りぼん2000年7月号感想

よかった・・・今月号、いままで苦しんできた甲斐がありました。そして、はっきりとりぼんを読み始めてよかった、と言えます。朝のこない夜などない、分かってはいましたけど、待ちきれなかった・・・その分、今とても幸せです。後糸口が見えていないのは「ペンギン・ブラザーズ」だけですか。これも、信じて待ちましょう。

「ランダム・ウオーク」(りぼんを買い始めて間がなく、始めてなのです)すごくスタンダードな、ぴしっと決まった美しさです。一番びっくりしたのが、P33のコミックス宣伝!そりゃもう、目が釘付けになりましたよ男ですから。これ、問答無用で買わせる力がある、傑作宣伝です!隣同士の一人暮らし、とは面白いシチュエーションです。「いい恋愛していい女になれ」、これって父親の台詞としては過激ですね!
あ、一人一人のキャラクター、すごくしっかりしています!桂ちゃんって本当にすごく奇麗!これだけ奇麗だと男はうかつに近づけないですね。そしてこの、優架ちゃんのストレートな態度、すごく素敵!僕もゴルフ、何度かした事があるのですが、やはりちゃんと当った事はないですし、もう諦めています。父は今兄に教えているようなので、今後は少し兄に父を独占させても罰は当らないだろう、と。この、逆ナンパして飲み食いして・・・この半分詐欺は危険です。男を完全になめてますよ。この美しさで構成された画面、すごく好きです。
あ、なんか海外旅行で独身の男女が偶然行きに成田エキスプレスで隣同士、現地でホテルが隣の部屋、移動の飛行機もかちあって帰りに空港で出くわしたらもう結婚するしかない、という話を読んだ事があるのですが、それを思い出させるくらいに恋の予感ばっちりです。どうなるのか、楽しみ!

「HIGH SCORE」一体なぜ・・・。コンタクトにすればいいのに。

「ペンギン・ブラザーズ」前に読んだ時には耐えられなかったのですが、今は何とか心の準備ができています。読むのにすごく勇気が要りましたし、完全に心理をアウシュビッツの報告等を読む時に合わせていました。心から感情を切り離し、「分析屋」だけで読む、やはりちゃんとできます。そうするととても面白い!拷問官の目で読んでみると、非常に興味深いです。
それにしても、哲太にはなぜそこまでの攻撃がないのでしょう?この白雪さんのきれいな爪、これって何のヒントなのでしょう?事故で知り合いを思い出せない、その事を始めに言っていれば大した事はなくてす・・・まなかったでしょうね。
この、陽菜ちゃんの「意味なんかなくてもいい〜理解してくれる人も出てくるよきっと」この子、本当の絶望を知らないのですね。だからまぶしくもあります。この子が最終的に壊される所を見たくはないですが、そこからどう立ち直るかには興味があります。スネークはそうだとしたら、実に優秀な異端審問官で、拷問官でもあります。
それにしても、この次から次へと出てくるヘビ、一体捕まえた後どうしているのでしょうか?食べているか、放しているのか。そして、今の所無毒蛇のようですが、それでもかまれたら感染症の危険はあるのに・・・。
「あんたがいるから蛇が出る」これが、まあ命題としては正しくもありますが、完全に正確ではない事はわかります。因果関係としては正しいのですが、十分条件はスネークがいる∧彼女がいる∧スネークが彼女を狙っている事。つまり、彼女が消える意外にも、スネークが消えるか、またはスネークが彼女を狙うのを放棄するかすれば蛇は消えます。しかし、それを考える余裕がない、というよりこの学校の構図に疑問を持てないのも、一種の洗脳下にある彼らにとってはごく自然な事です。それにしても、こうして本物の、肉体より魂を破壊する拷問のいろはを教えていいのやら。確かにそれに対処する方法の参考になるかもしれませんが・・・。陽菜ちゃんの、そこまで冷静に洞察する力も見事。
問題は、なぜここでは哲太が被害にあっていないかです。
なかなか少女マンガでいじめを扱えない理由、少し分かった気がします。よほど気を付けないと、「マンガ分かりやすい完全いじめマニュアル」になってしまいますから。今後、それをどう避けていくか楽しみです!ここまでやる以上、生半可な、ありきたりなやり方では納得できないですよ。

「めだかの学校」テストは簡潔に、正確に。それが全てです。あ、それが百点のコツですか。

「神風怪盗ジャンヌ」感動のフィナーレ!この始めの言葉、全ての人間に通じると思います。この真正面からのメッセージ、どれだけの人の心に届いているのか。そして、そのメッセージこそがこの偉大な傑作(終盤しか見ていませんが、すごい感動が伝わっています!)の全て。答えは、稚空の愛。
この結論、胸に突き刺さります。僕はいつも自分を相手にナイフファイティングのシャドーをやっていますから、自分に刃を向ける感覚はよく分かります。そして、いつも必死で自分(の技術)を殺す術を練っています。だからこの結論が意外で、そして素晴らしいと心から思えます。自分を本当に愛する事ができる、歪んだ自己愛ではない本当の愛・・・人格の成熟。なんて素晴らしいものなのでしょう!もう泣いてもいい、ひとりじゃない、この言葉をどんなにみんな、心の奥深くで待ち望んでいるか!
そしてフィン・・・まろんの結論、かっこいいです。こんな信仰もあるのか、と思うととても胸が熱くなります。僕の学んできたバルト神学とは大きくずれているのですが、このはっきりと自立した人格で、しっかりと神を愛する、それが不思議と納得できます。
この捜索中の、向こうに見える某人型・・・一体。大笑いです。恋人同士になったら早速外泊、間違ってはいません。行き先は天ですが。そして、これがどんなに大きな喜びだか!
このエピローグも素敵です。一人一人の幸せが心に響いてきます。その後の、波から風、この優しいメッセージ・・・初めから読んできた人にはどんなに熱く、胸をいっぱいに満たしているのでしょう。最高の傑作、お疲れ様でした!

「GALS!」感動に言葉がないです!もう何千回もありがとう、って言いたいです。このマラカスで騒ぐの、うるさいですが楽しそう。まさしく嵐。人を疑う事がでーっきれェ、それもかっこいいです!僕は内心は骨の髄から疑ってかかっていますからね。この美由ちゃんの普段識者が言っている言葉の受け売り、それは意味の無さを強調しているのでしょうか?それにしても、毎日教室でこんなショーがあるなんて、飽きないでしょうね。
まずストレートに「悩みがあるなら言ってみそ」これがしっかり、ナイフより鋭く心を刺して・・・。一見愚かな言葉ですが、その底抜けのまっすぐさは本当に強い!そして、それを破けない・・・亜貴ちゃん、腐ってはいないですよ。大丈夫。
そしてこの、希望と思ったら・・・これはやはり辛いです。こうして切れてしまうの、はっきり分かります。昔の僕とまったく同じ症状!
達樹くんの、しっかりグリップを押さえての制止・・・これで初めて分かりました。ナイフが道具でなく凶器になるのは、恐怖に取り付かれた時。人が刃を恐れる恐怖、その恐怖を吸って凶器としての力を増していく、人間の心の持つ魔の一つ。でも、それは恐怖を持たなければ通用しない・・・恐怖のない人間には、ナイフは単なる道具、武器としても間合いの短いものでしかないです。血を見てしまうと、激しい恐怖に襲われるのも・・・タイミングがよかったのでしょう。恐れている人間に血を流させた場合、人は血に酔う事がありますから。でも、恐れていない人なら・・・逆に恐怖は自分を襲い、正気を取り戻させる。あ、美由ちゃんも昔ナイフをお守りにしていた事が・・・。ナイフが役に立たなかった、その絶望も、痛いほどよく分かります。
そして、「お守りでナイフ持ってたってことは〜」この言葉・・・もうどんなに嬉しいか。それを認めてくれる、自分を愛していいと言ってくれる・・・涙が出そうになります。「人を傷つけんのは〜」でしっかりといじめた側も叱責し、そしてナイフを・・・持つなと言わない。もう、彼女にとってはナイフは凶器ではなく、アクセサリー兼道具でしかないと分かっているから、なんて人でしょう。そしてしっかり抱きしめてくれて・・・期待していた以上の、もう言葉にならないほどの救い!

「近距離恋愛」この、逃げた後の喪失感と不思議な冷静さ、なんだか伝わってきます。この切れた詩織ちゃんの「ねぐせー目の色紫」これは笑えました!
そしてしっかりと抱きしめて、優しくうんうんと・・・いい男。
この、「ずーっと幼なじみ!!」とか、抱き合って「将来別々の人と結婚してもお互いを祝福できる」とか、何故かすごく共感できます!
前回気になっていた「どうやってぶち壊して」の答えは「だって敦と荒谷うまくいくように」でしたか。何を考えているのでしょう。不器用なような、器用なような・・・。
この前の彼女と幼なじみの話、なんか・・・すごく胸がくすぐったいです。なんだか心地いい。
そして「最後の命令です・・・素直になれ」言葉にならないです。しかも、「くれまいか」言ったよ!最高。とてもいい余韻の、不思議な傑作でした。

「Wピンチ!!」すごいお嬢様・・・。このエリカちゃんの悪魔モード、かなり強烈です!この茶碗の嫌がらせもなんだか可愛い。
この、意味不明の昔のジャンプに出てきた、というより男塾にいそうなガクラン男の心理イメージ・・・強烈!この系列の作品も是非見てみたいです!
切れたエリカちゃんもなんだか面白いです。でも何のダメージにもなっていないですよね。そして直接的暴力・・・いくらアリサでも、本当の直接的暴力にはどこまで抵抗できるのでしょう?

「もっとちょーだい!」この独り三人芝居、笑えます。どうしていいか分からないほど邪魔されて、でも好きで、パニック状態です。「離せ」確かに三百字以内です。普通三百字以内、というのは二百九十字以上求められるものですが。そして転校・・・どうなるのでしょう。

「赤ずきんチャチャ」え、次で終わり!?!残念!!もう最悪の痴話喧嘩から、最高のプロポーズ・・・でも結局、勝負は次とは。壊れかけたチャチャも可愛い!あ、サンダル(笑)いつのまにかお父さん、って認めてしまっていますね。すごい宝石・・・でも確か、サファイアや翡翠でこれくらいの原石は見た事があります。このたぱーと涙を流して「うんする」これすごくいいです!とても残念ですが、次回が・・・やはり楽しみ。せらどろの結婚式だったらいいのですが。

「パートナー」これも言葉にならない・・・完全な絶望、と思ったらここから、ここまでの人間の強さを出してくるなんて!
やはりこれが弱み・・・そして博士も、始めて絶望から自分の力で、そして苗と・・・とても皮肉な意味で協力して一人の人の命を救った事が、一体どんな事になるのでしょうか。
こんな小さい事からこの組織が崩壊していく・・・絶望から、まるで天を支えるアトラスのようにM4カービンを支え、立っている彼女の崇高さ・・・もう一つの神話を見ているみたいです。
ただ、「無関係な」スミカを人質にする事の倫理的な是非は・・・しかも、ある意味無茶なのに。それは博士を、皮肉にも信じる事でもある・・・「普通の」医学に絶望した博士が、その普通の医学に全霊を注いで、そして奇跡に触れて・・・重複しますが、それはどんな体験だったのでしょう。これを博士に感情移入すると、怖いくらいの感動が襲ってきます。
48時間・・・それがどんなにとてつもないものなのか、想像もできません。人間の、生身の人間の強さと美しさに圧倒され、そして勝った、その一瞬が今までの絶望をすべてひっくり返す、大きなカタルシスになっています。期待や希望、想像をはるかに超えた、圧倒的な答え・・・やはり[りぼんを読んでよかった]。

「世紀末のエンジェル」鬼と人の二重人格・・・どちらも互いの奥に互いを隠して。成仏もできない、この目の前で死なれてしまったショック、胸をなんだか締め付けるようです。成仏など、永遠にできない。虚無に、憎悪に何を食べさせても、絶対にそれは満たされる事はない・・・。海で流されて喉が渇き、海水を飲んでも・・・飲んでも飲んでも喉が渇いていくだけ。楽になる道は、おぼれるか真水を手に入れる事だけ。
でも助かってよかった・・・。そしてまた幽体離脱?やはりこの辺は初めから読まないとよく分かりません。
そして、やっと本当に通じ合った心・・・。あ、「幽体離脱中って言えば納得する」家庭って!!大笑いです。
そして・・・どうやって今後、彼女を守っていくのでしょう。

「5-ファイブ-」なかなかすばらしいお母様で・・・。でもこの程度の厳しいスケジュール、少なくないですよ。自力では逆らえないのでしょうか?でもぱっと上を脱ぎ捨て、髪を解いて飛び出す・・・かっこいいです。小さい頃、言われた通りにやった事が本当に味気なかった、それは記憶があります。でも、何か自分で心からやりたい事もなかった・・・昔あんなにつまらなかった剣道もピアノも、自分で「やりたいから」家で素振りをしたり、時間を見つけて一人で練習したりしていると本当に楽しい!どうすればいいのでしょう。たまたま、本当に楽しい事と出会えなかっただけなのでしょうか。こうして、大声で歌う楽しみがあったって、すごくいいですよ。あ・・・そしてこれから一体?

やっぱり期待していた以上に、辛かった分とても素晴らしい物を与えてくれた・・・もう迷わず、次を楽しみに待つ事ができます。

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