りぼん2014年5月号感想

藤原先生の表紙絵の柔らかさがなんともうれしいです。

付録はおいしそうでストレートです。

今月号はカラー扉ですごく頑張ってる作品が多いです。こんな表現があるんだ、と感動すらしました。

今月号で最終回の「ローゼンメイデンdolls talk」、強烈なかわいらしさですごく楽しかったです。
次作も期待しています。

ラララハレルヤ!(藤原ゆか)ひよ恋(雪丸もえ)猫田のことが気になって仕方ない。(大詩りえ)つばさとホタル(春田なな)プリモ・プリーマ!(柚木ウタノ)絶叫学級(いしかわえみ)シュガー*ソルジャー(酒井まゆ)僕の家においで(優木なち)ロマンチカクロック(槙ようこ)まりもの花(香純裕子/秋元康)流れ星レンズ(村田真優)チョコタン!(武内こずえ)アニマル横町(前川涼)HIGH SCORE(津山ちなみ)ちびまる子ちゃん(さくらももこ)たまたま!きんぎょ荘(岡野小夏)気がつけば、桜色(なすのまゆか)次号予告

ラララハレルヤ!
エデンの園の知恵の実にはイチジク・ブドウなど諸説があります。
制服で乗馬とは、なんという豪快な。一瞬登校風景かと思いましたが、朝の運動ですか。
ギャンブルの天才、というのも面白い設定ですね。
それにしても、すごくバランスのいい邸宅ですね。家で乗馬ができるとなると際限のない大邸宅になりがちですが、乗馬ができる最低限の庭、家は大きいですが邸宅というほどでもない…
この出会いも面白いです。
厳しい伝統ですが、理不尽こそ伝統です…中等部で、優等生として彼女のような人がやっていける程度のきつさかもしれませんが。
つまらない、といきなり破り捨てる…それに応えて、自分の言葉でスピーチする…やはりとても感動的です。お約束だからこそ。
ただ、「毎日を大切することなら誰にだってできる」というのは間違ってますよ。そんなことができるのは千人に一人です。999人は、集団に身を任せて考えることをやめて、今を生きるのではなく惰性だけで生きているのです。
あと、少し髪がくるっとしてる、名前が出てきてない男子も気になります。
理事長の息子だからできる…わがままにも等しいですよね、これは。
ただ、こうして後になって、彼女が書いた台本を拾って返す…この行動から、自分で書いたものを捨てさせられた悔しさを理解してあえてやった無茶だ、というのが伝わってすごくうれしい気持ちになりました。
新生徒会、というのもわざわざ波風を立てているようですね。
ただ、いたずらに伝統を否定するだけでなく、逆に魂のまま自由に無茶をやっても誤ることがある…ときにはそれが取り返しのつかないことにもなることもちゃんと描いてくれればいいと思います。
一見地味ですが、調理によっては限りなく深くなり得る作品です。作者の実力は折り紙付きですので、安心して楽しみにしていられそうです。
できたら、あまり嫌な感情に胸を裂かれることなく読めるほうがよいのですが…

ひよ恋
受験勉強、大変ですね。
すごい集まりになってしまって、下手をするとド修羅場になりそうなんですが。
秋穂ちゃんがあっさりとストーカーを謝るのは大笑いしました。でも彼女が包丁を握るのはやはり怖いです。
本当に添い寝するのは吹っ飛びました。
添い寝から…これ、ドアが開かなかったら突っ走ってたでしょうか?

猫田のことが気になって仕方ない。
友だち、なんて彼女の口から出るとは。
けーさつ手帳、って偽造は重罪なんですが。まあ小学生のひらがなに…今のアメリカならゼロトレランスで容赦なく退学にしかねないですよ。
…これ、すごく厄介なジレンマですよね。恋愛沙汰を言う罪と、猫田含むみんなで押しかける精神的苦痛とどっちが大きいか。
それほどの決意を「意味がわかんないんだけど」…
そしてためらいもなくチャイムを押す。恐ろしい子。
美人の姉が出てくるとは…またおいしいことになりそうです。
いやもう、くすぐったいというか…たまりませんねこれは。こういう形でしか今は正統派のラブラブができないのかとも思いますけど。
仲直りじゃなくてラブラブなんですけどね。
走れメロス…太宰治も妙な作家です。あれしか読んでない人が圧倒多数。本当の作風は「人間失格」なのに。
すごく素直に、まだ恋を知る前の心を描いてます。

つばさとホタル
縁が深いですね、いろいろと。
間接キスではないですけど、少しずつとりっこして食べるってすごくドキドキしそうです。雰囲気がすごく甘いです。
ここでの風邪がどんなことになるのか…
家に一人、だったらとアッキーに一人で行かせる…もうくっつけてやるモードになってますね。
そして「アレ絶対仮病だから」…うわあ。
さらに「横どりされるって」って、大島さんの気持ちまで言っちゃうとか、なんというか乱暴です。
そして大島さんの告白、さてどんなことに…すごくストレートな作品ですよね、それだけに面白いです。

プリモ・プリーマ!
なんか第二部って感じがします。
頭にハリネズミ…刺さないかもしれませんが、トイレにはしないですよね?
キスで頭がいっぱいになるのも女の子ですね。
和の道…それってやってるかどうかじゃないですか?
ちゃんと指導してもらえるのはいいにしても、短い期間じゃもともと無理ですよ。
「歴代で30万越えは」って彼も意識しているんですね。
そして「初のことどう思ってるのかってこと」…結構核心に迫る一言です。
抱きしめて「かわいいよ」、これも強烈ですね。
「なぜプリーマの称号を捨てたのか」…これがまた重い一言です。
自分の母親のことを何も知らなかった、それはショックですよね。

絶叫学級
ネット+絶叫学級=…計算するまでもないですね。
人気芸能人の、ツイッターでしょうか?それともフェイスブックをあわせたような?
ちゃんと返信してもらっている…それも心配ですね。
服にアドバイスしたら返事が来ない、もう見事な妄執の始まりです。
そして裏サイトでうっぷんを…リアルすぎて嫌です。
「やめて見ないで」というのもうまいです。芸能人自身が味わったことなのだと…
インターネットがなくても怪物はいましたし、芸能人は自殺していました。郵便すらない昔から。人間の業です。

シュガー*ソルジャー
この淡い感じの配色、すごく素敵です。
いい雰囲気にこの乱入…
そして、姉の彼氏に忠告するなんてなんという怖いもの知らずというか後が怖いというか。
この正直さはびっくりするほどです。「正直今もちょっと思うけど」とか「入谷くんが悲しむから」とか…
それで抱きしめる入谷くん、もう甘すぎて頭がくらくらしてます。
そして仙田くんにカメラマンのチャンス…屋上で、この大人のラブシーンも強烈です。
これはこれですごく面白い、こういう手もあるんだなというか…ちょっと大人の読み切りしても楽しめそうです。

僕の家においで
5日で宿題終わり…それはそれで学力が低下しそうなので、毎日五分でも…僕が言わなくてもやるでしょうね、彼女なら。
誕生日の準備と心の準備…心の準備のほうは一生できそうにありません。
まのさんは勉強のほうはパーフェクトじゃなかったと。…わざとだろ、といいたくなります。
「うわー超助かるー」…すっっごく迷惑そうな感謝ですね。
で、当然のように男を自分の部屋に入れて二人きりでいると。それがやばいとは二人ともかけらも考えてないと。
「練習させて」…もうページめくりたくないのが正直なところ。
本当にメイド服着てくれるとは。ああ、「りぼん」はなんで幼年少女誌なんでしょう。成人誌とは言わない、せめて青年誌だったら…

ロマンチカクロック
全体に青がかかってるカラー扉、すごく面白いです。
ラブストーリーは突然に、って古すぎます。読者の親でも知らないかも。
ここで出ていってしまうとは…杏花音もしっかりばれてます。
虫刺されなら、ほかの三人も同じはずですよね?少なくとも香鈴ちゃんも。
「恋愛に関して無感覚」…確かに。
「恋に目覚めようと思うの」と彼女が言うのは、無理だなと即答したくなりました。
「ひとりじゃないよ」というのはうれしい言葉ですね。
さて、どうなるのやら。

まりもの花
「悪い人とは思えないよ」と、あっさりと受け入れてしまいましたね。
いや、母親も来ていたんですか…
さらに「黒呪会の中心人物は」、なんというか、お約束の教科書みたいな作品です。「りぼん」読者は小さい子が多いですから、ここであらゆる話の基本パターンを覚えておくのもそんじゃないかもしれませんね。まあ古典を直接読んだほうがいいかもしれませんが、古典には内容が過激なのも多いですから。
国会議事堂の地下、それじゃ事実上日本政府そのものですよね。
それにしても航続距離の長いヘリもあったものです。
まりも会、とか…懐かしい話ですけど、相手は事実上政府ですから、その家族も含めて一瞬で潰されそうなんですが。
「別ルートを探して本部へ乗りこむ」…無茶考えますね、この二人。あと戦力だったら竜星たちもありそうです。
最後の生物兵器はひたすら笑いが止まりません。
現実にはこんなの全然強くないですよ、二乗三乗則…同じ大きさの箱を八つ用意してください。それを積めば、同じ形で、一辺の長さは二倍の箱を作れます。その体積は箱の個数で分かるように八倍、底の面積は…すべての辺も、あらゆる断面積も…四倍になります。半分の面積で倍の体積、素材が同じなら重量を支えなければならない…体重が二倍になるのと同じ、膝や足首が壊れます。
実はそれだけで、事実上あらゆるロボットアニメはばかばかしい話になるんです。
人間よりチンパンジーのほうがずっと強いんです。人間の、筋力を制限しているリミッターを外し、苦痛を無視できるようにすれば、それだけでも桁外れに強くなるでしょう。

流れ星レンズ
もう来てるというのはずるいですよ。
読書感想文って…それより続きを書かせるほうがずっといいのに。
さらに絵本から宝の地図、と、なんかすごく面白い展開になってます。あくまで女の子二人というのがまたいいですね。
で、こっちは男子二人…
「襲いそうなんだよ」なんて正直な。
宝箱とかはどこかに吹っ飛んだようですね、先生とか雄大くんとかで。
そして最後に、地図は統牙という落ちで合流…
なんというか夢のような夏休みの一日です。
僕には望むべきもない、それこそどんな映画やオリ主ファンタジー、ハーレムラノベより経験したかったことかも…

チョコタン!
ミシンを使えるというのはすごいですよね。昔はそれだけで食べていけたし、女子全員必修だったほどです…今は既製品が安くなりすぎたので変わってしまいましたが。
誕生日プレゼント、って楽しそうなことになりましたね。
…まさか、アリマくんにミシン買わせたりしないですよね…
そして調べたんですか。まあそういうものです。というか、めちゃくちゃ安いですよこれでも。足踏みミシンが普及したころ、その価値がどれほどだったか…標準的な仕事の月給のどれぐらいか、想像するのも恐ろしいほどです。
犬にお金の概念がない、というか人間のお金の概念って本当に奇跡みたいなものですよ。本質的には、別種のものの交換…肉と肉ではなく、石斧と肉の交換という、チンパンジーにもイルカにもオウムにもできないことです。
それでお金の入った封筒、とまあなんという都合のいい…と思ったらこういう落ちになりましたか。
というか今は給料は銀行振り込みなので、給料袋という概念は過去のものです。昔あったんですよ、銀行振り込みがこんな便利じゃなく、キャッシュカードもなかった時代が。
そして四つ葉のクローバー…頑張りましたね。
アリマくん、ただのんびり笑ってますけど…あんたは何をプレゼントするんですか?というかミシンをプレゼントしないと許されない流れですよね。
先月号が少し重い話だったので、今月号の楽しさがすごく暖かいです。

アニマル横町
そろばんとピアノ…難しいですよねそれ。そろばんのほうが、のちの授業では圧倒的に役に立つでしょう。計算力が桁違いに高ければ、小学生のうちは算数だけですが、中学以降物理や化学も有利になりますし。
ピアノも脳を刺激するので頭がよくなる…難しい。
「6歳にもなれないのに」って白血病にでもかかってるようなことを。
「タダじゃねーんだぞ 主にお父さんのおこづかいがけずられて」がリアルで恐ろしいです。
イヨがそろばんできる、ってそれは便利な。
画鋲ネタは楽しいです。落ちのわざとらしさも楽しい。

HIGH SCORE
財力のほとんどを貢がれている…それは悲しいですね。
まあ、確かにお返しをする以外にこの負い目感はどうにもなりません。
女子バージョン…確かに差がつきそうです。
まね、というとペアルック…確かに姉妹なら自然でしょう。でも想像通りの格差姉妹で…ああ。
バイトするために金くれ、というのはばかばかしいです。
「実物の5倍くらいかっこよくうつってるんじゃないのあのひがみっぷりは」…厳しい母親。
まあとにかく頑張っているようで。

ちびまる子ちゃん
知らない親戚というのもややこしい話ですね。
結構昔からそういうことはあるそうです。特に戦後の住宅難時代とか。
お姉ちゃん、さすがにしっかりしてます。
「オレオレサギや振り込めサギ」は、この時代にはなかったと思います。たぶん。
…みんな忘れてると思いますけど、「ちびまるこちゃん」の舞台はかなり昔ですよ。…「サザエさん」はもっと昔、ヒロポンネタがある時代ですが。
なんというかいい人でよかった…でも気まずいことには違いありません。

たまたま!きんぎょ荘
乙女ちゃんの暴走を止めた咲夜くん、男を見せました。
「好きでござるよ」ってそういう意味かどうかはわかりませんけど。
ああ、女の「待っている」って恐ろしい言葉が…
で、来週には戻る、というオチでしたか。
よくこの一人一人に合うお土産を手に入れてきたものです。
二人きりの実というのは強烈ですね。確かに枝のほうを食べる木の実はあります。
さて…正式に付き合うのではなく、というのがちょっと逃げのような気もしますが…
あ、最終回じゃないぞよ、もうちっとだけ続くんじゃ、ですね。

気がつけば、桜色
すごくはつらつとした、生気に満ちたタッチです。
この呼び出しは告白でしょうか?
それで意識しまくってしまってたら、…雑用でしたか。
…告白されてたらどうしたんでしょうね。
ドキドキしているから隣ムリ、というのも可愛いです。でも向かい合わせもまた…
心がふわふわする、というのも可愛いです。
二人での写真とか、すごく素敵な思い出もあるんですね。
しかも明日で卒業…それを思うと切ないです。
「気づけばそいつのこと考えてたり」とか、もう頭が煮えそう。それも圧力鍋で。おもり高圧にセットで。
彼女も、気づいていなかっただけでずっとその気持ちがあった…すごく素直に心の動きを描いてます。
そして、このグダグダすぎる告白…たまりません。
卒業式の告白、という単純すぎる話なのに、僕が今まで読んだすべての中でも最高級かも。
最後の「ずっと…」「…おいなんか言え」がたまらないにもほどがあります。
次回作、めちゃくちゃ期待してます。

月号は読み切りフェスタ、なんというぜいたくな。
どちらもすごく楽しみです。

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