なかよし2015年6月号感想

表紙の何とも言えない暖かさと柔らかみ、印象はやはり強いです。

総選挙で、具体的な投票数もなく全部復刊…投票の意味がないですよ。
逆に、今回の総選挙に出ていない傑作を復刊してもらう方法もありません。

最近終わる作品が多いですが、その代りにどんな作品が出てくるか…

ぱらぱらめくっていて「猫田のことが気になって仕方ない。」が出てきたのはびっくりしました。四社合同企画、ね…あ、「つばさとホタル」も。

初恋はじめました。(山田デイジー)わたしに××しなさい!(遠山えま)FAIRY TAILブルー・ミストラル(渡辺留衣)さばげぶっ!(松本ひで吉)伯爵さまは甘い夜がお好き(フクシマハルカ)ピンポンドライブ!(吉田はるゆき)小学生のヒミツ(中江みかよ)嘘つき王子とニセモノ彼女(美麻りん)プリンセスプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)きぐるみ防衛隊(星野リリィ)2.5次元彼氏(あおいみつ)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)恋と軍艦(西炯子)利根川りりかの実験室(長谷垣なるみ)雨空のち君のそら(立樹まや)予告

初恋はじめました。
冒頭から「いやはじまるわけないから」と、かましてくれるものです。かなりしつこいまでに少女まんがのヒロインと自覚してる発言が続いて苦笑します。
「かんちがいしないでよね」とか墓穴ですよそれ。
ハト状態なのは、そりゃそうだとしか言いようがありません。
「たぶん逆効果だよ」って、人間わかってますね。
犬になってるのが苦笑します。
あの子じゃない、ってどんな超美少女が出てくるのか期待してしまう…あ、ライバル登場というわけじゃないですか。でもすごく素敵な子ですが。
仕事はえらくきっちりやりますね。厳しいですが。
「マネージャーやらない?」「イヤです」…これだけ有能なのにもったいない。
野村さん、すごく地味ですがよく動いています。こういうところが本当にうまいんですよね。
わかりやすい悪人が出てくるのもうまいです。わかりやすく話が進んでいくこの安心感…
「いってきます」の迫力ときたら。
「市民に支持されなかった王様」…でも、歴史上の革命は単純な勧善懲悪なんてないに等しいですけど。
…まあ、怪我がなくてなによりでした。それをしなくても十分楽しませる自信があるからですし、実際楽しめました。卓越した表現力・構成力があるからこそ、です。

わたしに××しなさい!
…なぜ口うつしで?
「あなたでもゆるさない」という言葉…この父親も、そういう若い頃があったのかも…いや、ありませんね。こんな腰抜かしたりして。
現実の世界など何も知らないでいられた、真実生きたことなど一瞬もない幸せな人間なんでしょう。
メールは晶くん…しかも「水野さんに告白されてつきあうことになったんだ」…え、結局マミちゃんをこいつに…
え?え?と疑問符で頭がはちきれそうになります。
あんなに、あんなに晶くんとマミちゃんが幸せになるのが待ち遠しかったのに。
再開とキスはさすがに見事なメロディですが。

FAIRY TAILブルー・ミストラル
にぎやかで平和ですねえ。
人をさらう竜、また変な事件が起きましたね。
今度は男装して…しかしこの靴、この世界にはゴムがあるんですね。ということはどこかの熱帯雨林地域のゴム園で子供奴隷が悲惨な重労働をしているんですね。まあ、タンポポの白汁からもゴムはとれます…ものすごく効率が悪いですが。
男装というのも楽しそうです。女の子にはどれぐらい男装願望あるんでしょう…宝塚の競争率が答えかも。
男にはそれほど女装願望はありません。
「なにが天使よ」…ビオラさまとシャルルは知り合いでしょうか。
…男装していて風呂はどうしたんでしょう。
警備兵に入る展開はすごく熱かったです。魔法を使ってもまだ勝てないとは…根性が熱い。
妖精の尻尾なのがばれていて、それがどうこれからにかかわってくるか、楽しみですね。

さばげぶっ!
「ウンコもおしっこも」「リセットボタン」…そんなふうに思われているんでしょうね。
ネコベッドより箱の方がいい、というのは猫ですねえ。
「よし、さがした!」がひでえ。
豪快な投げっぱなしオチは最高でした。

呪い…夢企画から、変な出張ですね。
塩鮭を顔に貼りつけられるのは爆笑。…鮭って霊力ありましたっけ。位の高い贈答品ですから、ある程度霊力もあるでしょうが…
首が360度とか、「エクソシスト」は最近リメイクされましたっけ?
ウェイトレスの目には何が見えているのやら…というか寺でどうにかなるんでしょうか?

伯爵さまは甘い夜がお好き
あっさり正体をばらしましたね。
「のえるにさわるな」と、こういうところはカッコいいんですが…
上野動物園…というか今言ってもよさそうですね。最新の動物園は、僕には想像もできないものになっているでしょう。
動物園学の進歩がどんなにすごいか、ですよね…昔の動物園に文句が言えるのは。
クルミをどうするのかも興味深いです。
馬の前に乗るのも、これはこれで本当はかなり技術が必要な気が…
トッピング、ってこの時代ホワイトチョコは入手できたでしょうか?それ以前に固形チョコレート何年でしたっけ。
パンダ…夢のまた夢にもほどがあります。というか歴史を知らないにもほどが…
くるみ…アレルギー?手のこんだ陰謀ですこと。
撫子さん、ここでとことん率直に…
解決策はあるんですけどね。腕のいいパティシエとしての仕事を見つけるという…撫子さんがそちらに動けば、可能なのでは?

ピンポンドライブ!
別館…確かに素敵なところですね。
「ダブルス組む気はまったくない」いきなり変なこだわりが出てきましたね。
落ちてきたのをとっさに打ち返す反射神経、才能はやはりある…といっても問題は基礎体力。
「相手が打ってから目で見て弾を返すのは理論上不可能」…どうやって卓球という競技ができているんでしょう。
まあ、確か野球も考える時間はないらしいですが。
あっさり入れてもらえましたが、何より基礎体力と、そして男の中で暮らすという問題…
とことんスタンダードで、絵もどんどん洗練されています。連載は作家をめちゃくちゃ成長させますからね。

小学生のヒミツ
片思いなのに、「なかいいんだよー」とからかわれて「うらやましがってんじゃねーよ」と言ってくれる男の子…貴重ですね。
ぶりこ流、ってえらくベタな…そして有効なことを。
はっきりした目標があるの、素敵ですね。
練習を家でやるというのもすごくいいです。
そして、先生の見回りでベッドイン(寝袋ですが)という必殺パターン。ベタっていいなあ。
ぶりこちゃん、本当にはぐれたのか、それとも…
新くんが迷ってるのは笑うしかないです。
すごく楽しみにさせてくれる作品です。

嘘つき王子とニセモノ彼女
みんな、海老原くんにはあまり警戒していないんでしょうか。
僕も小学生時代は喘息がありました。中学以来完治しましたが。
家でなく学校の保健室にでも連れていけばよかったのに…
ベッドに引きずり込まれているところを見られる…さて、どんな反応を示すか…こうきましたか。
で、「さっさと追いだせ」って、それができるなら苦労しないです。自分で対処しないのが間違ってます。
このみさんも、流凪ちゃんには対処できない人間だとわからないのでしょうか。
結局弱み握られてますし…完全に海老原くんのほうが上手ですね。

プリンセスプリキュア!
女子寮祭…優雅ですね。
ここまで無理に殻を割ろうとするのは、下手をすると無麻酔手術同様残酷で患者を殺すだけになる可能性も…

きぐるみ防衛隊
しかし簡潔なアクションシーンです。
いきなりのとんでもない変身、ステッキまで出てくるとか…
心臓に突き刺さる槍の描写が妙にエロティックなの、わかってますねえ。
結局何がどうなったんでしょう。

2.5次元彼氏
つきあうことがわからない…楽しいところから始まりますねえ。
当日、どこに連れていってくれるのやら。
時代村、それはそれで楽しそうです。
手をつなぐのがドキドキしてしまう…というか、嫌悪感がないという時点ですごく好きなんでしょうね。
「アレはよくしっている」…お仲間ですね。
真剣体験で看板を斬ってしまう、これ現実には警察沙汰…この時代村の存続にかかわる事態ですよ。
斬られてしまう、ってそれ殺人ですが。
そしてそれでも、すぐ帰るのではなくイベント参加を選ぶとは…筋金が入ってますね。
「かくしごとをしたくない」…なんというか、誠実はいいんですが…それが悪い方向に行った時の罪悪感が心配になります。
そして、別に好きな人がいると…誤解というか正解というか…次元の間違い。そう、次元をミスするのは物理学では致命的です。常に次元解析で検算しろ、は鉄則です。
あくまで優しくしてくれる…別の人が好きと誤解しても。
胸にしみいるようなやさしさ、それでもトッキーには夢中になってしまう…
そしてついに、告白して…どんなことになるんでしょう。
使われている技法の、正統派少女マンガとしての質の高さが実にすごいです。

出口ゼロ
咲良くんと怜士くんの再会、えらく熱かったですね。
罠がある、とだけ示して本番は次回…うまく盛り上げてくれます。
いい心理学の勉強になるといいのですが。

恋と軍艦
崩れそうな家…こういうケース、実際多いです。
災害時には信じられないほど愚かなことをする人も、かなりいるそうです。判断力が低下し、凍り付いてしまう人もいます。だからこそ、訓練が必要なんですよ。
「よかった無事で」は頭を抱えるしかないですね。
どっちかが出れば片方がつぶれる…そこらのがれきを突っ込んで支えるとか、車のジャッキとか、上の家具を破壊するとか…
町長、結局行ってしまいましたか。
入市さんのメッセージがまた見事。
「いつかそんな人に」は大爆笑しました。ここまでやってもまだ…
お疲れ様、といいたいところですが、すごくうれしい外伝。
実に楽しみです。

利根川りりかの実験室
「りりかは死んだ」…これはこれでショックです。
「オレも史実のアルキメデスではない」とか、今更すごいこと…というか「たくされた」…どんな会話があったのやら。
両方何千年も時の旅をしていた、それ自体すごいスケールですね。
どちらの目にも、自分が映っていない…胸の苦しみをうまく伝えてくれます。
再会はできてよかったのですが、そして未来はどうなるのか…
科学の楽しさを伝えよう、という意欲は伝わってきます。
次回作でもっと、それを前面に出してほしいですね。「発明発見物語」「栄光なき天才たち」系の話でもいいですし…
科学をテーマにして、うまく作品が作れればいいのですが。
次回作がすごく楽しみです。

雨空のち君のそら
熱心な女子ソフトボール部員の剛田そらちゃんは、泣いていたとき見ず知らずなのに無言で助けてくれた北高の制服の男の子が気になっている。
でも女らしさとは程遠い自分を思えば、とてもアタックなんてできない。
ある日友達が、別の学校の制服やウイッグを持ってきて変身させてくれた。さらに例の彼の隣に座ってしまい、寝て寄りかかってしまった彼は謝った上に自己紹介して家まで送ってくれることに…
静画の投票一位でしたか…納得です。すさまじいまでの質の高さでしたから。
剛田って、結構強烈な苗字です。本当は日本で最も有名な苗字の一つ…ジャイアンの本名。…考えてみると野比、骨川、源、出木杉…
冒頭、これは惚れますよねえ。
女らしくないところを描写するところの崩れた絵、実に楽しいです。こういうところがしっかりできるのが実力ですよね。
変身したそらちゃんのギャップがすごいです。
「男子がやさしい」の、ベルばら絵が強烈でした。
隣に座って、寄りかかってきて…追いかけて謝って、自己紹介して送るとか…相手がかわいい女の子でなくても同じことをしたんでしょうか…
肉まんでの穏やかな交流がすごく素敵です。互いにすごく心を開いてる、という感じで。人間にとって、一緒に食事をするって本当に大切なことだとよくわかります。
「また会えたときは」…すごく勇気出しましたね。
そして、彼に話しかけていいのは変身した自分だと気づいてしまう…ここのせつなさもうまく描かれてます。
また変装して会って、そのときに「話してみたい子がいる」、もうこれは怪盗ものと同じ構造…たまりませんね。
本で「いかがわしいのじゃないよっ」がアクセントの笑いになります。
車からかばって抱きしめて、その時の彼の表情…彼の立場で読み返すと笑うしかないです。自分は何を考えてるんだ、なんて浮気者だ、と。
それでウィッグを脱いで自分を見せる…
失恋パーティーって、みんなに話したんですね…いい仲間ですこと。
「いい天気」の表現がまたすごい。
そして彼が来てくれる、本もソフトボールの本…わかっていてもすごいクライマックス。
ラブシーンの熱さも強烈です。
これこそ少女まんが、としか言いようがない完成度の高さ。なんてぶっちぎった実力。これからの再登場も楽しみでなりません。

月号は桜沢先生の静画作品…というかあのコンテスト、連載コンテストじゃなくてなんで読み切りそのものを?
質の高い作品なのでいいのですが、僕はとっくに読んでるんです。
まあ、作品そのものは素晴らしいので…
で、いくつも主力作品が終わりますが、新連載がなかなかないですね。どこから新連載ラッシュになってくれるのか…

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