なかよし2024年1月号感想

最後の最後、こうきたかという感じです。

付録は一瞬ついてないのかと思いました。これに全予算ぶちこんだと。

なによりも、さくらなしで「なかよし」はやっていけるのか、が問題です。他の作品がどう頑張れるか。

カードキャプターさくら(CLAMP)俺ともう一度、初恋(長谷垣なるみ)お金のコンパス(伊藤みんご)ヴァンパイア男子寮(遠山えま)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)ぴちぴちぴっち(花森ぴんく)新婚だけど、片想い(雪森さくら)ひとりじめしたい、恋なんだ(夏園豪華)ひろがるスカイ!プリキュア(上北ふたご)変幻の半狐(いくたはな)おとなりさんはキスより甘い(咲良香那)藤の公爵様は桜の姫君に初恋中なり!!(iM:O)描けない恋をしよう(来海らん)次号予告

カードキャプターさくら
それなりの代償はあったんですね…
その本を戻せてしまう書庫がまたこわい。
読む気でしょうか?読んだら狂うとかクトゥルーの世界のあれこれ…というか魔法のこと、いろいろ知られていましたか。
…着替えのお金とか…
預かった結果あちこちの特殊部隊やマフィアや忍者が襲ってくる、ということは…(スプリガン脳)
カード自体が変わっている、特に人格があるあれは?
小狼くんが待っていてくれたのがとてもうれしい。ずっと泊まり込みだったりして。
対価…なにをやらかしたのやら。
秋穂さんが…いろいろな説明は受けたんですね。で、彼女も冥府魔道に突っ込むことに…というか魔法でイギリス留学というと時計塔、と出るのが今の世代。
本当の名前、やってくれますね。
そして帰る場所も…というか戸籍とかそういうレベルも?
まあ…完璧なエピローグ、という感じです。音楽としてイメージしたら素晴らしい。

俺ともう一度、初恋
目を閉じて化粧に身を任せる、それにキスしようとする、ここはうまい。
ここで全身を描いて足の長さを強調するのもうまい。
いろんなお店、でも彼女たちはもうテロが心配な身分では?
記憶喪失で金銭感覚が庶民、が苦笑しました。
手をつないでデート気分、これも盛り上げてくれます。
香りで疲れたらコーヒー豆、というのが面白いですね。匂いは感情に働きますからデート先としても悪くないかも。
キスぎりぎりになってしまうのは素晴らしかったです。
香水をかいだら一気に記憶が、これはこの手があったかと手を打ちました。
そして…夜。どう動くんでしょう、ここから。

お金のコンパス
募金…また面白いテーマです。
宗教に対する寄付、キリスト教の十分の一税は昔から税の歴史とも深く絡みますからね。古代日本の租庸調は、神社に対する貢物から発展した面がある、とも。
さらに今問題になっている統一教会、さらに創価学会にも広がりつつある生活を崩壊させる宗教寄付の社会問題も。
この室内筋トレは体幹に効くでしょうね…安全にするのが難しいですが。まあ目をつぶって片足立ちをすれば…
わからない、身近でない、がまず第一なんでしょう。その点教会の献金は、少額でも寄付を習慣にすることができる…
丁寧にいろいろな寄付を教えてくれるのは実にいい入り方。
犬で役に立つことを教える、さらにガス室という生々しいことは言わない、このバランスも素晴らしいです。前作も生きている気がします。
見届けるまで…寄付の世界は、特にビル・ゲイツなど新しい超超金持ちたちが大きく変えていると言われます。寄付して終わりではなく、どの程度結果を出したかチェックする。医学の、臨床治験…患者を実験台に新薬を試すのと同じ、科学的な方法。寄付で作られた様々な活動が、かえって害になっているケースも多いことから、でもある。それが今どんな結果を出しているのかは知らないのですが…
クラウドファンディングに話を広げるのもうまい。
…国立科学博物館が死ぬ財政政策自体が狂っている、とも言いますけどね。
…小さな力を集めることでものすごい虐殺や生物絶滅、自然破壊を起こしてしまうこともありますけど。
「いますぐ絶対に寄付しろとかではないよ」と言ってくれるのもうれしいことです。
今回は今回でまた実に素晴らしい。
というか単行本広告に続刊の表示がなかったので今回で終わりかとびくっとしました。続いてくれるようでうれしいです。

ヴァンパイア男子寮
どこで服を調達したのやら。
何をここでイチャイチャしてるんじゃ…
濃くてドス黒い血、というか彼以外に気づく人いなかったんですか?
追い出された経験もちばかり…
あっさり食われましたか…

どうせ、恋してしまうんだ。
みんなの白い目…なんかもうどうしようもない。
完全に場所がなくなった、というか日本は徹底的に「普通」の外の選択肢を潰しましたね。暴力団とか宗教とか。暴走族とかも。住み込み労働やドヤ街も。
彼女じゃないけどそばにいる、というの…
「大事すぎてこえーからだよ」というのもいきなり重い言葉で刺してきました。
そしてやっと戻って…こういう形で受け止めてくれましたか…

ギフテッド
というか警官は職務上話せないことがあるに決まってるでしょーが。
入浴…温泉…南無阿弥陀仏。
東京に戻る、それぐらいでどうにかなるでしょうかね。
死体の股間を隠す謎光は大笑い。
犯人とは限らない、殺人経験者ですよね?

ぴちぴちぴっち
…いいかげん寒くない?と今の季節では思ってしまいます。
古代ローマのトガとかって、なんで東ローマ・イスラム・ヨーロッパとも受け継がれなかったんでしょう。ギリシャ古典は継がれたのに。
単に閉じ込められたからでは?
女しかない本心というのもとても正直なものです。

新婚だけど、片想い
当分片思い…というか家族に相談するという選択肢は浮かばないんでしょうか。
動画のデータで反撃、味方もいましたね。でも相手は事実上の権力…
彼の側がこれにどう応えるか…
彼女は熱心に頑張って、ふさわしい人になろうとしている…
泣いている彼女に…さて、どう動いていくのやら。

ひとりじめしたい、恋なんだ
緊迫感のあるリレー…
そして応援の声。
壁ドンして「もっと早くいわんかーいっ」はやってくれました。
いきなり引っ張り込んで、ここからの流れはお見事。
引退するまで部内恋愛禁止、はうまくやったものです。
家族をずっと無視していたのに、こんな時の写真で…というか生きてる…?
見事に読後にちょっとしたスパイスを加えてくれました。
本当に実力を出し切った作品。次回作も楽しみです。

ひろがるスカイ!プリキュア
たまには本筋が結構出てくることも。
キラキラエナジーというとピクミンシリーズでも…
保育士、って結構ブラック労働の話が伝わってきますが…
子供に戻って、それが夢をかなえるのに大きな障害になる、まああっさり戻れてよかったです。

変幻の半狐
奇妙な雰囲気ですね。
心臓を龍に返して、何が起きるのやら。古木の不気味な雰囲気がよく出ています。
憲兵に政府批判の言葉を聞かれたら拷問惨殺されかねないから言葉を止める、ここはお見事。
この最後の願いをどうするのか…
今も世界では無数の人が、自分が生きることを諦めています。…ガザ、ロシア、ウクライナ…スーダン…同じ死ぬしかない人、でも上から見ると違う…どう違うんでしょうね。
ガザ…イスラム教、ムハンマドを迫害したユダヤ人を許すな。何千年も暮らしてきた故郷を奪い、家族を虐殺する悪魔であるイスラエルに復讐する。抵抗。
…単に、選択肢がないだけ。何もしなくても徹底してイスラエルに差別され冤罪で拷問され虐殺される。家族を殺されたのだから復讐する義務がある、その義務を果たさなければ名誉を失い生きていけない。ハマスに反抗することは不可能。ひたすらハマスの命令のままに戦い、虐殺されるだけの存在。弱いことが罪。
ロシア…ロシアはキエフ・ルーシを祖とする、ウクライナ民族など存在しない、歴史の初めからロシアだった。一体性を取り戻せ。大祖国戦争でロシアを皆殺しにしようとしたナチスの再来、ネオナチを倒せ。
…徹底して服従しかない国。政府に逆らうことが考えられないし、あらゆる反抗は徹底して潰された。ソ連から洗練されぬいた秘密警察機構は完全無欠。逃げたら背後の督戦隊に撃たれる地獄。
ウクライナは家族を、祖国を守るための戦い…でも、クリミアも取り戻す勝利はあまりにも不可能で、また万一勝利しても、ウクライナ政府は骨の髄から腐っている…
あの時の日本は?ドイツは?アメリカは?
もしかしたら来年の日本も、同じように無数の若い男が生きることを諦めるしかなくなっているかも…
ウクライナだって2021年にこうなるとはかけらも思っていなかったはず。

おとなりさんはキスより甘い
メイドカフェ、どれだけ費用がかかるのやら。
女子と仲良く…今まで読んでいるとあんな怪物と?と思いますけど。
かわいいのを作るのが得意、から…人を観察することから、「衣装担当なのにメニュー班にも装飾班にも」という有能さ、面白い角度から。
そうなると女子たちの憎悪が…
多様性も可能な衣装にしている、というのがまた面白い。
さて、彼女たちも可愛くして、それでどうなるか…
本当に助けてくれるんでしょうか?不信感になってしまうのが…
今のところはうまくいっていますが、最初がひどすぎて。
描かないことで百万倍おぞましくした拷問シーンから初めて後はノーストレス、なんて信用できるはずないでしょうが。

藤の公爵様は桜の姫君に初恋中なり!!
初めての舞踏会に婚約者と出たら、彼に婚約破棄を告げられる。真実の愛を見つけたとのこと。
殴ってくれていいと言われたので殴った。
そうしたら藤の領地を治める公爵が出てきて…
絵柄にまずびっくり。
そして冒頭のメチャクチャ展開にまず驚嘆。もう婚約破棄はこの十年だと親の顔よりずっと見てますが。
でも人の頭部を拳でなぐるのは殴る方の手の骨が砕けますよ?
「話は聞かせてもらった」と出てくる、もうこの展開の速さ安直さは最高。
父と母からのメッセージが大笑いします。
通した周りの人がどうかしてる気が。
一ページ使ったアップで照れた表情、これもすごい。
彼の日常を知りたい、と…さてどんなジェットコースターに乗せられるのか。
お礼に花、この楕円切り抜きの画面もとても面白い。
で、なぜ女と戯れている…で、弟は笑い転げました。アウトには違いないでしょうに。
藤と桜、これも素晴らしいビジュアルです。
そのままストレートにハッピーエンド、これもやってくれたものです。
とにかくすごいものを見せられた、としか。…ちょっとゲームのプレイ動画でも見るかと再生を押したらいきなり目の前が舞台になって宝塚のショーが始まったようなもの。
これからもめちゃくちゃ期待しています。

描けない恋をしよう
美術塾夏合宿。ペアを組んで互いを描く。
星木風馬くんが好きな卯月れいなちゃん、組みたいけど…くじははずれ。
ただ合宿の中、何度も星木と触れ合って…
ふと目が覚めると、隣で星木くんが絵を描いていた。つい「星木くんのわたしを描いてほしかった」と言ってしまう…夢?

墨っぽい重さのある画面、すごく期待させてくれます。
相手をよく見るという課題…
ペアになりたい、という思いもすごく強く伝えてくる、丁寧な積み上げ。
と思ったらペアになれないまま…では誰と?それがないまま、彼に後ろから抱かれるような接触シーン。どこに話が転がるのか…
もどらなきゃ、からさらに話しかける…
そして二人きりで、閉じ込められるように口をふさがれる…
積み上げていく、思いと接触の積分。そして布団の中で、夢かと思えるような。
言って、すぐにキス、これは衝撃でした。
あ、ペアは女子だったんですね。
告白を見守ろう、って…人それをのぞきという。
それで、絵を治すために参加しない、という動き方はお見事。油彩だからこそでもあるでしょうか。
「隣はまぶしくてとどかない」からのページがまたすごい。
そしてこの優しい告白、あまりにも優しい空気…
すげえ、としか言いようがないです。
これからの新作もものすごく楽しみ。

来月号は特になし…「さくら」の穴を埋められるでしょうか?

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