ちゃお2014年2月号感想

表紙が二人の作家なのに、なんだか雰囲気が似ていて、仲のいい姉妹みたいな感じです。
いつか合作してほしいです。

二つの作品を二つずつ、というのはずいぶんと大胆なことをします。
その分、二つ新人読みきりを載せるのと、どちらが正解なのか…

12歳。(まいた菜穂)少女少年ドーリィ♪カノン(やぶうち優)てぃんくる☆コレクション(和央明)キミは宙のすべて(能登山けいこ)こんこんv恋むすび(青空チロル)ちび☆デビ!(篠塚ひろむ)オレ様キングダム(八神千歳)ひとりじめvヒロイン(久世みずき)ナゾトキ姫は名探偵v(阿南まゆき)こっちむいて!みい子(おのえりこ)寄り道のふたり(中嶋ゆか)次号予告

12歳。
それぞれの視点から、というのはとても面白いやり方です。
男子ってのは…スーパーサイヤ人、ってドラゴンボールの連載終了は何年前でしたっけ?
塾で稲葉くんに言われた言葉で、すごく先まで考えちゃうのが苦笑します。
断る、にもジョークだといわれたら黒歴史確定…それは確かに。
「私だったら」と、相手の立場になって考えられるのがこの子のすごさです。
「守れねーし」って、男としてはめちゃくちゃわかります。
稲葉くんが学校まで来て、「なかったことにしてくれないかな」これで一瞬ほっとさせて、「改めて告白するから」おいこら。
その時点で告白なんですが。
「何してんだよ」と飛んできてくれる、ここは嬉しいですね。
ダメージの積み重ね…
「キミより大事にできるよ」に、自分のほうが百倍大事にしてやる、と言い返せないのは…
ミサンガ、というのも面白いネタになりそうです。
「おそろい…で」というのも、必死なんでしょうね。「いーよ」と行ってくれたのはほっとしましたが。
「先生にばれたら」というのもよく考えてます。
頭がぶつかるだけでもドキドキする、ここの描写はすごいです。
そして突然ミサンガがなくなって、そのことを桧山くんには言えない…これがケンカのきっかけになるなんて。
相手のことを思いやっているのに、それがケンカのきっかけになってしまうなんて…
こんなに伝わらないからこそ、恋なんてできるんでしょうね。本当に気持ちが全部通じてしまったら、きっと恋なんてできない…
結衣ちゃんの涙がすごくきれいです。
「オレがもらう」と言ってしまう稲葉くんの気持ち、わかりますよ。

桧山編
あ、今回の話全体を違う立場から描くのではなく、少しだけかみ合わせて…なるほど。
彼の気持ちが「一年前から決まってる」と描かれるのも不思議な面白さです。
さらに回想シーン、と…期待をうまく裏切ってくれますね。
「オバケみたいなカオしてるから」は笑うしかないです。
校舎に駆けこんで助けに行くなんて、もう…なんというか頭がぼーっとしますね。
「大人だったら」…でも、大人であっても女の子は泣かせてしまいますけどね。大人だってそんな大したもんじゃないです。
そして、ミサンガのシーンに戻る…「早く大人になりたい」。なるほど。
それが間違いなんですけどね、本当は彼女を守ってやれるような強い人間になりたい、なのに。
切れたミサンガはすぐに桧山くんが拾ってた、とは…
あ、「何も変わんねーのか」が、回想で生きてきたのはとてもうまいです。
本当は嫉妬で切れているのに、それが別の表現になってしまう苦しさ、実にうまく描かれています。
さて、どう決着するでしょう。何でこんな素敵な二人がこんなにすれ違っちゃうんだ、と泣き叫びたいぐらいですけどね、正直なところ。
本当に男の子と女の子って、別の生き物なんですよねえ…だから恋なんてことがあるんですが。

少女少年ドーリィ♪カノン
冒頭から派手にやってくれます。
「ヘンでぇ〜す」といきなりかましてくれるのは笑ってしまいます。
手品、というのはとてもうまい言葉ですね。
「プロになりたい」に、ずっと固まっていて…というか三コマ固まるのを二回繰り返すギャグ、さすがに素晴らしい。
ここで幸田さんが、「どうしてプロになりたいの」と、大人の視点からきちんと言ってくれるのが嬉しいです。
心音ちゃんは「じゃあ」と、ためらいなしに突っ走る…バランスの取れた三人ですね。
幸田さん、かなりよく現実を知ってますね。この忠告がすごく嬉しいです。
「本気なら全力でサポートさせてもらう」という、年長さのよさがすごく出てます。
「夢の世界の現実を」というのも…年長者ってすごい、と思わせてくれます。作者自身が、多くの子の夢を具現化したような存在…若すぎるデビューで苦労したからこそ言える言葉なんだろうな、と思ってしまいます。
レミちゃんに出番があるのも嬉しいです。
そして、二人がついにプロの門を叩く…その前にミーハーモードになっているのが楽しそうです。
で、心音ちゃんといっしょ、というのがこの世界ではかなりの無理だったという…
理由が言えない、というか、あらゆる感情を自分でちゃんと言葉にしておくことが必要?
いきなり別のアーティストと組んでのユニット、なんというか芸能界編は一寸先も見えないようですね。

てぃんくる☆コレクション
二人でバレンタインフェア…さて何ができるでしょうか。
食べられる本物のチョコレート?法律上色々厄介では?
CM、と言っていたら先にやられてましたか。これで押し寄せる客…いそうだから色々怖い。
髪で巨大ペロリンキャンデー、これはすごい。
「マーフィーくんほしいですか?」「はい!!」と素直に返すのは爆笑しました。
売り上げ対決、というか先にTVCM打たれてたら致命的なのでは?
恋してないから恋する乙女の気持ちがわからない…それはきつい。
てぃんくるちゃんの顔面崩壊はすごい。
ミュゼ・ホロウが意外と売れているとは…
「人の背中見てねぇでお前の世界作れ」というのは素敵な忠告ですね。
友だち二人の助けに、友チョコで勝負する…なるほど。
さらにお菓子の家、これこそみんなの憧れですよね。
ゆうひくんとマーフィーくん、恋の鞘当て…じゃなくてのんびりしてるのも楽しいのですが。

キミは宙のすべて
ずいぶん大人っぽくなりましたね。
銀河くんもさっそくの登場、どれだけ彼が支えになってくれるか楽しみです。
クラスになじめてない、というのはなぜでしょう。
電車で靴が脱げるトラブルはきついですね。
「シンデレラちゃん」は強烈でした。
やっと星夜くんに会えた…強烈なぐらい甘い雰囲気ですね。
手を握って「今日一日がんばれる」は強烈です。
教室で、いじめられているんでしょうか?
「何もしないから」って…ここは笑うしかないです、男としては。
「いっしょの学校にいるって感じ」…いいですよね、同じ時間、同じ空気を共有できる、というのは。
そしていきなり生徒会に入れられて、どういうことやら。
それが、あの靴の王子様?楽しいことになりそうです。
(後編)
いきなり大仕事、でもこれはこれで楽しいと思います。
あくまで協力しない会長、これは苦労しそうです。
そしてやっと二人になろうとしたらガンガン邪魔しに来る会長…なんというか大変ですね。
「生徒会長がキライになりそう」には苦笑しました。
莉花ちゃんはちゃんと考えてますけど、官僚制組織では考えて前向きに行動すると厄介なことになります。
本当に行動すると有能な人なんですね。
やっと仲間ができた、と喜んで、さらに「がんばったごほーび」と星夜くんも呼んでくれた、いい高校生活になりそう、と思ったら刺客だとは…
そんなヒマなことしてる金と時間があるのなら別にやることないかな、とも思いますけどね。
また読んでて辛いことにならないことを願うしかないです。あんな、毎月苦しみ続けるのはもうごめんです。

こんこんv恋むすび
すごく強さのある可愛いタッチです。
王子様妄想は大笑いしました。
転んで狐像が…むしろこれ、転んだほうの怪我が心配なぐらいです。
神様が怒ってキツネ耳…まあ本来神様は気まぐれで恐ろしい存在ですし。
キツネ耳が生えてるクラスメートの女子に、まあ自然に接してくれますこと。
ホルマリンづけ、というのもすごいこと考えますね。
いきなりとんでもない運動能力…『コンなパニック!』という少女漫画がずっと昔「なかよし」にあったことを覚えている人は…ちょうど読者の親がその世代になりそうです。
「特訓」とごまかしてお姫様抱っこで保健室へ、すごいことしてくれますね春くん。
で、のろい解き作戦…とっても神道的に正しいことをいくつかやってます。
今度は尻尾が生えてくるとは。それで二人でロッカーに…笑い転げました。
跳んだのはいいけど降りられなくなる、というのが面白いです。
それで「ボクを信じて」…あの、実際にやったらかなり危険なんですが。40kgでも砂袋をこの高さから受け止めたらどうなるか…
言葉が出てこなくなる、今度は「人魚姫」要素まで…でも人魚姫とは違って、文字は書けますよ?
そして本当にキツネになってしまって…
最初に、キツネ耳を映したのと同じように水たまりを鏡に使うのはうまいですね。
春くんがしっかり追いかけてくれて「好きなんだ」と彼のほうから…なんというか、なんて甘い世界。これこそ少女漫画の一番の楽しみですよ。
大胆なほどにスタンダード、すごく楽しい作品でした。次回作もすごく楽しみにしています。

ちび☆デビ!
バレンタインデー…また一つ人間の業を学んでしまうんですね…
そりゃもう楽しみですね。
ほのかちゃんはむしろ、真さんに渡すことで必死になっていそうですが…平気で普通に寝てますね。
チョコレートが楽しみ、としていて全然その気配がない…
ワクワクがすごく伝わってきます。
アピールするのも、男って悲しいなと思わせてくれます。というかライちゃんは入れないんですか?
バレンタイン着ぐるみをしたらかりんちゃんにかじられる、ここの楽しかったこと!
落ち込んでいたらバレンタインケーキ…コレは嬉しいですね。
かりんちゃんまで協力していたとは。
え?ほのかちゃんと真さんの話は?

オレ様キングダム
すごく豪快なカラーページです。しかし使いにくいカレンダーもあったもんだ…
ののちゃんが一人暮らし?無理だ、と即答したくなります。
ドロボーだったら一人暮らしでなくても…まあ、一人暮らしを察知されたらリスクはありますが。
犬猫はいないようでよかったですね、いたら一人で面倒を見るのは困難になります。
霊の話をされたら、そりゃきつい。
「うちに来ないか」ってなんという下心。
2人きり、と知って身の危険より大喜びというのがむしろ怖い。
黒澤くんの部屋をのぞいて色々見てみたり、ベッドにだいぶして…なんというか、男女が逆じゃあ…
彼の布団に丸まって天国、というのは色々すげえ。
新婚妄想で料理失敗、というのも大笑いしました。
さらに女の子のほうから「お背中流します」…やっちまえ、と言いたくなりますね。
これで何もしないほうがむしろ失礼です。
それであやまられてもなんとも…
「結婚したらこんなカンジ」って、彼もちゃんと妄想はしてるんですね。
そしてキスしてたら、美和ちゃんに「私の部屋で何してるの」…
というか美和ちゃんも喜ぶなっての。
一緒に住めば、って両方の両親に無断で、ですよね…なんというかニトログリセリンのビンがあるような。
しかしとんでもないことをしますね。

ひとりじめvヒロイン
ますます楽しくなってきました。
前回、二人で逃げて、それでメールアドレスを交換しただけ?まあ時間がなかったとはいえ…
まあそりゃぽーっとしますよね。
学校まで押しかけてくる、って…マネージャー仕事しろ…
雑誌で彼の思い出の場所を調べてそこに行ってくれる、あくまで相手の心を優先する…本当に優しい子です。
「アイドルの彼方くん『も』」…うわあ。
で、すっかり変装が解けてしまっている…隙の多い人です。
プリクラに逃げこむ、といっても今はインターネットがあるので、どこに逃げても包囲される可能性はある…ケータイでマネージャーを呼ぶべきだと思いますけど。
そして二人でプリクラ…しかも思いっきり抱きしめて…うわあああ。
助けて抱きしめたはずが、そのまま抱く手に力をこめてしまうのは脳みそぶっ飛びそうになりました。彼方くん、彼女のことが好きすぎますよ。
先生に見つかって、それで「早くここからはなれてください」と、覚悟してやっていた…でも、自分が犠牲になれば全部すむわけじゃない、彼方くんのリスクだって高いんですけどね。
「オレは君とはなれる気なんてないのに」…なんという言葉。強烈な愛情の嵐。
で、顔をさらして放送で名乗って、諒くんまで呼び出して…とんでもないことをしますね。
先生はすっかり忘れてしまったようですが、本当に忘れたのでしょうか?
で、…プリクラを拾われて…なんというか、致命的にもほどがあります。『CRASH!』の一彦くんと由衣ちゃんより隙が大きい。
拾った子、…僕なら事務所、それも宛先に「バイトに開封させないで、必ず責任を持てる人が開封してください」と明記、「絶対に言わないので安心してください」と匿名で郵送します。でも、普通の子にそれを求めるのは難しいでしょう。嫉妬とかもあるでしょうし。
なんというか…今回みたいに強烈な情熱を最後まで楽しめればいいんですが。すごく楽しい作品です、これ。

ナゾトキ姫は名探偵
本当に殺人事件が多発する探偵ものになってしまいましたねえ…少し残念な気がします。前の、殺人事件だけは起きない頃のほうが正直言って好きです。
犯人は仁くん?
豪華客船の旅?なんて贅沢な。
黄砂は色々大変ですね。
船のスタッフ、「チョフサー」は「チーフ・オフィサー」、「ナンバン」は「ナンバー・ワン(副長)」の略だったと思います。。「ボースン」は、帆船時代には「掌帆長」で、帆を縫ったり張ったりする仕事でした。
若い船長…なんかちょっと危険そうで、女には人気がありそうですね。
船長との会食は、昔から船にとってはとても大切なことです。
仁くんと知り合いで、しかも敵といっていい?船では船長は神ですから、敵に回すのは愚行です。
昔の話、とんでもなく陰険ですね。殺されてざまを見ろ、とこれほど思える人間も少ないです。それこそ『オリエント急行の殺人』の被害者並に。
気分の悪さが船酔いでなく事件の予感、ここもうまい。
本当に航行中の船は、船長は全権があるんですよね…逮捕も、聖職者の代理として結婚式を挙げることも。
親友を調べる、というのもきついですね。
このトリックは実にわかりやすいです。
「IDカードでしか入れない」は、なぜここに仁くんがいるのかと矛盾します。実際には上や下からロープでとか、どうにでもなります。
一度ギブアップしたと見せて罠にはめる、そこで「裏切っただろ」と亡霊にさいなまれる…この心情描写は実にうまいです。
こうしてすべての謎をめくったのはいい…でも、船の上での、船長…代理でも…絶対です。神です。
「証拠がどれだけあろうと犯人は仁だ」と、船長代理が決定すれば、それでアウトですよ。証拠もいくらでも捏造・隠滅できます。
最後に、抱きしめる時にフードがめくれるのもうまく気持ちを描いています。
かなり心の闇が濃くて、すごく嫌な後味が残ってしまいます。だからこそ、殺人の重さが軽くなったともいえますが…
ストレートに心を伝える力が強いからこそ、邪悪もストレートに伝わってしまうんです。
個人的には、殺人事件のない、楽しい推理に戻ってほしいです。

こっちむいて!みい子
上手ですね。
というかこの年にして格差社会は…うらやましい。
「うちのガトーショコラ」と自慢してしまうのも子供らしいです。
「まもるくんも」と、そこまで知られちゃったらどうにもなりません。
こんなことで見栄張らなくてもいいのに…なんというか、終わったとしか言いようがないです。
そしてまもるくんは…「ゆかちゃんのママが映画に」って家族も後任ですか。なんといううらやましい小学四年生。
そして自分でやろうとして…あーあ、としか言いようがないです。
うそだ、というのは当然みんなも知ってますから、素直になればいいんですよ。
包丁が折れる、って危ないですよ!本当に折れたら大怪我します。
おねーさんたちにモテモテ、となるともう、うらやましいをとおりこして…生来の魂の色の格差社会は救いようがありません。

寄り道のふたり
ムダなものはきらい、というのもいますよね。
なら自分だけ完全を目指していればいいのに、すぐ他人を支配しようとする…しかもそれが邪悪だと気がついていないので余計たちが悪いと。
いきなり巨人、と思ったら単に190cm…
で、いきなり廃部とは。
「なんでも聞くって約束」…自分が腐っている、と自覚できないんでしょうか?
「落ちこぼれの自分を気にかけてめんどうを見て」…そうともいえますね。見方によっては単なるイジメですが。
そして宮地くんが反対意見を出せるとは…そして、彼がいないことで始めて自分が見えてしまう…なんというか『春にして君を離れ』と同じような状態ですね。
孤独で、自分と向き合うしかなくなってしまう…
「宮地にまできらわれたら」…父親から見れば弱すぎる、誰だろうと信頼などするな、と言われるでしょうね。
会長のいい部分も全部知っている…それがいえる強さがあるから、肝心なところで逆らうこともできたんでしょう。
さて、次はどんなお客さんが来るでしょう。
とても冒険的で、面白い作品です。

月号から「アイカツ!」が正式連載昇格…これはいいと思います。前からの弱点がうまくカバーできそうです。
そして読みきりもたっぷり、贅沢なバレンタインになりそうです。
エリートジャックは、今度は何をしてくれるでしょうか…
というか「12歳。」最終回?いや、一時休んで中学生編とか、そんな感じ…ですよね?
なんかドキドキいっぱいの次号になりそうです。

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