なかよし2013年11月号感想

えらく流通に不便な付録です。それは「ちゃお」「りぼん」も今月号に限って同じです。

本物、といってもローズクォーツだけですよね。ダイヤモンドはさすがに無理でしょう。
まあ工業用の小麦粉大なら何とか…百円ショップでもダイヤモンドヤスリは普通に売ってます。

個人的な愚痴ですが、増刊がなくなりホラーオムニバスが新人の主な活躍の場になり、さらにスーパーノヴァ賞とか…「なかよし」が今どうなっているのか、本誌だけではほとんど追跡できていない気がします。
別人のように成長してしまっている作家も何人もいるかも。
それどころか、僕のデータベース自体が狂ってしまっているかもしれません。

というか、ホラーオムニバスを増刊とみなして、感想を書いたほうがいいのかもしれません。
個人的にホラーは好きじゃないので辛いのですが。

というわけで、侑えのき先生の記事は、コミックスが出る11日…から少し私用があるので16日ごろまでお待ちください。

それにしても今回…「なかよし」の作家の、実力はもう史上空前だと思います。実力が桁外れに高い作家がそろい、最高のシーンばかり咲き乱れています。

百鬼恋乱(鳥海ペドロ)さばげぶっ!(松本ひで吉)きぐるみ防衛隊(星野リリィ)恋するふたごとメガネのブルー(山田デイジー)ワルツのお時間(安藤なつみ)コロンブスの憂鬱(遠山えま)170cm☆オトメチカ(桜倉メグ)恋と軍艦(西炯子)出口ゼロ(瀬田ハルヒ)クギ子ちゃんがいる!(PEACH-PIT)少女結晶ココロジカル(高岡しゆ)小学生のヒミツ(中江みかよ)AKB0048(美麻りん)わたしに××しなさい!(遠山えま)つばさピチカート!(春瀬サク)ドキドキ!プリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)予告

百鬼恋乱
冒頭から告白をのぞいて、相手は零…
で、十くんも似たようなもの、と。
にわかちしきが全然通用しない、というのが面白いです。
「経験豊富なんだね」は大笑いしました。
で、そのココちゃんにラブレター…そこを二人に見られて、さあどうするのでしょう経験豊富ちゃんは。
二人で指をハートマークにするのも楽しいです。
この演技ラブシーンって、もう…作者がすごく楽しんで描いてるのがわかる気がします。
心を磨くと鬼の花嫁の力が強くなる…だったらいっそ、紛争地帯に放り込んで地獄を見せてやればとっても磨かれるのでは?磨きすぎて磨り減ってなくなるかもしれませんが。
零に強引に迫られたら…ただ涙、と。ずるい。
そしてパワーアップした上に、鬼二匹が思い出して真っ赤…やっぱり女の子のほうが強いです。
で、ラブレターが本物だった…さあどうするんでしょう。
と思ったら、ストレートに断りましたね。ある意味もったいない。
いよいよ核心に近づくのか、それとも別の形で時間を稼ぐのか…

さばげぶっ!
「バカな…早すぎる…」を思い出す始まり方ですね。
未知のウィルスなんて、そう簡単に発表するでしょうか?最近のいろいろな伝染病でどういう公式報道があったか…
未知のウィルスなら過酷な人体実験、ってそれは冒険小説の読みすぎでは。
というか「きのうの宇宙人特集」…
いきなりとんでもないのが…そして下手に装備があるからサバゲー部は。
こんな映画状態になるような病気、本当に発生したらえらいことです。
それ以前に、東日本大震災でも国家非常事態宣言を出さない日本政府に、こんなことができるでしょうか。
防護服の人相手にガス銃を持って飛び出す部長のカッコよさはさすがです。
ペイント弾を喰らうと前が見えない、というのは実戦上も重大な気がします。
ガスマスクの人が普通のオッサンなのも当然ですけどシュールです。
「中二病のほうがはるかにおそろしい」というオチは大笑いしました。これはいたたまれないですよね。

「わたしのすっぴんです」…それをさらすのって裸より抵抗あるのでは?
「まぶたひっくり返してみせてくるバカな男子」…女の子もやはりやるんですね。
メイクしている最中のとんでもない顔、というのは女性なら誰でもなんでしょうね。どんな美女でも…
少女まんがだから瞳はどうとでも、というのはその通りですけど、この漫画はまだまだ大したことないですね。本当の最大出力は…
専用リムーバー(十万円)…それって売っていい化粧品でしょうか?というか確かメイクって、サラダ油と石鹸で落とせるのでは?

きぐるみ防衛隊
朝起きたらいきなりこれはいやでも目が覚めます。
らなん、というアイドル…わかりやすい次の敵だな…一瞬次の仲間かなとも思いましたが、多分それはないです。
つきあって、というのは訓練でしたか。
テロップを打ち消して別のを出すとは…
というか単純な体力トレーニングして、あとは空手とかでもやったほうがいいのでは?
お疲れさま会、さらに姉…色々出てきますね。
そのためにキスをする、というのも面倒ですが。
家族にいきなり見られてしまって、さあどんな騒ぎになるのやら。
アイドルさんが出てくるのはしばらく先のようですね。
こういう予測の外し方もさすがの実力。

恋するふたごとメガネのブルー
漫画の原稿用紙を投げつけるという楽屋ネタは大笑いしました。
で、ついに恋心を自覚し始めたと。
「叶えたい夢ってなんなんだろうね」という言葉、それでもう、ももちゃんはさくらちゃんの気持ちに気づき始めてしまっているようです。
なんでもない人の心をそこまで思おうとは、普通はしませんからね。
いきなり抱きつかれてドッキドキ、やはり見ていて楽しいです。柔道部の男の子がすげーな、って目で見ているのが、細部も大切にしてますね。
でもって、塾ではももちゃんに顔寄せたり…罪な男です。わざとやってるんだったらスポーク耳から耳に通す。
「メアドがまちがってたみたいで」これは困りますね。知らせなきゃいけないけれど、知らせたらフジタと電話していたということがバレる…
意識さえしていなければなんでもないことですが、今は下手なことをしたら嫉妬されるかもしれないのが怖い、と。もうその時点で終わってますが。
心臓が痛くて暴れまわる、というのがある意味すごいです。
そして、塾でメアドの件を言ったら、また抱きつくようにするフジタ…極悪すぎますねこれ。
応援する、ということになってると色々大変ですね。
サッカーのシーンも結構迫力ありますね。
さくらちゃんの興奮を見て、「さくらってばホントに好きなんだね」で緊張させておいて、
「サッカー好きってこと」…釘刺してるようなものです。わかっててやってるのか、それとも天然なのか。
「フジタははんぶんこできないよ?」…ホラーならはんぶんこできるんですけどね。
今までの連載作品がなかったら、すごくスタンダードな正統派作品として心から楽しめると思います。

ワルツのお時間
勇誠くん、頼もしい…なんというか包容力の塊みたいです。
そして「菫にはオレがいるから」…男の美学、って感じですね。音楽が響いてきそうなぐらい。
姫愛ちゃんの「ひとめぼれなんです」も、すごくストレートに気持ちぶつけてきて…さらにたんごくんの「バーカ」も楽しくなります。
菫さん、花を握りつぶして、上を見上げるときの背景が黒いからこその迫力、それからの圧倒的なスピード感!
菫さんも姫愛ちゃんに応えてる、というのもまたかっこいいです。
そして勇誠くんも応える…
さらに、それで比較して自分を卑下してしまっている姫愛ちゃんに、たんごくんのチョップと言葉…うわあそこまでやるか、というぐらい。「菫みたいに踊りたいとか」「わかるにきまってんだろ」…気持ちが通じすぎて、それが当たり前と。
それからの二組のダンスはもう、すごい、としか言いようがないです。
四人の気持ちが響き合い、通じ合う…ダンスの動きでそれを縦横に表現する。
漫画の実力、というのがこれほど高い作家、他にいるでしょうか。
漫画家志望者は、今回を全部模写するべきです。これほどの実力が花開くところなんて、そうはないんですから。

コロンブスの憂鬱
遠山先生の読みきりは久しぶりですし、嬉しい企画です。
ほかにも本誌連載してる作家の読みきりは見たいですが、それ以上に新人作家の読みきりが見たい…もっともっと枠が欲しいだけです。
校則どおりきちんとして、黒髪美人…校則と制服はちっとも平等じゃないですね。
地味委員長と、同じく地味だけど美しく…補習と。
外見と中身が比例してない、というかカップ麺が好きならニキビとかでひどいことになりそうですが、まあ体質もあるんでしょう。どう見ても末期のガンを免疫でねじ伏せる人も稀にいますし。
で、キャラをひたすら演じて生きてきた…大変ですね。
「外と中がいっしょなんだ」というのもうまく作品をまとめる言葉です。
コロンブスのどこからが苗字でどこからが名前、というのも面白い発想ですね。
新大陸、で夢みたりするのを学ぶ入り口にしたら一気に伸びると思いますが。
…現実知ったら悪夢見そうですけどね。コロンブスは今は、史上最悪の虐殺者の一人ですから。
いきなりキスされて、それがなぜコロンブス並みの大発見に…
新大陸を知りたい、という好奇心だけでついていったり、この二人を見ているのはすごく楽しいです。
いろいろなところを発見する、というのもすごく素敵なシーンです。
「佐藤くんはわたしの大陸ですから」…圧倒されます。
ああそうそう。コロンブスが最初に見つけたのは大陸じゃなくて、島ですよね。
そして屋上でのラブシーン…濃厚ですごい満腹感。
恋はおたがいの発見、というのもすごくいいですね。やっぱり実力ある作家ですよ、満腹満腹。

170cm☆オトメチカ
扉を見た時点で、肉ごってりのごちそうを三皿ほど食べて、さらにまたおいしそうな揚げ物大盛りが出てきたような…
アイドルの話題が、どのように彼女に関係してくるでしょうか。楽しみですね。
恋をしたことがないことで焦ってしまう、というのもどうなるか楽しみですね。
今日はエキストラとして…それはそれでやっかいですね。
さらに最初に話題になった北斗くんと、可憐さん…なんというかこれは気まずい。
となるところなのに「会えてうれしいです」…いい子ですけどね。
「ニコッ」がすごい顔になってしまう…それで北斗くんが、なぜ彼女に声をかけに来たのか…
恋ができない体質、というのも大変ですね。
さらに恋のモニュメントをめぐる旅…そして、いきなりベンチから落ちて気持ち悪い…まるで稲妻のように落ちてきた、というのがすごい伝わってきます。
その後、痴話げんかをのぞいてしまって…すごく混乱させてきます。
撮影シーンの、私情丸出しプロ失格が名演技になってしまった、というのもドキドキさせられました。
悲しみが強すぎて逃げてしまう…ここでカメラを回せと決断できる監督もすごいですが。
笑うより泣いて体が動いてしまう、それも北斗くんのことで胸を一杯にしてしまって…演技と本心の狭間で、すごく強く北斗くんのことを想ってしまえる、恐ろしい演技力でもありますね。
そしてそちらがメインになってしまうとは。
まあこれは、監督の慧眼のおかげですよね、全部。ひたすら幸運。
アイドルとの関係もすごく面白いですね、普通に恋に落ちるとかじゃなくて…

恋と軍艦
四百万円…とんでもない金額ですよね。
漁協や農協の人とちゃんと話せるだけでもすごいですし、わけありで安いものを、というのも素晴らしいアイデアです。
一杯の笑顔で「かっこいいよ!すごいと思う!」…なんという素敵な報酬でしょう。そりゃも徹夜で勉強しますって。
なんでもいいから徹夜で勉強するようなことを与えてやり、読み書きソロバンはその手段、としてやればいいんですが…
誰の土地でもない、というは逆に地域の共有財産です。それを開発するのは常に恨まれますよね。入会地紛争はいつも…
雨の中の男二人、表現がお見事。
めどが立たなくても描き続けているアレクサンドルに、つい手伝ってしまう…この交流もすごいですね。
「かかずにはいられないんだ」という言葉も印象が強いです。
そして戻ってしまった晶ちゃん、さらにチラシの絵を描こうとして、そこから「伝われ気持ち…!その想いが…すべてのはじまりなんだ…!」と思いついてしまう…
そして、その中学生の事業が町長さんの計画を台無しにしている…はは。
そこに香菜ちゃんが出てくるのは、変なタイミングもあったものです。
真剣な表情の町長さんと無邪気に喜んでいる香菜ちゃん…
大人のずるさをぶつけてしまうとは、それをしていいのかどうか…でも、香菜ちゃんの力は大きすぎますから…

出口ゼロ
やっと復活しましたか、犠牲を払って…
反省室、でどんな拷問かと思ったら贅沢な応接室?
マジックミラーで拷問を見せつけ…「演技に心を打たれたからでしょう」…
確かにそれも真実、「乙女華澄のような女優になりたい」と思った…恐ろしいですね。
徹底的に、完璧な役者を育てるため…恐ろしい善意もあったものです。
まず、「わたしがすべきことは」と考えて行動できる…でも、それがどれだけ意味があるでしょうか。
大切な人の死と向き合う、という勇気もすごいですが。
三回以上攻撃する、というのも明確な殺意があれば当然です。
ダイイングメッセージの話になったとき、水野くんからのダイイングメッセージが出てくる…しかも奇妙な矛盾。
とにかく謎の複雑さもスケールもものすごいです。
超絶技巧を残虐で覆う、それが現代日本ミステリのメインストリームでしょうが…

クギ子ちゃんがいる!
これまでのサイズや色が違う紙ではなく、普通の連載として…それがどんな効果になることか。
「女子たちに囲まれてる」「ああいうモテ方は男としてちょっとな」…羨ましいのかかわいそうなのか。
おばけが強いから羨ましい、というなら…強さだけなら結構簡単に身につくんですけどね、走ったり縄跳びしたりすれば。
古雑誌をあさってみる、というのも無茶なことをします。
そして「トモちゃんのシール帳」と声をかけられ、本当にシール帳を見つけてしまった…
さらに転校生、どんな話が始まるのやら。

少女結晶ココロジカル
ワルツのバトルフィールド…準備段階からすごい迫力ですね。
強烈な連続攻撃に、とにかく自分にできること…ちっぽけな光。
まるで拳銃で大軍に立ち向かうような。
ハルトくんの傷だらけの背中、それで「顔に傷つけて…ごめんな」…かっこよすぎてしびれます。
圧倒的な光での勝利、でも…一人しかいない…ベラは?
勝利はしても、まだ完全じゃないです。相手を救わなければ…
次号がこんな楽しみなことはありません。

小学生のヒミツ
いきなり壁押しつけ…カッコイイ、と思ったらあとでえらいバタバタしてたり。
男の子の気持ちを描く、というのも大胆な冒険です。
で、実はつきあってる…内心はデレデレ。
「かっこいい自分しか見せたくない」…色々と終わってます。
声変わり、ありますよね。けっこう差が大きいですから。
その声変わりした声さえ恥ずかしい、というのも…
さらに毛とか、いろいろややこしい悩みが出てきてますね。
声が聞かれたくないからメールだけとか…
それでますます誤解がひどくなると。
るいちゃんの、誤解で別れを素直に承知してくれるのがなんとも言いようがないです。
で、やっと「自分のことしかかんがえてなかった」って一番大事なことに気がつく…
そして窓の下まで飛んで行って…たまりませんね、これ。
そう、男子だって色々大変…嬉しいことを伝えてくれます。
男子と女子がもっとお互いを思いやってくれますように、そう祈ってやみません。

AKB0048
兵士たちにも音波が影響してる…実際第一次大戦では、毒ガスでは味方の被害も絶大だったとか。そりゃそうです。
「あなたたちが身をけずることなんてない」といっても身を削るのが兵士の本分ですし…
ひさびさに本気だした、って…色々とお疲れ様です。
「愚問だね」の一言、すごくかっこいいです。
そして「うちらのセンターはふれあなんだから」…
音楽を、赤ん坊を通じて表現するのはすごいですね。
乃愛ちゃんがふれあちゃんをかばって…ここからのパワーは凄まじいほどの熱さ。
光を高めすぎると消える、ってえらいことになりましたね。
そして最後の勝負…さて、何人生き返ることでしょう。

わたしに××しなさい!
倒れそうになるのを手をつないで…しかも砂浜、これはまたすごく素敵なシチュエーションです。
何も知らなかった時雨…どれほど多くのことに目を閉ざしていたのでしょう。
シャワーシーンのサービスも思う存分、って感じですね。肌の質感がすごくいいです。
「今夜はゆずれない」とか「たぎってきた」とか、女の子をキャーキャー言わせる技術を総動員してきてます。
ならなきゃいけない、義務…ですか。
流れ星に「おまえの顔…見てた…」は強烈でした。
最後のキスシーンもすごく美しく描いています。
それにしてもみんな、とことん義務に縛られてますね。

つばさピチカート!
二人三脚とはうらやましい。僕は多分一度もやったことがありません。
蛍くんはとことん優しいですが、こんなところるりちゃんに見られたら…想像しただけで大笑いします。
ストレートに「もっとあたしに合わせてもらえないでしょうか」…確かにストレートです。
「勝てなくていいなら」というのも意外な返事です。
そしていきなり通せんぼ…何これ、と思わせるのがうまいですね。
で、いきなりすごく顔を近づけて「演奏を合わせるコツ」…?マークが頭にあふれてきます。
逆に自分が通せんぼしようとするとあっさり抜かれる…なんか、バスケットボールやサッカーの一対一でもやるようですね。
猫とやったり、クラスメートとやってみたり。いろんな意味で練習熱心な子です。
そして陣くんの住所に押しかけたら、保育園?
本当に子供たちが可愛らしく描かれています。
ほわほわしてるつばさちゃんの表情、力が入ってなくて楽しいです。
やっと秘密をつかんでの伴奏、すごく柔らかい美しさです。
気配を全身でとらえる、ってそれこそサッカーやバスケットの一対一ですね。
陣くんも夢中になっている、男の子のワクワクする思いもうまく出てます。
そして…蛍くんの前での告白って、宣戦布告にもほどがありますね。
さて…まあそれよりレッスンレッスン。まともに弾けたら御の字ですが。
やっぱり何もかもすごく楽しい作品です。

ドキドキ!プリキュア
デート、というには身長が…みんないろいろ成長してますね。
なんというかみんな色々楽しいですが、それぞれ好みとかが違いすぎて…デートというのは難しいものです。
いきなり大きくなってお姫様抱っこ、これはかっこいいですね。
他人のことをわかるなんて簡単じゃないですよ。
そう考えると、デートそのものが無理ゲーです。

来月は新人のデビュー作!完成度も高いみたいですし、すごく楽しみです。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ