なかよし2016年10月号感想

表紙はすごいですね。圧倒的な色香。
付録もかなり迫力があるものです。

記事作成のためホラーオムニバス、「学校には霊がいる」を読みましたが、二作品は再録です。
それもレギュラーの美麻先生と、連載経験がある渡辺留衣先生。
何が起きているのですか?

原稿を落とした、という可能性もありますが、一つならともかく二つはないでしょう。

まず考えられる理由は、「新人作品では売れない、と骨の髄までわかってる」。
ですが、それならレギュラーから新しい原稿を取ってくればいいのです。「なかよし」の増刊があったころも、「ちゃお」「りぼん」の増刊でもレギュラーにいろいろ描かせるのは普通のことです。

別の恐ろしすぎる理由…
「編集部に新しい原稿を取ってくる能力がまったくない」
…生産能力そのものを失ってしまってるのでは?内情はわかりませんが、過剰な人員削減とか、会議ばかりで仕事をする暇がまったくないとか。

オムニバスが増刊のかわりで、それ以外新人作家には出る機会が事実上ないんですよ?それを再録?
ただでさえ、スーパーノヴァやピクシブで新人賞が増えすぎている状態なのに、さらに出る機会を減らす?

終わってます。この状況の方がよっぽどホラーです。

初恋はじめました。(山田デイジー)同級生に恋をした(美麻りん)カードキャプターさくら(CLAMP)小学生のヒミツ(中江みかよ)魔法つかいプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)花と忍び(長谷垣なるみ)青葉くんに聞きたいこと(遠山えま)マホタン(伊咲ウタ)ゆずのどうぶつカルテ(伊藤みんご)さばげぶっ!(松本ひで吉)黒豹と16歳(鳥海ペドロ)きみスタ!(うさぎ恵美)予告

初恋はじめました。
図書館の人の親切がすごく印象深いシーンです。よほどひどい状態なんでしょうね。
「あなたは意外と律儀でやさしいのね」という言葉、余裕ありすぎでしょう。
で、「ほんとうに真山くんのことが好きなのね」…あ、腐女子さまでしたか?
母親もすごく冷静で包容力豊かな人です。とおもったらこの大のろけ大会…
彼からの電話、それでもとことん穏やかに…周囲がいい人ばかりだからこそでしょうね。
すごく穏やかな緊迫感です。
いきなり運動シーンになるのが強烈でした。これまでの静が、この一瞬の動のためだったとは…
手の感触から、別れ話だと察してしまい、それを受け入れてしまう…
留学、愛しているからこそ相手を縛るようなことは言えない…そのための別れ話?
ものすごく強い決意の目です。
あの過剰なぶっきらぼうさは、自分には権利はないと思ったから?
彼女の、女神じゃないかと思うような包容力…
「ふさわしい男になって」は言うべき言葉じゃなかったかもしれませんね。彼女を縛りたくないのなら…
ここからどうなるのかがまったくわからない、すごく怖い作品です。
少なくとも、昔の山田先生の連載とはまったく違うのはほっとしました。とんでもなくしっとりと、丁寧に心情を積み重ねています。

同級生に恋をした
よっぽどひどい思い出なんでしょうね…
二人で八時間…男にとってむしろ過酷な課題になってきてますよ。
統計の「その他」がとても気になります。あと「二人でたのしめること」も。
トイレを察して連れ出してくれるってどんな神ですか。
経過観察隊、ってやってることはのぞきなのにそれらしい名をつけるものです。
マカロン、で自分は行きたいけれど、彼にとってはと思いやる…彼に思いやりが通じているかどうか。
広場でのトラブルは面白い展開ですね。
昔の自分…うわあ。
で、特訓…体育会系の彼には合う展開ですね。
すっかり会話も平気になって、打ち解けきってますね。
そして最後に、満員電車サービスとは。そしてかなり濃厚…たまりません。
と思ったら、なぜこんなとんでもない展開に…本当に楽しみな作品になったもので。

カードキャプターさくら
こういう、可愛らしい半ちびキャラも「さくら」の楽しみの一つ。
作り方もわかりやすくて、本当に楽しそうです。洗い物の数を計算する自分が嫌になりますが。
不安はあるけれど、こういう支えもあるんですね。
ずっとぬいぐるみのふり…必要なんでしょうかこのメンバー相手に。
いつも通りの撮影会のはずが、突然、周囲の世界が変わる…この変化も絶妙。
エリオルは、連絡しないのは時を待っている?どんな時でしょう。
風船から針、そして呪文…静かですが迫力があり、楽しいカード狩りです。
固着、包囲…どんな共通点があるのでしょうね。

小学生のヒミツ
視力が落ちた、ならメガネやコンタクト…
小学生男子のあほないたずら、「好きだからってあんまりいじめないでよねっ」からのお約束な言葉…
眼鏡をかけて、周りがよく見えるときの幸福感はたまりませんね。
からかわれての反応…そりゃこうなりますよね。
そして周囲に負担をかけてしまう、でも恥ずかしい…どうすればいいんでしょう。
母親の忠告はいいんですけど、難しいのが…子供集団の空気がどう動くかわからないことです。
単なる自意識過剰と、死に至る魔女判決の差が、あまりにも極薄の紙一重なんです。
なかなおりの、派手な表現のわかりやすさ…
そして二人で眼鏡をかけてくる、というのも素敵でした。だてメガネが校則上どうなのかは知りませんが。
彼の告白は強烈でした。いろいろ終わってるほどに。
ストレートなメッセージとわかりやすい内容、本当に素晴らしい作品です。

魔法つかいプリキュア!
いよいよ…成長しすぎでしょう。
勧誘合戦も楽しいです。
そして倒れて、思いがけない決意…いや、伝説的な「セレ部」の名を思い出してしまうんですが…

出口ゼロ
いきなり「いっしょにいてええ」とホラー漫画に。
ライトやスプリンクラーを月や雨に変える、ものすごいですね。
兄、ってまたすごいことに…
すべての真実とか、死亡フラグの塊ですね。
仲間のピンチに駆けつける…華やかなシーンも死亡フラグに見えてしまうんですよねえ。
しっかり待っててくれる人がいましたね。魅せてくれます。

花と忍び
毎日襲われてるなら学校行くだけでコラテラルダメージが増えそうなんですが。
なんというか優秀ですね、敵も。
…いや、町ごと核爆弾で消し飛ばすぐらいのことは?
カップルコンテスト…そりゃもう、狙撃してくださいといわんばかりですね。
いきなり出る気に、さてどこの忍びなのやら美羽さん。
障害物競走とか、密着する競技ばかり…いやーこれは楽しい。
どんどんすれ違っていくのが見ていてとても楽しいです。
やっぱり忍びはともかく男というのは…油断も隙もない。
一カ月以内…さてどうやるんでしょう。

青葉くんに聞きたいこと
全国優勝で辞める、ってかっこいいですけど金銭含めた義理考えると相当きついですよね。
遠征費の寄付もえらい額でしょう。
「きょうだけは勝利を祝して遊びつくしてよし」…物わかりのいいコーチですねえ。
で、海といっても五月はきついですねえ。
そして女子二人、スタイルがすごすぎる…
たのみごとも聞いてくれる、って絶対仕事からはみ出てます。
「笑顔になってくれるなら」「なんでさっきから泣いてるの?」は見事ですね。
そしていきなり尚くんとつきあうことに、って逆ハーレムの野望はどうなるんですか?

マホタン
どんどん絵が崩れてるというかすごいことになってます。
語りたい…そりゃそうなりますよね。
いきなり追いかけっこ、しかも王様…
さらわれて、膨大な本、それも焚書で失われた本…いやもう本オタにとっては天国を通り越しています。
男たちは元気ですね。
どーだっていい…いや、もっとひどい王様はいくらでもいますから。すべてを自分の思い通りにしたいとか。本気で神さまのために全世界を完全にしたいとか。限度を超えた欲望を満たしたいとか。ええ、そういう連中よりよーっぽどましですとも…
人魚姫のナイフで世界を切り裂き、彼女を助け出す…ここは華やかでした。
ランプを手に入れて、周囲の人が変わってしまう…これは怖いですね。
オチも平和でした…結局アリスくんはこっちに定住するんでしょうか。寿命とかどうするんでしょう。
短かったのは残念ですよ、質はすごく高い作品だったのに。でもすごく楽しめました。

ゆずのどうぶつカルテ
絵のかわいらしさが爆発してますね。
隣のクラスにアイドル…しかも犬と一緒に活動している、大変なことになりそうです。
犬のかわいらしさがまたすごい。
アイドルオーラでソラちゃんを圧倒しているのが楽しいです。
脱毛症…そして想像以上に重い病気ですね。
怒鳴り合って病院を変えられてしまう、というのは医師本人も反省してしまう対応でしょうね。結果的に患畜を不幸にしてしまうかもしれないのですから。
偽物、これがばれた時のダメージは大きいですよね…
あえて告白して謝る、まあうまくいってよかったです。
ものすごく深刻な話で、それでいて優しい終わり方にする…実力があるからこそですね。

さばげぶっ!
12巻…かなりの長期連載ですよねえ。
ものすごくやばいことになっているかよちゃん、その事情が笑いました。
笑顔ならマヤさんはプロですよね。
表情筋を電気刺激、さらに巨大電気ウナギ…オチは、オチは?
恐怖に直面した時の笑顔…
と思ったらひたすら人情で押し切りましたか。みんなを犠牲にして…

約二名が思い切り焼けてるのが見ていて楽しいです。
「こいつが想像以上にクズだってことに」…これほどつきあい長いのに、そんなことも知らなかったとは。
全国でリサーチし、衆知を集めて…うん、もう「宿題を自動的に終わらせるソフト」できそう。いや、ホラーオムニバスじゃなくて。悪魔アプリにあってもおかしくないですが。
先生の苦労は想像を絶しますね。…僕が担当した苦労はどれぐらいだったのか…ほんとあのとき死んだのが僕だったらたくさんの人が楽をしたでしょうねえ。
汚い消しゴム、というのは恐ろしい発想です。
入院の噂なんて、普通に流してもこうなるでしょう。

黒豹と16歳
悪夢はいいんですが普通はそうなりますよねえ。
布団の中には裸の彼がいますし、もっとすごい状況です。
ぜんぜん命令を聞かないペット…
チワワの目は呆れてものも言えないとしか。
いきなり「オレをなぐれ」はびっくりしますよねえ。
いいわけというか薬なんですが。
いきなり教室に閉じ込める…というか40キロのバーベルを平気でいくつも運んでくるって、大変だったでしょう。というか床が傷つくのでよい子の読者は真似をしないように。
で、どこから顔を出してるんですか…
ピアノ…まあこれだけの美形なら弾けますよね。でもペット生活で練習してなければ腕は落ちるのでは?
ぎゅっと抱きしめて手に入れる宣言、というか朝帰りの言い訳はどうするんでしょうねえ。

きみスタ!
乙羽ちゃん(高一)には、五年間ずっと応援しているアイドルがいる。最近人気が出てきたようで、チケットも取りにくくなっている。
ある日、学校の人気男子二人に、「プロデューサーになってください」と言われる。要するにスクールアイドルをやりたいとか。
そして真剣に、体力つくりから始め、バイト先の商店街で、昔はステージでの客寄せきぐるみショーもあった、という話を聞く。
だが、突然応援してきたアイドルが引退し、何もかもを投げだしてしまい…

何の話だろう、と思わせる扉、どうしようもないアイドルファン…
読み返すとはっきりわかる、ふ、とみる男子の視線がいい伏線です。
そして二人の男子に、いきなり話しかけられる…要するにスクールアイドルのP。
「わたし好みのアイドル」。うん、これは全国乙女の夢です。
きつい運動、でもそれでやめたといわない二人も相当なものです。
あこがれのアイドルの言葉を口にする表情の輝いてること!
とりえがない、漠然と生きていた…男の子の側の心理をしっかり描いているのがいいですね。
そして、ステージがあったことを知り、本格的に動き出す…と思った、そこでライブに行って、そこで引退…
それっきり、アイドル部もバイトも…その極端な落差が、むしろ大胆な展開です。
何をしてもなにもない自分…まあ僕がいれば、確実にその穴を埋める方法は知っていますが。宝塚に誘う。…完全に人生終わりますけど。
ここで強引な呼び出しから、本当に公演をやってのける二人…すごく華やかなステージシーン。
すごく幸せな終わり方、最後のページが素晴らしい。ものすごくしっかりと磨かれてます。
実力はすごく高く、題材も面白いです。次回作が本当に楽しみです。

た覚えがない名前のタイアップ新連載…新人賞デビュー生を粗末にするのもいい加減にを通り越してます…
まあ、読み切りが二つあるのはありがたいのですが。

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