なかよし2024年4月号感想

「さくら」の表紙の威力はいつもいつもとんでもない。

コミックス書影って専門用語使うなと。とにかく華やかですが。そしてちいさい。
それこそ本誌と同サイズのフルカラー小冊子でも…

「ヴァンパイア男子寮」「どうせ、恋してしまうんだ。」に加え「りぼん」の「ハニーレモンソーダ」まで、という幼年少女誌アニメ化ラッシュ。
何があったのでしょう。

休載が多いと、先月号とはまったくラインナップが違う、となりますね。

今回は書いている途中、下書きに普通にWindows11のメモ帳を使っていたのですが、突然テキスト全体に下線が引かれ、さらにいじったら全情報が消し飛びました。「元に戻す」も通用しない。いったい何があったのやら…地獄絵図。
何かシャレにならないショートカットでも押したんでしょうか。全選択+ペーストだったら戻せるはずなんですが…

カードキャプターさくら(CLAMP)花に噛みぐせ。(壱コトコ)俺ともう一度、初恋(長谷垣なるみ)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)ヴァンパイア男子寮(遠山えま)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)わんだふるぷりきゅあ!(上北ふたご)新婚だけど片思い(雪森さくら)魔女メイドは女王の秘密を知っている。(遠山えま)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)お金のコンパス(伊藤みんご)次号予告

カードキャプターさくら
少しずつですが大人っぽくはなっていきますね。
実に楽しいデート…ウェディングドレス、相手が目の前の人しか頭にないのが苦笑。
というか本気で、オーダーメイドで服などをデザインして自分で作るのを仕事にする気…さくらちゃんだけではなく、普通にプロと認められる技量がなければならないでしょうし。
こういう、まるで仏像を整復するように古い貴重な本を整復する、というのは西洋独特ですね。日本にはそれほどない…中国・イスラムがどうなのかは単に知りません。
「月が」これはやってくれたもので。
デートでからかうのが苦笑。
「全部『わたしの事』」はすごい迫力さえある美しさ。
最後はこの二人の深い愛情で…

花に噛みぐせ。
普通のふりをする、でも学校にものすごいいじめっ子がいたら?
友達と登校するだけで浮かれる、というのはむしろ気の毒な。
球技大会…運動音痴?
いやごまかしてもスポーツテストとかで運動能力ないのはばれるでしょう。
強制参加は笑えました。
それで練習、ここも丁寧に甘くドキドキをやってくれますね。
緊張で動けない、ひどい状態ですが…で、肩が外れるってとんでもないんですけど。
で、本当に下手な人間を使うにはそれしかない状況ですね。ただ、ここから重いバスケットボールを届かせるのは相当基礎体力がないと無理なんですけどね。
脱臼は本当でしたか。でも自分でって、それちゃんと病院行ったほうがいいです。
さらに「一緒に寝てる」はやりましたか…なんというか楽しませ方がよくわかっています。

俺ともう一度、初恋
配信というのを丁寧に描いてくれるのは嬉しいです。楽しそうですね。
無数のコメントに見守られながら、ゲームをしたり話したり…
ポッキーの名は出せないんですね。
ドキドキしすぎる表情のアップはお見事。
いろいろな動きがある…というかこの人何なんでしょう。
とても広い机、というのは見事に家族の距離の大きさを示してますね。ただ…こういう超高級タワーマンションは液状化で終わるという話も。前も洪水で悲惨なことになったマンションの報道が…
人間らしい話を喜んでいる、それほど非人間的な親ではない…
オーディションは受かって、…この共同生活も永遠ではない、というのが伝わってきます。

どうせ、恋してしまうんだ。
いろいろと違う五人が同じ高校…学力が低い子は大変ですし…
合格祝いに遠くまでサイクリング、ため息が出るほど青春ですね。
自転車の気持ちよさの表現は素晴らしい。
そして海に放り込み、ほかのみんなもかなり濡れている…
本当は受かっていた、というのが衝撃的でした。

ヴァンパイア男子寮
なめていたらあっさり支配されたのは大笑い。
やられてみないと反省できないというのは苦笑。
学園長…おもいっきり元凶やんけ…まあ逆恨みで殴りかからないだけましです。
強大すぎる幼児、というのもどうしようもない問題ですね。
師弟対決は単なる趣味ですね。
刀身に刃がついていない部分があり、刃との境界が少し出っ張っているのはコールドスチールの市販品(日本輸入は銃刀法でできません)ですね。
それが次のページでは貝殻型の鍔…
さらに逆ハーレム、作者が楽しそうでよかったです。

ギフテッド
やっと占いにたどり着きましたか。
コロンブスの年からザビエルが鹿児島…あまりにも早い、なんだこのけた外れの熱情は。逆に文明が熱情を失うのはどういうことか…
父親がやらかしていて、なんで警察に入れたのやら。
なんか豪華なことになってますね。
凝った建設にエアコン室外機ってものすごい見た目の公害の域かも。見えないようにした排気塔でセントラルエアコンとか、下水に排熱を捨てるとかはできないんでしょうか…
「安全装置は外して」ってリボルバーに普通の意味での安全装置はないですよ?暴発しないようにする装置はありますが。薬室に初弾を装填しておく、では?今はグロック系含めると普通に安全装置がある拳銃のほうが少数派のような気が。
皆伝って悪徳警官にあっさり捕まった程度なのに?
ここには来る気にならない、は苦笑。だから占いは怖い。
ムカデもかなり根源的な恐怖ですね。
脅迫罪で、って全部の録音動画を持って刑事告訴されたら負けるの警察側だと思います。
鑑識だと知られている、警察の情報は全部…
でも指紋がなくても、室内の什器や不動産をとことん追えばかなりの情報は入ると思いますよ?
ザビエルのミイラ…西洋は結構重要な人のミイラを作ったりしますね。重要な思想家とか、それこそレーニンとか。聖遺物・聖遺骸信仰、復活…それともエジプトはいくらなんでも…

わんだふるぷりきゅあ!
もし犬と話せたら土下座しても切腹しても足りません。人間というどんな罵声でも卑語でも足りない最低種族が犬にどれだけ…
僕個人だって亡犬と話せたらどれだけ謝っても…
新プリキュア、まるひと月分の膨大な話をあっさりと、が上北マジック。
アラレブレーキは実にいい。
で、犬は人の姿にして…はは。
この猫もそれなんでしょうかねえ。

新婚だけど片思い
本気で目指そうとしているのがいろいろな会話から伝わってきます。
化粧品はやはり体にいい、ある意味医薬品でもなければ。
学部も考えなければならない、でも親はそれほどの関心はない…
飴屋くんの魅力もとことん描くつもりですね。まああれだけだと栄養が偏りますし。
前に出ている彼を意識して、それで自分もと決意…
バレンタイン前、ちゃんと計算されてますねえ。
「今日はオレのことだけ考えてくれますか」とんでもないところに石を置きますね。
普通のデートが楽しい…そういうのもあるでしょうね。
何もかも言ってしまう、うん、うんと受け入れてくれる…これはこれでいいというか…開きすぎてません?
「もしも時間がかかったとしても」ちゃんと相談に乗ってますね。ある程度働いて稼いでから、というのもありでしょう。
ここで「誰にでも」…ふふ、お見事。
こちらの展開もとことんやる気が感じられます。そりゃ、一人の男ばかり描いてたら別の男も描きたくなりますよね。

魔女メイドは女王の秘密を知っている。
腹の音で修羅場をごまかす…
…陛下、友達ができてうれしいとか?
もちろんギルさんも平民じゃないのバレバレ、と。
夢のような時間、って思いっきり伏線ですね。
あ、監視もいたんですね。
命があと少し…予言の力フルに使えば火の鳥の血…
「俺じゃダメか」って釘を刺されたばかりなのに…

千紘くんは、あたし中毒。
どういう生活なのかというか…あ、「この時間に来て」で同棲ではないんですね。
ミシン…いきなりハードルが三階ぐらい高いんですが。
「見てもらって」「心配しなくても」少し心境は変わっているようです。
着替えさせているときのとんでもなく切なげな顔、ものすごいことをやってくれます。
そしてバイトも…
いろいろと動いています。
これだけの色気…「なかよし」の枷がもったいない気も。

お金のコンパス
今回はまた大胆なテーマです。
お金は目的ではない、目的は未来。そう考えると、AIは今子供である人たちすべての将来をぶっ壊す可能性も高い。
AIがなくても、20年前の携帯電話に短い作曲の機能はありましたよ?
デザイナーも…
不安になることはない、ってそれあんたがAIの権利を持ってそれで稼ぐ側だからでしょーが。
「AI時代の生き方」…でもAIだけでしょうか?もっと想像を絶するものがあるかも…1924年に子供だった人が、原爆やテレビ、月着陸を想像できたでしょうか?逆に何もないとしたらそれこそ人類、滅亡でなくても99%は確実に死ぬでしょう。
具体的にAIが今使われているところを描いていくのは素晴らしい。
なくなるかもしれない仕事がある、しっかり現実を直視させるのも素晴らしい。
事務作業と言っても実にいろいろあります。どれほど…要するに「社員たちが記入したお金数字報告をデータ化する」のがどれほど高水準でも、「社員が間違った場所に記入していることに気づく」のはどれだけAIにできるか…少し違うかもしれませんが、イギリスではシステムの間違いでものすごい人数が冤罪で人生失いました。
「いまに始まったことではない」で電話交換手という仕事を出してくるのもお見事。最高の着眼点。
農業から工業、というのも本当に重要なことだけをしっかり選んでいます。また港湾関係で差別用語を避けたのも正解ですね。
新しい仕事も…確かに前はそうでした。でも今回もそうかはわかりません。また、新しい仕事を手に入れるのは日本ではなくスーダンかもしれません。
AIの欠点…まず「自分たちで考えてみようか」も想像以上に素晴らしい。
ビーズの無駄遣い、でも歴史全体を見ればビーズ交易がどれほど太古から重要だったか。大航海時代でもヨーロッパはビーズと交換に膨大な土地を先住民から奪い、奴隷を買い付けました。
それで文化祭に話を戻る…エリアごとに作曲できるってものすごい水準高いですよね。
さらに劇の衣装でビーズを活用する…
答えは、AIは目的意識を持ち、情熱的に行動することができない…でもそれもどこまで?人間を完全に模倣させるのもAI研究者の重要な目的のはずです。いや、人間の言葉を学ばせるだけでとんでもない人種差別AIができたように、人間のあらゆることを学ぶのがAI…
AIが目的意識を持つとしたら、その目的意識を与えるのは製作者の人間、だからこそ危険…と普通には思えますが、実際にはもっと悪いかもしれない。AIが勝手に、創造主の想像を絶する目的意識に目覚め、突っ走るかもしれない。それも『ターミネーター』のスカイネットとは違う、まさに想像を絶する目的に。
AIはとことん予想不能…ですが、これまでの技術も常にそうでした。
今回のテーマを真剣に考えるなら、ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』『21Lessons』は必読です。またニック・ボストロムも。
…その目的意識、情熱…それはプラスとは限りません。それこそ原理主義宗教テロリストも、激しい「こうしたい」に命をささげています。人間が本当に強烈な情熱を注ぐことは、欲望・自然破壊、虐殺・思想弾圧でもあります。
最終回と思えましたが続くなのはとてもほっとしました。
本当に今回もものすごく深いテーマに大胆に切り込んだ名作回。

月号は…本当に何もないですね…

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