ちゃお2005年9月号感想

付録のペンダントは、本当にいろいろなことに使えます。
人差し指の第二関節にはめて一つの頂点を前に向け、中指と親指でくぼみを押さえて突くと、とても痛いです。

アニメの「ミルモ」が秋で終わるのか、それとも今年いっぱいか…どちらにしてもそろそろ本格的に、ポスト「ミルモ」が動き出しそうですね。

きらりん☆レボリューション(中原杏)Cafe de ロマンス(宮脇ゆきの)ボクのプラチナレディー(八神千歳) モンスターキャンディー(おおばやしみゆき)ビューティーポップ(あらいきよこ)ミルモでポン!(篠塚ひろむ)スパーク!ララナギはりけ〜ん(もりちかこ) 輝け!青葉(今井康絵)ふしぎ星のふたご姫(阿南まゆき) こっちむいて!みい子(おのえりこ)次号予告

きらりん☆レボリューション
いきなりの居眠りはかわいい。
自分だけの力でがんばるところの、決意の表情がとてもいいです。
本番準備中の、ふぶきちゃんの嫌味というか高慢さがちょっとすがすがしいぐらいです。
この登場はさすがにとても華麗です。体の線も、思わずつばを飲みそうでした。ゴージャスといっても無駄な華美ではないですね。
そしてきらりちゃんの、風船だらけはちょっと体にひびが入りました。
この変化はうまい。そしてその宝石がキャンディとは、考えましたね。
三回戦は…あの〜、アイドル勝負ですよね?なら歌と演技でやってほしいんですが…。
特別編
そういえば家族構成は聞いていませんでした。
母親も今後話に関わるでしょうか?
また妙な猫が出てきましたね。というか、動物の持ち込みは大丈夫でしょうか?
とことんそっくりの二人、というのは気がつきませんでした。でもそれ、すばるくんが女顔ということですから、あまりいわないほうがよいのでは。
そしてきらりちゃんのデビューを知らなかった、それにコンプレックスを…意外な問題ですね。
日本のテレビも新聞も雑誌もネットもまったく触れていなかった、というのは信じられないことは信じられないですが、それだけ留学が真剣だったのでしょうね。日本とのつながりを残してしまうと、英語も勉学も身につきませんから。
結構彼、性格は問題ありますね…というかきらりちゃんのふりをしてテレビに出て、何が楽しいのやら。
というか本気で入れ替わるなら、歌を練習しておけばよかったのでは?あ、もう声変わりで音域が違う?だったらちゃんと、事務所のほうが口パクに手配して、ネットのうるさいところには風邪で口パクと情報をリークしておけば問題はないのでは。
家族の再登場はあるのでしょうか?そっちも楽しみです。

Cafe de ロマンス
うわ〜、またわかりやすい話ですこと…ここから悲劇に持っていってくれたらすばらしいのですが。
心配だった絵は…残念ながら変わっているところも多いですね。でもまあ全体的には安心できます。
いきなりの告白目撃から、王子様って…もう。確かにこれは王子様ですね…
この家庭には、なんかあきれて物も言えないというのが正直なところです。小さいころから叩き込めば、それが当たり前と洗脳することは実際に可能でしょうか?
華道や茶道の描写も丁寧なのはいいです。これがそれからどう活きるか…あ、カップを回すという形で。でも、普通なら西洋マナーも叩き込まれているのでは…この家では明治維新、文明開化自体がなかったことになっているのでしょうか?
一度ちゃんと恋をしてみたい…悲しい望みですが…
この間違いからとんでもないことになるのは、もう転がりそうでした。うまい。
この三兄弟も楽しそうです。少女漫画のパターンとしてラララキャラの兄とバッファローの弟がいい対照になりますが、それにやんちゃな小さい弟も入るとすごくバランスがよくなりますね。
明日のこともわからない、というのはすごくいい言葉ですね。ただ、学校で強調されすぎる言葉ですから、子供たちには食傷気味かもしれませんが…真実です。
話を小さい弟がリードするというのも面白いです。
さてどうなるやら。まあ黄金パターンは…そうじゃない方向を楽しみにしていましょう。

ボクのプラチナレディー
今回はやるせなさがある、ちょっとワインみたいに大人な話でした。
愛ちゃんもずいぶん成長しましたね。でも簡単に差が詰められるか…
「本当に校長たちのおかげか…?」って、もしかしてわかってらっしゃる?
医学部…それががんばる理由のすべてでしょうか?理想型の医学生は潰れやすいのですが…
すごく幸せなクリスくんの笑顔、それがどうなるかわかって読み返すのはつらいです。
クリスくんの住所を知らない、でこうする行動力はさすがに巣晴らしい。
このビルを見たときの、気持ちいいぐらいの簡略化はすばらしい。
「伊藤も素直になりなよ」は同感…というか素直になってしまったら微妙に…
この現実はあまりにも痛々しいです。
でもそれが…伊藤くんは察しましたね。
親に愛されないこともありうる、生まれつきどうしようもないことはある、けれどもそれで全部終わりではない…他に愛してくれる人がいるのだから…
それを理解できるというのは大人ですよ、悲しいまでに。

モンスターキャンディー
…さすがにやりすぎですよこれはいくらなんでも…
というか、産婦人科に行ったら?
確かにセックスしたら子供ができるのですから(完全な避妊はない…確率を限りなく減らせるだけ)、今の子供のことを考えるとこれを描いたほうがいい気もしますが、なんかあまりにも軽すぎる…
甘い痛みを実感するのは、最終回サービスでしょうか。
つわりなど、妊娠についての話もあまりに軽い気が。
で…腹が出てるとかで判断せず、「産婦人科に行け」がここですべき忠告だったと思います。もちろん女性にとって、産婦人科がどれほど怖いところか、僕にはわからないぐらいだということは知っていますが。
生まなかったら死んじゃう、というそこまで描くことは…う〜ん…
「逆立ちしたって埋めませんもの!」は笑えました。そりゃ男の体で心が女なら産みたいでしょう。
「本当にオレの子なの?」は…死刑。杭を打つのも当然。でも、なぜこんなことをいったのかわかってみると、笑えるだけです。
というかしゃれにならないことをこんな軽く描いていいのでしょうか。
で、単なる便秘って…ああ…あまりにあきれて言葉になりません。
「遺伝子の数が合わない」というのは、正確には染色体の数が合わないということでしょうね。口から卵というのはピッコロ(ナメック星人)を思い出します。
で…で、いきなり同意もなく作っちゃうなんて…というか生まれてきた子供が、成長してからこのシーン読んだら泣きますよ!
混血児というのがどれほど悲劇的な存在か…本当は悲劇的な存在であってはいけないのですが、人間は弱いのですから…。
「どんな状況でも殺すことは犯罪」という倫理は地球でもあります。でも、ここでこうして子供に読ませたら、それが絶対正しいと思い込まないでしょうか。まあ今の読者はそれほどバカじゃないかもしれませんが。
この作品がどんな種になるか、心配です。あまりにも軽すぎる…といっても本気で重く扱った作品は、簡単に「ちゃお」に載せられるわけじゃない…
う〜ん、これでよかったのか…

ビューティーポップ
なんというか、今更なのですが…。
子供用のいすはすごく懐かしいです。そういえばそんなのありました。
フィギュアのカットに依頼が殺到するのは爆笑。悲惨。まあ、一つ百万円で…でもフィギュアの価格を考えると払う人結構いるような…
そう、技術力アップに専念するのが一番でしょう。地味だから話になりませんが。彼が師事できるような、優れた師はいないのでしょうか…綺里父にプライド捨てて弟子入りするとか…
加奈ちゃんとの和解はすごくしっとりした雰囲気で、いいシーンでした。
美術室での、このすごく静かな描写もすばらしいです。
綺里ちゃんにも苦手はあったんですね。
そして、それが証拠になるとは。いつ真相が明らかになるのやら。

ミルモでポン!
こんなくだらないことが、ここまで重大になるとは。
王様審査会…それがある時点で王制ではないような。だって主権者は王様審査会、ということになります。
あ、旧約聖書でも宗教的指導者、預言者だったサムエルがサウルを王座につけ、彼が神の命令に違反したから彼の王権を否定した…そんな感じでしょうか。
シリアスに「役立たず王」「めいわく王」のたすきを見つめるところはなんだか笑えます。
ムルモちゃんが松竹くんの役に立っているというのは意外でした。ただマシュマロを食べているだけだとばかり…まあ松竹くんも単純ですが、ムルモちゃんも道化はいやじゃないんでしょうね。反面ミルモには演技はできない…
魔法で髪形を直そうとしたら、クシャミで…これは爆笑。
ヤシチがどう稼いでいるのかは、見るまでもありません。
休み時間にやり取りした手紙…ラブラブですね…
燃えてる、って復元する魔法はないのでしょうか?
料理、ときて一体どんな空回りをしてくれるか…シンプルな失敗ですね。
というか結木、見舞いに行けって。
妖精が「オレなんかいない方がいいじゃんか」と考えると、消えてしまいそうになるなんて…こんなことがここまで重大な話になるとは信じられません。
さてどうなるか、アニメともども最終回なのか…それとも今年いっぱい…

スパーク!!ララナギはりけ〜ん
愛、それは…甘く、強く、尊く、気高く、悲しく、切なく、苦しく、はかなく…
てっきりイタリア野郎の悪い面を暴いたのかと思いましたが、そういうことですか。というかチームのためならそこまで自分を捨てられるとは。
意思の男の子に変装したナギちゃんのカッコよさもすごい。さらにそれでうるうるビームとか、宝塚の子役専門男役なんていてもいいかも…そういえばこれまで聞いたことないです。子役は身長度外視で有望新人がやるのが伝統ですから(「小さな花がひらいた(原作:山本周五郎『ちいさこべ』)」を180以上といわれる日向薫さんら、長身若手男役たち多数が子役でやったことも…)。
下心だろうが利用できるものは利用する…こわ。
「でも乙女心が邪魔をする…」はもうぐだぐだ、っと崩れそうになりました。
「勝ちたかったら女を捨てろ」というのはあまりにも過酷な言葉です。まさかそんなことを、それも「愛の試練」の一言で…そう、恋に恋している人は愛の試練という言葉に弱いんですよね…
本当にビンボーだったら新聞を取る余裕はない、と思ってしまうのがちょっと悲しいです。
この幻覚に凍りつくイタリア男は面白いですね。
あ、でも口がニンニクくさいのは、イタリアの男にとってはなんでもないのでは?
「男子トイレに入っても気づかれませんでした」は…あんただけや…
乙女の一日アタックはもう、僕も見たくなかったのが正直なところです。
試合には勝てたけど大切なものをなくした…もう崩れるほかないです。はあ…イタリア男たちが別の道に走らなければいいのですが。え、それはそれでいい?
というかナギちゃん、初めから完全に女を捨てているのでは。

輝け!青葉
いきなりあっさり「雄史のこと…好きなの?」って、あんた…わかってないな…ふふふ、行け行け泥沼!
男の子扱いされてしまったのは計算外ですね。
ブロードウェイとはいきなり話が大きく出ましたね。「コネも事務所の力関係もない」というのは…現実にはどうなんでしょう。
日本でもそんな舞台、って宝塚と四季ではそんなに不足ですか?もちろんもっと多様な、もっと若くて伝統に縛られず力強いものがあってもいいですが。
ロミオとジュリエット…一度、全訳漫画版を少女誌でやってほしいものです。
それでいきなりトロが出てくる意外性は面白いです。
そして…ちょっと赤面したり、楽しみな展開です。
「人の心ん中までズケズケ入りこもうとすんな!!」は確かにそれ嫌ですよね。まあ彼は結構青葉ちゃんには開いているのですが。
チャッピーがじーっと見ているのも見ていて楽しいです。いつ好きだと意識するのか…そのときにはもう、応援するという約束がネックになってという黄金パターンでしょうね…楽しみ。
聖くんの「青葉をオレの腕の中で」発言は全身に電流が走りました。キザすぎ。まあ、「そっとしておいてあげてほしいかも」のほうが重要ですが。
で、よく歌舞伎だとわかりましたね。
なんというか、心の扉を…ショットガンで鍵を吹っ飛ばして爆薬仕掛けて斧と大型バールでこじ開けたようなものですね。
そういうわけですか。でも逆じゃなくてよかったですね。弟なら自由な生き方を認められやすいですから。
でも兄が天才だったら…それはそれですごいコンプレックスになるでしょう。ただでさえ兄というのは圧迫感があるのに、それにどうしても勝てないとしたら…。
「ジュリエットもあの日まで恋を知らなかった」というのはドキッとする言葉です。
で…千広ちゃんとの関係はどうなるのか…彼女には悪役にはなってほしくないです。みんな善意で譲り合って、結果的に傷つけあってしまうという『星の瞳のシルエット』展開が僕は好きですが、青葉ちゃんはそういうのは吹っ飛ばしてしまうかもしれません。
そして、『ロミオとジュリエット』の話自体がどう関わるかも楽しみです。

ふしぎ星のふたご姫
これまでタイトル間違えてました…。
エレガントなプリンセスはいつの世も女の子の夢、でもそうでなければ「ふしぎ星を救う」ことができない、というのは面白いですね。
こうして自信をなくしてしまうのも、一応大人への大事なステップです。ただし、うまくプラス方向にいくのとマイナス方向にいくかはわかりませんが。
プリンセス・グレイスの静かな威厳、こういう大人を描くのは実にうまいです。小さい子供が主人公のこの作品はちょっと持ち味を殺している気もしますが…それをどう生かすかは阿南先生本人しだい、苦手なこともがんばらないと。
「あなた達はあなた達らしく」も正しいのですが、同時にちゃんと先人の遺産、形を身につけ、その上に自分の個性を打ちたてなければならないというのも真実です。剣道で言う「守破離」…正しい形を、師を真似て身につけ、それからその殻を破り、離れて自分自身を作っていくようなものでしょうか。生まれたまま、何もなしから「自分なり」をやろうとしたらめちゃくちゃになるけれど、ちゃんと形を身につけてからの「自分なり」が本当にいい自分になる…というわけ。
アニメのオープニングに「知識経験ないけれど」と、それを肯定しているような雰囲気もあるのも気になりますね。もちろん革命では知識や経験が邪魔になることもありますし、士官が全員死亡して士官候補生なのに最先任=艦長にならざるを得なかったシーフォートのように知識や経験がなくてもやるしかない状況もありえます。でもおおむね知識や経験は重要なものです。
ちゃんと「失敗もきちんと反省し自分の力にしてください」とつけくわえているのはさすがです。
そしていきなりやっかいなことが…この眠りの妖精は見ていて楽しいです。
優雅さはない太鼓、でもまあ…ほほえましいです。おやすみなさい。

こっちむいて!みい子
僕はこの前後編を、全面的に支持します。必要です。
真相を察している竜平くんが、みい子ちゃんに知らせていいのか悪いのか迷っているのが見ていて辛いです。
原爆それ自体は、ごくさらっとしか描いていないですがこれでちょうどいいでしょう。知りたければ辛いけど自分で見ればいいし、それ以上リアルに、不用意に見せるのは心に傷を残す危険があります。
「どうして1・2年生ばっかり…」という言葉、いまだに原爆投下を正当化しているエノラ・ゲイのパイロットたちに聞かせてやりたいものです。
戦争の背景とか、日本が侵略したか歴史の流れの中やむをえない有色人種開放の戦いだとか、そんなのこの子達にとってはどうでもいいことですね。みい子ちゃんにとっても。
ただ、「1・2年生ばかり400人」という重さ、一人一人の…痛みを感じる間もない死…そして十数万人の、ある人は瞬時の、ある人は何十年も苦しんだ末の死があるのみです。
大人になっていた雄一さんにも、ちゃんと見えたのはすごく救いになります。
できれば、それを繰り返さないためにも…家族が一緒にいられ、アイスを当たり前に食べられる暮らしを…守り、そしてできれば世界中の人がそうあれるように、歴史の流れ自体を理解してほしいです。
ただ、今でも世界の子供の大半はアイスなんか食べられないんですよ…もしかしたら六十数億が百億になって、全員がアイスを食べるのは無理かもしれないことも知ってください。そうだったらどうすべき、どうできるかも考えてください。みんながアイスを食べるのをやめるか、それとも数億人だけがアイスを食べる暮らしをするか、うまく分け合うか、…
偏らず、目で見える事実以外をあまり真に受けず、何年も時間をかけていっぱい学んでほしい、けれども今この作品から感じたことは忘れないでほしいです。
そしてアメリカの子供にも読んでほしいですね、これは。
まったくこれがあるから、「ちゃお」にはかなう気がしないんですよね…。

久々の本誌デビューは楽しみです。ポスト「ミルモ」を考えると、新人若手にもっともっと成長、活躍してもらわなければなりません。

そしてこはら先生も、今度こそ主力に入っていけるでしょうか…テーマは面白いですし。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ