なかよし2013年7月号感想

遠山先生の印象が強い表紙ですね。
可愛らしい印象はすごくありますよ。

しかし付録の技術もどこまで上がるのでしょう。
いつかパソコンがついてきたりして…この付録のコンピューター、多分草創期のパソコンより能力上でしょうし…

やはり、増刊がないというのは新人作家を出すのには圧倒的に不便です。本誌の読みきりでは吸収し切れていませんし、オムニバスコミックスもどれだけの人が読んでいるでしょう?

わたしに××しなさい!(遠山えま)AKB0048(美麻りん)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)きぐるみ防衛隊(星野リリィ)恋するふたごとメガネのブルー(山田デイジー)少女結晶ココロジカル(高岡しゆ)ワルツのお時間(安藤なつみ)さばげぶっ!(松本ひで吉)恋と軍艦(西炯子)クギ子ちゃん(PEACH-PIT)つばさピチカート(春瀬サク)百鬼恋乱(鳥海ペドロ)ドキドキ!プリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)電撃スターダム!(前編)(長谷垣なるみ)キミが好きとかありえない(あおいみつ)かみかみかえし(遠山えま)予告

わたしに××しなさい!
携帯電話を壁に投げて、やっと「どーだっていい」そうなんですよね、ふられてるんですから。
いやー、何もかも徹底して小説のネタに…そしてサービスシーン。
退院パーティ、ってすごいことになってきました。
いきなり呼び出して…十五万円というのはとんでもない金額ですが、慰謝料+口止め料となれば…
というか治療費とか含めるとえらい金額、多分父親が負担してるはず。
「泣かせて追いつめ」なんていえるのって、心開きすぎてますね。
加害者が来ているのを見て「母さんたちは台所に」というのもものすごい世界です。因果が崩壊してます。
押し倒しているのを見て、冷静に「パーティー…だよね」という晶くんの余裕がまたすごい。
一言口をきくだけでも大変ですが、ここで氷雨がまた…さてどんなややこしいことになるのやら。
あと、晶くん、二股はやめようね。

AKB0048
ブラックベリー…確か、携帯電話の名前だ(魔術士オーフェンの、「海老の名前だ」のパロディです、念のため)
ライバルがあれば芸能そのものは盛り上がるのですが。
考えてみると、現実世界のAKBも、ライバルがないことが問題ですよね。松竹を失った宝塚もですが…
敵も何も、ただのライバルですよね。
握手会がこうなるのは別の意味でもピンチです。
というかデス側、この巨大な力を制御できるのでしょうか?できると思っていたら断言します。うぬぼれだ、と。
ふれあちゃんがデコピンをするほど先輩になるなんて…信じられない光景を見ている気もします。
妨害しておいて、善意と見せて会場をジャックする…えげつないです。
プライドは、歌うこと…それがAKB、ですか。
なんというかゼロから出直す、って感じですけど、それができることが何よりの強さですよね。
人間を支配する、ある種の催眠術。でも実は、歌や演出そのものにも、薬物がなくてもその力はかなりあるんですよね。

出口ゼロ
期限までに二年生は全滅する…ついこのあいだまでは敵だった二号生じゃない二年が、今は一蓮托生の味方、ってわけですか。
「自分かもしれない恐怖が だれかが自分を裏切るかもしれない恐怖が」ここはうまく言葉にして、読者を恐怖に巻き込んでいます。
仲間がいないと、全員で一人を指名する…魔女狩りと同様の状態です。
この紙自体に嘘がありえる、となると…誰が嘘をついているのか、犯人はいると言った学校側か、それとも誰か一人か…
ウソツキを探す、頭脳ゲーム。「ライアーゲーム」など最近多く聞く名前です。
死を宣告されている閉鎖空間、という意味では「バトルロワイヤル」とも共通します。
作者の高い意欲と、エネルギーを感じますね。
成功するパターンは、成功するだけのものがあるから…意欲のある本歌取りは僕はいいと思います。
出来上がった作品の質さえ高ければ。
それがどこまで質の高いものにできるか、お手並み拝見です。

きぐるみ防衛隊
かっこいいポーズで、で結局この敬礼になるって、あんたらの年齢は…まあ2199とかリメイクがいろいろあるにしても…
いきなりのキスシーンは笑うほかありません。
「ふつうに友だちになろ」と真剣に言って、それでいきなり黒幕が引きずり出される、単純ですがそういう、まっすぐな魂があると胸は熱いです。
このバタバタしてるときに、ボールペンでいいから突き刺してやる、って発想はないんでしょうか。
狭間、というのも面白いですね。
アクションシーンの密度は、緊迫感のない会話だからこそ面白いです。
すごくくっきりした感じで、力強いです。

恋するふたごとメガネのブルー
さて…いきなり死にそうですか。
ものすごい寝顔を取っているフジタ、そしていつもどおりじゃれてるのをももちゃんが見たら…ああ楽しみ。
ドアを閉めるというリアクションとは。
二枚、ということは…さくらちゃん一人を誘いに来たんでしょうね。
でも三人、ということになるのもまあ仕方ないと。
大好き、と飛びつくリアクションもめちゃくちゃ可愛いです。
ハートの、ゼリービーンズみたいなのがあちこちに飛び交ってるのがなんともいえませんね。
クラスメート達の紹介も楽しいです。
空くんが長い髪をつかもうとするのを押さえる、ここだけシリアスタッチになるのも楽しいです。
「話もきかずに「○○ちゃんにあやまりなさいよ」系女子」というのがすごくわかりやすくて楽しいです。
さりげなくスキンシップの限りを尽くすさくらちゃん見てたら、そりゃ倒れもしますよね。
ぜひ、と言われてのももちゃんの笑顔、すごいですよね。
さくらちゃんがふっと切なくなるのも、さすがにうまいです。
どうしようもない三角関係…いっそ、さくらちゃんのポケットに「さっさと青くんが好きだと自覚しろ、自覚がない一日一日がももちゃんを苦しめてるんだ」って手紙を入れてやりたいぐらいです。

少女結晶ココロジカル
結構大事になっていますね。それこそソードアートオンライン状態。
次々と別々の町を見ていく、というのが楽しいです。
国際色も豊かでしょうね。
擬似スペインなら食事も口に合いそうです。スペインは、世界でほとんど唯一、焼き魚で日本人が満足できる国でもあります。
エリアのアイドルであるのんちゃんが仲間として旅を共にする、というのも面白いです。
サグラダファミリアが中枢部、というのも素敵な感じです。
何月生まれかを聞かせないムツキさん…ムツキ、というのは本来睦月、月の名前ですが。
どんな人、というイメージも面白そうですね。
願いが叶うお菓子、でハルトくんが嫉妬で飛び出して、いきなりバトルで瞬殺される、この流れがすごく楽しかったです。
この人だな、というのは読者にはすぐわかることですが、こころちゃんにはわかりにくいでしょうね。
それを教えてもらえる、というのも楽しいです。多少強引にでもダンスシーンがあると、画面が楽しくなって読者の気分も浮き立ちます。
ハルトくんの負の感情にこころちゃんも反応して…
フリオさんが正体を出したところの凛とした、華やかな美しさときたら!
腕を磨く、と今彼女たちにできることを示してやる、さすがに大人ですね。
また新しく場面が転換するようですが、より大きな罠かもしれません。
さあ、どのような動きになるでしょう…すごく質の高い作品になってきてます。

ワルツのお時間
人物紹介欄のビフォアアフターに大笑い。
まさかこんなことになるとは、というのが正直なところ。
妄想していてちょっとみっともない、というオチは奇妙な笑いが出ます。
サクランボに、というのも面白い言葉ですね。
結果が出なかったのが、結構ショックだったんですね…くやしがることもできる、と。
菫ちゃんの嫉妬も可愛いです。そして勇誠くんの甘い言葉もしびれました。いろんな意味で日本人離れしてます。
運命のパートナーじゃなきゃ、という姫愛ちゃん…いきなりワガママな女の子らしさが出てきたのはビックリしました。
あれほど何も望まない子だったのが…
まあ、後悔するところが少し昔の彼女らしさでしたが。
ビフォーアフター、そりゃ話題になりますよね。
立場が入れ替わってる、というのでへこむたんごくんが楽しいです。
そして勇誠くんが待っていて…真っ赤に。さあ何が起きたんでしょう。
菫さんの練習シーン、さすがにスピード感と、妙な重量感がすごいですね。
そして寝てしまって、キスシーンかと思うのを見てしまう…
なんというか、キレイに行くと思ったらここまで泥沼になるとは。
笑うしかありません。楽しすぎます。

さばげぶっ!
乳はなくても女体はいいものですね。といいながら、目はそっちに行ってしまうのが男の性というもの…
モモカちゃん、そりゃ走り去りますよね。
音楽を聴きながらのチェックで気がつかず、外から戸を閉められてしまった…
いきなり低体温症が進みすぎです。
頭を使いましょう。まず羞恥心は捨てて、水着脱いで、タオルがなければロープでも使って体の水気を落とす。
あとはビート板などがあるので、それで保温しながらプールサイドで寝ていればよろしい。
適当に計算して、とんでもない結論…実行可能性をまず考えろ、と。
トイレなら、なんのためにプールの周囲に排水溝があるのか…
思考力低下しすぎです。
「ああどうぞ!殺しなさいな」というのは笑うしかありませんでした。
こんな美女が鼻毛抜いてる、って聞きたくなーいっ!
正常な思考、ないにもほどがあります。
心の準備…いやもうそんなの通り越してますね、これ。

パンツでフェイスマスク、っていくら変態仮面が映画化されたからって…
「まいりました」はそりゃそうなりますよね。
試着で胸が破れる、もそりゃ怒りますよ。

恋と軍艦
さあ、もっと大変なことになりました。
具体的にやるとなると、とことん大変です。
金を作るクラブ、というのも、実際に金がどんな大変かを学ぶのはそれはそれで価値があるのでは?
学校という価値観とは真っ向から対立しますが。
晶ちゃんも…なんというか、ため息しか出ません。
誰でも荘なんですよね。
大人男性二人、相変わらずの雰囲気です。
イヤリングについても一言の会話もなく、結局真相はどこかに行ってしまいましたか。
十二億、という金額を考えるだけでも、すごくいい市民教育になると思います。
否定のための否定と戦うのも大変ですよね。
逆に陽くんの、五万円と目標を低めで具体的にする、というのがすごくいいです。現実に可能なことをしなければなりませんから。
新しい時代は、現実に成果がある現実のことがどんどん少なくなるのですが…
陽くんがますますカッコよくなっていくのは見ていて楽しいですね。
篠原さんのいきなりの大変身も驚きました。何が起きたのでしょう。

クギ子ちゃん
次々にアイテムを放って抜ける、というのもヨモツシコメ、いやこの民話の黄金パターンですらあります。
そいつらを解き放ってしまって、クギ子ちゃんがシールになる…
さてどんなクライマックスが待っているのやら。

つばさピチカート
…こんな、フェアで正々堂々として率直な意地悪役、初めて見ました。嬉しくてたまらないです。
先月号のラストで、どんなひどいことになるのか、と覚悟してたんですよ。正直今月号を開くのすら怖いぐらい。
冒頭でこれほど激しい憎しみを出しておいて、何をするかと思うじゃないですか。
楽器のメンテナンスをちゃんとするのがいいですよね。
「全日本 若い音楽家コンクール」なんてストレートな名前でしょう。
妄想は若者の特権です。現実という壁に砕けて散るまで存分にどうぞ。僕に止める権利はありません。中には壁を壊してしまう幸運な人もいますから。
二人のどちらか、いきなりものすごい勝負になりましたね。
youtubeで少し聞いてみましたが、僕でも聞き覚えのある素晴らしい曲です。
まっすぐに練習する彼女の姿、ため息が出るほど素敵です。
ひとりでひとつの世界を、というのはるりちゃんの、孤高の姿勢そのものですね。
「負けたら北海道に帰る」と、それだけ?と呆然としました。
どんな意地悪・いじめの限りが出てくるのか、と思ったら、それだけ。
まったくのフェアプレー。まだそれでどんな意地悪をするかと思ってましたけど…
指が痛くなるほど、夢中での練習…まあそれは、バイオリニストになろうとしている子には、当たり前のことですから。
負けてしまう、というプレッシャー、ここに蛍くんが…というか女の子一人だけの部屋に男の子を案内するっておい。
録音機、というのもさりげない親切、彼に他意がないことはよくわかります。
「追いつけるわけないじゃない」から、確実な積み重ねという的確なアドバイス…
追いつけっこない相手を前に、苦しんだことが彼にもあるのでしょうか。
涙をぬぐってくれたり、なんという女たらしでしょう。
スパイの仕返し、というのは子供のいたずらですが…その上達と、録音機の「いちじょうほたる」の名前、憎しみは倍加したにしても、さてそれでどうするか…
ここでは、憎しみがどんな強くてもあくまでバイオリンで勝負する気でいるようですね。
これからもひたすらフェアプレーで頑張ってください。期待してますので。

百鬼恋乱
凄まじいアクションシーンです。黒の力強さが並じゃないですね。
いきなり新しいおもちゃ、と楽しむだけになる…変な奴です。
プール掃除…そりゃ絶叫しますよ。とんでもないことにもほどがあります。
バケツを持って廊下、まあ他にどうしようもないでしょう。
どんないたずらであればあんな大規模な器物、いや建造物の損壊ができるのやら。
犬かわいがりは見ていて楽しいし、すごい甘いです。
夜中にいきなり入ってきて、身の危険をまったく感じないというのもすごいですね。
髪が黒くなりかける、それが穢れてきている…
というか、「零のはぜんぶまっくろ」って迫ってくるココちゃんの色気、強烈過ぎますよ。
こそこそしている零くん、見つかったらどんな恐ろしい目に遭うのでしょう。
抱き会っているのは零くんなのに、ドキドキしているのは十くん、というのも楽しいです。
そして…いきなりすぎる大爆弾。「あの二人きみのこと好きなんだよ」さあどんなことになるんでしょう。
一度でいいからこの台詞を現実に言ってみたいものです。

ドキドキvプリキュア
敵なのに友だちになろうとするマナちゃん、それが理解できない…そりゃそうです。
小さい頃から戦ってきた、敵味方がはっきりしていた人と、敵味方の概念がない人とは、そりゃもう違いすぎますよね。
芝居で崩壊しかかっているまこぴーも全力で助けようとする、彼女らしいですね。
幼児向け作品だからこそ、これほど深いメッセージのある作品をつくってくれることに感謝するほかないです。

電撃スターダム!
人気超能力ヒーローものテレビ、「サイキックエース」。
それを真似ている、千秋なゆた(高一・女子)ちゃん。
エキストラオーディションがある、という話に行く、と決めてしまう。
自主制作の着ぐるみで入って視界が悪かったのか、ぶつかってしまったのは「サイエス」の主役の一人、捺沢李人さん。
でも彼の、ヒーローをバカにする言葉にかちんときて口げんかしてしまう。
直後のオーディションで、応募者の一人の手からすっぽ抜けた木刀を鮮やかに手にし、動きを決める。
それでいきなり、二期から主役級…でもそれは男の子だからと思われていたから。秘密にする、と約束したけれど…


鋭い感じの芝居と、可愛らしい子が真似て演じている…
一体何の作品なのか、冒頭でまずとても迷わせますね。
それどころか、なゆたちゃんの性別すら、ページをめくるまでわからないのです。
「サイキックエース」というと「サイキックフォース」と、僕は思ってしまいます。でも、考えてみれば1996年、十七年前…長谷垣先生が生まれる以前ですよね。
エキストラのオーディションに行く、と即座に決めてしまうパワーも、熱くてまぶしいほどです。
自主制作マスコットで、ぶつかってしまった人がシン役の役者、これには胸が締めつけられるような感じでした。
いきなり言い争ったのにはビックリしました。
そして飛んできた木刀の扱い、動きの迫力のすごさ…木刀そのものの質感。
重量感こそなかったものの、木肌を丁寧に描いているのはわかります。
いきなり主役級、これは誰もが夢みるシチュエーションでしょうね。
そして女とは誰も思っていなかった、というのも面白い展開です。
「おまえはだまって見てろ」という先輩の思いやり、ほっとしますね。
あらためてプロのすごさを痛感する、としっかり成長を描いているのも好感が持てます。
発表で、事故で閉じこめられてしまって、それをぶち破る登場…ここで監督の言葉も伏線に。これは鮮やかでした!
最後の、大人のきつい評価と現実…さあ、どんな形で壁を破ってくれるでしょうか。
作者の年齢なんて関係ない、すごく緻密でパワフルな作品です。

キミが好きとかありえない
最高に楽しい傑作だったのにもう終わり、というのは残念です。
記憶を失い、変態でなくなった宮原くん…理想の彼氏じゃないですか。
漫画家としてもプラスになる、って何もマイナス面がないですね。
しかも、別の女の子に告白されても「彼女しかきょうみないんだ」理想の彼氏にもほどがあります。
変態ではなくなっている、のに今までの彼を前提にした対応をしてしまう…
そのうっかりの繰り返しで、かなたんの喪失感というのは…正直、何贅沢なことで悩んでるんだ、って感じですね。
雰囲気まで変わってしまって…それで大人気ならいいじゃないですか。
いきなり泣き出して、「変態にもどしにいく」…そりゃ止めますよ。
「真っ白な状態の日向をオレ好みに」…怖いにもほどが…でもその彼にも自分勝手、と言われたら立場ないですね。
あっさりと変態に戻ってしまったのは、なんかもう全身の力が抜けました。
そして結婚式…ああもう、勝手にしてろ、としか言いようがありません。
それを選んだのはあなたなんですから。
なんというものすごい、面白すぎる作品でしょう。
次作品が楽しみ通り越しています。これ以上何をやるんだという気もしますけど、これほどのとんでもない才能なら…。

かみかみかえし
ニニギの誤解…誤解も何もないです。
敵が全知全能すぎて、どうやって逆転すればいいかわからないです。
ブランドン・サンダースン「ミストボーン・ミストスピリット・ミストクローク」シリーズのように、細かな伏線が数学の証明のように絡み合っての大逆転、でしょうか。

月号から「小学生のヒミツ」正式連載!これは嬉しいニュースです。すごく好きな作品ですから。
ナフタレン先生の読みきりなんて、何年振りでしょう。これも嬉しいです。

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