りぼん2009年10月号感想

ずいぶんと面白い一点豪華もあったものです。凝りましたね。

表紙からは込由野先生のパワーが一気に伝わってきました。この賭け、どう出るか…

CRASH!とフライハイ!がクライマックスに向かっている気配があります。
その次の作品こそは、とどうしても期待してしまいます。樫の木ちゃん先生も本紙連載復帰は…?
「夢色パティシエール」はベテランですし、若い作家の奮起を望みたいところです。

姫ちゃんのリボン カラフル(込由野しほ/水沢めぐみ)Kiss me ホスト組(優木なち)勝利の悪魔(槙ようこ)夢色パティシエール(松本夏美)アニマル横町(前川涼)HIGH SCORE(津山ちなみ)ハートのダイヤ(新條まゆ)スターダスト☆ウィンク(春田なな)桜姫華伝(種村有菜)MOMO(酒井まゆ)CRASH!(藤原ゆか)フライハイ!(小桜池なつみ)絶叫学級(いしかわえみ)次号予告

姫ちゃんのリボン カラフル
僕は原作を読んでいません。というか僕は少女漫画の中でも歴史的な名作をろくに読んでいないので、「少女漫画評論家」の資格はないとネットではみなされていますね。まあ別に医療行為や法廷弁護と違って資格がなければやってはいけないわけでなし、別に気にすることはないのですが。
冒頭でわざと目を出さないのが、パワーだけが伝わってくるようですごく印象が強いです。
ほうきに立っているのは器用な…
姫ちゃんのパワフルな性格が力強い線からよく伝わってきます。この線の強さは実に魅力的です!
フェンスを飛び越えて、よくヘッドホンが落ちなかったものです。
こういう雑誌見るようなところもあるんですね。
なれるもんならなってみたい、ってでも今の自分のほうが心地いいのでは?
部活が柔道部というのもすごいです。
好きな人にあっさり彼女ができてしまって…変身できたらいいのに、って人間らしい魔術思考ですね。「〜さえ〜れば」が人間の一番深い間違いなんですよねえ…
誰にでも変身できる魔法のリボン…警戒感を持たせない、すごく明るい笑顔です。
魔法の国の王女…その証拠が同じ顔、ってそれだけだと全然論理的つながりないんですが。
ややこしい通過儀礼もあるもんです。
自分と同じ顔の人間、というのも…顔がほぼ見分けがつかないって、何千万人に一人いるんでしょうね。
いきなり本人のマネージャーに追われて大地くんに助けられて、という展開はすごくドキドキしました。
で「俺はあいつかわいいと思うよ」…うわああああああああああっ!すごく引き込まれる作品です、原作もそうなのかもしれませんが。
原作とか無視してすごく楽しみになってきました。

Kiss me ホスト組
…こんな恥ずかしいシステム外で大宣伝しないでください…というかかんぜんに、この世界とは全く違う別世界なんですね、剣と魔法の世界ぐらいに。まあそれをいうなら剣と魔法の世界で普通に馬に乗って牛肉食べて小麦のパンを食べるのってどうなんでしょう。
やることが潮干狩りというのが泥臭いというか、奇妙にずれた面白さがあります。
女の醜い争いって…
アサリ汁のことしか考えていないけれどみんなから見れば豪と一緒にいたいからだとしか思えない…マコちゃんもちょっとは、自分の言動を他の人がどう見ているか意識しては…
一般人までこのルナティックワールドに引き込むのがえげつないですね。
あちこちで迷惑かけまくって…ほとんど竜巻みたいになっているのがすごい。
というか本当に豪のそばにいたくて?だったら…彼女もこっちの世界に染まってる…?
ファーストキスとっくの昔に…!!
いつも体が勝手に動いてる…気づかないフリ、と恋心に気づきかけた瞬間の「アサリ食べれないじゃん」というのは幼なじみ来た!と妙に嬉しくなります。
で、この人もやはりホスト組?まあ、とにかくどんな複素数方向にふっ飛ばしてくれるか楽しみにしていましょう。

勝利の悪魔
波に乗ってるって…元気でいいですね。
渉ちゃんの直球はびっくりしました。
なついてる、ってどんなもんなのでしょう…じゃまにされるのを恐れる、というのも僕にはちょっと怖く見えますね。
光くんへの素直な感情の吐露も驚かせます。
今度は光くんになつくって…
やはり危ない子でしたね、いきなり閉じ込めるとか。
こういう授業代はなんだか寺子屋を思わせてすごく素敵です。
彼が警備に入っていたのがこんなことに関わるとは…そしてけんかしたことあるの、というのも…なんというかややこしいですね。みんな基本的に大きい葛藤のない人生だったんでしょうか…
まして人を本気で憎んだことがあるか、といわれたら…

夢色パティシエール
バニラたちもケーキ作りたい…そっち側ももっと活かせればいいんですが。
いちいち手を、あかぎれができるほど冷やして練習して…菓子作りは手という最高の道具をめちゃくちゃに酷使するんですよね…逆に手で熱いのを扱うのもすごいものがあるそうですし。
放送部が軽い口調で言いながら、あかぎれも口には出さないものの評価しているところとか、「バカ正直ほどこわいものはないのよ…」という麻里姫のお言葉が重いです。
夏希さんたちのチームのパフォーマンスも見ていてすごく楽しいです。アニメではここがどんな表現になるかも楽しみですし、実写だったらどうなるかも想像してしまいますね。
技術点が圧倒的に高いですね。
場の雰囲気でやられた…アドリブで何とかしましたが、逆に向こうが後からだったら完全に負けてましたね。
短時間でディスプレイを考えてパフォーマンスでもアピール…発想力の豊かさがよく出ています。
ハートマークだらけのディスプレイもすごく可愛いです。
「伝わった」快感がすごいです。
足りないと思ったら同点…といっても実力的にはかなり差があったでしょう、実際夏希チームが後攻だったら完敗だったはずですし。
今までは学年、というのもきついルールです…
両チーム三回戦、そして夏希さんたちも精霊もち、というのはすごく嬉しいです。夏希さんたちはすごく好きなので単に敗退して消えるだけじゃ勿体無いなと思っていましたし。
これからもどんな形で関わってくるか、楽しみにしていましょう。
夏希さんたちが精霊たちを見せてくれるところは何回も読み返すぐらい嬉しいんですよ!

アニマル横町
くーちゃん家に…ひどい。
弱みを握る、というのは人にとっては…
ベッドの下ってそれは男子の弱みですよ?
何歳というかそれ男子の宝物じゃ…
クローゼットに…このドラちゃんは?
あっさりピッキングするイッサって…中身は大笑いでした。

HIGH SCORE
ボスが本格的に出てくると楽しいです。
美しくて困っちゃう病…母からも遺伝しているのでは?
おまじないの本を没収して生徒のためのおまじない、ってどこまでいい人なんだか。
とんかつ!とんかつ!と叫んでスクワットするのは…正しいですが百年の恋も冷めますね。
おてんばを治すおまじないは笑ってしまいました。
この武器って、一見ばかばかしく見えますが殺傷力は定寸の日本刀より上です。

ハートのダイヤ
ドラマチックにしておいて「あたしの胸に触りたいって」とひっぱたく…この世界のずれは苦笑します。
先生が言ったりやったりしていることは、本人から見ればやばいんですが客観的には別に業務の範囲内に思えます。
だんな様の書斎から…えげつないことをしますね。何を考えてそんなことをしたのやら。
真守くんの妹…前は出てませんね。
で、影護くんから引き離せるとなったら兄を売るんですかこのお嬢様は。というか女の子の友好的な態度が怖いです。
まず邪魔者を消して心と体を力づく、まあ確かにそう考えるバカは多そうですね。
ナイフの持ち方は…刃を上に刺す?まあそれもありでしょうが、相手が強敵なら普通にセイバーグリップか、一か八か逆手でナイフを隠して襲うかですよ。
カードが飛んできたのはカッコよすぎます!飛鳥、と叫びたくなるのは年齢がばれますね。
しかしカード型ナイフが本当に売られていたのには爆笑しました…今合法かどうかわかりませんのでご注意を。といっても鋼薄板を成型して熱処理して印刷して刃をつけるぐらい、小さい工場でも一時間もあればできますけどね。

スターダスト☆ウィンク
厄介な夢ですね。
客観的に見たら、この反応しかないでしょうね。
いじめていいかな、と予知夢だと言うのは、気持ちはわかります。
知ってる人いませんか、で颯…蹴り倒していいですか?
「お前はどうなの?」というのがまたえぐってきますね。
望月さんもリスを買っていたとは…というかリスって飼える動物でしたっけ?
「じゃーねクーちゃん」は女の子には極悪ですね。
望月さんから間違えたメール、ってこれまさかわざとじゃないでしょうね…だとしたらかなりえげつない策略…
で、気がついたわけですね。やっと。やっと。やっと。

桜姫華伝
一緒に庭を歩いたりおしゃべりしたり、というのは平安貴族にあったのでしょうか…
手紙というのも大変ですね。
天下一無糖男って…
「我慢て何の我慢?」…同じ男としては蹴飛ばしたくなります。
ついに帝登場ですか。
自分の心にまっすぐに生きる…特に上のほうでは難しいでしょうね。でも下のほうも…特に宗教の束縛が厳しくなれば…
「男なら本能で行けよ」が苦笑しました。
術が解けるまで告白しない、ってそんなことしてたらそのうち後悔しますよ?
兄の記憶がある、というのも後が大変そうです。
返信終了…って当時はお菓子をつけていたでしょうか。香とか花とかでは?まあ菓子も、甘みは高級品ですし喜ばれたと思います。あ、ちなみに新大陸原産のチョコレートはこの時代ありませんからね…古代エジプトにトウモロコシ倉庫があるみたいなことはしないように。
最後に残っていた手紙、それに書かれていた歌…槐が…この甘い罠にはぞっとします。

MOMO
意外な切れ方をしますね。
履物入れにプレゼント…確かに不思議な文化ですね。
叶歌くんが告白される、というのはどうなるかすごく楽しみになります。
で、はっきり言うとは…本人が聞いているところで…
というか夢ちゃんも答えないんですか?
モモちゃんのエプロン姿可愛いです。
いきなり食うな…はは、小さい子はどうしても…
楽しくみんなでチョコを作っているのは…例え地球が砕けたとしても、思い出として残るでしょうね。
そんな素敵な思い出も集まってこの世界を作っている、といえばカッコよすぎでしょうか。むしろ世界を動かしているのは無数の復讐心、家族を殺された人の悲嘆の絶叫でしょう…でもこんな素敵な日常も世界を保つことには大きいのでしょうが。
叶歌くんの腕はすごすぎます。
ピコにあげようとする、という底なしの善意はほっとしますが、逆に痛みもあります。
キレイな景色や珍しい現象だけならいくらでも知ってる…なんか木星型惑星はどれも、核に地球サイズのダイヤモンドがあるとか。ダイヤモンドってもしかしたら宇宙で最もありふれた物質かもしれない…
突然のラブシーンはドキドキします。
キス寸前に見つかるのは…しかも叶歌くんにも…
「私以外の人を好きになっても」って、それは…たとえば昔叶歌くんが夢ちゃんの顔に傷をつけたとか?家族関係の怨み?だったらわかりますが…

CRASH!
一気にクライマックス突入ですね。
あ、バラエティ内のコントだったんですね。
ついにALFAと同じ舞台…そこまでに二三年ぶっちぎってませんか?
人気をのみこめるかも、と前向きにしていたら、景くんのほうからトップの座を譲る、と…あまりにうますぎる話に反応できなくなります。
アイドルを引退する…実力の決着はつけない、時代の波…
出待ち管理の見事さも花ちゃんの実力なんでしょうか。
父親のこれは…なんというか、ラブコットンとか勝利の悪魔とかの父親に爪の垢でも…
侑吾くんが立ち聞きしていて、そして…突然のこの行動と言葉…すごく胸が痛くなる、今までと違ってまさに自分との戦い…
ラスボスが自分、というのがあまりにも痛いです。
なんだか無性に、言葉にできないのですが胸が痛くなってきます。

フライハイ!
結局のところ…「本当に邪悪な人間はいるのか」という問題ですね。
どんな悪人でも、その傷を見つけて癒し、本当の愛情を注いでやれば改心する…という考え方があります。
でも、本当に邪悪な人間には完全に良心がなく、どんなに愛情を注いでも利用されるだけだ、とも言われます。特に愛情を注げば改心する、という考えから共依存になるリスクも大きいです。
「知らないと適切な方法で立花を守れない」…すごく覚悟のある言葉だと思います。逆にこちらから、敵であった人たちにすごく心を開いているし、その重荷を共に背負う覚悟も表明している…
繰り返しにもなりますが、整理された事情はやはり重いです。
三途の川って…
間違っているとわかっていてもそのやり方にしがみつく、っていうのもよくありますね。
こんどはほたるちゃんを人質に…って警察沙汰になったら困るのは彼では?ただ、邪悪な人間にはそのような精緻な計算ができないことも多いです。
芽留ちゃんが来ていなかったら…二人とも殺して埋めていたでしょうね、この状況をどうにかするには他にどうしようもないです。
強烈な殺意が心から湧き上がってきて、心を静めるのが実に大変です。
何を考えているんだか…たしかにこれはとどめ刺しに来たのまちがいですね。
「あいつを改心させるのは」って…こんな人間まで改心させるつもりですか?
「気に入らない」「同感だ」っていきなり恋がらみの対立になってしまうのは笑うしかないです。というか軽々とお姫さま抱っこ、ルカくんも結構体力あるんですね…

絶叫学級
日記帳ですか…それもホラーねたになりやすいですね。
確かに三人グループだと一人あぶれますね。
ファンタジー小説の書き方か何かの本で、二人だと対立したら分かれてそれっきり、三人だと一対二になって多数決で意志を封じられた上に孤立した一人が怒る、四人だと二対二で対立して分裂する、五人だと二対三ならそれほど徹底的な人数差でもないので少数側の意見をある程度汲むし二人になった側は孤立感は感じない、また四対一の場合は誰かが慰め役に回れるからパーティとしてのバランスがいい、六人以上だと多すぎて活躍できないメンバーが出る、と読んだことがあるのを思い出します。
四人だったら…
分数の割り算は誰にとっても大変ですね。はっきり言ってそれは、分数の表記法に問題があると思います。それと整数での剰余算との混乱もありますね。
でも定義まで戻ってやるには文字式の概念なしには辛いですよね…どんな表記法なら割り算にも混乱しないでしょうか?
それをちゃんと考えていい表記法を見つけ出せれば、分数の割り算は本当に理解できますよ。ここで注意すべきなのは「ゼロで割ることは計算というゲームのルールとして禁じられている」ことです…ちなみにその理由は、ゼロで割ることを認めるとどんな式でも…1=2でも正しいとできるからです。
それが矛盾の共通の性質で、矛盾を前提にすれば任意の命題が証明できてしまうんですよ。昔から数学上の難問ができたと言ってくる素人はたくさんいますが、その多くはそこを間違えています。
しかし結構厄介な計算ですね、この抜き打ちテスト…。
今度は別の一人が余ってしまう、というのも三人組のやっかいなところです。
字の違いというのも、一対一以上の交換日記の怖さですね。
そしてついに一人を排除して三人グループではなくなった…いや、これで本当に三人グループになったのでは?
子供は…孤立しないためならそれぐらいのことはやるでしょうね。それこそ何でもやります。
それが群れ動物というものなんです…呪わしいことに。
そう思うと出口はないですよ。教訓=もっと道徳的に行動していればよかった、じゃない、人間である限りこのような悲劇からは抜けられないということなんですから。

来月号は…夢色のアニメ化記念二本立てですか。お体にはお気をつけて。
そしてCRASH!とフライハイ!のクライマックス…その次の作品がなんというか「りぼん」にとって勝負ですね。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ