りぼん2006年8月号感想

付録のカンペンはなんだか開けにくかったです。
ハンコつきのボールペンは、アイデアは良かったのですがいきなり手を汚してしまい、怒って捨てました。キャップがしっかりとはまらないのです…簡単に外せて確実にはまるには高い精度が必要で、そこで変なコストダウンをすると致命的になります。

それにしても、この無理に幼くした表紙は当分続くのでしょうか?不自然なのですが…

ラブ・ベリッシュ!(春田なな)パワパフガールズZ(込由野しほ)ロッキン☆ヘブン(酒井まゆ)紳士同盟(種村有菜)青空ポップ(小桜池なつみ)ダンシングベイビーかりん(藤原ゆか)HIGH SCORE(津山ちなみ)たらんたランタ(槙ようこ)にじいろ恋旅館(大岡さおり)ルーズリーフ(持田あき)アニマル横丁(前川涼)保育園へ行こう!(樫の木ちゃん)アリスから魔法(松本夏実)次号予告

ラブ・ベリッシュ!
困ったものです…こういう風に盛り上がると、どんな邪魔が入るかばかり考えてしまいます。
どんなミステリもトリックが読めてしまうのと同じようなものでしょうか…。
くしゃみで台無しと言うのは新鮮でした。
プール掃除で元気、と思ったら…というかとことん色気のない女…いきなりへこんで、忙しい人です。
水をかけた亜子ちゃん、これもわざとだな…とすごく楽しみになりました。もう一人の女の子もどう出てくるか楽しみです。
変質者ネタは「ここはグリーン・ウッド」の下着泥棒話を思い出しました。
男女ペアね…すごくおいしい状況ですね、これで梓くんと…ファンの女の子が知ったら火あぶりでは?
でも、今の状態じゃどうにもならない…そこを助けてくれた渚ははっとするほどかっこよかったです。言い訳は実に間抜けですが…
「妄想でヘコんでんなよ」というのもいい言葉です。
ここで「私を好きなんて事ないよね」はびっくりしました!よくそんな恐ろしいことを言えちゃいますね。
渚の反応も期待通りで楽しいです。
そして、「梓がなんだって?」というときの表情の強烈さもすごい。
バットは明らかに過剰防衛、というか普通死にますから殺す覚悟無しにはだめですよ。
一体どんな因縁があるのか…いろいろ楽しみです。

出ましたっ!パワパフガールズZ
確か本来のPPGってすごくデフォルメされた…あ、アニメはこういうタッチで…まあいいか。
込由野先生独特の純粋な元気さがよく出ています。
それぞれの元気なキャラクターは見ていて楽しいです。
肩の力を抜いて楽しめる作品、という感じですね。
ただ、「なかよし」で…タイアップから抜け出せずにせっかくの才能を活かしきれなかった作家を、それこそ思い出しただけで泣けるほど多く知っているので、そうはならないよう肝心な部分は守ってオリジナルで勝負できるようになって欲しいです。

ロッキン☆ヘブン
両親にこれを聞くのはきついですよ…初めは照れている父親が、語りモードに入ってしまって「長くなるから早く学校行け」という母親、いい両親です。
合コンねぇ…まあ紗和ちゃんがあせるのはわかります。
晶ちゃんがアニメ声なのは意外でした。盛り上がっていますね。
そして王様ゲーム…定番ですね。
男同士になってしまって「小細工してないことはよくわかった」がなんだか沈むような笑いが出てます。
うまくすればおいしいけれど、下手をすると悲惨なことになる…やっぱり。
そしていきなり「小西さんは藍に好きな人いると思う?」で壊れかかったところでキス命令…
ここの城戸くんの表情がすごいです。女の子にとってこれは怖いですよね…というか、アルコール無しで王様ゲームってよく…ああ、若さゆえですね。
そしていきなり藍&白河さんが二人きりでそれをのぞく状況…うう、たまりません。
さらにやり直せないかな発言…「私のことなんて全然好きじゃなかった!」は辛いものがあります。
紗和ちゃんの墓穴堀りもお見事。
こんなことになってしまっていますし…というか晶ちゃんもつきあいいいですね。
さてどんな誤解なのか実に楽しみです。

紳士同盟†
映画版の原作、ポケミス(早川書房が出している、伝統ある変形新書サイズの海外翻訳ミステリ)の「紳士同盟(ジョン・ボーランド)」が妙に売れているらしいのですが…勘違いする種村ファンが結構多いのでしょうか?
僕も読みましたが、ちょっと間抜けな感じで苦笑しました。
冒頭はすごい緊迫感。「灰音の気持ちが知りたいんだ」…って、正直に言えるはずがない…
郵便屋さんたちも全部知っている…のでしょうか?
略奪宣言はカッコイイです。
「別人なのに延々と〜」は考えてみるとすごく笑えるシチュエーションですね。
お母さんに聞かれているのがまた笑えます。
真栗の継母は笑い転げるほかないです。「和むねぇ…潮ちゃん」「少し」という会話も素敵。
潮ちゃんの肩を抱いたり、変態教師の動きも見ていて楽しいです。
閑雅様、と何度呼んでも聞いてくれず、高成様…と小声で呼んで抱き寄せられる…これは見ていて楽しいシーンです。
止められぬ思いに…ちょっとここは、苦しんでいると言うより楽しんでいる印象のほうが強いです。
郵便屋さんの告白と正体はびっくりしました。
さて、あと潮ちゃんはどう動くやら…ふふ。
そしてこの劇がどんな形で動くかも楽しみです。

青空ポップ
バカ正直なぐらい素直な反応、それにデート…ヨーグルト味のいい進み具合です。
確かにいい機会ではありますね。
スタイリストさんと心を通わせるのはとてもよかったです。
真夏に冬服の撮影…そうですよね、普通水着の新作発表なんて(テレビでやってれば目が行く…のは男の性でしょうがないじゃないですか)。
痛くても笑顔を保ち、暑さにぼーっとしながら…それでも母親の背中から学んでいることが身になっているのはすごいです。
昔の事情はびっくりしました。織花ちゃんを撮ったこと自体、元から禁じられていたのでしょうか?…いや、常識として応募する前に親の許可を取るべきでした。
子供を守るために視野が極端に狭くなることはありますが…辛いことです。
でも今、こうしてまた織花ちゃんを撮っています…約束を破っていますが…
この淡い恋心?の描写も、恋という言葉が出ない分胸にせまるものがあります。
逃げたことの罪悪感があるからもう逃げない…これも胸が痛くなります。
最後の笑顔はさすがに素敵でした。
この三角関係がしばらくは中心でしょうか?いろいろ楽しみです…特にいつ、親バレという時限爆弾が炸裂するか。

ダンシングベイビーかりん
扉の渋みのきいたボディーと矛盾するような軽い口当たり、飲み干したとき口に残る甘みと辛み、たまりませんね。
対決で一気に盛り上がってきました。
両方の元気な姿、菜穂子さんのラストもすごく綺麗です。演出がすばらしい。
チョコレートで充電完了、というのもいいですし…う〜ん緊迫します!
「楽しかった」という菜穂子さんの笑顔も素敵です。
その後の会話もすごくいい話でした。
ベンチだった豪野さんの…ここもいいスパイスでした。
ジュースの差し入れで終わってしまうのは笑えました。
「大好きな人と仲直りできて」という言葉は胸が苦しいです…そしてもう佑磨くんの心にもうかりんちゃんが入っている、でも…しばらくテンションを保って、そして泣き出してしまう…
あまりに素直でまっすぐな熱いハートがまぶしすぎます。

HIGH SCORE
危ない兄たち…
この刑事と監察医の兄弟コンビに、とんでもない大犯罪が関わってくれたらそれはそれで面白そうですが。
護身術は笑えました。でも小指が撃鉄に挟まってないですよ?あとそれ、マシンガンじゃなくてアサルトカービンです。
で、まだこの二人やっていないのですか?意外。

たらんたランタ
わけのわからないことになってきました。
下駄箱のラブレターでこんなに大騒ぎ…まあ、僕でも大騒ぎしたでしょう。
三木先輩が笑っているのは、読み返してみれば色々わかってでしょうか?
潤先輩の事も出してつつくのは、まあ楽しいんでしょうね…僕にはサディズムがないのでわかりません。
結構まともな人、という感じで真剣な感じが…今読み返すとすごい演技力。
「俺の勝手な理想像になりそうで…だから手紙書いた…」なんて最高です!読み返すとこれだけ真摯な思いが全部嘘なのか、と信じられませんよ。
いきなりすごい噂が出ているのもびっくりします。
「ヒカルが遊びっ子だったら」「すげー面白いじゃん」は吹き出しました。
潤先輩に必死で何かを伝えようとしている、その一生懸命さは伝わります。潤先輩もそれなりに応えてはいるようですね。
蹴飛ばしたのは守って?これもびっくりします。
それで…一体何が起きているのか、初読時にはひたすら混乱しました。携帯電話を手に入れておいて、それで泣きながら潤先輩に話しかけて…???
起きてからの三木先輩の鋭さもカッコイイです。
二倍にしてやり返す…どんなことになるやら。

にじいろ恋旅館
暑い暑い。
女子高生の誘いに必死になっている小朝ちゃんも、ただ赤くなっている飛鳥くんも可愛いです。
若女将の鉄槌+正座は…さすが自由人も怖い人は怖い、と。
「吉井さんに失礼」「絶対なんて言うな」どちらも正しいんですが、それを「吉井さんの肩もつん?」と曲解してしまうのも恋する乙女の弱点ですか…
准くんが、飛鳥くんは小朝ちゃんをかばっていたことを指摘したシーンはなんだか嬉しかったです。
熱中症は…今のクソ暑さだと他人事ではないです。
飛鳥くんの優しさに包まれているのも、思いがあふれ出すように花火に誘うのもすごく胸が熱くなります。
すごく優しい愛情が伝わってきます。
「夜は女を蝶にする」という一言もぞくっとしました。なぜか「セ・マニフィーク(作詞:酒井澄夫/作曲:寺田瀧雄)」が頭の中でリフレインします。おばあちゃんも昔は女だった、という当たり前のことを痛感させられます。
駆け落ちって一体何が…うう、誤解が解けるまでにどんな大騒ぎがあるか、若女将の立場に立つと胃が痛くなります。

ルーズリーフ
なぜこんなに、この作品からはあの頃の切なさがそのまま伝わってくるのでしょう。あまりにも強すぎる感情とか弱い理性…言葉と思考がつながっていなくて、ただ切ない思いがあふれ出すころに。
冒頭はなんだか学校生活らしくて懐かしいです。
いっぱいいっぱいになって話しているゆきちゃん、そして「お母さんにやってもらって」での雪くんの反応でびっくりするの…なんだか胸が痛いです。
強引にゼッケンごと逃走して…周りは恋心の暴走としか見ないでしょうが。
「これ以上話せない」と、ちゃんと守るところは守るイチくんもカッコイイです。
この先生は一体何をしたいのか…理由が見えないから行き場のない憎悪だけが、暴力という行き場を探して噴出しようとします。抑えこんだらそれはそれで…くそっ。
「ほっといて」という言葉に傷つくこと、それが急な雨に…そう、ちょうど今の季節のような…
三矢くんがそれをじっと見つめ、そして自然な告白…ふう…なんともいえないですね。

アニマル横丁
ガマン大会…単にクーラー切ればいいだけですが何か?
わがままモードのあみちゃんもあまり違和感がないです。
で、この重ね着…ザ・ガマンを思い出します…
どんどんエスカレートしていくのは見ていて怖くなります。せめてスポーツドリンクは飲まないと熱中症は命に関わりますよ?

保育園へ行こう!
やっと終わった…正直ほっとしました。
みんな大きくなってもあまり変わっていませんね。
心愛ちゃんが一番変わっていないような…
高見沢さんはぐっと真面目になった感じです。「だれこのおっちゃん」は爆笑!
真広くんの登場…でもまずみんなが飛びついてしまって、結局心愛ちゃんに入る余地がないのは前もそうだったことを思い出して胸が痛くなります。
こうして泣き出してしまって、周りのほうがそれを察して一歩引く余裕ができてきましたね。
「すきな人に想いを伝えていいんだよ?」というまっすぐな言葉もなんだかじん、と心が温まります。
「お互い幼くてうまくいかなかったなぁ」というのが全てのようです…
みんなの前で、やっと思いをぶつけて…なんだか息もできません。
そして真広、やっと彼女を抱きしめてくれた…なんでもっと早く、と叫びたい思いですが、これだけの年月が必要だったのでしょうね。
みんなそれぞれ幸せそうで良かったです。それからの年表も見ていて楽しかった…
いろいろな意味でとんでもない作品でしたが、お疲れ様でした。これだけ感情を動かされることは少ないですしね。
次回作はどんなものになるか…楽しみにしています。

アリスから魔法
う〜ん、すごく胸が温かくなる最終回でした。
すばるは助かっても、その代わりに亜里子ちゃんが…つらいジレンマです。
後悔の部屋…僕の心にもどれだけ大きなそれがあるのでしょうか。
「マジシャンでしょアリスに夢を見せてよ」というキーワードはうまい!
すばるの海賊姿もスマートです。
冒険をたっぷり楽しんで、それで準備の間もない突然の別れ…これは辛いですよ…
宝石箱のカギ…その短冊…これで泣いているありすちゃんの優しさも胸に迫ります。
それで、アリスの鍵がほうび…かなりすごい願いですね。
確かに夢の世界から…精神科医にとっては最終兵器かも、でも…逆に危険も多くなります。
母の話から、女王とありすちゃんの血縁まで出てくるのも驚きました。
あと、悪用はしないと誓ってはいますが…逆によかれと思って悪い結果を出してしまうおそれもあります。
僕にはそれが一番怖いですが、これからどんな形で二人がいろいろな人を助けていくかは見ていきたいです。
七夕祭りにまた突然飛びましたね…短冊を確認し、それから鏡で女王と話し、とぽんぽん画面が飛ぶのがちょっと気になりました。
でもこの「ありすはありすだから好きなんだからな」という自然な言葉…それがアリス服のすばる、というとんでもないネタになって、穏やかなドタバタで終わっていく…
すごく優しい思いに満たされた、素敵な作品でした。地味に見えますがすごい名作ですよ。

来月号は…加々見先生はまたタイアップですか…それはちょっと残念です。
黒崎先生の連載は素直に楽しみです!一気に雑誌の雰囲気が若く明るくなってきそうです。

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