りぼん2008年10月号感想

付録のステーショナリーセットは過不足なくとてもすばらしいです。
蓋つきでもノック式でもあるボールペンは過剰性能にも思えますが・・・蓋だけでもいいのでは?
この定規を見て思い出しましたが、この単純なミリ定規の制度でさえ国によっては夢物語だったりするそうで…日本の製造業の強さはとんでもなく正確な定規の存在が大きい、とか。

今月号の新連載で少し雑誌の雰囲気が変わった気もします。どう変わるか楽しみに見ていましょう。

夢色パティシエール(松本夏美)HIGH SCORE(津山ちなみ)アニマル横町(前川涼)紳士同盟†番外編(種村有菜)MOMO(酒井まゆ)CRASH!(藤原ゆか)絶叫学級(いしかわえみ)株式会社ラブコットン(樫の木ちゃん)チョコレートコスモス(春田なな)君は坂道の途中で(持田あき)バドガール(朝吹まり)こもれび。(えばんふみ)次号予告

夢色パティシエール
いかにも松本先生らしい作品です。むしろなぜ今この連載が始まったかに首をひねる部分も…増刊で松本先生がまだまだ力があると認められたからでしょう。でもこの作風は今の「りぼん」の方向と少しずれている、そして方向性を変えたいなら若い作家陣がたくさんいるので、その中からこういう方向性を持つ作家を選ぶほうが雑誌のリフレッシュにはなるのでは…
まあこの作品自体はすごく気に入ったのでこれはこれでいいのですが。
お菓子と女の子ってやはりすごく気分が明るくなります。でもそれぞれの作り方をある程度知っている今、その脂肪と砂糖の量を考えると背筋が寒くもなりますが、それは人生を損していると言っていいのでしょう。
「あのスイーツ精霊に」という言葉が目立たないのがいいですね。読み返して始めてわかります。
味をしっかり覚えこむ才能、というのがこれからどう生きるか楽しみです。「キッチンのお姫さま」の絶対味覚もそれに近い感じがします。
作るシーンの美しさ、食べてからの表現力も素晴らしいです。でもこのモノローグ、アンリが聞いているということは口から垂れ流していたんですか…?
これだけで学園に誘うなんて、なんというかアンリも単純な人です。
というか費用とかいろいろすごかったでしょうけど。というか製菓学校?普通の学校と同じカリキュラム+製菓課程?それとも放課後や土日に通う?…まあ気にしないことにしましょう。
いきなり話しかけられてぎょっとする、というのも楽しいです。なんか懐かしくなります。
像にちゃんと二拍手…はは。おそなえというか、日本人ですね。
「おやつに焼いたミニマドレーヌ」ってそれぐらいは作れるんですか。
バラが飴細工とか…とにかく華麗さと細かさがすごいです。
男の子たちが次々に登場するのは…もうギャルゲーの逆みたいですごく楽しいです。
スイーツ王子というのも苦笑させられます。
それぞれの動きの華やかさはさすがですね。
下手なのがばれてしまうところはすごく痛みのある描写ですが、今日まで精一杯自宅で練習してこなかった彼女が悪いのでは?
精霊に助けられる、というのもすごくわかりやすいです。いまの「りぼん」の年齢層より少し下の気もしますが。
可愛いどころかスパルタ、といっても教え方はしっかりしてますね。
一つでもうまくやって成功させれば、それが自信になる…下手という自己認識がこれまでは強すぎたのでは?大事なのは自分に何ができて何ができないのかを理解し、できるところまで戻る勇気を持つこと。いい指導者はそれを代わりに理解してやって、次に目指すべき小さいステップを示してあげられるのですが。
楽しい気持ちで…この学園のみんなはあまりそれはなさそうですが。競争厳しいですし。
「最初から上手い人いないよ」という言葉はすごく素敵なメッセージです。
少なくともこの作品自体がすごく素敵になりそう、というのはわかります!楽しみです。

HIGH SCORE
彼だけまるっきりみんなにナメられている…シェフの子ども扱いがすごく楽しいです。
「子どもじゃない」といういいわけも楽しいです。
刃物を使う仕事は大工やコックだけじゃないですよ。
「ついでにDVD返却」はすごすぎます。
男子校だから大人しくしていた、というのは大笑いしました。僕が共学高行ってたらどうなっていたやら…中学三年の頃は女子と結構普通に会話していたので、その延長だったら…あの問題さえキレイに決着がついていたら…
成績・顔・性格・家柄…それだけ見ればすごいとは。
最後の弟も妹もパシリ、というのはまた苦笑。だからこの二人…

アニマル横町
こういう格好をすると可愛いです。
オリンピック?なんでしたっけそれ?全く興味ありませんでした。
運動会は子供にとってはオリンピックかも…それにしてはやたらと種目が違いますが。
別に陸上大会とか球技大会とかがあるものですし。
校歌斉唱やラジオ体操…そっちの、軍隊式規律訓練のほうが運動会の主眼かもしれません。
リレーでのねちねちは…クラスで一番足が遅かった僕には何の関係もないです。
大玉転がしを室内でやったら、そりゃこうなりますね。

紳士同盟†
なんか苦笑というか力が抜けるというか。
本当の本当にこれが最後でしょうか?
あれからのエピローグ、どうしようもない泥沼状態…でも二人きりになっていないというほうが大事というのがまた女の子ですね。
ストロベリータイムはあまりにストロベリっていて…こういう大人同士のラブラブは見ていて恥ずかしくなります。
なんというか女のほうが一枚上手、振り回されている男には同情しますがうらやましいです。
お盆の手が触れて、まったく…ここで押し倒せばいいのに男の子ってのは厄介な生き物です(僕も一応男のはずですがね)。
合格です…まあ蹴り倒したくなるだけです。
そして雨の中での、後ろからのキスってなんでこうエロいんでしょう。
キスしといてごめんは傷つけますね…
キャッチユアハートは、まあ…考えるのをやめましょう。
いきなりの「結婚してくれ」はちょっと引きましたけど…指輪まで用意していたんですね。
これで幸せだと思ったらまたブーたれ、どうしようもないですね。
ハッピーエンド…なんというか心地いいです。

MOMO
冒頭の絵は…こっち路線のほうがよかったかも。
なんというかお菓子六つで終わられたら大笑いなのですが。
あと前回入れて七つがお菓子の代表でしょうか?
同じものに分類されるのは…食物全般?カレーも酒も?
モモちゃんは子供なので、酒とか大人の娯楽はできませんね。それがまたちょっと不利かも。
酒の文化的な多様性と深さは大変なものなのに。
アウトでもしっかり食べる、というのが可愛いです。
ぬいぐるみがしゃべりだしているのは苦笑しました。わかりやすすぎるツンデレっぷりも。
遊園地が地球の神髄かどうかは…といっても僕はLHC(ヨーロッパの、ものすごい物理学実験施設)見学に連れて行きかねないのですが。
楽しかったけれど親がケンカ…自分が行きたかっただけでは?
「否定はしないんだな」とぬいぐるみに突っ込まれているの、なんだかアズを思い出します。
お化け屋敷で「気をつけておどかして下さい」には爆笑!アホすぎます。
姿を地球に合わせているだけ…器用なものです。
「破滅させるのは少々惜しい」ならどこか…大銀河博物館・銀河元老院図書館にでも資料をきっちり収集してください。今あなた方が地球をふっ飛ばさなくても、このままでは人類の活動自体が遺伝子・言語など情報資源の大半を消し去ることになるのですから今すぐ大急ぎで。もうやっているでしょうか?
地球が壊されることを現実的に感じる、ここはちょっとぞっとしました。
僕も…核戦争や大震災が起きたときの惨状をしょっちゅうイメージしていますのでよくわかります。
モモちゃんも普通の子供なんですね、遊園地では一瞬たりとも目を離してはいけない…
本当に悪い人に連れて行かれたら、確かに一発で地球粉砕決定ですね。
この抱っこはいかにも子供を扱っているようで見ていて心地いいです。
パレードの華やかさはさすがに素晴らしいです。
テディベア主体の遊園地というのも面白そうですね。
モモちゃんの演出は…指をはじくって、親戚にQとかいませんか?
ポイントはなしでしたか、残念。
というかこれ、「いいもの」の視野が高一女子に限定されるのが残念なことです。
逆に小学生女子はもっと別のいいものを知っているでしょうし、僕は普通の高一女子には想像もつかないような「いいもの」をたくさん知っています。
あと男子の知っている「いいもの」は…その多くは見せたら地球を周囲の時空ごと消されそうです。

CRASH!
今回は…二度同じ手に引っかかった花ちゃん、というか皆のミスではと思うと不快感がちょっと大きかったです。
冒頭の、濡れ場かと思わせる勘違い系は楽しいです。二人とも妙に色っぽくて。
桐くんと怜くんが同じ部屋…いろいろやばそうです。「花と一緒の方がいい」と普通に言っている、それを花ちゃんも…大スキャンダルになっちゃいますよ。
デカいペットというのが笑えます。
怜くんが花ちゃんに迫るかと思わせたのもちょっといいシーンでした。
策は、どちらかというと向こうは卑怯な手を使うのがわかっていたのでそれに対する対策だったのでは?
冷静な作戦変更やケンカになりかかったときのフォロー、花ちゃんもしっかり成長はしているようです。
客席からの登場に見せた…五人がそろうとさすがに強烈です。
なんかこの演出で観ると宝塚っぽいですよ!
次のイケニエ…まあ生き馬の目を抜くというか。

絶叫学級
結構面白いです。
この案内役は…ミザリィみたいな意味のあるキャラでしょうか?
結構のんびりした始まり方です。
「私だってほしい」という欲自体は否定されるべきだったのでしょうか?
そして…落ちていたゲームを拾って、警察に届けず自分のものにしたことが?
クリアするかリセットするかしかない、というのも…いろいろ昔のファミコン時代を思い出します。今の、ポーズ感覚でセーブできる最新ゲームをやっている人々には想像もつかないでしょうね。ふっかつのじゅもんとかパルテナの鏡とか…
落ちたものを自分のものにするか、がゲームの中と現実で違うのが興味深いです。ゲームの中ならいくらでも善人になれる…悪人にもなれますが。
そしてゲームは私物化するけれど、財布は届けるんですね…この矛盾は人間らしいとしか思えません。
ゲームの中の自分はがんばってくれ、というのも面白い心理です。それで徐々に、ゲームでやったことと同じことが現実の自分でも起きることに気づく…今の段階では何が怖いのか、という感じでした。
そのゲームを隠してしまって…それからゲームの選択次第で命に関わるのがわかる、というのが…この事故シーンのショックが強烈です。
みんなとの関係が上手くいかなくなるところは実にうまいです。中毒…ですね、これは。ゲーム自体に本来強い中毒性があるのですが…もしかしたら、親がゲームを買わなかったのは彼女がゲームを手に入れたら強く中毒するのを理解して?いや、そんな賢明な親がいるはずはありませんよ。
ゲームで友達も思い通りになればいい…これも怖い言葉です。
最後の選択肢がどちらにしても殺されそうなのはちょっと笑うしかありませんでした。
ゲームを無視して叫ぶとかは…思いつきませんよね。
リセットしたらゲーム内に閉じ込められてそのまま、というのはきついです。
「人生は常に選択によって進んでいきます」というのは非常に興味深い…そして闇の中に一点の光が浮かぶメッセージです。
ただ…「オイディプス王」のように悪い結果を避けようとして選択した結果…それもありえないわけではありません。
また…人間はどこまで自由に選択できるのか…
これを深く考えると結構きりがないですよ。
次はどんな話になるのやら。
パターンに安住しないよう、いろいろ試してみて欲しいです。

株式会社ラブコットン
どう見ても今回のラストは最終回なのですが…つい予告を確認してしまいます。
準優勝を宣伝するのは何かと悔しいでしょうね。
居心地がいい、というのに危機感を感じてしまうのはすごいですが…確かに「やな職場」です。
流動性にはプラス面がありますが、落ちたら死ぬというのは悲惨ですよ。今の日本はそうなっています。
自分が何をすればいいかわからない、というのがきついのもなんかわかります。
未来もそれがわかっているのはさすがですね。
ラブコットンへの同級生からの依頼で久しぶりに困難な仕事…バラバラのクラスをまとめるって、そんな魔法みたいなこと!
アドレナリンジャンキーとは困ったものです。
イニシャルそれぞれに意味を込めるというのもすごいですね。
未来は「好きな人」に誰を連れて行ったのでしょうね。
達成感とか刺激とか…まあそれが、起業というものの醍醐味なのかもしれません。ただしあまりにもリスクが大きすぎますが…そのリスクを愛する人が多いのも、それこそギャンブルを見ればわかります。ただしギャンブルは客観的には「非情に安定した儲け仕事」なんですけどね。
同様に起業家たちの99.9%を自殺させ、それで安定して稼いでいる世界があることを思うと…
店にもいい制服ができたようで思いがけない余得でした。
これが最終回で何が悪いのかという気もします。次からどんな展開になるか…逆に難しくなるのでは?
楽しみですが。

チョコレートコスモス
…え?というのが正直なところです。
カラー扉は二人の体の大きさが違いすぎるのにちょっと違和感を感じました。
クールに飲み干してデレっとするのも可愛いです。
悠士の話になって、久しぶりに栞ちゃんの本に「あなたこそが…。」と出ていたのが嬉しいです。
全身で…昔話にはもう、屋上から無装備で壁を伝って降りたくなりました(本当にやらないように…止められないなら絶対に命綱だけは!)。
授業中もすぐデレデレする紗雪ちゃんが可愛いです。というかばれそう。
このいじわる!傍から見ているとラブラブしているだけなのですが。
きっちり電話もするんですね。
「お前今何時だと」…保護者モードですが心配するのはとてもよくわかります。
でも、教師とつきあっていた高校生時代のあんたもそれ以上の無茶は腐るほどやっていたはず…あとでたっぷり自己嫌悪に浸ってください。ざまーみろ。
「「あんなこと」ってなにー?」…上手ですね。
どこかに遊びにいく?というのも危ないですね。
その日に同好会の集まりとは…どうしましょう。
悠士は察して親切にしてくれているというのに…全くこのバカ。
「いい加減めんどくさい2人だな」…萩くんは?
「『考えたくない』って感じがする」というのはすごく鋭い、というかなんかもう…巨大なメスをもろにぶっ刺しているような感じがしますよ。
いきなり悠士と会ってしまって、いきなりこんな深いレベルの言葉に…ハッキリといいましたね。
なんというか頭が吹っ飛んだ気がします。
「以上。サヨーナラもう2度と話しかけないでください」…すげえ。
二人ともあまりに馬鹿というか…たしかにめんどくさい。
で、なぜ悠士が好きだから、とこの状態で?
一体どっちを選ぶのか、というか紗雪ちゃんは本当はどちらが好きなのでしょう?先生は全部見越してわざと告白するというアレですか?だとしたら萌え死にます。{主人公に同級生への恋心を自覚させるため、どうなるか確信した上で主人公とつきあうお兄さん}パターンがめちゃんこ好きなので。
次回で最終回でしょうか?

君は坂道の途中で
この工事は一体?
ずいぶんと幸せそうですね。
腕が違うのは仕方ないですよ。
「こーゆー危なっかしい子が代表だと〜」…グリーンウッドの蓮川寮長…
ミニレストランというのもずいぶん豪快なことをします。というか工藤くんの休み時間はどうするのでしょう。その分も仕込んでおけと…?
指での占いというのもいきなりですが面白いですね。色んな角度…なんか悲しくなってきました、なぜでしょう。
大介くんのダイイングメッセージには笑い転げました。
「上手に今の関係を卒業していきなよ」ってそれ、すごく難しいのですが。まっすぐ受け止めているのがすごく素敵です。
いきなり工藤くんと直接、すごく深いところまで話すのは…うわ、こういうのすごくくすぐったいです。
梨杏ちゃんを工藤くんが慰めているのもすごく素敵でした。何も聞かず、静かに美味しいものを…
なんとも、昔のように大量の言葉の詩を流さなくても詩的な感じって出せるものです。成長していますね。
文化祭に生ハムは確かにバカです。
いきなり大介くんが行動に出たのはびっくりしました。
さて…どうなることやら。

バドガール
試合の流れがざっとしか描かれていないのが少し残念です。
羽海ちゃんの心の動きがすごくしっかり描かれていたのはよかったのですが。
なぜ結局押されてストレート負けしたのかが描かれていなかった…どうやって向こうが、旭ちゃんの支配力をぶっ飛ばしたか知りたいですよ。
美砂ちゃんも礼儀知らずというか思っていることをそのまま言いますね。
相手のコーチが評価してくれたのは何かと嬉しいです。
そしてこちらのコーチの言葉もすごく素敵です!
早速練習、というのはすごく嬉しいでしょうね、父親にとっては。
思いがけず妙なわき道にそれた気がします。
できれば僕はこの五人での普通の日常を見たかったのですが。
太陽先輩の熱さはなんというか…苦笑したくなるぐらいです。
そしていきなり「今日から部活出てもらえませんか」…あまりにストレートなスマッシュ!
妙なダブルスになりそうですが、どうなるやら…とにかくすごく好きな作品なのでどうなるか読めないのも楽しみです。

こもれび。
充くん、席替えでは災難ですね…
元気な女の子に囲まれるとある意味大変です。
まだ話せない子犬…可愛い!
おなかがふくらんでる、でもうバレバレです。
粉ミルクで大丈夫でしょうか?子犬用のが…人間とは必要な栄養が違うのは猫でしょうか?
何も話さない、普通に…僕たちが子犬と遊ぶように…?
おなかに乗って寝るなんてうらやましい!僕はそんなことしてもらったことはないです。
犬にそれほど自分の子供に対する執着はあるでしょうか?まあ赤ん坊はすごく世話をしますが。
動物に嘘をついてしまう、というのは結構重大では?下手をするとそれで動物と話せる力を失うかもしれないほどに。
レモンにもいえなかった…
子供を捜している犬…この親はちゃんと飼い主がいるのでしょうか?それとも野良?
おばあちゃんは全部知っていた…みかんちゃんが学校に行っていた時、どれだけ可愛がっていたのやら。
今回はものすごくいい話でした。最初からこれだったらよかったのに、という気さえします。

来月号は待ちに待った小桜池先生の新連載!
大ヒット作の次だけにすごく緊張感があります。

種村先生は結局休みなしでしょうか?忙しいですね…しばらくゆっくりしたほうがいい気もします、いい加減お体が心配ですよ。

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