大塚さとみ (おおつか さとみ)

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作風概説

 はっきりして浮き上がる印象がある絵。やや墨っぽい濃淡と黒曜石のような強みも目立つ。顔の書き分けがはっきりしている。
 非常にさわやかな色香が衣服から香っている。特に笑顔がぱあっとごく軽いシャンパンのようにきらめくことも。
 略すところはしっかり略している。
 表情もくっきりしていて感情表現が豊か。感情的な雰囲気の積み上げがとてもうまく、感情移入しやすい。
 暖かくさわやかでかすかに甘い笑顔もとても素敵。

 とてつもなく強い人格的圧迫感など、奇妙な表現力の高さがある。

 話は非常にわかりやすく積み上げており、テーマがはっきりしている。面白いところはバツグンに面白い。


代表作

2008「純恋パーセンテージ」
 この恋がかなう可能性は0%…学校の王子様、岡野先輩に麻耶ちゃんも恋してしまっている。雨の中転んだとき、まるで母親のようにこまかく優しくしてくれた時から。
 まともに話すこともできず、彼はいつも女の子に囲まれているけど…そう、ひめりんごの木に語りかけながら手入れをしていると、ちょっとしたきっかけから先輩とひめりんごについて話すようになり、結構近づくようになる。
 でも本来木を世話する委員の女子が自分が世話をする、と出てきて、なんだかまた近づけなくなって…

2009「こいゆい」
 姉が美容師の結ちゃんに、拓真くんが声をかけてきた。実は彼のことが好きだったから一緒に帰れるのが嬉しいけど、狙いは姉なんじゃ、というのがちょっと心配。
 実は美容師志望だった拓真くんと姉妹は仲良くなり、結ちゃんを題材に練習したりしている。
 ある日、泣きながら走っていった結ちゃんの姉の姿を見て、拓真くんが走り出していく…本当に姉とくっついてしまう、と思ったら…

2010「ごくゆめ」
 家族の死で親戚に引き取られることになり、服のデザイン科がある高校を諦めろといわれたさつきちゃんの前に、突然迎えが来た。
 その行った先はなんと(ボロい)暴力団組事務所…親戚にはそちらに近づくなといわれたけれど、夢を捨てきれないさつきちゃんは…
 続編も出たほど大反響を呼んだ力作。
 極道の父親に引き取られたさつきちゃんはデザイン科に入る夢がかない、実績のある人ぞろいのグループに入ってしまったけれどそれより友達ができたのがうれしい、ただ家のことが知られたくない…

2015「夏の日」
 同級生が四人しかいない小学校が廃校になる、と知った涼花ちゃんは見納めに行き、そこで同級生四人が集まった。
 ただ、涼花ちゃんは中学では一人ぼっちでいる。
 懐かしい小学校を探検していて、ついに一人であることを打ち明ける勇気が…


今までの実績、現在の地位

 登場は少なめだったが、「ごくゆめ」が続編が出るほど大きく当たった。


個人的な感じ、思い出

 未熟も感じるが、とてものびのびとした感じといくつかの絵に感じた強い生気とさわやかさは期待できそう。
 心配して色々動いたりはすごくかわいかった。
 じっくりがんばって、ぜひ大きく花開いて欲しい。

「ごくゆめ」の重さはすごかった。増刊発売以来何週間も、思い出しては悪夢のような感情に押しつぶされるほどに。
 逆に明るい方面でもこのパワーを活かして欲しい…と思っていたら、その続編が圧倒的に面白かった。