なかよし2014年10月号感想

表紙のかわいらしさは圧倒的です。
付録はすごいのですが、表紙の見栄えが少し弱いかも。

いろいろとショートがあるのがうれしいですね。
英語をテーマにするのは今の子にはすごく重大でしょう。

ナフタレン水嶋先生からゆみみ先生に四コマ枠が引き継がれたのがうれしいです。これからも絶やさないでいてほしいですね。そのためには新人賞でも四コマ…
道ははるか果てしないです。
作品そのものも面白くてほっこりする、とてもいい作品です。本当に「なかよし」はどれだけ優れた作家を無駄にしてきたやら…増刊がないせいで。

恋するふたごとメガネのブルー(山田デイジー)守りたい(山田デイジー)嘘つき王子とコウモリ彼女(美麻りん)わたしに××しなさい!(遠山えま)FAIRY TAILブルー・ミストラル(渡辺留衣)小学生のヒミツ(中江みかよ)さばげぶっ!(松本ひで吉)恋と軍艦(西炯子)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)ハピネスチャージプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)わたしたちのステージ!(桜沢きゆ)少女結晶ココロジカル(高岡しゆ)クギ子ちゃんがいる!(PEACH-PIT)利根川りりかの実験室(長谷垣なるみ)百鬼恋乱(鳥海ペドロ)ムスビガミ(茶武島イチ)予告

恋するふたごとメガネのブルー
ここを目撃されているというのは絶望の一言。しかしカメラワークうまいなあ。
さくらちゃんが「かんたんに好きとか使っちゃダメ」と逃げに入る…まあしょうがないですけどため息が出ます。
それで有永くんの腕にしがみつくの、彼の気持ちになると胸が痛みます。彼の忍耐力ってどれぐらい深いんでしょう。
走って帰ることを選ぶさくらちゃん、やっぱりいい子ですよね。
有永くんの三択…よくそこまで自分を客観的に見ることができますね。
「いまごろ好きって気づくなんて」…アホにもほどがあります。
かんがえないんだから、って人間にできることとできないことを知らなさすぎます。
ももちゃんが、無理に有永くんとつきあっているさくらちゃんを心配するのも切ないです。それにここの二人の表情がすごく素敵。
そしてフジタくん、なんでわざわざ名前で?51点分間違えればいいじゃないですか。
「はじめてつきあうからわかんないけど有永は最高の彼氏だよ」…なんという残酷な女でしょう。
どうしてもいつも通りのケンカ友達になってしまう…どうしようもないですね。
「仲直りしねぇ」は有永にかわってぶん殴りたくなりました。ダンベル握ったまま。
「オレがいなければハッピーエンド」って、客観的にもほどがあります。いやももちゃんが悲しみますから…
さて、どう動くやら。僕は心から有永くんを応援します。

守りたい
スクールカースト、という言葉がぽんと出てくる…今の小中学生にどれぐらい普及しているのでしょう。
練習なのかいじめなのか…どうするのが正しい練習なんでしょうね。
準備時間が長ければ基礎体力をじっくりつけ、基本を徹底的にやればそれなりに向上するでしょう。
でも短い時間なら…ごくわずかな動き、一番多いパターンだけを徹底して反復練習させ、一つだけできることがある部品にする…ちゃんと説明して?それはそれで非難されそうです。
少しずつうまくなっている、と本人がいじめと思っていないうちは…
靴ひもを切ったのは…雪乃ちゃん?
ただ、それからの言動は明らかに暴力ですね。
それでかすみちゃんを守るために通報したら、殺人と同等の巨大な社会的制裁…
ただ、片山さんは反省していないですね、明らかに。そして彼女も、家族の中では弱い存在で、「完璧でなければ存在する価値はない」という価値観は家族に叩き込まれたもの…
非常に考えさせられる作品です。
いじめは悪いけれど、魔女裁判はもっと悪い…というかいじめそのものが魔女裁判、ではどうすればいいのか…
正義そのものが恐ろしい、だが正義がなくひたすら虐待される状態が正しいわけはない…
答えのない問いを考えさせるとは、作家としての力量の高さはさすがです。

あと、この作品の次に「わんころべえ」を置いてくれた編集の配慮には感謝します。

嘘つき王子とコウモリ彼女
ルナフィルターで王子さまお姫様を想像してなんか喜んでる…そうなりますよね。
やはり「ニセカノ」は必要…二人とも魅力的すぎで…
ホンモノの前で、と思ったらそりゃプレッシャー倍増ですよね。
リビングのカメラ、もうプライバシーも何もないですね。
また王子さまお姫様で想像しているのは大笑いしました。
キューピッドをしようとしていてもカップルイベントがついてくるのは苦笑します。
「一人にしてわるかったな」はおいしすぎます。
ついに涙が出てくるところ、いきなり少女漫画度が爆発的に上がって、ギャップで酔いました。
と思ったらいきなり服を脱がせるとか…もう少女漫画度を自由自在に制御してますね。
そして浴衣姿、それでラブラブ動画を撮影すると…
「ありがとう」の表情は反則です。崩れ死にました。
それでどんな話があるのでしょう…あ、腐ったみなさん、期待しちゃダメだと思いますよ。

わたしに××しなさい!
なんという状況でしょうね。
そしてこの状況でラブラブしている、というのは苦笑しますね。
打倒氷雨大作戦…まあ脅迫には相互確証破壊が基本ですね。…ならマミちゃんから聞き出すのが一番いいと思いますけど。晶くん経由で(鬼畜)。
インストラクション、っていつからこれ、「出口ゼロ」になったんでしょう。ポイントは?レディ・クィーンはどこに体張って待機してますか?
そういえば、今晶くんとマミちゃんどうしてるんでしょうねえ…

FAIRY TAILブルー・ミストラル
魔法一発で着替え、って便利ですね。ひょっとして風呂とシャンプーと化粧もコミ?
シャルルの情報整理、すごく丁寧ですね。一番優秀かも。
シュウさんとの接近も不安にさせますね。風景描写とかすごくうまいです。
そして、果たし状からいろいろ話してウェンディちゃんとヨシノちゃんの友情が深まるのもすごくうまい。
この手紙は誰が書いたのか、そしてどんなことになるのか…
やっぱりすごく面白くなっています。

小学生のヒミツ
いきなり同性愛…結構大胆ですね。
唇じゃなくて頬、というのが抑制されてますね。どれほど勇気が必要でしょうか、この告白…女の子が男の子に告白するより百倍勇気が必要でしょう。
あ、じょうだんでしたか。さらに翌日、男の子を見ているれいちゃん…
「告るときの予行練習」ひでえ。
カミソリ禁止とか、「めちゃモテ委員長」要素があるのもいいですね。
で、こっちは本当に…まあこれはれいちゃんの自業自得です。
母親の暖かさがすごく素敵でした。こう、なんでもなく答えられるまでどれほど悩み苦しんだことか…
さて、どうなるんでしょうね。
れいちゃんもすごくまっすぐな子ですけど…本当に不安定な年代です。

さばげぶっ!
アニメ、想像以上の大人気だそうで…
「わたしに気があるのはわかるけどそーゆーからみ方はやめてくれる?」はうまいですね。
恋話をしに高校生のところに来る、って本当に友達いないんですね、この子。というか人選が間違ってます。誰であろうと彼女たちより間違った選択ではありません。
ももかちゃんの腹グロゲスはさすがですが、泣くのは自分なんですけどね。
僕もウニは食べません。イクラと交換します。
わさびで死んでるももかちゃんの顔芸がすごい。
そしてホラー映画も平気とは、おそろしい小学生…
で、「女の子の「かわいげ」に惹かれる」とか、さすが自己正統化はプロ。
と思ったら「カレシってどんな人なのかしら」…ああ、ピンが抜かれた手榴弾が足元に転がっているような絶望感。
部長を男装させて、って彼女も思いつくとは…そして唯一呼べるのは…お気の毒に。

ファミレス…知らなさ過ぎます。と言っても僕も四十年で確か三回しか入ったことがありません。
恥ずかしい名前のサラダが普通の名前で復唱される、これは切れますよね。
連射につきあう店員、暇なんですね…
パンケーキに顔描いて切れないとか、彼女だけ正直…この漫画には浮いてますよね…
本当に家族になってしまう茶番は苦笑するしかないです。
まあ楽しめたようでよかった…

恋と軍艦
あ、そういえばこの作品の舞台って港町でしたっけ。
「住民の反感を買うだけだよ」って当然ですよね。というかそれならそれで、町民の大人に引き継がせることも容易です。
あわてるな、といわれても動いてしまうバカはどこにでも必ずいるんですよね。
先のこともちゃんと考えている陽くんが一枚上手ですね。
それで香菜ちゃんがドキドキするの、すごくうれしいです。当たり前といえば当たり前です、こんな優れた人間、中学生どころか大人でも万人に一人です。
「あいつがホントにやると決めたときははるかにエゲツない手を使う」…わかっていすぎますね。大笑いしました。
そして、この情けないバレかたときたら…大人ってバカなんです。
そしてバカが転んだ時は、もっと信じられないことに…さて、どの程度のことになるのやら。まあ、大物が二人いますからどうにかなるでしょう。

出口ゼロ
「わたしはもうここでおわりでいい」…疲れたんでしょうか。
玲士くんが追放を使ったのもせめてものやさしさでしょうか。
レディ・クィーン…さすがです。このメイクに何時間かけたんでしょう。
みんないっしょに一位でゴール…ハンターハンターのハンター試験を思い出しますね。
長い道と短い道、多数決で無数の武器…争うのではなく、長い道から短い道にトンネルを、武器を土木工具として用いて…
さて、そううまくいく作品でしょうか。

ハピネスチャージプリキュア!
昔はプリキュアだったのが…それで恋愛禁止とか…
本当の気持ちを大切にしていない人がここにも約一名いるようですね。
この精神攻撃はきついですよね、どんな人間でも「それは悪意なんだ」とできてしまいます。
少なくとも日本は、多数の人を「転向」させることができたほど強力な精神支配システムを作っているのが恐ろしい。

わたしたちのステージ!
水野真心(小6)、舞台役者をしている。
でも舞台から降りるとすごく人見知りな普通の少女で、学校でもうまく人と接することができない。
そんな彼女を、文化祭の劇で魔法使い役にと、大人っぽい矢神くんが推薦してくれた。
そして突然、芸能活動について指摘してきた…
公園で遅くまでみんなで練習していたら、警官に咎められた、そのときとっさに真心ちゃんは母親の演技でごまかした。
でもそれで感情を害された主役のマリアちゃんが真心ちゃんを呼び出し嫌味を言って、それがきっかけで階段から落ちそうになり、矢神くんがかばって怪我をしてしまう。
それで真心ちゃんの決意は…

すごく親しみやすいタッチです。
そして冒頭と、舞台を降りた時のドジっ子のギャップに一気にひきつけられる…うまいです。
彼女の人見知りを説明するのもうまいですね。
矢神くんの魅力もすごくうまく出ています。
いきなり髪の毛をつかんでポニーテールにする、というのが凶悪なスキンシップですね。
手にマメができるほど練習するとは…ここでマリアちゃんの気持ちをうまく動かしているのも、読み返すと実に丁寧に作っています。
母親の演技はすさまじいとしか言いようがないです。服がこうだったのも幸運でしたが、スカーフと髪型だけで…
マリアさんも、それほど強い悪意じゃない…ただ、自分がやることを反省する習慣はないようですが。
そして真心ちゃんが出る、と…その、弱い部分を見せたうえで強い意志を出す、その心の流れの描写が素晴らしいです。
舞台の描写も本当に美しいです。
セリフを忘れたマリアちゃんのフォローも素晴らしいですね。
ラストもすごくきれいで、ぜひ続編が見たくなる作品でした。

少女結晶ココロジカル
感染したのはマールさんのほう…
それを「すばらしい」という…まあ、確かに芸術で頭が吹っ飛んでいればそうもなりますね。
ルトゥさんは、ずっとマールさんにあこがれていた…そしてこの決着はかなり意外ですね。
こころちゃんが事実上何もできなかったですし。マールさんのフォローはルトゥさんでしたか、こころちゃんは傍観者で…
黒幕はJ…そして、「ス」と当たり前のように前進するこころちゃん、さりげないですけどすごくカッコいいです。
自分の好きな姿で好きな人と好きなことを永遠に…あらゆる欲望がかなう…たぶん、誰もが数日で飽きますよ。
人間の精神は矛盾に満ちています。そんな簡単な、欲望だけの機械じゃありません。
ムツキ・ハルト、二人とも迷わずついていく…
そしてフリオさんとメイシスさん、心強い味方ができましたね。いや、果たして味方としてか、それとも…
うーん、何年もかけてじっくりダンスを修業して、まっすぐ一人一人英雄を倒していく、というのは無理ですか…

クギ子ちゃんがいる!
おばけの予習、ですか…楽しかったでしょうね。
いつもノープラン、って大胆ですね。
「マジメすぎ」で影があるのが不安な伏線ですね。
あ、影そのものが妖怪ですか。
まあここはネジくんがかっこよく決めてくれましたね。
こういういいメッセージに満ちた作品は大好きです。

利根川りりかの実験室
ガスバーナー…これも偉大な発明ですね。
この大きさで、これほどの高温を生み出すことができるのです。
この単純な怪談がどんな話になるのやら。
「こんなとこに置いていけるわけないじゃん」と、勇敢なところもあるんですね。
そして悲惨な火災の夢…手の質感がおどろくほどやわらかく、ドキドキするのがよく伝わってきます。
で、また地味ですが偉大な人を出してきましたね…元素二つ発見って十分すごい。
さて真相は…と、ここで続けますか。結構面白い話になりそうです。

百鬼恋乱
わからないけど全部捨てる、って恐ろしい人ですね。
このラブシーンの熱さときたらないです。それがいきなりほっぺたを伸ばしてはぐらかすって…
「おまえより大切なもんがある」…それは何でしょう。
「人間って一人で暗ぁい顔してかんがえこむとすごぉくまちがった答え選ぶんだよ」という言葉はすごくいいですね。
実にわかりやすい説明ですね、これ。
さて、ゆのんはどう動いて…どう墓穴を掘ってどう取りこまれるのやら。

ムスビガミ
 幼いころに両親をなくしている花笠匠ちゃんは、今一人で暮らしながら高校にも行っている。
 そんな彼女があるとき、カプセル自販機の縁結びストラップをやってみないかと誘われて…
 で、開けてみたらなぜか神様(普通の男の子にしか見えない)が出てきた。女子中出身の彼女は男に免疫がないので、特訓として同居してくれるという神様と、奇妙な共同生活が…

冒頭はとことん、何が起きているかわかりませんでした。カプセルを空ける瞬間の描写があればよかったんですがね。
タッチは割と親しめます。
境遇の説明がちょっと細かいです。まあわかるのでいいですが。
三つ葉ちゃんの迫力がなんだかすごいですね。
あ、冒頭はそういうことだったんですか。
徹底的に、ってえらく強烈な迫り方をしてきますね…
いろいろな姿勢や角度から描くことで、妙に色気が出ているのが楽しめます。
エプロン姿、というのはびっくりしますね。というかこんな悲鳴ばかりで、心配している近所とか飛んでこないでしょうか。
料理とか髪とかでいちいちぎゃあぎゃあさわぐのが、見ている分には実にかわいいです。
で、…桜花は彼女にしか見えない…ここのリアクションも楽しいです。
「ムリやりターゲットを好きにさせただのとかんちがい」…それ、すごくありそうです。
縁結びの神の力、これは呆れるしかありません。そりゃもう、そういうシチュはずっと夢見ていましたとも。
先輩、すごくいい人ですね…この二人の雰囲気がすごく甘いです。
しかも知ってもらっているし、明らかに意識されてるし…というかもうリーチ…
一人でジタバタしているのを見ている桜花さんの気持ち、とてもよくわかります。
「わたしと同じ思いはさせない」ってどんな思いをしてきたんでしょう。
そして、期待通り先輩からの告白…それでなぜ断る?
…忘れられてしまう桜花さんへの、同情?
でもそれで、家族同然に過ごすとしても…ほかの人には桜花さんは見えないですし、日本人としての身分もないですから大変で…どうなるんだ、とすごく気にさせてくれる終わり方です。
結構実力はある作家ですね。これからの伸びしろも大きそうですし、楽しみです。

来月号は鈴木央先生?…少年漫画誌だけじゃなく少女漫画誌も制覇する気ですか?ライジングインパクト、何度か見ましたよ。あ、「マガジン」からのタイアップ、フェアリーテイルと同じですか…
そしてまた新人が出てくるのはうれしいです。またどんな作品なのやら。

それにしても、増刊がないのに今年だけで何人新人がデビューするんですか?もう数え切れていません。無茶にもほどがあります。

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