なかよし2026年6月号感想

いつもと少し違う質感。本当に多様な顔がある作家です、遠山先生は。

相変わらず極薄の付録ですが、けっこういいもののようですね。

二本も人気がかなりあった作品を最終回、思い切っています。

魔法練習生リリ・ラズベリー(遠山えま)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)花に噛みぐせ(壱コトコ)雨とおしゃべりな香辛料(天道グミ)声に乗せてファンファーレ(西之瀬イトマ)御影くんは推しがつよい(やまもと桃)ハルメイ(雨宮うり)やわはだに春雷(アサダニッキ)響奏して(さつき滉)次号予告

魔法練習生リリ・ラズベリー(遠山えま)
「自分で考える必要はないの」は私は悪だと言ってるようなもんで。
「だれの仕業かしら」は笑いました。
パジャマパーティ、贅沢な話で。
「悪い虫のにおい」は苦笑。
助けに行かなきゃ、といっても外出禁止は?
で、校長が犯人だと判明して…小さい新キャラ、これは面白い展開。

しゅごキャラ!(PEACH-PIT)
探してるか聞く、意地悪いな、と思えてしまう…
なぜ新しいしゅごキャラが老人、というのに飛ぶのか分かりにくい、単行本前提ですね。
ジェイジェイ、というと赤い光弾ジリオンとなる年齢…
思い出作りがいなくなることを暗示、わかりやすい。
あむちゃんが認められているのを嫉妬している、これも面白くなりそう。
ファッションショーがエスカレートしているのは苦笑。
家族のことをごまかしている…
運は誰かの、と思うのが人間の罠で、実際には関係ないです。ホットハンドみたいなもの。
ツーショットをラストにする、今回はとにかく表現力を爆走させてます。

キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)
「お菓子作り始めると他のこと見えなくなるじゃん」が、心のすれ違いをすごく細かいけれど強烈に描いていて悲鳴もの。
ええと…終わってるなあと言うしかない、客観的には…
反省はしているようですけどね、彼も。
あと「お礼も言わずに」、といい子の部分があって、さらに「だいなしになった」と自分の気持ち、…すごく心の動きが丁寧で分かりやすい。
ここで来てくれたのはすごくうれしかったです。
「いっしょに遠距離恋愛がんばってほしいです」は最高の言葉。
そしてだいなし、がヒントになった、ここはうますぎます!
もう完全に、さっき言われた他のこと見えなくなるモード…笑いが出てしまいます。完璧な構成。
作るシーンをきっちり描いているのもうれしいですね。レシピページも楽しみです。
先生の厳格な角度と細かな影の描写、背景を削りつくした画面と美しい料理、これがまた素晴らしい!
食べる時の時間経過の丁寧さも。
お守り…きずなの強さもしっかりと。
とてもきれいなエンディング。
前回はドキドキさせましたが、本当にとことん下げてしっかりとすごく上まで、完璧!と叫ぶしかない一品でした。
本当にありがとうございました!

花に噛みぐせ(壱コトコ)
変化は小さいけれど恋そのものの充足感、これを丁寧に表現するとは。
余韻がないはぜいたくな悩みでしょうに。住んでいるところが少し離れてたら一緒に暮らしたいと思うでしょう。
贅沢だとわかってるけど、が苦笑。
どんなアドバイスをもらったのか…
朝から抱きしめる、…こういうアドバイス…ただひたすらイチャイチャしているだけ…
こういうエピローグ、本当にとんでもないです。
お疲れさまでした本当にすごい作品でした。次回作楽しみにしています。

雨とおしゃべりな香辛料(天道グミ)
ウナギの絶滅危惧はどうなったのやら。豊漁の報道を聞いたこともありますが、日本は豊漁になったらとりつくすのが…
味がしない、は苦笑。
いきなりものすごいイラストは困惑します。
そう、山椒って少なくとも今の日本人は、ウナギ以外でほとんど使わないんですよね。ご飯のおともとしての実山椒の佃煮などはあるにしても。
エレキテルは西洋で発明された静電気発電機とコンデンサーの組み合わせ。紹介者です。
そしていきなり昔の物語に…
なんか面白い回でした。思いがけないことをやってくれたという。

声に乗せてファンファーレ(西之瀬イトマ)
声を出すのが怖い泉ちゃんが、道をふさいでいる生徒が怖くて進めない。どいてくれた、と思ったら後ろにすごい長身で迫力のある女の子がいただけ。
ありがとう、と言おうとしたけれど声が出ない、でも長身の女の子は「ゆっくりでいいよ、ちゃんと聞くから」と言ってくれた。
泉ちゃんが所属している新聞部が廃部と決まってしまい、嫌と言い出せないけれど嫌、それで、怖いと噂の宇塚さんを記事にしようと呼び止めた…

読み返すと苗字が泉で小さくてアホ毛…いや色々と違いますけど。
冒頭の、どうしたんだろう、感は強烈です。
背後にどかっと出てくる女の子の迫力もすごい。ありがとう、と言いたいけれど口が開かない…
ちゃんと聞いてくれる、この貴重さ。これだけのことでも本当に大変な子も…
記事をどうするか盛り上げて廃部、というリズムも素晴らしい。同時にシャープペンの芯を折るのがまた見事。
言葉が出ない人は先に手が出てしまう、というのもわかります。
その状態で妄想を一ページほど、というのも叫びたくなりますね。
言わなければいけない、でも怖い、というのもとことん丁寧。
回想の入り方も丁寧です。教師は人を侮辱するなと言え…
かなり丁寧に説明している、そして彼女のほうもしっかり受け止めている…
どんどん調べていく、知っていく、その描写も実に丁寧。
やはり廃部は変わらない、ここで夜のデートに、というのも予想を外し続けます。
そして彼女のほうの言葉、で、手にキスして…本気の同性愛に向かったのも予想を外されました。
ここから廃部撤回に向かう流れもリアリティもあって丁寧。あえて長くして中身をとても深くしているのがすごいことです。
…本当にとんでもない実力。

御影くんは推しがつよい(やまもと桃)
熱中症は今はもうもっと前から…
誕生日を知らなかったのは大恥。
祝いたいなのに拝んでいるのが苦笑。
いろいろなファンとのつながり、身近だけでもこんなにというのが怖い。
たくさん知れた、というテーマをしっかり強調しているのが素晴らしい。
父親…色々作っていて…それ結構収益になってません?これは泣きますよね。
夜の描写もいいですね。
静かな余韻に満ちたキスシーンは素晴らしいです。
お疲れさまでした、意外なほど面白く質が高い作品でした。次回作も楽しみにしています!

ハルメイ(雨宮うり)
何があろうと空ける、でしょうね。
デートプランが難しい…
どっちつかず、今更自覚したようで。
デートと完全にバレてるのは苦笑。
「いってらっしゃい」は笑うしかない、なんとも言えない。
大雨に真田さんは苦笑。
でもこれはさすがに限界を越えましたか。
目玉の飛び出し方が面白い。
運が悪いにもほどがある、これはもう雨とか関係ないですね。
子供にいいことができればいいデートでしょう。
「資格ない」は…失言は四頭立て…
メモ帳を見られて、でも彼としてはこんなうれしいこともないでしょう。それでストレートに「好きだよ」が出てしまうのはお見事。
デートがまだ続くのは意外な展開でした。楽しみです。

やわはだに春雷(アサダニッキ)
乱世に忍びがいた。女の部屋に侵入して落としてしまう。
青龍の国の龍の血を引く姫巫女を落とし力を奪え、と命令。
恋愛そのものを憎む彼が落とそうとした姫巫女は色仕掛けには無反応だし力も失って周辺国を脅すために軟禁されていると言ったが、大福をもらうと表情が一変。
だが青龍の国はもう刺客もろとも姫巫女を殺そうと…

こんなたくさん大きい石があるってある意味すごいことかも。石材不足文明は結構あります。
いきなりエロ漫画になってないかと言いたくなるような…
過去で父母を、愛そのものを憎むというのが面白い心の動きです。
のし上がると言っても忍びだと…まあ服部家は…
片刃の槍は面白い。
舞う少女の美しさはすごい。
通用していないのは苦笑。
実際には力などない、というのも面白いですが、それがどれだけ真実か…人として会話してしまう、それはどれだけ素か。
甘いものを食べた時の幸福感の表情はものすごい。…砂糖がどれだけ人類史を動かしたか、何千万人も奴隷を殺したか…
砂糖に勝てる男などいませんよ。男性俳優・歌手すべて束になっても砂糖の産業規模には遠く及ばないと思います。
なんだこのものすごい城は…
いきなり刺客、結構唐突な動き。
迫力のある傷を描いておいて「大福よりも」は苦笑しました。
それで覚醒するのは大爆笑。
いや力があるんだから利用しないと。あくまで斬るんでしょうか、一度決めたからと。
何だこりゃとしか言いようがない…これをどう続けるんだおい…

響奏〔ひびか〕して(さつき滉)
いつもラップを歌っている奏ちゃん。でも高3、本気で将来を考えないと…皆考えている。
本当はラッパーになりたい、そこで出会ったのはヘッドホンをつけて歌を口ずさんでいる男子。声をかけて…
二人で曲を作ることになった、そして文化祭で歌おうとするが、彼はそれだけでもとても厳しい現実にやることを指摘する。

すっげ…最高傑作…
これで感想終えてもいいぐらい。
膝の線の細かさがすごい工夫。
将来を本気で考えることもすごく重く表現されています。薄くすることで、その悩みの深さを感じさせる…とても丁寧に描かれる唇。
言葉にするだけでも難しい、というのが。ただ今の時代、美容師は現実的でしょうか?昔は三つの刃物、理容師のハサミ・仕立て屋のハサミ・料理人の包丁のどれかを習得していれば世界のどこでも食べられましたが、ある時代から理容はQB、仕立てはユニクロ、料理はセントラルキッチンチェーン店で店には包丁がない…
初めに読んだ時には、彼が口ずさんでいるのではなくヘッドホンの音漏れかと思いました。最初に吹き出しはありますが、それが目から落ちたらヘッドホンしか見えないので。
追うシーンの迫力は素晴らしい。
アプリ…AI作曲がこれから何を変えるか、またAIが爆発する以前でも自動作曲がどの程度影響していたか…
すぐにラップにしてしまう、これで二人が組むのか?とまず予想します。
そればかりに夢中になっている、これもトラブルを予感させました。
文化祭で一緒に、当然そうなってライバルでも、あるいは親や教師の残酷な言葉、というのが予想でした。
でもそうではなく、現実には文化祭で出るだけでもどんなに難しいかをしっかり語る彼…
歌詞で笑いだしてしまう、それならいい歌詞ということでは?
いい関係だな、と思ったところで、「ひとりで作った方が」から感情が大きくすれ違う、この展開は意外でものすごく心を動かしました。
彼女の強烈な自信のなさ、心の中の壁、それこそが描きたかったんだと。
「本気じゃなかったのかよ」という言葉…
そして自分と深く向き合って、一気にパフォーマンス。この盛り上がりは実に素晴らしい。
「ラッパーになることが 小さい頃からの あたしの夢です」と言葉にする、それ自体にどんなにとんでもない勇気が必要だったことか、しっかり伝わってきます。
そして柔らかなパフォーマンスのシーン、それに彼も続いてくれる…
見事な終わり方。
とにかく組み立ても何もかも水準が高すぎる。これからがものすごく楽しみです。

次号予告
吉田先生の新連載、これは強烈に楽しみですね。ホラーもしっかりあるのがありがたいです。

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