りぼん2003年3月号感想

今月号の新人は二人とも当たりでした。やはり正統派の層が厚い!
でも何人も政党は若手層が出てきているのに、なかなか本誌連載に定着する人がいないのが不安です。

ギャグ陣が大きく変わるようですね。安定したものが崩れて、どうなるのでしょうか。

なんとなくですが、最近ちゃおとなかよしが「萌え」と呼ばれる色気のある可愛らしさに流れる方向に対し、りぼんは独自の方向に行っている気がします。
どのような方向かは言いにくいのですが、槙先生と酒井先生に代表されるような、そして種村先生の雰囲気を受け継ぐような鋭さのある印象です。
それでいて出てくる、そしてなかなか定着しない新人のかなり多くがやや古い可愛らしさの絵です。
それでいて吉住先生ら正統派のベテランもまだまだ健在、亜月先生や倉橋先生など独自路線のベテランもしっかりいるのが安定した印象を与えます。

ただ、そのどこから大きなヒットが生まれるかが読めないです。
アニメの戦略もよくわからないのが正直なところです。

満月 H.S. 永田町 ベイベ ラブわん! ウルマニ めだか ダイス Max 地蔵 桜ヶ丘 ドラゴンガール あいごころ 予告

満月をさがして
アニメも盛り上がっています。
このカラー扉の大胆な構図には驚きました!不思議と種村っぽくない、正統派を思わせるけれんの無さが素敵です。
このモノローグがまた…ふと思うのですが、種村先生は小説に当たるストーリーマンガではなく「詩」に徹したほうがいいのではないでしょうか。いや、ランボオなどの詩をマンガで表現する形も面白いでしょう。これだけの凄まじい表現力、もっと目立つ形で活かして欲しいです。
歌で英知くんに近づきたい、という思いも嘘ではない…でも「あなたももういらない」これが胸を刺されたような感じです。
神術で探すことはできないのでしょうか?
確かにいずみくんが疑われるのは分かります。キスでの口封じは爆発しました。まさかこのままりぼん自体…いや、それはないと信じましょう。
ジョナさんへのトリプルツッコミで、めろこさんがきちんと裏拳を使っているのがいいです。
いずみくんもいつしか、満月ちゃんのことを深く理解し、思うようになっていたんですね…ここの言葉が本当に思いやってだとは理解できます。
でも、タクトの言葉が突き刺さりました。「止める権利なんて俺達だからあるんだろ」は相当感動的です。
十二歳の満月ちゃんが大重さんに会う展開になるとは!
別荘にいるのが「なんでだろうねえ」の理由、僕にはすぐ分かりました。
この会話は確かに恥ずかしいでしょうね。大重さんの飾りのない笑顔、むしろ可愛い印象です。夢見るような瞳でフルムーンを語っている姿もとてもきれいで、胸がきゅんっとするほど素敵な女性という感じでした。僕に彼女を恋する資格などないので、恋愛感情にならないうちに抑えこみますが…
やはり社長でしたか。
何もない…あ、そういうことですか。「英知くんに会うために頑張っているフルムーン」には「女の子が幸せになる条件」があるけれど、英知くんの死を知っている満月には…何もない…でも何もないわけじゃないですよ!
まだ生きている。たとえあと数ヶ月の命でも、タクトの助けなしには歌えない体でも、まだ生きています!まだ命があるんです…死んだ英知くんやタクトたちとは違って。
ここでタクトに見つかったのはほっとしました。そしてすごくきれいなシーンです。
「悲しくって言えないよ!」の叫びには…転んで受け身を取り損ねたような、プールに飛び込んで変に水に叩き付けられたようなショックでした。
これを初めて語ることができた、それが救いになると信じます。
この展開もいいですが、僕は個人的に皆…タクト、若王子先生、大重さん、円さん、おばあちゃんやめろこ、いずみくんなどみんなの歌が満月ちゃんを生に呼び戻す展開を想像していました。歌に力があることを証明するために…

HIGH SCORE
彼が担当に流されやすい作家なのか、それとも現実に担当に合わせる意外にないマンガ家の悲哀なのでしょうか。
抽象画としては評価を得るかもしれません、泉水くんの絵は。

永田町ストロベリィ
ううん…ここまで良心的な人間がかけらもいないと、読んでいて疲れます。
普通正義漢の一人ぐらいいそうですが…現実にはいねーよ、といわれているような気がします。
しかし、日本の内閣総理大臣がそんな重要な存在でしょうか?
「許してないからね!でも今ちょっとだけありがとねっ」という素直な言葉が素敵です。この感情でよくそんなきれいな性格に育ったものです。オヤジの背中が…よかったなら日本はよくなっているでしょうね…
ケータイカメラの嵐がリアルで面白いです。友達になれそうだった子もそれに加わっている辛さは言葉にならないでしょう…そしてこの状況を放任している先生の人間性も疑います。この新聞にもノーチェックだったのでしょうか?建前上は検閲禁止ですが…生徒会長以外誰もこの、魔女裁判に近い事態を止めようともしないのが信じられません。
生徒会長も…言っていることはまともですが、信用できない気がします。特に夏野の表情が。

愛してるぜベイベ
重大な問題に踏み込みましたね。踏み込んだ以上はいいかげんにではなく、徹底的に描く義務があります!僕が担当だったとしてもできるかどうかわからない、とんでもなくハイリスクハイリターンの賭けです。
心ちゃんの寂しくけだるい雰囲気、そして食べていないこと…胸が痛くなるような心配です。
反面ゆずゆちゃんはこれだけの愛情に包まれているなら大丈夫でしょう。
ゆずゆちゃんに相手役、という展開には燃えます!
中傷もそのまま伝え、そして「いーなー」とストレートに受け入れてくれるのは最高です!
ナッツちゃんも面白いヤツ。
心ちゃんの愛情にはびっくりします…でも、だからといって結平とゆずゆちゃんから離れる必要があるのでしょうか。三人でいることはできないのでしょうか?ゆずゆちゃんの母恋しさも慰められるでしょうし、心ちゃんにとっても大きな救いになるはずです。
手を広げて「おいでっ」というストレートな愛情表現が素敵です。子供とつきあっているからでしょうか。
ここはゆずゆ扱いでもいいのでは?心ちゃんにとってどれだけ救いになっているかはよくわかります。
みんないたというのが笑えました。
この幼いカップル、すごく微笑ましいです。と思ったらこの傷で心臓が止まりました。
児童虐待…本気でやるのでしょうか。これは安易な解決ができる問題じゃないです…というか幼稚園児も見ているりぼんでやっていい問題なのでしょうか。反対はしませんが、やるならきちんとやらなければ許されないです。前もストーカーを結構軽く扱ったので、不安があります…
最後のベタに白抜きのページも目を刺すようで、身震いがします。

ラブわん!
とことんウンチにこだわるの、しかも「Dr.スランプ」のウンチにすればそれほど下品な感じはしないですむのにわざわざ吐き気がするようなリアルさで描くのが素晴らしいです。
犬を扱っている以上、当然ウンチの問題はありますよ!処理講座がとてもしっかりしていて参考になります。
この現場検証から意味不明魔法少女が笑えました。
銃がとても上手いですね。
犬同士の会話がまた面白いです!
そして色々な人物が笑えます!サダ子姉さんにはびっくりして爆笑、さらに羅王寺番長の登場にも笑えましたし…最高!
男役モードの燐ちゃんがまた面白いです。
ウンチを大牙くんに近づけるのは笑えました!後ろから殴られて、この袋にキスしていたら…流石にそれは立ち直れないですし、ギャグにならないです。
グルグルという名前も面白いですね。
大牙くんが夏花先生のことが好き、というのはなんだか気分が浮き立つようです。それを脅迫に使うのが…脅迫に当たる言葉を一言も使っていないのがまた笑えます。
自己満足、というのは確かに。死んだ犬のためには人は何もできません…死んだ人のためも同じですが。
さりげなくジャンパーでカバーするの、かっこいいです!
別に工事が始まるからウンチを処理しなくてもいい、ということはないですよ。念のため。

ウルトラマニアック
カラー扉にもアニメについてない、ということは相当決定がずれ込んだのですね。なにはともあれおめでとうございます!
ストーリーも急展開ですね。
結局つきあわなかったのですか…あ、「魔法が使えるから」じゃなくて「おもしろいから」なのですが、ちょっと誤解しましたね。
「仲良しの友達や好きだった男の子にひどく傷つけられた」…何があったのでしょう。それは嘘ではない気がします。
ホストマザー、ファーザーもいいキャラクターですね。
ここまで本当にほのぼのしたいい雰囲気だったのが、「消えろ」の一言で一転する…うまい!
架地くんがいきなりキスしようとするのには…びっくりしました。
よけちゃったのが不安です。パターンとしては拒絶のサインであることも多いので…違うと思いますが。
大丈夫、ですよね。不安が募ります。
この手紙はびっくりしました。実は、発売日には忙しかったのでパラパラめくる程度しかできませんでした。それでこのラストだけを見て、ついに色々ばれて強制送還決定かなと思ったものです。
最も強い容疑者は沙也香さんですが、そう思わせるようミスリードしている可能性も感じます。完全に容疑者から外していいのは亜由ちゃんとユタだけですよ。

めだかの学校
チョコの材料を買うという発想はないのでしょうか…「チョコ作りあきらめてください」が笑えました。
可哀相に・・・誰でしたっけ?
確かにこれは危険物ですね。
本当にスルメのために死んでみせたのが笑えました。本物ですね。「死ねる」と言う言葉はやはり実行しないと。

ダイス
そうなりましたか。
速水くんのこれ、結構しびれました。もっと本気で受け止めないと可哀相では?
失恋をかみしめている美咲ちゃんからは…なぜかここで圧倒的な感情は伝わりません。
むしろ速水くんとの会話から心が深く伝わってきます。
失恋ではありますが、今までとは質的に違いますよ。速水くんもここからきっと始められる…不思議と胸が熱くなります。
そこまでして告白させない、引き延ばしにかかるとは…面白いです、結論は見えているだけに。
そして告白したと思ったら返事を言わせる暇もなくあくまで引き延ばし、これはストレスたまりますけど素敵!
別に嫌なところを見せたわけじゃないです。惚れ直したと思いますよ。
姉妹そろって「殺ス」が笑えました。
しかし、こんな…昔の設定を使ってまで告白の返事を引き延ばすとは。

MAXラブリー!
愛里ちゃん貞子の「リング」は笑えました!
この二人のロミオとジュリエットにどうGが絡むかが…中盤の山場でしょうか。
菜子ちゃんかわいい、でも可愛い分もっと辛い思いをするのかと思うと辛いです。うらやましいぞ光!
ここまで落とすとは思いませんでした。
何でもないように見えて、結構学年一位というのは多樹くんの人格にとって大きかったのですね。まあ当然ですか。
スーパーマンではない、普通の人間だというのを見せてくれた…自分の落ちこんでいるという感情がわからない、というのも面白いというか違和感があるというか。
伊勢谷くんが怒るのもわかります。
あやしい相談と愛のスパルタには笑えました。

おじぞークエスト
面白くて可愛いです!やはりりぼんは層が厚いです。
唐突な始まり方、お地蔵さんの無表情…うまく言えませんが、背中がかゆくなるような面白さです。「恩返ししてやるから覚悟しな」ってめいっぱい迷惑なのですが……筋肉が妙に上手くて笑えます。
起きたらいきなり地蔵、これがまた笑えます!
ひがむ男子、というのが冗談抜きに笑えました。
そしてこの不良軍団…笑い転げています。もろ浦飯幽助なのですが…名前がまたなんか面白い!
しかしこういう展開になるとは。
動揺すると顔が戻る、というのがまた面白いです。
で、地蔵に戻っていたり…黒板の内容がまた気になりますし、本当に笑えます。
三郎の扱いには笑えました。多分強いと思うのですが。いいとこなしですか、このまま。
そして二郎の戦いがまた…うわ、後ろで三郎が吹っ飛ばされています。勝負そのものの展開も面白いです。
そして一転してカッコよくなるのがなんだか素敵です。
瓦五枚、というとせこいように思えるのですが、ものすごいことです。強さは本物ですね、相手が悪いだけで。アクションの迫力も結構あるのがいい!
硬派と言う言葉が勘違い入っているのがまた迫力あるようで面白いです。
いいシーンだと思ったら「モテないのはリーゼントのせいよ」には爆笑!でもこの体勢、パンツ見えているのでは?
最後にとてもきれいで可愛い絵を見せてくれるのがまたどきっとしました。
本当に面白いし可愛かったので、また出てきて欲しいです。

桜ヶ丘エンジェルズ
そういうことでしたか。
ばあやの迫力が面白いです。
代々短命、というのも困った家系ですね。家督はどうしてきたのでしょう。
分かる気もしますが、ギャグでしかないのも分かります。
でも屋島くんもなぜこんな真剣になるのでしょう。
ガッちゃんとヒロさんのコンビ、本当に面白いです。こういう脇キャラが上手いですね。
ハルちゃんの悪口に切れる屋島くんはカッコイイです。
そういう子ですか…
あ、ガッちゃんとヒロさんこのままくっつくかも…なんだかすごく嬉しいです。
優作がとにかく哀れ…どうするのでしょう、次。楽しみです!

聖vドラゴンガール
お疲れさまでした。終わったと言う実感がないです、正直なところ。
別に不安がることはないのに、さくらちゃんなんて何年待ったと…いや、その間も相当不安だったのかも。ふとその間を見たくなりました。
虚しいバレンタインデーからこういう展開に来ましたか。
麗士と争う理由はない気もしますが、こうじゃなくちゃ。
この一つ一つの美しさはさすがです。そしてこの再会シーンの美しさも素晴らしいですね。
しかし、数十年に一度の聖龍を持って帰った、って…龍は皇帝の証でもあるのに。これで数十年は中国は共産党政権が続くのかも。あ、先代この龍が降りたのは毛沢東ということに?
別に龍がいなくても桃花ちゃんの隣にいることはできるのでは?
この会話はもう、告白とかそんなレベルをはるかに通りすぎている二人の絆を確認するだけです。
これからも、そして結婚してからも相変わらずなのでしょうね。

あいごころ
これもおもしろかったです!
藍香ちゃんのびびりがよく表現されていますし、とてもわかりやすいです。
別に悪い奴じゃないのにびびりまくっているのが…快人くんの気持ちもさりげなく表現されていますし、よくわかります。
「飛びのいたトコに4tトラック」は笑えました。そのほうが数億倍怖いわい。
こうあっさり許すのは度量が大きいですね。相当傷つけられたはずなのに。
「ヤな思いしたの咲間くんなのに」と、分かるのは藍香ちゃんも優しいんですね。
掃除が延々と続くのがリアルな感じです。その中で少しずつ仲良くなっていくの、中だるみに見えてとてもいいですね。
気持ちの変化、そして暖かい感じ…すごく雰囲気がいいです。
終わったと思ったらこれで危機、という比較的小さい転、それが二人の心を丁寧に描いていてすごくあったかい気分になります。
で、いきなりのキス…ちゅどん。えははは、さいっこう。

今月号も来月号も新連載なし…読み切りは楽しみです。今度は榎本先生、どんな駄洒落をかましてくれるでしょう。

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