なかよし2018年2月号感想

「さくら」の表紙の前では、それこそ三誌が二十年間、何百人もの作家をデビューさせ育てていても…無力感を感じます。
種村有菜先生の「りぼん」と並べても…

付録、もこもこは強力ですね。

「秘密のチャイハロ」は読む気がまったくしません。最後のページをちらっと見ただけで十分心の傷になります。
単純に、動物の命を奪うというもっとも辛い、そして重大な必要性があり、厳しい訓練と教育を受け、重い負担を背負って仕事をしている全員に謝れ。軽々しく扱っていいことじゃない。
なぜこれほどの実力作家が、こんなおぞましい作品でしか本誌連載できない…

なぜ少女漫画は…少年漫画も同じかもしれませんが…
「この世界には警察も役所もない」と子供たちに叩きこもうとするんでしょう。
本来警察に連絡すべき時にも、役所に連絡する場合でも、全部自力で何とかするように叩きこむ。
現実には警察も役所もあります。生活保護制度も法律もあります。全知全能絶対正義ではありませんが、圧倒的に大きい力を持っています。
個人で極端な強さを発揮しろ、というのは1000人中999人には死ねということです。

なぜ「ゆずのどうぶつカルテ」がある同じ雑誌で、ここまでおぞましい企画を通すのか…

カードキャプターさくら(CLAMP)キスしたいってねだってみろよ(三月トモコ)ねこ色保健室(松本ひで吉)キミと最後の初恋を(中江みかよ)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)先輩!今から告ります(慎本真)同級生に恋をした(美麻りん)家族のカタチ(菊本さや)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)プリキュアアラモード(上北ふたご/東堂いづみ)はちみつトラップ(甘里シュガー)予告

カードキャプターさくら
この二人がしっかり連携しているのは華やかですね。
水が通用しない、まあ水蒸気爆発にならなくてよかったです。
小狼くんが持っているカードは?また何かすごい裏がありそう。
高いところに立っている…この顔を隠した何かと秋穂さんが、つながっているというか同じ…
ケロちゃん、いろいろとすごいですねえ。
「お父さんと朝ごはん食べられるからさみしくない」…たまりません。
母親の姿が…意外なことをしてくれます。

キスしたいってねだってみろよ
茉莉ちゃんは小さいころから、キスするのはたった一人と信じている…今もラブラブの両親のように。
先月、画家として成功した父がパリに行くことになり、茉莉ちゃんはお年玉貯金で母の分のチケットも買った。
それで自分はおじさんの家に世話になる予定だったけど、そのおじさんは旅に出てしまっていて住む家がなくなっていた。さらにお金も盗まれたが、母親を呼び戻したくないので警察にも行けない、天涯孤独の家なき子。
ひょんなことから、ポスターで見た芸能人男子のオーディションに天井から落ちてしまい、彼の家に引きずりこまれることに…

冒頭からやってくれますね。
すごい状況、そしてなぜこの状況に至ったか…読み返してみるとすごすぎます。
…いやタケルおじさんが旅に出ていて音信不通だと把握せずに家を引き払う両親が壊れてます。
というか「飛行機行っちゃう」状況で家をどうやって引き払ったんでしょう。
さらに、母親を呼び戻したくないから警察に連絡しない…ああまた、『漫画世界には警察と役所は存在しません』が…
というかほかの親戚いないのかこの一家。
でもまあ、これの前に掲載されてる作品みたいにひどい雰囲気でないのでいいんですけどね。
いや大金を盗まれて警察に連絡しないのは、間接的に両親に大被害を与えています。両親と連絡が取れれば、警察を通じて取り戻してもらう希望もあるし、盗難保険もあるでしょうに。
財布すら持っていない…それでネズミと廃棄弁当…今はコンビニは、廃棄弁当をだれも食べないよう徹底していると思いますが。
ここから、芸能人との同居に持って行く展開のすごさには驚嘆しました。
まずネズミの知能が高すぎます。
すべてがものすごくきれい、という表現が素晴らしい。いつもの首の長さもこの角度だととても自然に見えます。
「きみもいっしょにでてっていいよ」から彼女がプレイヤーになる…それでこのキス、同居にまで…
いやーよくまあこんなものすごい展開を思いついたものです。
キスシーンは独特の冷たさが実にうまく出ていました。しかも何度もバードキス!
で、境遇まで調べて字が小さい契約…あの、今の社会システムでは、契約は完全に読み合わせて同意しなければ無効です。というか両親の同意なしにこの水準の契約は無理があります。
家というかロフトの綺麗な一人暮らし部屋、ここはよく調べましたね。
拾ったネズミをペットとして飼育するのって可能でしょうか。伝染病リスクも大きいし、すごく危険で困難だと思います。
噛まれた指をなめて…強烈としか言いようがないです。
というか学校とかは?
なんというか、…ヘラクレス12の功業の一つ、30年掃除してない大規模牛舎を、川を引き入れて強引に掃除したのを思い出すほど、膨大なツッコミの余地の山を力技で押し流す…
すげえ、としか言いようがありません。

ねこ色保健室
ぐわああああすごいものを見てしまった…
朝日センパイの、この迫力とやることのギャップが実に楽しい。
二人ともすごく恥ずかしそうですね。
「なんにもわかっちゃいねえな」のこの迫力と説得力…「神の造りし最高傑作」どれほど猫が好きなんだか。というかそれも言わずにいるほど猫が好きとは。
そして、いつも通りを撮り続けたら10万…まあこのオチはわかりやすいです。
…わかりやすい話をものすごい力技で押し通してしまうってすごい。

キミと最後の初恋を
自分が嫌いだった…そして「真剣にかんがえる」、それがどうなるのか…
押せ押せの響真くん、初めてそれを見ていることもわかります。これはこれでものすごく幸せな時間…
そしてはっきりと言えるようになる…それでどうしても蒼真くんに会いたい、この思いの強さがまた苦しいです。
余命まで持たない、そしてこれ以上何も求めない…この涙はなんて言えばいいんでしょう。
こんな「大好き」いらないって叫びたいでしょう。
アメリカに帰ってしまう、それで響真くんの「もう死ぬんだよ」…そりゃキレますよね。そして全部思い出してしまい…
満足しながら、「もっと生きたかった」これがたまらない言葉です。
そして六年後、助かるエンドをしてくれたことに心から感謝します。安易でいいじゃないですか!あんい〜それは〜けだかく〜(那須雪絵)。
僕は楽しい作品を読んで楽しい気分になりたいんです!そうさせてくれたんだから感謝するだけです。
とても大変な作品、それをしっかりと正面から、全力投球の熱さをしっかり感じました。
次回作もすごく楽しみです!

黒豹と16歳
何に悩んでるかわからない、それはもっともよくある悩みの一つです。そしてしゅーきょーさんや霊系詐欺師にとっては、城壁の誰も見ないところでさらに崩れた部分がはしごになってるようなもの。
豚のパワーはシャレにならないものがあります。そこらのスポーツ選手より体脂肪率が低い筋肉塊、さらに人類のような欠陥品ではなく筋肉は全部「短距離走」と「しゃくる」の二つの動作に効率よく使えます。
「アウトかなって思いますわ」は爆笑しました。
相変わらず遊んでいますが、問題は結構深刻です。
で、なぜ静岡。
転校する前の学校…それは楽しい!掌を返すのもわかりますよ。
さらに旧制服、どこまで極悪非道なんでしょう。
「まるでいなくなっちゃう」に黒鉄くんの反応、こりゃわかってるかな…
そりゃ目立ちますよね。
そしてこの絶体絶命のピンチ。さあ来月号どうなる!一生のトラウマ決定ですね。

先輩!今から告ります
あっさり「ごめんなさい」はひっひっひと笑ってしまいます。
お昼は一緒でいい、ってほぼつきあってますよね。
前髪ウィッグ、面白いものもありますね。
弁当にどうやって豆腐料理をやるのか…いや今はスープ弁当の機材はたくさんありますね。あとチューブに入れた豆腐を崩しながら入れるという店があるそうです。
そして見事に新展開の予感。さて何が待っているのやら…

当て馬さんの来月号はどっちだ。

同級生に恋をした
問い詰められて、この表情はたまりませんね。名前を伏せた意味ゼロ。
やりなおしてってそんな無茶な。
このトイレでしゃがんで、服は無事でしょうか。まあスカートは前に畳んでいるようですが。器用なものです。
悪いうわさ…ここであおらなかっただけ、完全には壊れていなかったようですね。
そこまでドロドロにしなかったのは感謝。
信じられる人はほかにもいる…
で、そこでとじこめ、つくづくクズはどうしようも…
おしりがとおらない、は苦笑しました。骨の問題ですからダイエットではどうしようもないでしょう。
服が破れる音がした…そして抱き寄せられて、ここを見られたら…はは。
「今度の試合がおわるまでは」…はは、そんな話になってたんですか。
そして…頑張れ村瀬マン、またきっちり結果を出すんだ。
試合シーンも期待してます。

家族のカタチ
ももちゃんの家は共働きで、父母が交互に帰ってくる。ただ、父母が目を見て話すことはなくなっている…
ある夜、激しい口論を聞いてしまう。そして離婚…母親に引き取られるが、その母親も忙しい。
思いが爆発したとき、父親が飛んできてくれた…

すげえ…それ以上の感想は蛇足です。
一つ一つの場面、話の組み立て、何もかもがパーフェクト。
ただただ圧倒されました。なんて実力。
今の日本はすでに共働きが多数派、今の子供たちの多数派にとってこれは他人事じゃない…
最も普遍的な話。それを完璧に描き切った…
すぐ本誌連載はじめてください。感想書きなんて本当の最高傑作の前では無力です。
これを言葉にできるわけがないじゃないですか。

青葉くんに聞きたいこと
聞き屋で母親の住所を探す…ええと、それやっていいことでしょうか。守秘義務。
やっぱりだめでした。でも助手なら…逃げ道はあるものですね。
心の中はひたすら真っ暗で、ただ人間のふりを少ししているだけ…
何も話さない女性に、自分からルールを破る…これがベテランというものでしょうか。
石のような、としか言いようがないです。
そしてスリーポイントシュートのたとえ、これは見事です。
もうこっちにしろ、と言いたくなりますね。

ゆずのどうぶつカルテ
散歩仲間…うらやましい。
健康診断に来ていない、親もちょっと…
犬の歯磨きはもっとやってやればよかったです。罪悪感。
めんどうくさい…でも「約束してたん」がやばいことになりそうな。
歯周病菌が体に、人間も他人事ではないですね。思いがけないことから重い病気があるものです。
そして泣き出す彼、そして先生の叱責が実に丁寧です。
バスケをさぼったのには大きい理由がなかった、でもそこまでやる余裕はないですね。
本当に毎回しっかり質が高い。

プリキュアアラモード
いろいろと華やかですね。
まだ夢が見つかっていない、でも十分好きなことがある…
とても明るく楽しい作品でした。
バトルがなくてもプリキュアは本当に素晴らしい。そして次はどんな作品になるか。

はちみつトラップ
恋の病…はは。
「モテなきゃ死んじゃう体質」はひどいもので。
そしてお姫様扱いしてくれる…やきもちやかせちゃおう作戦、なんて自滅が目に見えている作戦でしょう。
あ、カイくんも合意してくれてるんですね。
カイくんも認めるのは好感持てます。
「そのほうがモテるから」…なるほど、モテるために全力で頑張った結果、完璧に人を思いやれる女になったと。
…何か悪いことでも、と言いたくなります。
いきなり押し倒されて「やくわけねーだろ」はとっても説得力がありません。
調子乗るのも…でも今までも十分ひどかったんですが。
そしてまったく相手の話を聞いていない、たしかにやばい。
「最低でごめん」はかなり意外な展開です。完全な善でも悪でもない中途半端な人、というのも面白いです。
敵前逃亡…
チョコレートでポッキーゲームはたまりませんでした。
どう見てもラブラブですけど…毎回甘くて楽しいです。

月号は兎乃先生と、キスする街角。どちらも実力があり楽しみです。

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