なかよし2021年12月号感想

新連載が表紙とは珍しい。

薄目ですが頑丈なバッグもいいですし、トム&ジェリーという普遍キャラを利用したかわいいキャラクターも印象が強い。

偽り姫の内緒ごと(桜倉メグ/雨川透子)トロピカルージュ!プリキュア(上北ふたご)カードキャプターさくら(CLAMP)千紘くんは、あたし中毒。(伊藤里)ヴァンパイア男子寮(遠山えま)シャーマンキングアンドアガーデン(鵺澤京/武井宏之/ジェット草村)ぴちぴちピッチ(花森ぴんく)新婚だけど片想い(雪森さくら)王子が私をあきらめない!(アサダニッキ)アンライバルドNAOMI天下一(上北ふたご)東京ミュウミュウオーレ!(青月まどか)かみつかないで、キスしてよ(夏園豪華)予告

偽り姫の内緒ごと
(中華風異世界)凛翠国。国一番の劇場「翡翠座」のトップ女優、璃都はいろいろと課題をこなし成長を続いている。座は厳しいけれど…
あるとき、お使いのはずが多分ライバルの刺客に襲われ、それを撃退した美形に眠らされ…従えでなければ殺す、と死んだ人を演じるように、と…

前作も原作ありでひどかったので正直不安…てっきり「小説家になろう」かと思いましたが、見当たりませんでした。
冒頭部の、軽く極薄の、透き通った蝶のような美しさは素晴らしい。
華やかな中国風、こういう世界も少女漫画では珍しいです。「なろう」のヒット作「薬屋のひとりごと」などもありますが。
冒頭の輿入れが後にそうなるとは、伏線としてとてもうまい。
不気味な人、それがヒロインという意外性…あっけらかんとした、どこかずれた異様な雰囲気。さすがに表現力は高い。
「追い出す」という極端な言葉…そして舞台のシーンでの「ひもじさ」という言葉。「殺してしまうはめ」という…現代西側先進国以外での、生命の極端な軽さをさりげなく出している…
読者にはどんな緊迫感を与えるでしょう?
常に失敗を反省している、というキャラは後にも出てきますし、それが残酷な世界観をうまく中和しています。
権力者の醜さ、それをかわす演技のうまさ…実際には断るの無理でしょうけど…
育て上げて…うん、貢がされるんですね…男って悲しい…いや、そうやって金が循環しないと不景気になります。どうせ金なんて持ってても、五十年過ごせばほぼ確実に族滅没収されるだけなんですし、なら文化に貢献した方がいいでしょう。
人を切った剣をそのまま鞘に入れると錆びますよ。血液には塩が含まれてますし。
…この美形が宦官なのかが気になって笑い転げています。
いきなり剣を突き付けて「でなければ殺す」という乱暴さ…
逆にいろいろ詳しすぎる、ペースを奪い返すのは面白いです。
「あの方の耳に入れるわけには」という、個人の感情としての善意も感じさせるのはうまい。
そしてこの演技のすさまじさ…ここに来るまでが長かったですが、つかみは強烈。
それで反省しまくるのを繰り返す…それだけだからこそ、恐怖に満ちた世界で生きていける…
興味深い作品ではあります。思い切った冒険でもありますし。
桜倉先生の圧倒的な画力も相変わらず。それらがうまくかみ合うことを願います。

トロピカルージュ!プリキュア
シュモクザメというあまりにも奇妙な動物。危険かどうかがわかりにくい。
奇妙な部活に対して、厳しい部活で過ごした大人の言葉…
後回しにする、それが子供時代、教育そのものの問題なんですよね。すべての楽しみを後回しにして東大に合格したり甲子園に出たりして、それが…
何かに向けてマシュマロを我慢している子も、何をしていいかわからないでいる子も、考えてほしいものです。

カードキャプターさくら
アリスをモチーフとした話、予知…
スマホの写真には残らないけれど、記録のカード。ここもうまい。
危険は大きいですけどね、アリスを演じるのは。
様々な思惑が…小狼くんの上層部は?

千紘くんは、あたし中毒。
彼氏が人気者、あれだけイチャイチャしていても…学校ではあまりやってない?
これだけラブラブなのに、なぜ皆分からないのやら。
何となく不安と嫉妬が増えていくのはうまいですね。
さて、誰がどう動くのやら。

ヴァンパイア男子寮
女ってずるいですよね…
吸血鬼になることも迷わない、結構大きい選択なんですけどね。
月光で満たすって襲ってくれと言わんばかり。
「ほんとうの自分になりたい」という言葉も重い。
さて、どんな選択をするのか…

シャーマンキングアンドアガーデン
今度はイタリア…でもマフィアが人々の生活を維持しているという面もあるのがそういう国々の面倒なところです。最悪は麻薬組織も政府軍も虐殺者という…
お金と暴力…国家だって暴力ですが?国家さえ名乗ればどんな鬼畜外道でも全力支援するのが戦後国際秩序というくそったれですが?
やたらと明るい構成員…さて、それがどう悲劇に結び付くのやら。
本業が占い師…これまた危険な。一瞬見える恐ろしい闇…それでも明るい、いい意味での頭の悪さ…でもどこまで信じられるか、あるいは善の限りを尽くして死ぬか…悲劇しか見えないのがきつい。
家族を大事にする、という当たり前のことがマフィアの始まりだったりするんですよね。
成仏できない霊が多数、だったら国の英雄とかにはどれだけの霊がいるんでしょうね。
ファミリーのため、仲間を守る、名誉…国家様だって同じですけどね。どこのマフィアが一千万人も殺せるでしょう?第一次大戦も第二次大戦も、マフィアとまるっきり変わりませんが?
祖国戦友のために機が故障したら死ぬ覚悟で飛んで女子供がいっぱいの都市に原爆を投下するのと、革命のために地主とされた一家を虐殺するのと、ファミリーのために殺し殺されるのと、何が違うのでしょう?
ウソのない笑顔…そして皆が死ぬ予知夢…
ただ、皆は悔いはないでしょうし…どこに行こうが同じ血塗られた道しかない、と。

ぴちぴちピッチ
炭酸で酔って、また大変なことを…
婚約者とか、まあどうせ、としか言いようがないです。
どんな展開になるのやら。

新婚だけど片想い
はっきり言おうとしたら、言わせずに出て来てくれた…さらにお姫様抱っこに「詳しく」まで…
飴屋くんも本気だとしっかり伝えてくる、ここはカッコイイ。
ラブラブシーンも増えてうれしいです。

王子が私をあきらめない!
扉絵は笑うしかないです。なぜ浅野内匠頭の辞世が浮かぶのでしょう。
国際会議とかが多いのもそりゃ仕方ない。
柱の裏からすごいことになってますねえ。
庶民を教わる…とっても嫌な予感がします。
まず女装で笑い転げました。
まあ楽しんでいるようでよかった…
そしてパンチングマシーンで思いっきりぶちまけているのは爆笑。
これを知ったら後が大変…

アンライバルドNAOMI天下一
思いっきり高め合ってますねえ。
そして底なしに続く、こういう勝負にしましたか。
まったく動けなくなって、そこから…とんでもない熱さです。
そこであっちがピンチ、って体力切れてるんですが。
そして一気にボス戦、展開が早いのは楽しいです。

東京ミュウミュウオーレ!
お疲れさまとしか言いようがないですね。
ちゃんと分析して「とんだセクハラ」は爆笑。
「わたしと子どもつくりたいと思う」…笑い死にそう。
超イケメンたち…華麗なもので。
希少種だから…はは。そして誘惑の嵐…なんというかここまでやられると楽しい。
さらにバスケ…いや優良種が下等種に、そんな現地人をボクシングでぶちのめす大英帝国士官みたいなまねをしないでも…
と思ったら身体能力高すぎでバスケにならなかったとは。
最後にラブシーンまで、本当にどれだけ豪華なのやら。…いやステーキ2kgと炊き立て白飯一升と寸胴鍋ごとのラーメンとバケツプリンで責め立てられたような気が…
本当に面白さが特級品。だからこそのヒットでしょうね。

かみつかないで、キスしてよ
今更告白、となんか呆然としてしまいます。
こっちから家に行くという、意味わかってるのかな…と北条司カラスが飛んでいるのを見ているような。
本当にわかってない…まあ避妊具は買っておきなさい。
雨に濡れるというのもフラグのような。と思ったら唇を指で押し上げて「なんのつもり」…どれだけ強烈な色香を…色香って、バニラエッセンスみたいに瓶に入っていて画面にいくらでも注ぎ込めるんだ…
当然シャワーでサービスときましたか。そりゃもう「かんべんしろよ」ですね。
書いて出せなかった手紙…やってくれます。
全部読みたい…どこの拷問ですか?
で、お泊り根回しまで…うわお。…告白の前に…

月号は、そういう企画から…金田一少年のヒットメーカーで、男の子が前に出ている…
どういうことになるのやら。まあ面白ければいいんですけどね(建前)少しは本誌の作家を使えと(本音)

とにかく何かやろうとしている、それも徹底して編集部主導で…大したヒット作が出たことはないんですけどね。

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