みなみ由果(ゆか)

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作風概説

 とても華麗な絵。かわいらしさが大幅にアップし、甘いきらめきとどきっとするような体の曲線の柔らかさも身につけた。
 心理的な事も深く理解しており、特に「自信」をとてもうまく掘り下げている。

 また女の子の色気が魔性になるような魅力を引き出すのが巧み。しかもその女の子の内面もかっこいい。女体が(いい例えではないかもしれないし、僕はデッサンの経験がないので本当のところはわからないが)美少女コミックの一流どころに匹敵すると思う。
 そして、女性の色香の深さは女という存在の性的な魔性、独占欲という業、それら全てを肯定してとても魅力的に表現しているからだ。変に理想化されていない、生命感あふれる女の子はとても魅力的だ。

 ぎゅっとつめこまれたような画面が気になるが、今後の成長を待ちたい。
 題材も斬新で、大胆。


代表作

2001「ヴィーナス・アカデミー」桜木メイちゃんは入試で・・・なぜか突然ヘリコプターから落下傘降下。女を磨く超一流専門学校とばかり思っていたら、実は女性スパイ養成学校だったのだ。

1999「ドリーム・ミッション」
 忍の技術を活かし、影武者業を営む夢が受けた依頼は、アイドルの朝倉智くん!うきうきと仕事を受ける夢だけど、突然プロデューサー(おっさん)が彼の体を買った、と襲ってきた。この依頼、裏がありそう?忍びの誇りに賭けて、彼を救ってみせる!
 人間の存在意義、誇りと自信を深く追求した、胸がいっぱいになる作品。
 二作品目は内気でいじめられ気味の少女の影武者として、学園内の誘拐事件を解決する話。スリル満点で、しかも心に響くメッセージがとても印象的だった。

2000「まもってあげたい!」
 上杉くんを追いかけている天童ヒミコちゃんが、ある日歴史資料室で見つけた黒曜石の鏡、それには未来や過去を映し出す魔力があった。
 火に包まれる上杉くんのビジョンを心配する彼女は、上杉くんが校長室で落とした何かも気になる。そしてある日、突然火に包まれる校長室に上杉くんが…。鮮やかな色彩感のある華やかな作品。初カラーで、かなり注目度が高いことも証明している。

2001「ヴィーナス・アカデミー」
 ヘリコプターでおびえる少女。いきなり落下傘降下訓練!入試との事だ。もてたいから女を磨く超一流専門学校、ヴィーナス・アカデミーを受験し、見事最終試験に到達した桜木メイちゃんは、女性スパイ養成校と聞いてびっくり。パニック状態の彼女に、三人チームで誰のミスでも全員失格の最終試験が。
 ナイスバディの真理杏樹と小悪魔の桑原リナと組んで、アメリカで活躍している若き天才科学者タツヒコ・オダからの研究データ奪取の任務を・・・初めの二人はめちゃくちゃをやってかわされ、最後に残ったメイちゃんが接触、ぽうっとなりかけたところで博士が別組織に誘拐!
 試験中止と言われるが、意地でもやると追った三人は洋上の怪しい船に潜入、データは発見したが銃口に追いつめられて・・・スリルとハラハラドキドキ、一瞬先も読めないどんでん返しの連続、色気にギャグと上質の映画のような作品。

2001「スイートvモンスター」
 転校生の綾瀬テンちゃんは吸血鬼?正確にはメヤカ(女夜叉)族で人間の男子のオーラを好んで吸い、何百年も若いまま生きる魔族。
 転校した先にはオーラがない都築くんと、逆にオーラに満ちあふれた泉堂くんがいた。泉堂くんは数万人に一人しかいない巨大なオーラを持つ甘露雀かも。でもオーラがなくて貧血気味の都築くんも心配で…読み方によっては非常にエロチックな、それでいて不思議な輝きに満ちた作品。


今までの実績、現在の地位

 増刊でカラー、別冊付録に出るなどかなり注目されていたが、ここしばらく登場しない。


個人的な感じ、思い出

この、深い人間洞察には正直救われた。とても強い魂が匂ってくる。絵のレベルもとても高く、もっともっと輝いて欲しいと思っている。

大化けした女体描写と決めシーンのカメラアングルによる心理描写には驚いた。これからの活躍を期待する。