なかよし2023年10月号感想

紫を基調にした不思議な色。それにしても薄い。

小さいけれど豪華な付録、というのも大胆です。

三誌とも、「セルフレジに対応するため」の付録の変形がどんどんひどくなっています。

カードキャプターさくら(CLAMP)ギフテッド(雨宮理真/天樹征丸)どうせ、恋してしまうんだ。(満井春香)ヴァンパイア男子寮(遠山えま)新婚だけど、片想い(雪森さくら)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)俺ともう一度、初恋。(長谷垣なるみ)お金のコンパス(伊藤みんご)変幻の半狐(いくたはな)ぴちぴちピッチ(花森ぴんく)ひろがるスカイ!プリキュア(上北ふたご)偽り姫の内緒ごと(桜倉メグ/雨川透子)ひとりじめしたい、恋なんだ(夏園豪華)次号予告

カードキャプターさくら
最終巻発売が再度変更…あと十年ぐらいは続きそうですね。
いつの間にか時間停止ができるっておひ。
名前だけが消えている思い出…
鏡をこういう形で使うとは。

ギフテッド
何を知っているのか…いや食事を終えてからにしましょうよ。…と思ったら死んでいるのがパターンだから早い方がいいかも…
修行してきた割りには警官に簡単に制圧されてましたね?
謎を解決する、と煽れば…ちょろ。
昔の漢数字も面白いものです。
えぐい暗号ですねえ。
数学論理、これも現代という時代を支配するもののひとつですね。昔はそれがすべてになると思われ、それがゲーデルに否定されて…

どうせ、恋してしまうんだ。
激しいラブシーン。
怖い、というのもあるでしょうね。
彼氏、ならなぜここで帰ったのか…
二人だけが夢だった…変わりたくないことがわかる、というのも重い言葉です。
勝ち負けじゃないんですけどね。

ヴァンパイア男子寮
何とか正気を取り戻せたようですが…
胸がないのも、まあ魔法でどうにでもなりますし。
血を採取する、というのも面白いやり方をしますね。
何をたくらんでいるのか…というかこんな危険なところに送った上層は何を考えていたのか…

新婚だけど、片想い
ふたりきり、と思ったら…うわあ。
化粧品の世界もとんでもない金が動きますし…
理転、それは大変です。
かなり大きい勝負、一時でも子供と過ごしたことなどがどう影響するか。
わずかな表情の変化は丁寧に描かれています。
勝敗につながる流れをコメントで表現するのはうまい。
うまく呪いをかけたものです、が…
信じろ、その一言で終わるんですけどね。

千紘くんは、あたし中毒。
凄い切れの絵です。これはこれでかなり高い頂点に行っているのでは…「ちゃお」がものすごいことになっているので目立たないですが。
彼女の母親、結構プレッシャーになりますね。
父親はお気の毒に。
趣味の良さに彼女の良さを感じる、ここはさりげないですがお見事。
受け入れてくれている、という感じがすごく伝わります。
言わないという時点で察しないと…
で、ここで母親…さてどうなるのやら。

俺ともう一度、初恋。
これは素晴らしいサービスシーン。
知るって聖書の文脈でしょうか?といっても最近二つも新訳でたからそっちでどうなっているか知らない…
誕生日が嫌い、って完全にSOSでしょうが。
砂に字を書く間後ろを向いている、っていいですね。
「なんでお前が知ってるんだ」が苦笑。ちゃんと調べて…
エプロンのひもをほどくのはいいですね。
最後に英文で見せてくれるのはいいですね。

お金のコンパス
シュリンクフレーション…長く苦しめられ続けました。そして本格的にあらゆるものが値上がり…
インフレ。また重要なテーマに切り込みますね。
AIロボット、そりゃそんなのができたら…さてインフレデフレはどうなるでしょう。膨大な数の超低賃金奴隷が入るのと同じでしょうか?それとも新技術ですごい機械ができるのと同じ?
ものの値段が…逆に言えば、貨幣そのものの商品としての価値が上がり下がりする、ともいえます。
デフレ…それがどれほどの地獄になったか。でもインフレも地獄なんです。さあどうなればいいんでしょう。
景気、でも長期停滞議論にまでは踏み込めないですか。
悪いインフレもあります。今起きているインフレは、ロシアがウクライナを侵略した紛争で、産油国のロシア・農業大国のウクライナ両方がろくに輸出できなくなり、世界全体で物自体が減って物価が上がった状態です。いいインフレではない。特に景気が悪いのにインフレ、というのがスタグフレーションと呼ばれ、最悪とされます。また、日本の場合は、円安で輸入が高くなっても物価が上がることがあります。
ハイパーインフレはほかにも多くあります。日本もかなりやられています。ドイツも有名です。
特に怖いのは、国が大量に通貨を発行して、通貨の価値が際限なく下がっていくことです。
ゆるやかなインフレがいい…それが「いい」のは、自然に国家の債務が消えていくからです。利子で生活している人にとっては地獄ですよ…アガサ・クリスティ作品の成功者の多くのように。
本当に経済成長を起こすのは、「新天地」と「新技術」です。人口増や征服も。新しい大陸を征服し、金銀を手に入れれば、たとえば金貨が二倍になればこれまで金貨一枚だったパンは金貨二枚必要になります。金貨が千枚でパンが千個だった、それで金貨が二千枚になったら、と考えればいい。
さらに新天地を耕し、人口も増えて国力が上がれば、緩やかで自然な経済成長になるでしょう。少し時間をかけて金貨が二千枚、パンも二千個にすればいい…物価が落ち着く。パンが高いうちはパン作りが頑張るのでいい影響もあるでしょう。
スペイン帝国は新大陸を耕そうとしませんでしたし、イギリス〜アメリカは新大陸の先住民を実質皆殺しにして耕したんですが。ああ、新大陸スペイン領は道路も悪いし航行可能河川もありませんでした。船も悪くてパンどころか黄金の像も潰して運びました、もったいないと絶叫したくなることに。イギリスは船がよかったので征服した国の黄金像は大英博物館に奪ってます。ただしアメリカや中国で図書館を焼いたりもしてますよ。人類は文化破壊や虐殺が本当に好きですねえ。
新技術…同じ仕事をより少ない人数でできるようになる。新しく欲しいものができる…江戸時代の人には、レコードプレイヤーなど想像もできなかった。
今は長期停滞。その実質は、新天地も、新技術もない、ということです。新大陸はもとよりあり得ません。新しいスマホとか新技術は次々にある?でもそれはたいしたものではない、というのがロバート・ゴードン、タイラー・コーエンらの考えです。レコードプレイヤーや屋内水洗便所ほど革新的ではない、そういう発明はこの宇宙全体でもう打ち止めなのだ、だから長期停滞なんだ、と。
僕が注目するのは兵器の世界ですが、実際M2重機関銃やB52爆撃機などはものすごい年月使われ続けています。鉄より安くて丈夫な銃身素材、安く安定した原子番号200とかの重い金属、百年前から使われる火薬のグラム当たり千倍の超火薬、小さい核融合炉などができていないんです。チタンもカーボンも高すぎます。何よりも、電弱統一理論以降の基礎物理学の技術応用が皆無で、電弱統一理論以降基礎物理学もちゃんと実験で証明される進歩がまるでない…
また、人口という問題もあります。さらに人口と機械化、ロボットやAIの問題も。さらに世界の極貧層…それらがまとまるのがインフレデフレの問題…
物価は上がっていく、それを知るには昔の小説を読むといいでしょう。夏目漱石など日本の明治時代だと、何円、というのが今の何千円何万円の感覚になります。クリスティ作品でも、「風と共に去りぬ」でも、貨幣価値がものすごく違うことがわかるでしょう。
古本屋で昔の文庫本を手に取ったら驚くかもしれませんね、価格の安さに。
本当に長期的に考えれば、…これは日本の論者ほぼ全員ですが、物価がゆるやかに上がり続ける=経済成長している、というのは悪、破滅に他なりません。地球が毎年くれる分より多くを使い続けたら地球が潰れる、というわけで。
僕は人類は宇宙に出るべきだと思っています、ただし、太陽系の全資源・太陽の全エネルギーでも、経済成長=指数関数の前では長い年月では足りなくなることもわかっています。「豊かになれば人口が減る」でどうにかなると思っていますが、それは経済成長はどこかで止まるということでもあります。
金を学ぶのは社会を学ぶ…まさにそのとおり。
最終回かと思わせる終わり方でしたが、まだ続いてくれるようで本当にうれしいです。

変幻の半狐
まとめがあるのは親切ですね。
こうしてみると同性コンビが多いのも面白い。
見えなくするメガネ、でしたか…
「瞳が美しい」は殺し文句ですね。
キツネから見れば逃げ場を失ったウサギは…ステーキランチという意味ですからねえ。
五行なのは当然でしょうね。
色々といますね。この造形は見事。
キスはしっかりする…
圧倒的な力、使わない方がいい力、さてどんな動きになるか…基本通りという感じでいいです。

ぴちぴちピッチ
親世代が全員若いなんてもんじゃない…
アルバムという名の公開処刑。
偽両親は大笑いしました。
母娘のこれはもう笑いしか出ません。
クラゲって今世界中でクラゲスパイラルという地獄を作ってるんですよ…
別の均衡になる、といえば北西太平洋のタラも、いくら禁漁しても復活しないのは別の魚が栄えてタラの稚魚が育たない状態で均衡しつつあるからとも聞いたことが。

ひろがるスカイ!プリキュア
海の描写は素晴らしい。
控え目な水着も素晴らしいです。
慌て切っているのを助けてくれる人たち、いいですねえ。
膨大な人数もやってくれたものです。

偽り姫の内緒ごと
あ、生きてたんですか…
演技の練習をやっているときはこうなるんですね。
飢えている人や病気なのに治療を…人口爆発と森林枯渇というのが近代以前の常なんですが。今の人類も核融合か軌道エレベーター〜宇宙太陽発電が間に合わなければ…定常文明?リンが尽きたら終わりますが?
本来双子で、って次から双子でなかったら?
重圧を押し付けていたことを恥じる、というのは面白い視点です。
劇を利用して、それってプロパガンダと言わないでしょうか…
舞台の開幕は素晴らしい。
終わりよければすべてよし…素晴らしい実力をかなり出し切れたと思います。次回作もこれ以上であってほしいですよ。お疲れさまでした。

ひとりじめしたい、恋なんだ
いい祖母でよかったですね…
でも自分を完全に捨てすぎても、自分も周囲も不幸になりますけど。
長距離か短距離か、なんてそれこそ生来決まってると思うんですけど…そういう検査ってないんでしょうか?
保護者…また嫌な話になりそうです。
「一度は愛された」が本当かどうか。残酷に支配するために優しくする人もいますから。
そして唯愛くんのほうこそ…衝撃の描写がすごく鋭い。
さてどこに向かうんでしょう。

月号、やっと本格的な新連載。楽しみです。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ