、代替の増刊が、とかの知らせは何一つなし。増刊内の連載は、本誌連載作家の作品は本誌に移り、そうでない「名探偵夢水」は「ゴーストハント」同様の単行本オリジナル発表に。他は全て打ち切り、ですよね。
 これからの、新人育成は…ここ数年行われている、「恋は、****(けだもの・イノセント)」「地獄少女 閻魔あいセレクション 激こわストーリー*」、そして読者手記によるいじめコミックス、その延長でしょうか。いや、「恋は」シリーズはそれ以降出ていない、「激こわ」と「いじめ手記」だけ?
 もし本誌でカバーするつもりなら、それこそ月に二つ新人増刊枠があっても足りませんが、それどころか外部作家はますます増えています。

 そうとしか読めないのです、新人賞募集要項…特選で直接本誌連載、他は本誌やコミックスに登場機会…実質ゼロ、あるとしても「激こわ」と「いじめ手記」のわずかな枠だけ。

「いじめ手記」には、これまでの二巻で高上優里子先生、原明日美先生が共通で登場している…おそらくこれからもそうでしょうし、それだけ小さい枠としか言いようがないです。

「しゅごキャラ!」の終了から、本誌で外部作家が極度に増えています。
 また、デビュー作をそのまま本誌連載にした鳥海ペドロ先生の「甘い悪魔が笑う」がかなりヒットしています。
 その傾向が極端にいったのが、これでしょうか。

 それでどうなるのでしょう…二年後、「なかよし」自体あるでしょうか?不安を通り越して、悪夢の中にいるようです。


 ついに2004年に待望の秋ラブリー、2007年から初夏も加わり年五回となったことはこの上なく喜ばしい知らせでした。最近は別冊付録はあまり見られません。
 大量新人のプレッシャーもありこれまでよりましでしかない、といえばそうですが、その“まし”にどれほどのエネルギーが必要だったか、どれほどの価値があるか…それは数年後はっきり花開くと確信しています。

 反面、最近特選デビューの遠山えま先生(敬称略)が、デビューしてすぐ本誌連載を始めたのを最後に新人層から本誌連載に入る人があまりいません。
 逆に増刊で、極端にシリーズが増えています。フクシマハルカ先生のような本誌レギュラー、水上航先生のようなベテラン、高上優里子先生、ゆみみ先生から秋本葉子先生、あおいみつ先生、美麻りん先生などほやほやの若手まで…逆に増刊一冊から、本誌レギュラーの本紙連載番外編・シリーズ・新人賞受賞作品発表を除いたら三作品しか残らないなんてこともあります。
 また、増刊でのシリーズや登場回数の多さが本紙連載とは無関係になっているような印象もあります。増刊シリーズの実績も重ね、読みきりでもずば抜けた登場回数を誇る高上先生や水無月先生はいくら待っても本紙連載にはならず、反面瀬田ハルヒ先生などほとんどデビューしてすぐに本誌登場から本紙連載になる作家がいます。
 反面嬉しいことに、本紙連載経験のない新人作家の増刊連載からも単行本になるケースが増えています。かつての「本紙連載なくして単行本なし」の方針を思えばどれほど嬉しいことか…その方針のために単行本として残らなかった「トワイライト・コネクション(桃木毎実)」「おいしい恋のレシピ(真穂一弥)」など傑作たちのことを思えば今から暴れたくもなりますが。

 そして本誌連載、読み切りの余裕のない作家も、例えば様々な子供向け小説(少女小説にこだわらず、ファンタジー小説などでも)の挿し絵など、いろいろな使い方もあると思います。
 なかよしそのものの士気を高めるためにも、レギュラーだけでなく全員の…画集はむりにしても、全員人物を卒業写真のようにした合作ポスターがあるといい、そうも思います。

「Amie」廃刊以来約十年、あまりにも長い、増刊が年に三回でろくに本誌読みきり、別冊付録もない時代…その間にどれだけの人的資源が失われたでしょう。
 どれほど有望な新人が登場しなくなっていったことでしょう。
 どれほど描かれなかった名作があるでしょう…本誌連載からは撤退したけれど優れた力を持つベテラン作家が描く、余裕のある本当の傑作がありえたでしょう。
 希望を持っていいのでしょうか。あまりにも冬が長すぎて、春が来たと信じるのは怖いのですが…少なくとも種は蒔かれています。


 昔の増刊を読み返して愕然としましたが、青い紙に非常に濃い紫で印刷された絵が、裏に激しくにじんで事実上判読不能になっているのです。寡作作家の傑作もあるので、とてももったいないです。

 読み切り、ましてレギュラーでない作家の単行本がほとんどない現状では、せめて保存性に配慮して欲しいです。または電子化して保存するとか。下手をすると、原稿も散逸するケースが多いようですから国会図書館納本分も含め、読めるものが原稿、複製含めて存在しないことすら考えられます。


レギュラーでない作家にファンレターが届くのが非常に遅いと聞きます。
 若手作家の場合、作品発表からファンレターが手元にとどくまで半年かかることもざらです。これでは上手くキャッチボールができない!
 1日ごとに大きく成長している新人、若手作家にとって、すぐに自分の作品に対する反応があり、それに刺激を受けて反省し、力をより高める事がどれほど重要なことか!もう手遅れに近い状況ですが、危機感を持って対応して欲しいです。


 ホラーの扱いについて、これからどうなるのかなと思っていましたが、2004年8月号に犬木加奈子先生を中心としたホラー別冊付録がありました。また9,10月号とミステリー(はやみねかおる『名探偵夢水清志郎事件ノート』をえぬえけいがコミック化、事実上書き下ろしコミックス)の別冊付録もあり、復活の兆しが見えています。秋本葉子先生の活躍も頼もしい限りです。
 また「地獄少女」を標榜してはいますが、実質は新人作家オムニバスである単行本が出ていることも嬉しいです。
 ホラーには常に一定の需要がありますし、人間の心理を深く掘り下げることができ、作家にとってよい修行となります。その効果は皆一度はホラーを描くことになっているちゃおが証明しています。

「地獄少女」は永遠幸先生の意外な資質を引き出してヒットしましたが、それもあくまで外部原作であり、下の人材が育っていないことは違いありません。
「ちゃお」では増刊でホラーに力を入れており、ほぼ全作家が何らかの形でホラーを描かされています。
 それは作家の表現力の幅も増し、作家陣の地力の底上げになってているでしょう。

 近年「地獄少女 閻魔あいセレクション 激こわストーリー*(漢字一文字)」が続けて出ており、それは「地獄少女」とは直接の関係が少なく、読者投稿のコミック化という形で若い作家多数が描く貴重な場となっています。それ自体はとても嬉しいことです。


 競争の目安になる肝心の読者アンケートも、余りにも読者に負担をかけすぎる印象が拭えません。
 特に小学生読者に、毎月五十円の切手代はかなり大きいはずです。
 切手不要、料金受取人払郵便局承認の形で、それも一々切り抜いて貼るのではなく、雑誌に綴じ込んであるのを切り取って記入し、出すだけにしたほうがいいと思います。
 折角あるホームページも活用できるのでは?

 前、1998年なかよしふゆやすみランドで、アンケートの台紙が新井葉月作品の、ラストシーンに重なってしまって、勿体無くて出せなかった事があります。人気を考えますとあのアンケートを出せなかった人はかなり多かったと思います。


 今の「なかよし」は誰に向けた雑誌なのでしょう。これからどこを向けばいいのでしょう。

「ふたりはプリキュア」などのような10歳以下女子向けアニメの原作もありますが、特に増刊で「幼児向け少女マンガ」が非常に少ないのが気になるのです。昔片岡みちるが占めていた生態学的地位が継承されていないのでは、という懸念があります。
 個人的に欲しいのはたておか夏希先生のように、幼児向きの中でとても深く心を掘り下げる、むしろ静かなタイプの作家ですが…

「なかよしラブリー」は最近シリーズを増やし、実質「るんるん」に近いポジションになっていますが、それは実際の小学生女子読者にどう読まれているのでしょうか?「るんるん」のような顕著な対象読者の年齢差がないため、単に雑誌が膨らんだだけなのが気になります。

 そして、最近はいじめなど、非常に読んでいて心が痛む描写が増えています。それは暴力や性と同じ、本質的には人の脳の低次部分を刺激する麻薬ではないのでしょうか?

 これからどうすればいいか、今の僕にしっかりした代案はありません。僕が編集長だとしたら・・・増刊や本誌読み切りを増やして新人育成に努めることはもちろんですが、他に何ができるか・・・ただ作家の感性を信頼することしかできないでしょう。
「10〜15歳女子」に読者層を限定して「思春期の少女の葛藤」に正面から向き合い、または名作を原作とした噛みごたえがある話をできるだけ増やし・・・て成功する見込みはそれほど高くありません。高年齢層女子に受けるもっとも確実な策は「やおい」にしやすい男性キャラクター作りやエロの強調ですが、それは少女漫画雑誌としては邪道でしょう。
 読者が喜んで金を払うだけでなく、(良識のある)親が安心して与えられる、少女たちが心身とももっとも難しい時期を健康に生き、成長し…子供時代を本当に楽しみ、大人に羽化するのを助ける作品でなければならないと僕は思います。

 その意味では最近の増刊で、高上優里子先生がやっている白血病、盲導犬などノンフィクションの原案をつけた啓蒙になるマンガは非常に有益だと思います。


 2009年8月、あまりに嬉しいことがありました。「恋は、けだもの」「恋は、イノセント」二冊のオムニバス単行本です。
 増刊掲載の、センターカラーなどの傑作から…それも、本紙連載経験がない新人作家の選抜です。
 講談社のコミックス全体でオムニバスが多い印象があるのでその一巻かもしれません。また、どちらも巻頭の二作品は本誌レギュラーか、それに準じるベテランです。
 どんな形であるにしても、こうして新人・若手作家の作品が単行本で読者の目に届くのはこの上なく嬉しいことです。

 また、同様のオムニバスとして、上記の「地獄少女」のオムニバス単行本の存在も触れておくべきでしょう。こちらは少し以前からありました。

 もちろん、これが二十年前からあれば、どれほど素晴らしい傑作たちが保存されていたか…それを思うと…

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