(野寄雅代→)みつき成流(→笑夢かぇる)

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公式サイトあり、リンク


作風概説

炭酸強めのスパークリングワインのように刺激的な華やかさ、表情も豊かですっきりした後味。
とても明るく、なんともいえない面白さ。さわやかな笑顔がとても心地いい。
わかりやすいチビキャラ表現もとても楽しい。
大人と子供の描き分けもかなりうまい。

話もわかりやすく、キャラそれぞれの背景、惹かれあう二人の気持ちの組み上げ、アイテムや自然の変化、女の子の肉体そのものなどあらゆるものをたくみに使いこなし、どのキャラの心理も数学の証明のように漏れなくしっかり組み立てる心情表現は抜群の説得力。
テーマがとことんしっかりしている。


代表作

2007「絶対うまくいく恋愛バイブル2007」
 まわりが恋で騒がしいけど、エリカちゃんはまだあまり興味もない。バカップル化した友だちが、タイトルの名の本をくれた。
 ふと別に仲良くもないクラスメートの宮崎智之くんが告白してふられるのを目撃し、なんとなくその本の受け売りで協力しよう、と言い出してしまった。
 最初からバラ百本を断られるのを承知で出して、なら一本だけといえば相手は断りにくくなり、結果的には印象付けられる…という例を彼は本当にやってしまい、結構うまく行ってしまう。でもうまく行くことで逆に、自分が初恋もまだとは言い出せない。それに彼の輝きがどうも気になって…

2009「恋する落書き」
 別館三階非常階段の壁に恋の願いを書くとかなう、という…でも東大入学・上級外務公務員試験・見合い結婚…と人生設計が完璧にできている全国模試三位の白石未夏ちゃんには関係ない。
 その人生設計のために時間を無駄にしたくない彼女は今日も秒刻みのスケジュールで暮らしてる、でも館山先生が壁の落書きを消せずに暑く吼えているのを見かけ、そこで先生に「オレと白石でここにある全員ぶんの恋かなえてやろーぜ」といわれ…
 未夏ちゃんの頭脳と先生の特権濫用?で多くは成功、それがなんとなく嬉しくなっていくけれど、先生の笑顔を見ると呼吸が苦しくなってきて…

2009「恋するイニシャル」
 前作と同じ舞台で、同じ天文部のユウキ部長と両思いになりたい、と「Y.I」「A.K」で相合傘を書いた春日亜弥子ちゃんを、同じクラスの不良の池ヶ谷くんがにらんで、いきなり「つきあってもいいよ」と…彼も「Y.I」だったので勘違いしたのである。
 怖くて真相が言い出せなかった亜弥子ちゃんだけれど、彼は怖いけど笑顔は素敵だし、ちょっと二人で勉強したら簡単に学年三位とか…

2010〜11「ウェザーガール☆りいな」
 子ども扱いされるのが嫌な、小学生にしては長身のりいなちゃんが大人っぽい服で外に出たとき、たまたま出会った男に強引にテレビ局に連れて行かれ、何かの欠員補充で…天気予報キャスターをやることに!
 最初はいい加減な気持ちだったけれど、多くの人が集まって作っていることを理解し、急速に成長していく。
 でも自分が小学生だということは隠していて…虹の鮮烈さが光る、「大人」という一つのテーマをいろいろな面から説得力豊かに描ききる最高傑作。
 そのまま一種の連載として連続掲載される。

2014「逆転タロット!」
 人を調査し、プロファイリングしてお金をもらっている玲央奈ちゃん。
 実は憧れのテレビドラマの刑事を真似ており、そのDVD-BOXが欲しいから守銭奴している。
 占い師にこんなに稼げるのかと興味を持った彼女は、占い師が落としたカードを拾った。それを開けると、美青年が出てきて「つぎの主人はあんたか」と言ってきた。
 それでなんとなく占い師を始めるけど…


今までの実績、現在の地位

 かなり出てこなかったが連続登場、非公式だが増刊連載も。

「地獄少女閻魔あいセレクション 激こわストーリー毒」で単行本登場。

 増刊が休刊になって以来出番が少なかったが、2014年に本誌読みきり登場。

 2017年、「なかよし」から離れ『笑夢かぇる』名義に専念。


個人的な感じ、思い出

 デビュー作の第一印象は…でも話が、ありきたりではあるけれどその分ストレートでとても面白く読める。

 デビュー後第一作がとてもよかった。とても楽しく味が豊かで、次に何が来るかすごく楽しめたし心の動きに素直に乗れた。

 心理の知識も深いようなので、心理学の歴史にあるさまざまなエピソードなどのコミック化もできたらいいな、という気になる。
 他にもクリスティの別名義普通小説なども挑戦して欲しい。
 もちろんオリジナルでならおもいきり壮大な話もいいと思う。

「ウェザーガール☆りいな」の、「大人」という読者たちにとって一番大切なテーマにこだわり、丁寧に組み立てた構成力には圧倒された。
 もう実力的には文句なく本誌連載でいいと思う。

 ずっと出てこなかったので心配していたが、本誌登場は嬉しかった。「なかよし」を離れるのはある意味当然。…増刊でシリーズやっといて一切評価しないってどういう基準だ(以下自粛)