タカハシマコ

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作風概説

 蝋人形のように、生気がないけれど粘液質の異質な生命感があるタッチ。
 激しいことはしないが、日常の中の奇妙な不気味さを恐ろしい切れ味で見抜く。

 絶望的な、閉塞しきった心理を執拗に、丁寧に描く力が高い。性の魔的な面を描くこともうまく、どのシーンも読みようによっては性魔術的なメッセージに満ちている。
 本来の力はポルノとの境界で出る。異性愛・男子同性愛・少女同性愛どれでも恐ろしく鋭い。


代表作

2010「リンキョウリンプンテンシャホウ」
 隣に住む三つ年上のお兄ちゃんは蝶が好きだった。蝶と双子の佐波が好きだった…わたしじゃなく。双子と、彼の弟の充と三人で見た鱗粉転写で作った標本写真。
 長じた凛ちゃんは、繊細なだけでなく双子の妹がマンションから落ちて死んだ傷を抱えて静かに生きている。
 あの時、佐波ちゃんはベランダで蝶を見つけ、あの人を呼んでといって壁を叩く合図を教えた。でも彼女のベッドからあの時欲しがった蝶の鱗粉転写標本が…
 充くんの恋心。凛ちゃんのことを忘れ佐波ちゃんのことしか考えない母。プレゼントに何が欲しいかも分からない…
 そして、その「お兄ちゃん」はもう寮に入ってどこにもいない…

2011「荒野の恋」(原作:桜庭一樹『荒野』文春文庫刊)
 中学校初日。電車のドアに挟まった少女を助けてくれた男子の手に「青年は荒野をめざす」という本。その「荒野」は彼女の名と同じ…
 その、クールそうな男の子、神無月くんと同じクラス、しかもクラス委員をすることにもなる。
 みんなに関心を持たれている、彼女の父親はかなり有名な小説家で家が大きく、ばあやがいるらしい…といってもいるのは若い女性家政婦、さらにその父親はすごい女たらしのようで…
 メガネからコンタクトにしようか、とちょっと言い出したら、眼鏡屋の子だった神無月くんと彼の家に…そこいた美人はなぜか動揺して…


今までの実績、現在の地位

 広く活躍する、実力に定評がある作家。同人誌・ポルノコミック・商業少女誌など本当に幅が広い。

 2010年、突然読みきりで登場、何度か読み切りを出してから有力原作と組んでの連載。


個人的な感じ、思い出

「コミックハイ!」の「エオマイア」は本気で怖かった…その路線で来るかと思いましたが、今のところはまだまだ甘い感じに見えます。
でも…本格連載したらどんな恐ろしいことになるのか。