りぼん2009年7月号感想

また一点豪華主義にもほどがある付録もあったもので…

まだ本誌発表はされていませんが、夢色パティシエールのアニメ化おめでとうございます。
むしろ嬉しい驚きでした。
思えば聖ドラゴンガールでアニメ化していてよかった気もしますし、なんとなくですがアニメは種村先生や酒井先生などの派手な路線からしか出ないのかな、と思っていたので。
こういう、けれんみのない子供にとっていい作品が注目されることはとても喜ばしいことです。

逆にベテランからのアニメ化という点は若手作家にとっては残念ですが、逆に奮起して新人・若手で質の高い作品からヒットを飛ばしてくれることを願っています。

スターダスト☆ウィンク(春田なな)アイからはじまる(雪丸もえ)アニマル横町(前川涼)MOMO(酒井まゆ)桜姫華伝(種村有菜)HIGH SCORE(津山ちなみ)Kiss me ホスト組(優木なち)勝利の悪魔(槙ようこ)夢色パティシエール(松本夏美)フライハイ!(小桜池なつみ)CRASH!(藤原ゆか)絶叫学級(いしかわえみ)次号予告

スターダスト☆ウィンク
逆ハーレムがこのままどんどん拡大するのでしょうか?
家庭教師って大金がかかるんですよ?親だって必死なんです。…いかに子供が一人だけというのが不合理かわかりますね、百人生んで二人生き残ればいい、というほうがよっぽど…
真顔で「バカな子ほどかわいい」は面白いです。
いきなりまた…というか以前の作品の先生と…
真白くんが家庭教師、ってほとんどこれ…食ってくれといってるようなものですよね…
バイト代不要というのは大きいですね。
カテキョのために予習する、ならいいですね。何も言うことはありません。
苦手な場所を知りたいからまずテスト、というのも賢明ですね。
二人とも入ってきましたか…修羅場は見る分には楽しいです。
因数分解ってある意味スポーツみたいな楽しみがあります。
ブサイク顔ネタも楽しいです。
かわいい、の一言って女の子にはすごく大きいんですね。
「杏菜がかわいそうだ」というのもわかります。この二人が、杏菜ちゃんが目覚めないように閉じ込めているようにも見えますからね。
退屈しのぎにそれを解放してやる、というのも楽しそうですね。
まあそのつもりがミイラ取りがミイラにならないことを祈ります。

アイからはじまる
この明るさと暑苦しさは相変わらずですね。今は暑いですが。
男子が苦手な女の子…逆に女子が苦手な男子もいますよ。ちなみに男女問わず人間が苦手な人もいます。
確かに恋はしないほうが楽です。
携帯電話でのおもいがけない縁は実に面白いです。
「とにかくダメなの!」「なんで?」今の僕はその理由を知っています。軍隊などで昔は大人になると必要だった、理由を問わないで無条件に絶対服従する心のあり方に、全員の精神と肉体を改造するためです。「命令に理由はない」は軍隊における最も重要な原則です。
ちなみに今は、その精神の型であっても生活できるとは限らないし社会が必要としているその型の人自体が少数です。軍隊も思考能力を持たず身体壮健な多数の兵士ではなく、博士級の頭脳を持つ少数の技術者で動くようになってます。でも他の教育法を誰も思いつけないので惰性でそのままやってます。
ばーちゃんと同じ名前、というのは彼から見ればほめてるつもりだったんでしょうね。大抵は祖父母は大好きですから。
再会したら別人でしたか…となりのクラスの田中くん、というのもこれから話に絡むのでしょうか。
彼が探しているというのもちょっと怖い事態ですね。
ばーちゃんの霊、ってけっこうボケです。
昔の回想もいいですね。
何も言えなくて泣くだけと言うのもうらやましいです。
彼が助けてくれた、そのそっけなさは男ですよ!
事情を説明できるアイちゃんも結構勇敢ですね。
彼は覚えていてくれていた…再会から今までの彼の側の気持ちも見てみたいですね。

アニマル横町
夏…祝日がない?お盆前に何かと忙しくなる?
ウサギならひまわりの種は好物では?
くーちゃんへの…これはキモい。
一つだけ植えるのが間違いですね。いくつか植えて間引くのが…
さいてるって…この種の植物、なんか名前があるのでしょうか。

MOMO
どんどんシリアスですね。
結局同居ですか。
ふかふかベッドだけで十分幸せ…ですよね。
肉、というのがすごく厚かましいリクエストなのもなんだかわかります。
「夢はナナギが好き?」にはびっくりしました。それが「ナナギはモモちゃんのことがキライ」になるのも…
鳥・豚・牛…他にも馬・羊・山羊・七面鳥といろいろあるのに、なぜ日本のスーパーでは手に入る肉の範囲がこう狭いのやら。
いきなりまた逆襲ですか。しつこいです。
いいデザインの剣で、飼料も見ているのはわかります。ただし僕には実用的じゃないとわかりますが。Dガードの小指側が狭いと邪魔なのは実際模型作って知ってますし、鍔周辺の複雑な部分は指を引っ掛けるためなのにそうなってません。
夢ちゃんと一緒に寝てた…さぞたっぷり肉を楽しんだのでしょうね。
モモちゃんが反撃しないように抑えてる、剣を受け入れようとする…
それを知ろうとする夢ちゃん、すごく勇気ありますね。

桜姫華伝
この選択、でしたか…
こういう場合は逆に、言われたとおりにやれば助けてもらえることが保証されていません。やってもご苦労だった、じゃあ死ねで終る可能性もあります。
また、今飲んだもので死ぬ、というのも、人が見ていないところで話しても破裂することも、それが本当に相手にできることは証明されていません。
死にたくない、というのは当然ですよ…多くの人はそう思うことを許されていませんが。
桜姫サイドはのんきなものですね。
「ピョン吉はもっと後世の蛙だ!」は笑いました。ただし僕はド根性ガエルそのものは見ていません。
またそれで外伝一つ書けそうですね。
東宮様もフットワーク軽いですね。
白詰草…あれ?帰化植物じゃ…
結構被害は出てるんですね。だからでしたか、あの憎しみは…でも問題は、桜姫を殺すことが妖古を排除する役に立つのかです。役に立つのは科学兵器研究では?
拒絶したのは自分自身、だから…自分自身になるために…この決断はすごく自然で説得力が高いです。
これは…ただ死ぬより辛いですね。残酷すぎます。
戻すことができないことは青葉が一番よく知っている…
なぜ助けた側が、自分が黒幕だったと自白したのでしょう?そのまま味方のふりをするほうがいいのでは…

HIGH SCORE
面白い視点から面白いことを…
「バイトやめればいいのに」「かまってくれなきゃ」という本音が女の子らしくて楽しいです。
普通ならこんな意地の張り合いは破局ものなんですけど、いい友がいますね。
これは女としてのプライド全壊ですね。
デートコースも美術館もいや、ならどこならいいんでしょう。
このままこのデートが続けば何かと面白いんですが。

Kiss me ホスト組
確かにいいシステムに描かれています。でも、拒否できない制度になっているのが、特にマコちゃんにとっては残酷です。その制度と関係無しにのんびりやりたい子はそれが許されるべきじゃ…
まあ巻き込まれヒロインのパターンなのはわかりますが、一瞬すれ違った怪我をした男から伝言を受けていないか確かめるために暗殺組織と国家秘密警察に永遠に追われる、そして捕まったら伝言を受けていないとどれだけ言っても信用されず拷問が続き、相手が納得するまで拷問されたらもう発狂しているので殺されるだけのヒロイン並みに理不尽です。
何より校長先生が…あの落書き事件が悪意じゃないことをどうしても認めてもらえない、というのはすごく傷つくことですよ?
バラせば、と言われたらそりゃ…というかマコちゃんも、ホストを道徳的に悪と決めつけているのが危ういですね。必要悪という言葉を理解していない、下手に育って歴史とかみ合うとパーマネントはやめましょうの軍国おばさんになりかねないです。
サブキャラも色々出てきましたね。
かわいそうな人もいる、というのをしっかり見ているのも冷静な判断力です。
いきなり仕事を任されるというのも…というか、僕にはこの状態ではばらせないのはわかります。
「個人的にというか」というのも、嘘か真かのこっちの世界をわかっていないと…というか素人にそんな手管を仕掛けるのはむしろ反則にも思えます。
無視されている、という…この世界の空気そのものに馴染めない、という感覚は実によく描かれています。
ホスト組のおかげでみんな楽しい毎日を、といっても、その一生懸命だから全員が受け入れなければならないというのは僕には形を変えた内心の全体主義だという気がします。
「なんでキスなんてしたの」…キスというのが女の子にとってどれだけ重大なことか…
ホストの出まかせ…今日も、いい年して莫大な金を稼げる社会的地位もある大人が、男女問わず夜の世界の甘いささやきに何人が陥落し、また何人が…知り尽くして大人の遊びをしているつもりで大金を失っているか…
その恐ろしさもできれば描いてくれるといいのですが。

勝利の悪魔
どんどんややこしくなっていますね。
あっさりと言えるもんですね…それまでさぞきつかったでしょう。
ぶちきれた光は強烈ですね。
この父親…これだけのゴミをためるには、一体何十万円遣わなければならないでしょう。
というか借金してどか食いというのも恐ろしい人です。
お互い父親のバカっぷりは最高です。まともなことを言う圭一郎を二人で怒鳴るのはもう…疲れます。
光の嘘泣きでしか収拾できない、というのが寂しいです。
圭一郎さんがちゃんと二人に頭を下げるのが立派ですね。
行くところがないから学校で働かせて、というのもずいぶんとまた親切な話ですね。
ありがとうといわれて返事できず、「照れてるの?」…「淋しいの?」とまっすぐ…これもある意味才能ですね。
ちょっとこっち来な、でいきなりキス…
というかジャンプ、は集英社だからいいんですね。

夢色パティシエール
まあもう決定でしょう、アニメ化おめでとうございます。
今回は和風ですか…
こういう店もいいですね。
妖精たちまで和装することないのに、というのは野暮です。
小さい子にもなつかれてますね。
ケーキブタ…ふふ、この年頃らしいです。
千くん、すごくここにいるのが自然に見えます。そのあたりがうまいです。
寝ちゃったのをお姫さま抱っこして…「まーくんだっこしたいの?」はうまきつい。
朝五時から動くのが当然と言うのは豆腐屋とかもそうですね。
驚くほど朝が早い職種もあるものです…。
先代からのやり方、一つ一つの丁寧さ…これ以上に盗みにくい秘伝もないですね。
そういう夢なんですか…それはそれで生き残るためのリスク分散にはいいでしょう。
ブスチビナル男には思わず笑いました。
小豆の選別を子供にやらせる、というのもしっかりした教育ではありますね。今の社会は余りに子供に役割を与えていないのが問題ともされていますから。
食べ物を粗末にすることには手が出るんですね…しっかりしてます。
素直な泣き声は僕も泣きたくなりましたが、すごく心が温かくなります。
いちごちゃんの優しさも。
ケーキで気持ちを表現する、というのもこの作品らしいです。
一太くんが素直に泣き出すのがすごく可愛いです。
「女将の座を」は苦笑しました。やぶへびという言葉は覚えたほうがいいですよ?

CRASH!
またうまいこと考えたものです。実際やる人はいないのでしょうか?
仕事ができることは認めてくれるんですね。自分に逆らう・支配できない=敵=悪=無能という心の罠にはまらないだけでもすごいです。
一日で一万二千人…宝塚のサヨナラ公演なら当たり前のことですが、その予約受付システム自体が大変ですよ。
今流れてるテレビCM全部…笑うしかないですね。
番宣、テレビ、ラジオ…全部普通の手ですね。というか現実的に普通にやったときの見通しは?
思いがけない人脈が変なところで生きたものです。というか忘れてました。だめもとで電話する度胸のある花ちゃんだからこそつかめたんですが。
怜くんも思いがけないフォローをしてくれますね。
本当に着てくれて…確かに夢通り越してますね。
モニターが透明になって中に本物、とどんどん盛り上げていくパワーはたまらないです。
「恩ならまずお客さんに」とはいい言葉…それを更にヒントにして、とんでもないことを…
これはびっくりしました。僕も…宝塚ファン時代の自分で想像したら…ぶっ飛びました!
美雪さん、完全に花ちゃんのことをなめてましたね。

フライハイ!
結構あっさり進めていますね。陰湿になりそうなネタばかりなのに決して陰湿にならないのが小桜池先生らしさでしょうか。
消毒液コットン直撃…うわあああ。
落ちこんでいる理由が小学生低学年並み…
ルカくんがやっと頭脳を発揮してくれました。針谷くんが同じようなことをしてくれてもよかったのに…
「先生にプラスとは思えません」がじつに読んでいて心地いいです。
「追い出すようなことするのイヤ」…徹底して権力を否定する…確かにこの作品ではそれでいいのでしょう。現実の世界には、二十五人に一人の本当の邪悪がいますが…
またきましたか、巨大お菓子…この巨大カキ氷はほとんど拷問、いや処刑です。
いきなりネックレスというか…まあ見ればなんだかはわかりますね。
誰だろうと処分を下す、という最低限の公平さはある、と。
この一家の食卓って…マンガ肉やすごい盛り方のご飯よりさりげなくある、二十個以上軽くある目玉焼きの山が怖いです。
私服登校でこの可愛い服は…まあ嬉しいサービスです。可愛いですし。
王道の恋…普通に遠足だとしても、彼女のことですから助ける、というか助けようとして大規模な二次災害を起こす側だと思いますよ。というか自分の子供の怪我を願わないでください…といっても僕も、好きな子を助けたいといつも思ってはいました、それが逆に好きな子の不幸を願っている事をなかなか悟れず。
「女装?」には苦笑するしかないです。
仲間思いとほたるという子…この子にいろいろあって?まあ楽しみにしていましょう。
女扱いされると力がなくなるのを「確かめてみるのも」…ここを千夜ちゃんに目撃されたら、というのも何かと楽しいです。
中学生を侮りすぎている…確かに小学生は大人に暴力を振るう、という発想自体がないけれど…というか実際問題、中高生によって殺された教師は何人いるでしょう。いや、意外と再起不能の重傷や恐怖で退職に追い込まれたケースは多いのかもしれません、学校側が表に出さずマスコミも報道しないだけで。
で、市播先生を芽留ちゃんがみつけてどうするつもりだったのでしょう?
確かにすごい人数です。
「あいつ「世界一のバカ」でギネスに」は苦笑しました。
助けたのが鮎沢くん、というのは不思議と予測していた節があります。でもまあ、これで芽留ちゃんは世界二のバカですね…

絶叫学級
これは僕の、最近固まった、あくまで個人的な立場です…いじめを連載でやって欲しくない。
もし来月号がなかったら?先月号もなく、今回だけを読んだら、それは読者にどんなメッセージを与えるでしょう。
間違いなく作者がこめたメッセージとは違うメッセージになってしまうでしょう。…学校はいじめに満ちており、いじめに正義感は持つな。人に対する同情や共感、優しさは一切捨てていじめる側でいろ…死にたくなければ。
確かにそれも正しいでしょう、熊に会ったら抱きついたり殴りかかったりするな、可愛いテディベアではないし、空手初段でも勝てる相手じゃない…その程度には。
でも、それだけが正しい答えではないはずです。
確かにいじめは人間の群れ動物としての根幹に関わるなくせないものですが、だからすべて諦めて良心を捨て去ることが正しい、と子供に言っていいのでしょうか?
考えるべきなのは、いじめに対する有効な戦い方です。
いじめっ子に殴りかかる…先生や親に言う…どちらももっとひどくなるから、どうやっても無駄、ではないはずです。他にも色々な道はあります。
今の技術進歩も助けになるでしょう…携帯電話の動画機能で明確な証拠を手に入れ、刑事告訴することも可能です。他にもさまざまな方法は絶対あるはずです。
社会構造を変えられるのも主権者である国民の仕事です。そう…普段この感想は子供の「本来の」読者のために書いていますが、あえてこの感想を書いている大人の読者に…考えてください。最低限「いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか」ぐらいは読んで、もっと正しい、そして有権者として可能な社会変革を考え、実行する努力を。
どうか子供に悪いメッセージを与えないで…ホラーそのものに反対しているのではない、ホラーでもいいメッセージを与えるホラーと悪いメッセージを与えるホラーがある、読者のためにも前者を選んで欲しい、それだけです。

来月号は特に動きなし、コジコジだけ…と。一休みですね。まあこれだけ新進作家の連載が続けば…

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