大原 彩(おおはら あや)

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作風概説

 大人向け少女マンガの印象がある簡潔で少しラフ、あっさり味のタッチ。
 構成力は相当高く、特に闇の使い方がうまい。バスケシーンは頑張っていたが、残念ながらラフな感じ。

 乾いた感じと意地っ張りな女の子が見ていて飽きない。


代表作

2002「君色メガネ・月の夜」
 視力0.3の永島果林はいつも、隣席のカガミにノートを見せてもらったり…どう見てもラブラブ。彼だけが果林をリンと呼ぶのも怪しい、と言われるし。
 自転車に乗せてはくれないけれど、ゆっくり走ってくれる彼と月を見たり、そんなフツーの毎日が続くと思ってたけど、突然の席替えで席が離れ、眼鏡をかけてみたら彼の横顔が全然違って見えて顔をまともに見られなくなる。
 そしてあらぬ嫉妬が重くなり、ついにケンカしてしまって…静かに心と関係の変化を描いた佳作。

2002「174センチのユウウツ」
 女子高バスケ部の王子さま、あさみちゃんがふと訪れた文化祭準備中の男子校で、自分よりもっと長身の泰くんと劇のため女装していた中学時代の小さいクラスメート、槌本くんに会う。
 どちらと接しても微妙に背のコンプレックスは刺激されるが、居心地がいいのは…大会新人戦で、レモンを準備していたことを覚えてくれたのも試合で活躍したのも槌本だった。さわやかに心の変化、自分を認めるのが力になることををしっかり描ききった傑作。

2004「スペシャルガールフレンド」
 タカハシって、あたしのこと好きっぽくない?ただ、彼は女の子ならみんな好きに思える。ずっと腐れ縁で仲がいいしえちゃんは、それがなんだか面白くない。
 春の体育祭で、彼が団長で自分が副団長となり、何かの会話で彼が衣装を作って、と頼んできた。気合を入れるしえちゃんだけど…
 意地っ張りなしえちゃんが色々振り回される感情がとても見ていて楽しい。

2006「恋とパンチ」
 小学校の卒業式、告白…しようとしたら、相手は「おまえとはいつもケンカばっかりしてたけど…」で期待したら「きょうこそ決着つけようぜ!」その屈辱をバネに、マイ子ちゃんは泣く子も黙るガキ大将だったのが、中学デビューでモテキャラに。
 今日も今日とて見たことない男子が見つめてくる、でも彼女のお目当ては鹿野先輩。だが、見つめてきた男子は転校生で、しかも彼女の過去を知るミクロこと三倉だと判明!イメージ壊されてたまるかと、なんとか遠ざけようとする。
 そんなとき、いじめが転校生の目に留まって、「助けなくていいの?」といわれるけれど、今強さを出したくない…でも「ほんとはたすけたい?」という言葉が心に引っかかる。
 そして鹿野先輩の悪い噂を聞いたミクロの忠告にも耳を貸さず…
 あっさり風味で真実を静かに語る傑作。


今までの実績、現在の地位

最近登場が多く、期待できる。


個人的な感じ、思い出

 デビュー作の雰囲気を保ったまま、予想以上に成長している。
 このタイプの正統派は絶対いて欲しい!

 しかし、デビュー後第一作の主人公の名前はもしかして麻実れいから……?