輪上薫(りんじょう かおる)

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公式ホームページあり、リンク


作風概説

 絵が少し暗い感じだったが大分綺麗になった。
 可愛らしさに加え、ぼやけたようだが障子を通してシャンデリアを見るような独特の華やかさもある。

 コンプレックスの描写がものすごく上手い。レトロな郷愁を漂わせる雰囲気はたまらない切なさになる。


代表作

95「HANDS−ふたつの手−」
 手タレントを夢見るやえこちゃんが家事で手が荒れているしのぶちゃんと仲良くなる。しのぶちゃんはやえこちゃんの手に憧れているので、その仕事を代わってくれたり尽くしてくれる。
 そしてある日、調理室の事故でもしのぶちゃんがかばって!切ないまでの夢と優しさの葛藤、そして誇りを語った傑作。

97「こんぺい糖のアルバム」
 
れんげちゃんは中学を卒業した。いとこのかもめくんとは別。二人がずっと通った、こんぺい糖の香り漂う路地裏には二人の秘められた思い出がある。互いに心がすれ違い、意識しあって素直になれない、そんな切ない時間が最高度の芸術性で描かれる。

99「バタフライ幻想曲」
 もうすぐ卒業、でも幼なじみ、つとむに素直になれないミミちゃん。
 そんなある日、卒園した幼稚園から昔埋めたタイムカプセルを掘り出すと知らせが。それに入れた絵には「つとむくんだいすきおよめさんになりたい」と書いた事を思い出し、隠滅しようとしてカプセルを開けた瞬間、その絵を描こうとしている時にタイムスリップ!
 なんとか絵を阻止しようとするが。とても優しく、一番純粋な心とそれを失ったことの切なさ、取り戻す勇気の素晴らしさをしっかり描写した名作。


今までの実績、現在の地位

 作品の質も非常に高く評価されていたが、厳しくなってからあまり登場しなくなる。残念ながら「なかよし」撤退。


個人的な感じ、思い出

 暗い感じと絵の荒さに抵抗が強かったが、近年絵が洗練されるにつれてその純粋な暖かい優しさが理解できるようになり、以前の力の無さに恥じ入っている。

 これから、と言う時に「なかよし」撤退とは…非常に残念。ただ「なかよし」の枠に収まる才能ではない、と言われていたし、筆者自身もそう感じてもいたので、今後の活躍を期待したい。