なかよし2017年7月号感想

とても深い華やぎのあるタッチです。
3Dの付録は大胆ですね。

…そういえば最近、ホラーオムニバスがないような。見落としているだけでしょうか?

同級生に恋をした(美麻りん)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)キミと最後の初恋を(中江みかよ)ねこ色保健室(松本ひで吉)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)先輩!今から告ります(慎本真)花笑みセンチメンタル(伊藤里)いじめあいっこ(長谷垣なるみ)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)しあわせすぎる遊園地(咲夜ゆき)キスする街角(西炯子)氷山くんは家庭教師がお好き(三月トモコ)プリキュアアラモード(上北ふたご/東堂いづみ)ひよりちゃんには秘密がある!(雨玉さき)予告

同級生に恋をした
カラー扉の表現にぞくりとしました。
明るくふるまうのは見ていて痛々しくなります。
16を無理やり出す…すげえ。そして「ムリしなくていいよ」…
男の膝枕で愚痴ってるってかなりすごいながめですねえ。
女子たちの敵意がどうなるのか…リボンを奪って、それで助けようとする手を振り払って…あれ?ホラーまんがでしたっけ?
「ムリヤリもらってなにがわるいの」は何も言いようがないです。「こわくていられないの」で、拒絶できないのは…
まあ、こんなところで女の子に一人で行動させるべきじゃないですね。
「佐田くんとつきあうから」ついに出てしまった言葉と、彼の…
どこまで壊れていくんでしょう。実にいい泥沼です。

ゆずのどうぶつカルテ
ポメラニアンが小型なのにその横…どれだけかわいいながめなのやら。
複数飼育にはどんな問題が出てくるのでしょう。
手をなめているのはびくっとしました。僕の犬も、晩年はかなりおててが赤く…腹かっさばいて虹の橋で土下座したい。
しかも、下へのストレスの押しつけ…
そりゃ病気にもなりますね。致命的にならないうちに判明してよかった。
今回も実に無駄のない完成度の高さ。もっと評価されるべき作品です。

キミと最後の初恋を
小さいころはすごく活発、これがまた魅力的です。
変りはじめたときに病気…
なんて声をかけていいか、そりゃわかりませんよ。
父との電話…泣いている父に、責めるどころか…
誕生日パーティはびっくりしました。
響真くんの言葉からは、もう、見返りを求めない愛情になっているのでは…とさえ伝わってきました。
告白もしない決意…

ねこ色保健室
ええ御身分ですねえ。
セラピードッグ…たまりませんね。
いや、猫と犬で芸を比べてはいけません。
そして犬の無双ぶりが大笑い。
「ねこなど〜この世に一匹も」…何があったんでしょう。
で、盗撮で警察に…爆笑。
犬は大きくても背中に乗せる構造になっていないので、人が乗ったり物を乗せたりしてはいけません。

青葉くんに聞きたいこと
同じ部活で一か月口をきいていないとは器用なもので。
占いの館…正体は…「かっさらいたくなっちゃうな」が怖いですねえ。
執事喫茶、作者も楽しんでますねえ…
他校のガラの悪い生徒…バスケがしたいです、というセリフが条件反射的に出るのはもう年なんでしょう。
強烈な景品ですねえ。
で、お互いにえらく大胆な告白で…

先輩!今から告ります
「裸で暖めあう」…あきれてものも言えない。
フラッシュモブで一瞬意味が分かりませんでした。兄嫁に告白するのにクラス全員で協力…うわああああ、それ以上におもしろいことはこの世にありません。明日自殺すると決意していても参加するでしょう。
「ケンカするたびに「オレのほうが幸せにできた」」で完全否定はできない…情けないにもほどがあります。
肩を抱かれるのはもう…終わってますね。
そして別の意味でも…トイレ。そう、閉じ込め系パターンではそれが一番心配なんですよ常に。
最大のピンチがやってきましたね。

花笑みセンチメンタル
小さな花屋がわたしの家…手伝ってはいるけれど知識はなく、ある日男の客に「それくらいおぼえておいてください」と言われる。
悔しくて勉強を始め、相手が優等生だと知る。だが、彼も完全無欠ではなく

とんでもない完成度!
扉からある意味衝撃的な雰囲気です。これほど暗くて…
すごくやわらかな笑顔と光に満ちた感じの画面。
突然の展開も驚かされます。
「先生からの信頼も」の隣の、とんでもない表情が何となく大笑いします。
花の美しさもすごいですね。
「表情ころころかわるの」の意味も実にうまい。
甘いものにとろけきっている表情も見ていて幸せになります。
そしてこんな悩みを…
駆けつけて励ますのもすごく胸が暖かくなります。
しっかり頑張っているのも簡潔に描いて、彼も明るくなっている…どちらも成長しているのがすごく丁寧です。
それで「君ありて幸福」なんてすごい花言葉を…
そして花束…あとの展開は丸わかりでしたが、それだけに最高でした。
それにしても、約束の紙を落としていくというのは…将来思い出したら…
とにかく完成度が高く、どこもかしこも素晴らしい。
これほど成長していたとは…

いじめあいっこ
復讐するために新入生代表として…柊和喜に。
小学三年生のころ、父親が死んでいることで「かわいそうなんだ」と彼に言われたのがきっかけで、いじめの標的にされたのだ。
長期戦の復讐を考え、あえて明るく話しかける。

柔らかな緊迫感は前作の連載で磨かれぬいたのがよくわかります。
読み返せば、ストレス+好きな子ほどであることはわかりますが…やはり見ていてつらいです。
そしてみんなの輪に入ることの幸福感。
バスで寄りかかってしまうところの、肌どころか肉体の質感もさすがです。
水遊びも実に楽しい。
本当に実力は圧倒的に高いです。

黒豹と16歳
まあうまくいってよかった。
そして黒金くんとの…距離感がお見事。
衝動的、って振ったコーラは大笑いしました。
「この世のおわりのような顔」…というかずっと一緒の部屋にいて何をいまさら。
杏璃くんも風邪とは、ずいぶんと強い風邪ウィルスですね。
いま…いきなり脱ぎだし、けったいな行動…なにこのご褒美。
黒金くんの手際の良さときたら。この二人の小さいころの関係が楽しいです。
で、勘違いに便乗して好き放題…あとが大変ですね。

しあわせすぎる遊園地
男の子とつきあいはじめたけれど、手をつなぐこともない…
それで、最後に残ったカップルがたくさんあるカップルのオブジェの前で誓いを立てると、永遠に幸せになれるという遊園地でデートすることに。
レアキャラであるウサギ着ぐるみの応援もあり、手をつないだりどんどん接近していく。

強烈なきらめきがまぶしいぐらいです。
しかしこれ、ホラーだとわからずに読んでいたら最後が悲惨です。まあ扉絵の字で分かりますけど。
明るく楽しい幸せ感、不安感を落とさないのが面白いです。
…これ、普通に幸せだと思います。誰もが思います、好きな相手と心が通い合ったこの瞬間が、永遠に続きますように…
かなったら大変なのでうかつに願い事はするな、と。

キスする街角
歯磨き粉と、この寝ている女の子に何の関係が?
昼寝の最中にキス…うわああ。
というか、単なる犯罪ですって。強制わいせつ罪。
レスリング部ってこれ以上ないほど体力的には高いですよねえ。男子のほとんどより体力が上の女子…
いきなり美人になってしまう…
それで「三人のうちだれだと思う?」と…相変わらずあほな。というか猫を投げるのは危ないですよ。猫が。
この二人の会話は実に抜けています。いきなりケンカがエスカレートするのも。
で、消しゴムを投げてから「ちょっとからかってただけだって」…まったく。
「新しい星を見つけておまえの名まえをつけようと」は爆発的でした。そこまでする男なんて…
前回とは大きく趣を変えた、完全正統派ど真ん中剛速球。堪能しました。

氷山くんは家庭教師がお好き
扉の印象がすごいですね。ものすごくきれいで色気も強い。
冒頭の思わせぶりはお約束です。
内心のためなら家庭教師の仕事のうちですね。
大胆な水着、強烈なウェストの細さ。
普通は、男は女の裸を見たがるけれど女は男の裸を見たがらない、と言いますけどねえ…
アキちゃんとの比較が僕にはいい読者サービスになってくれます。
体の前面が丸見え、というのは女心ですね。
水着がはじけて抱きしめる、というのはビキニだけでなくこういう水着でもありなんですね。
優しい言葉、ものすごい抱擁感です。
そしてビキニに戻してからの色気はすさまじいほどですね。

プリキュアアラモード
七夕まつり…お疲れ様。
和太鼓とエレキギターというのは面白い組み合わせですね。どんな音になるのやら。
全部作る、って無茶な話ですが…
実に幸福感にあふれた話でした。

ひよりちゃんには秘密がある!
小さいころ、「ひよりにふさわしい男になってぜったいもどってくるから」と誓ってくれた湊くん。
でもなぜか現在、ひよりちゃんは学校で化粧するギャル軍団の一人になっていた。
そこに転校で戻ってきたのが、まさしく王子様のようになった湊くん…
それで髪を黒く直して声をかけたら、優しく抱きしめられた。

デビューからいきなり…増刊がないのが悪いんや。
扉からとにかく胸に目が行く、ネクタイを利用したあざとさが強烈です。
冒頭の小さいころから、抱きしめるという大胆な行動…
で、今は…なにこれ。でも湊くんのことは今も好き、というのが面白いです。
そしてまさに王子様…と思ったら何この反応。笑うしかないです。
で、翌日…高性能な髪染めもあるんですねえ。昨日気づかなかったくせになんだこの反応は、と蹴とばしたくなります。まして抱きしめるなんて…
なにかというとスマホで写真を撮るのが面白いですね。
すごいノートには大笑いしました。
そして二人とも意識しまくりの初々しさ、たまりません。
ギャルだったらガッツリ成敗、って…これまで痛い目に合っていなければいいんですが。
彼の強さも、何をして鍛えてきたんでしょう。と思ったら「バカひより!」…幼稚園のころのままなんですね、彼の中では。
告白してきた女の子に、ギャルだと暴かれてしまった…なぜこの写真を持っているのやら。写真を撮るほど仲のいい女の子をこうして裏切るとは恐ろしい。
ギャルの友達がここでしっかり動き出したのが楽しいです。
しっかり前の姿で…というか髪染料がすごい。あと先生涙目でしょうね…
そしていろいろ言いながら写真を撮っているギャル友たち…
ぎゅっと抱きしめての甘い二人、ひたすら写真を撮りまくるギャル友…というか見られているのにキスまで。
甘みがかなり突き抜けている、完成度も高く素敵な作品でした。

来月号は出口ゼロの番外編、でもあれに番外編の余地ってあるでしょうか。
あやあや先生の新連載、瑞樹先生の読み切りと実に豪華。

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