川又もとみ(かわまた もとみ)

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作風概説

 笑顔が印象的。まるでぬいぐるみのように可愛らしく、恋愛を余り強くしないで日常を表現するのが上手い。
 絵の感じは手作りのテディベアのように柔らかくやや不器用な感じだが、それも安心感を与えてくれるし、思春期の雰囲気がはっきり伝わってくる。底に流れる優しさがくすぐったいような感じになる。

 トラブルからのどんでん返しが感情移入しやすい。


代表作

94「コロとお散歩」るんるん連載、単行本なし。
 津山コロ、六歳オス雑種。拾う時にちゃんと世話をする、と約束したあかねちゃんが最近世話をしてくれない。
 ちょっとオッサンくさい性格のコロがとても面白い、心温まる話。

95「チャンスは続くよ」
 くじ運の悪い曽根ちゃんはHR委員に当たってしまった。そのせいで塾のトップからも落ち、磯辺の提案してくる企画がむしろ勉強の邪魔。
 でも磯辺といるうちに少し気分がよくなって、その前向きな姿勢、周囲を本当に思いやる優しさに触れて思い出を作りたくなったけど、模試とパーティーが重なって。
 優等生の心がほぐれ、視野が広がって成長していく姿をうまく描いている。

98「イブの魔法」
 森村さんが見かけたクラスメートの小椋くん、父が事故にあったと大騒ぎ。気弱な彼の頼みで病院までつきそって行く。実は小椋くんの父はマジシャンで、小椋くん自身も結構上手い。
 そして、彼が見せてくれた仲良くなれるマジックに心までもかかった森村さんは、小椋くんの初舞台に協力する事に。
 でもプロ意識の強い小椋くんの父は小椋くんのマジックを認めない。優しい恋と暖めあう強さ、父子の心の通い合いを巧みに絡めた佳作。

2002「GETっちゅ V」
 クラスメートの恵幸星に落ちたなツキ、とからかわれる通り落田夏妃ちゃんは運が悪い。対抗意識から今度はクリスマスにオーロラ鑑賞旅行(男女ペア)を狙うが、いつのまにか二人で葉書を書くことに。
 そんな夏妃ちゃんがある日、バスケをしている幸星に見とれたらボールが当たってしまい、幸星がクレイドル法(お姫さま抱っこ)で保健室に運んでくれた。それ以来、幸星がクリスマスを誰と過ごすのか妙に気になって…結局二人とも旅行は外れ、女友達とケーキを食べている夏妃ちゃんの携帯が。


今までの実績、現在の地位

 デビューから十年以上たつベテランだが非常に寡作。本誌掲載経験がある。
「るんるん」で準連載の経験もあるが、単行本もないし長い事出てこなかった。最近の増刊で復活。


個人的な感じ、思い出

 昔の作品に好きなのが多かったので、登場しなかった期間も諦めきれなかった。嬉しい事に復活した。しかもその暖かい作風と優しい笑顔は全く変わっていない!これからも出てきて欲しい。