なかよし2010年初夏ラブリー感想

これまでどれほど増刊発売日を楽しみにしてきたか。
でも、今回だけは…むしろおびえていました。どれほど痛い思いをすることになるのか…
要するにいじめ漫画を読むのは僕にとっては拷問なのです。

どの作品ももちろんいじめは否定的に描いています。いじめは悪だというメッセージをすごく強く出しています。
でも、どの作品にも感じる肉体的な苦痛さえ生み出す恐怖と怒り…激しい感情には、それ自体中毒性があるのです。麻薬と同じように。コーラに入った大量の砂糖と同じように。ジェットコースターのスリルと同じように。銃の反動や硝煙臭と同じように。血の臭いと同じように。ホラー映画と同じように。
だから売れてしまうしアンケートもいい、だからいじめ漫画は売れるんだとして次々と出したら…売れ行きが落ちるのは過激さが足りないからだ、といじめ描写の過激さはどんどん増します。それは正義にも感じられるでしょう、よりひどいいじめシーンを描けば、それだけいじめの邪悪さは引き立ちます。いじめの加害者を成敗する系統の話にすればますます強いカタルシスにもなりますし、逆にアンハッピーエンドでも“奇妙な味”となって読者を強く惹きつけます。
そうなれば、麻薬を増やし続けるのと同じことです。そうなれば、もうメッセージも社会的意義も何もありません、ただのホラーです。
その罠は絶対に避けてください。
いじめを描くのが社会貢献だというのなら、かつての「ジャンプいじめレポート」のように、きちんと文章による解説を豊富に入れ、有識者が主導的な立場に立つプロジェクトとしてやってください。
単にいじめ作品を増やすだけだと単なる麻薬に堕ちますよ。

まあおかげで作家のバラエティは大幅に増したのだから怪我の功名といったところでしょうか。
作家リストだけ見れば小躍りしたいぐらい素晴らしいですし、名作もたくさんありますし。

ただ、今回はじまった「かみさまかえし」の印象か、それとも以前からで気づかなかっただけか、前回からのいじめの印象か…「残酷」「邪悪」がかなり増えてきている気がするのです。
それは今の本誌の一番悪い部分で、増刊はそれに汚されてなくてよかったと思っているので、できたら邪悪なし、楽しくラブラブな話を中心にしてほしいです。

かみさまかえし(遠山えま)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)むりやり探偵部!(佐藤みなみ)おんたま♪(美麻りん)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)マイ ワールドオブ…(あおいみつ)いじめ会議(秋本葉子)さよなら弱虫(三浦瑞希)妖界ナビ・ルナ特別編(菊田みちよ/池田美代子)恋の法則(本野ゆな)ティーンズ・ロック(進藤はるか)ウェザーガール・りいな(みつき成流)名探偵夢水清志郎事件ノート(えねうえけい/はやみねかおる)若おかみは小学生!(おおうちえいこ/令丈ヒロ子)きみといた夏(福月悠人)Wish(瑞樹しずか)地獄少女R(永遠幸)

かみかみかえし
神様も長く生きていると疲れてきます。そんな神様を髪の中に入れて休ませ、元気にしてお返しする儀式がありました…
ある家に、三歳の頃から閉じ込められている少女がいた。彼女、ましろはずっと髪を切ることなく、外に出ることもないし成長することもない…ある儀式の関係で、分家の彼女に神が入ってしまい、本家の人々に迫害されている。
ある日、小さなほわほわの塊が二つ出てきて、それをましろちゃんは憧れの羊だと勘違いした。
そしてまたある日、なぜか扉が開き外に出てしまったちゃんが追い詰められたとき、外に出たいと願ってしまって…
彼女は大人の体型に成長した上に、乱暴そうな青年が出てきて「ましろはオレが守る」と…

面白い設定ですね。髪は魔術的にも強い力ありますし。
閉じ込められている髪が長い何か…そりゃ好奇心そそりますよね。
空気は汚いし不愉快な人間しかいない…確かに。
財力があれば生きた羊を連れてくることは可能では?ごわごわ、って触ったことありそうですね。
すごい封印されてる部屋です…というか人間の外見をもっている存在なら児童相談所というか警察…
笑顔で「簡単に殺せればいい」ってすごい。
小さい可愛いの、というか表情に個性があるのがまた楽しいです。
この羊たちが神、とは思わないんでしょうか?
外の人たちの邪悪さは軽い描き方だからこそ凄まじいです。
外に出たい、という願いから…なんというかすごいことに。
助けるのに一番いい方法は警察に通報することなんですがね。まあ警察より上位の存在なんでしょう、このイエは。
どうなるか想像もつかないんですが…どこかエロゲっぽい雰囲気に感じてしまうのがちょっと悲しいです。

1年5組いきものがかり
いきものというか生物と書いて「なまもの」と読むのが…
不満というか、こいつらの辞書には合意とか恋愛とか言う文字はないんでしょうか。性的権利も金輪際わからないようで。
新しい女子が入ったから…そりゃ淋しくなりますよね。
さてこの岡本さんは…どんなモンスターなんだか。
ダチョウは大怪我どころか人殺せる力ありますよ。
この怪我だけでも、まあよく見なければ分かりませんが病院で縫ってもらったほうがいい怪我かも。
正体がばれたら部活やめられちゃう、ってもう時間たってますからばれてるならばれてますし、ばれてないならこれからも大丈夫でしょう。
後ろからのキスは普通よりもエロいです。上を向かせてというのは受け入れてますよね…
あ、ゴーゴンでしたか。ちなみにゴーゴンは三姉妹で、顔を醜くされペルセウスに殺されたメデューサ以外の二人は元気で美人だったと思います。
ヘビの顔が全然怖くないのが苦笑しますね。
キスシーンはとことんエロ…
まあどうせすぐ戻るでしょうが。

むりやり探偵部!
ずいぶん人気あります。本誌進出が楽しみです。
イケメンも大変ですね。
タピる…タピオカを食べる、ですか。
たけのこを探すというのも楽しそうですね。
今度は別のイケメンが…
平成の壇ノ浦、なんというか楽しいです。僕もこのクラスのふつう男子だったら…
探偵ごっこで引かれるかと思ったら…「解決していただきたい」
何で証拠の邸宅は。
エッチ本を読んでいる老人というのも楽しい。
祖母に似ている、ってそれはちまきちゃんがとんでもない美女だってことでしょう…
歌の謎解きというのも楽しそうです。
金属反応を調べたんですか。でも金属でない埋蔵金ということも…どうすれば昔の科学技術水準でそれが可能でしょうか?絹でも短期間で腐敗します。
複雑な花言葉もわくわくさせます。
このおじいさんの行動は繰り返すたびに楽しませてくれますね。
この近所の子はどんな形で…
手のこんだことをやって、埋蔵金どころか、これは実に心温まります。
「結婚するしかない」って本気でしょうかね。
なんというかボケと突っ込みのふり幅が大きくて、なんとも言えず楽しいです。

おんたま♪
合唱部でミュージカル…根本的にやることが違う気もしますけど、それも楽しそうです。
長い時間…考えてみると宝塚の、トップスターが一日二公演やるのと同じ時間・激しさの歌と運動をカラオケショップとスポーツジムでやったりしたら…背筋寒くなりました。
みんなが恋愛応援団になっているのが苦笑しますね。
いきなり告ってこいはきついんじゃ。
この王子の衣装も決まってますね。「かっこよすぎて声にならない」というのが苦笑でした。
肩が触れ合っているのがすごくドキドキします。
変なお兄さんが入ってきて、なんというか不思議ですね。
先輩の嫉妬は見ている分には楽しいですが…彼、一生自己嫌悪するのでは?忘れる薬があればいいんですけどね。
それで、こんなストレートな告白になるなんて!ここからの真っ赤がまたすごい可愛い。
この返事は…蹴り倒したくなりましたね。
演じながら泣いているのが見ていて苦しいです。
歌で気持ちを伝えてくれる先輩のおんたま…
額へのキスがすごく暖かい感じ、そして目、唇に行くのか…って声が上がってなかったら行ってたんですか?
終ってからの彼の言葉、なんというか…みっともないです。「オレきょうお前にいうつもりで」とか…最後に怒鳴ってたり…なんというか終ってます。
父親、だったんですか?
なんというかすごいことになってきましたね。あと、肌の質とかで大体の年齢はわかるのでは?

初恋ランチボックス
本音は新人の作品一つでも載せろ、ですがこの作品自体は大好きなので。
今回は服の感じがすごく柔らかいですね。
弁当つくりで大変…はは。
亜空間胃袋…なぜ太らないんでしょうね。
ひたすら単調なパンにバター塗ってハムとチーズ…まあ単調な仕事も必要なんですけどね。
ほぼ完全に悠希くんがやってますね。手伝う余地ない、というのは笑うしかないです。
SHIORIさんの親切がすごく胸が温まります。
好きな料理を教えてくれるとは、さすが姉。弁当箱に入れる前ってよほど好きなんですね。
あ、今回はレシピなし?

小川とゆかいな斎藤たち
テスト勉強を見てやってるんですか。「手おくれです」の一言が大笑いでした。
壺が取れない、というのは笑うほかありませんでした。
油とか石鹸とかって指輪の話じゃ…
この状態で油と石鹸と氷…ただの拷問ですね。
屋上から落ちそうになって、「ごめんオレめーわくばかり」というのもなんかのんきに思えます。
人命より写真を優先するというのがすごい…
仲良すごすぎます。
で、壺…すごいはまりかた、というかこの壺の口径は子供がいるところじゃ危険でしょう。

マイ ワールド オブ…
 いじめられている紗希と香魚ちゃん。二人だから乗り越えられる…
 ある日紗希ちゃんが一人で登校することになり、ふと「自分の思うままの世界があればいいのに」と願ってしまう。その瞬間踏んだ水溜りにのみこまれて、気がついたら雨も降っていない、そして自分はみんなの人気者になっていた…でも香魚ちゃんはいじめられているままだった!
そして慕ってくる香魚ちゃんに、紗希ちゃんは憎しみをぶつけてしまいいじめにも加わってしまうが…

圧倒的な表現力がこっち方向に活きてしまったらどんなことになるか…わかりきったことですね。手足が冷たく吐き気がします。
全能は誰もが望むでしょう。しかし、誰であっても全能を得たら不幸にしかなりません。人間の心はそんなふうにはできていないんですよね…欲自体が矛盾しており、一つの願いをかなえたらそれを嫌う欲が出てしまう…
現実と反対…僕にとって反対の世界ってどんななんでしょうね。想像したら吐き気がしました。
そしてこちらの世界での香魚ちゃんがいじめられている、そしていじめのきっかけは…いじめのきっかけ?意味なんかないですよ。いじめにきっかけなど無意味です…戦争と同じく。じゃあサラエボでのオーストリア皇太子暗殺がなかったら…あれだけの火薬庫、いつか火はついていたでしょう。
恨んでいた、だから…この状態も自分の願望…
もしそうじゃなくて、ただ選択するだけだったら?自分も明日からいじめられる状態に戻るのと、それとも自分だけ人気者でい続けるのと…
いじめに加わってしまうことが、なぜいじめの辛さを知っているのにできるのか…逆です。いじめの辛さを知っているからこそいじめるんです。
「人は悲しみが多いほど人には優しくできるのだから」なんて大嘘です!証拠?ガザの難民キャンプを見てください!イスラエル軍の訓練を見学してください。史上最も悲惨な思いをしたからこそ、二度と踏みにじられる側にならないと、本当の地獄を見てきたユダヤ人たちは断固として暴虐の限りを尽くしたのです。
そうだってことを見据えた上じゃないと…
でもここで抱きしめてしまうのは…それだけ、絆があったのでしょうか。共にいじめられていた記憶での…逆に、恨みじゃいじめられないのかも。人をいじめることができるのは、特殊な精神状態が必要なので…同じ人間をそうするのはきついのかも。
元の世界に戻って、証拠は腕のブレスレット…
香魚ちゃんはずっと罪悪感を抱えていたんですか。
カバンを振り回す、その暴力は…基本的には無力である場合が多いので、それ自体はメッセージとしては疑問があります。
いじめに特効薬はない、絶対止められる行動は存在しないという現実をゆがめてしまうと間違ったメッセージになりかねません…いじめというのはあまりに重大ですから。
どんなメッセージが読者に伝わったのか、それが一人でも多くの読者を救うことを願っています。

いじめ会議(手記:坂田里子さん)
 切れると怖いからクラスのリーダーのようになっている百合華ちゃんをこのみちゃんが止めた。その放課後、百合華ちゃんは女子を集めて、「ねェこのみをいじめない?」と言い出す。
 そして激しいいじめの末にこのみちゃんが転校し、次に誰をいじめるか会議が始まる…
こちらは手記から…手記からの作品は、前に行った強い制約があります。

とことん背筋が寒くなるというか顔が痒くなる系統の身体反応…
人間を支配する方法の模範みたいですね。独裁者の素質ありますよ、時代によっては。
衝撃を与え、逆らう相手は強く怒鳴りつける…
このタイプの、非情に邪悪な人間が主導するタイプのいじめも多いのでしょうね。
ただし、ひとつ歯車が狂えばこの主導者も標的になるでしょうが。
トイレはさすがにあまりに激しい恐怖でした。
恐怖におびえているのが自業自得、というのはまったくその通りです。
「いじめられる順番はまわってくる いじめのサイクルを止めない限りかならずね」すごくわかりやすく明確で強いメッセージです。
いやだ、と泣き叫ぶ…それがいつかやってくる自分の姿…
みんなも嫌だと思っている。それもまた現実だと思います…そしてそこにこそ、出口があるかもしれない…
「いじめをおわらせるための会議を」という言葉もすごく重みがあります。
恐怖の表現の鮮やかさと明確なメッセージ、そしてどうすればいいかは読者に委ねるところもよかったです。
現実には明日はわが身だと誰もがわかっているからこそいじめは終らない、それを断ち切るのに何が必要かはわからないけれど、明日はわが身だと、徹底的な恐怖で思い知らせたことだけはあらゆる加害者、傍観者に思い知らせてはくれたと思います。
それがより激しくいじめより巧妙に動くことに向かわず、いじめそのものを止めることに向けてほしいですけど…どうすればそのように群れが動くのか…
明確なメッセージと強い光、とにかくさすがとしか言えない、素晴らしい力を見せてくれました。

さよなら弱虫(手記:N・Hさん)
 転校生の吉岡ももちゃんがまず聞いた言葉は、携帯電話がないと友だちも作れない、だったが、佐倉由宇ちゃんという友達もできて楽しくやっていけそうに思えた。
 が、由宇ちゃんは携帯電話をいじっているときにはまったく別の厳しい表情をしている。そして由宇ちゃんが激しい暴行を受けるのを見てしまう。
 母親の携帯電話から、それはももちゃんが裏サイトで悪口を言われているのを由宇ちゃんがかばったからだと知って…

携帯電話はそれほど切実なんですね。
いきなり面白い行動をする、可愛い子が出てくるのが見ていて楽しいです。小六ぐらいなら精神年齢の差は結構大きいですよね、実際には。
最初に由宇ちゃんの魅力がすごく強くアピールされていたからこそ、話が転換してからの胸の痛み、全身の冷えは強烈ですね。
突然のあまりに激しい暴力…警察に通報すべきです。どうしていいかわからず何もできない、というのも理解できますけど…
大量の悪口、そのいじめに立ち向かおうとしたから…強烈な殺意に喉が激しく乾いてきます。
この動画…それから何をしたのか、知りたくないですね。人間の残酷のきわみを知っていることが恨めしいです。
「ゆるしちゃいけない」という怒り…まさしくこれは「犯罪」です。六法全書を借りて刑法のところを見てください。ネットでも容易に調べられます。
「あとはおとなにまかせて」という言葉に「いいえ」といえたことが一番嬉しいです。
ここからの彼女の対応は大人みたいにしっかりしていました。
そう、もしここで先生に任せていたら…先生はこれはもみ消さなければ職を失いますから、もみ消すでしょう。
警察、教育委員会、マスコミ…弁護士、人権団体…それでもだめならネット、ジャーナリスト…あらゆるシステムを積極的に使え、先生であっても一人だけ妄信するな、多様な手段で、ここが一番強烈なメッセージでした。
「あたしは彼女を全力で守ります」という姿のカッコよさときたら!
いじめを止めようとして叩き潰された由宇ちゃん、でもだからって必ず負けるとは限らない…これからのこの二人、そしてそれぞれの家族の戦いが、ものすごく苦しい戦いになるのはわかっています。最悪の場合警察にも相手にされず、家ぐるみで地域全体に叩かれる事態さえあるのです。でも諦めず、他のさまざまな門を叩き続ければ、そこには明白な犯罪の証拠があるのですから、必ずどれかの門は開くはず…完全勝利でなくても何らかの動きは必ずあるはず。わかってくれる味方は必ずいるはず。何より闘志こそ勝利の第一歩。
いじめで弱っている人は、一人がダメならそれで諦めることが多いです。ドアを探し続け叩き続ける力などめったにありません。それを責めることはできません、重傷を負った人が一つ目のドアで力尽きても責められません。でも、実際に一つのドアがダメなら次のドア、と探し続け叩き続けることが、唯一戦い続ける方法なんです。このドアがだめでも別のドアがある…入院した隣のヤクザに助けられたという有名な例さえあるのです。
いじめを警察沙汰にすることこそ、いじめに対する最強の武器になると僕も思います。
本当に厳しい戦いですが、戦わなければ…確かに相手は強力ですが、必ず負けるわけじゃない…視野を広く持て、警察など多様な武器がある!強烈な闘志が伝わってきます。
本来の持ち味である熱さとパワーが実にうまく出ています…ひどく頭が痛くなるほどに。

妖界ナビ・ルナ
じめじめするよ、という言葉、まさに今がそう。季節感があるといいですね。…単行本がどうなるかはともかく。
古い洋館…住居不法侵入…
なんかすごい猫、そして妙にぼろいところ、こののんきさと…外の二人の緊迫、いいギャップです。
呪いのことを告げたのに怪我をしそうになったらかばう、複雑な行動ですね。
というか幽霊でもなんでもなく…
洋館の家主さんの寛容さがある意味すごい。
クヌギちゃんが最後にしゃべったのがまた可愛いです。
すごく楽しい心温まる話で、いじめ特集で地獄を見てからのいい箸休めになりました。

恋の法則
 保健室の常連、大貴先輩は今日も保険委員の石井ちゃんのところに怪我して来た。説教で事故についてのヒヤリハットの法則を教えたら、もじって恋の法則、300回相手を思い29回すてきだなって思ったら」…なんて言ってくる。
 そして試合の応援に行く約束をして、お守りを渡したのだが…大貴先輩が事故!

出てきてくれただけでも嬉しいですし、想像していた以上に成長しています。
ふんわりした雰囲気だけでも満足できてしまいそうです。
明るくて表情豊かで、冒頭からとても楽しくなります。
石井ちゃんの真面目な性格も好感が持てます。
「心配してくれてるの?」と言われてドキッとする表情も可愛い!
絆創膏を取り出してなにをやっているのか…読み返すとほほえましいですね。
保健室の先生が「それにしても大貴きょうはおそいわね」というのは…からかっているのに石井ちゃんがそれに気づいていない、というのがまた可愛い。この先生がまた結構魅力的なんですよね、動きとかは少ないんですが全体に。
いきなり裸見せ付ける男子というのもすごい…石井ちゃんがいなかったらどうしていたんでしょう。
ずっと笑いっぱなしなのもこっちもつられそうです。
ハインリッヒの法則を説明する上向きの表情も魅力的です。すでに怪我してたら…それが百個あったらその一つは…
恋の法則、ってうまいこじつけですね。そういう、そばにいることで育っていくタイプの恋もあるでしょうね…彼女は運命的な恋をイメージしているようですが。雷が落ちるような一目ぼれ、でしょうね。
ボールが飛んでくるところのスリルと恐怖感は結構大きかったです。
しかしすごい反射神経…。
ここのドキンとする表情も可愛い…
ピヨピヨ、って今のゲームもその表現はしてるでしょうか?
そっと触りそうに生ってしまって引っ込めるところ、気持ちが育っていくのがしっかりあって素敵です。
まず「けがなかった?」と女の子を心配する彼も素敵ですし。
このおまもり…彼の立場で読み返すとたまりませんね。これって脈あるよな、好きでもない男にお守り作ってくれたりなんてしないよな、なんて思ったり…彼女の手で作られた者だと言うだけで当然その日は抱いて寝たでしょうし。
落としたのをあわてて取りに行くのも当然ですよ。
病院での言葉…心がすごくまっすぐ伝わってきます。
それが好きって思いなの?と気づくのもうまいです。
命に別状は…でも野球を続けられるかどうかは…
彼の告白もとても丁寧で暖かい思いです。
優しいキスもドキドキしますし、最後の暖かいユーモアも素敵でした。
とことんスタンダード、だからこそすごく満足できました。次回作もますます素敵な作品を楽しみにしています!

ティンーズ・ロック!
 メジャーデビューを目前に事故死した兄…妹の舞ちゃんはすぐに立ち直り、自分もやっているバンド活動を再開した。
 そこでギター探しになり、兄の曲を知っている林美空ちゃんの演奏に惚れこんでメンバーにする。
でもステージリハーサルの日に遅刻してきたりする舞ちゃんに美空ちゃんは反感を持ち、抜けると言うが…

ますます大人気ですね。そのままシリーズ、本誌とつながってくれたらいいのですが。
冒頭からすごく雰囲気がよく、明るくて力強いです。
音を聞いたときの衝撃と出会いのイメージはすごく鋭いです。
美空ちゃんがすごく魅力的な子です。
舞ちゃんの歌声も美空ちゃんの心を動かすだけのものはある…全力疾走してみたりいろいろ楽しいです。
時間厳守…分かりますけど読み返すと…
美空ちゃんは自分の見方でしか人を判断できない…その目の狭さ、怒りがすごく伝わってきて、何度も読み返すとたまらないものがあります。
墓の前の手紙…一つ一つすごく心がこもってます。
兄のギターを譲る、って…事故でよく壊れていなかったものです。
涙を浮かべながらの強い微笑…すごいです。
ステージに向かう盛り上がりがすごく輝かしいです。あまり活躍しなかったほか二人も、ステージでは全く違う輝きを見せてくれていますね。
カッコいい!と叫びたくなるような素晴らしく力が伝わってくる作品でした。

ウェザーガールりいな
 子ども扱いされるのが嫌なりいなちゃんがちょっと大人っぽい服で外に出たとき、たまたま出会った男に強引にテレビ局に連れて行かれ、何かの欠員補充で…天気予報キャスターをやることに!
 最初はいい加減な気持ちだったけれど、多くの人が集まって作っていることを理解し、急速に成長していく。
 でも自分が小学生だということは隠していて…

絵の感じがぐっとさわやかになりましたね。
「もうじゅうぶんオトナだよ」…その背伸びはすごく普遍的な感情ですよ。読者もみんなそう思っているんじゃないですか?
大人、という言葉も人を縛りますね。特に年齢と法が結びついて絶対になってしまっている近代社会では…
「中身はとっくにオトナ」という言葉もうまく後に響いてきます。逆に思えば…年齢は大人でも、中身が全然子供というのも本当は多くいるんでしょうね。
メイクして外に出たときの彼女、確かに大人に見えます。服がすごく細さを引き立ててますね。ランドセルを担いでいる彼女とも見比べてみたいです。
イケメンに抱きとめられてから、現実的に考えると強引ですが話のスピードがすごくよくて楽しいです。
いきなり大人用の文章を暗記させられる、というのも大変ですね。小学校六年の頃の僕なら、漢字を読む能力は普通の大卒成人程度はあったはずですが、難読地名にはそれほど通じていないので100%は難しかったでしょう。
「晴れてバンザイ」思いっきりバカなことをしたのが逆に受けてしまうのもうまいです。
それを「オトナとして認められたんだ」と無邪気に喜んでいるのが、大人とは何か分かってない彼女の子供らしさを引き立てています。あくまでテーマから外れないのがいい。
「これは仕事だから」という厳しい目、それが大人の第一歩…気づかせるための積み上げが実に分かりやすいです。
もうオトナだから、とかいいつつ九時過ぎには寝てしまう、というのが…ここは小学生らしい感じですね。
気象予報士がしっかり仕事のシステムを教えてくれる…この、多くのいろいろな資格を持つ人が集まって一つの仕事を作っている、ということは読者のみんなはもう知っていたでしょうか、それとも…多分、漠然とあちこちの知識はあっても、こうして一つにまとまるのは初めてだと思います。
あと気象庁以前にも、その天気の基礎データを集める、人工衛星から全国各地で風や雨や温度を地道に測定している人たちがたくさんいますよ。
大切な役なんだ、と自覚してから一生懸命にやり始めるところがとても魅力的です。
また受けてしまうのが苦笑しましたが、それ以前の普通の原稿読みの部分もしっかりできたんだな、というのが見ていて嬉しいです。
話し方の本をくれたり、仕事のために厳しいけど優しい…社会に始めて出た子供にとっては理想的な上司ですね。
「ちゃんとやれば認めてくれる」という信頼こそ、大人にとって何より大切なものですよね…逆に信頼が破壊されていたら、年齢や収入と関係なくある意味大人じゃないと思います。
一生懸命に努力していることも短いですが伝わってきます。
ランドセルを植え込みに置いて行っているのも苦笑します。
何を彼が怒っているのか気になって追って…ここでの「わるいとこあったら直すから」という信頼の言葉、仕事をしている人にとってはこれ以上なく嬉しいでしょう。
そんな言葉を言えるのは大人でもめったにいないですしこれ以上ないほど大人ですよ…
ある意味理不尽な理由からもよく考える、プロ意識がしっかり育っているのがすごくよく伝わってきます。
虹のシーン、そしてマコトさんの持っている別の夢、とキャラクターをしっかり積み上げているのも話が伝わってきますね。
岡野さんについてそこまでやらなかったのは…三角関係にしなかったのは、読みきりの制約上テーマに話を集中している、正解だと思います。
正体がばれてからの話は期待通り…「仕事(ルビ:プロ)の自覚」が全てですよね。逆に年齢は大人、収入はあるけど実質は…という人がどれだけいることやら。
あらためて虹の下での仕事シーンのさわやかさは素晴らしかったです。
抱きしめられたりしたのは…ちょっとあわてましたけど、なんと言うか続きをいろいろ想像させられてしまう話です。
テーマがとてもしっかりしていて、きちんとそれを伝えることに徹していた、すごく力のある作品でした。
これからも力強い作品を期待しています!

名探偵夢水清志郎事件ノート
ずいぶんお久しぶりです。キャラクター多いですね。
おお、洞窟二人きりシチュですか。いいなあ大好き。
よくこんな高さから落ちて無事でしたね。
寒い、と思ったら服かけてくれたり…って自分は裸で「ぜったい守るから」…カッコよすぎ。というかこの二人のラブラブ強烈過ぎます。
明かりがつく鏡…底なしに便利ですね。
トイレはどうしたのかという突っ込みはしないでおくのがデリカシーでしょう。
疲れた時に靴を脱いでいるのが芸が細かいです。
奥からいくつめ、で隣に座るつもりないのに座って、というのもわーっとなりました。
顔が近すぎます!
…というか間違いようによっては同じ岩に二人座ろうとして…ひゃああああっ!
この状態で謎解けたかも…フラグクラッシャー認定証を進呈しましょう。押し倒しても許されたと思いますよ多分。
助けが来たのはほっとしました。
心配はともかく、それに「で、レーチくんと二人でなにしてたの」…ふふふ。楽しそうですね。
レーチの「さて」からの華麗な…滑りは見事でした。冷たい飲み物を用意してくれるヒイアカさん…
こういうふうに、副探偵が「さて」をやってしまって滑るというのは…これ以上恥ずかしいシチュエーションは考えられません。
パラシュートなしのスカイダイビング…とても楽しい言葉です。まあ某国ではしゃれになりませんが。
この風景描写のすばらしさはすごいですね。
荒地に着陸できるというのもすごい飛行機ですね。
もう一つの城には驚きました。というか当主も知らないでなぜ維持できていたのでしょう…誰か維持している人がいた?
ただ島のどこかとは限りませんね。ニュージーランドかもしれませんし、地中海の小島かもしれません。
消えた理由の子供らしさも驚かされました。そこでの教授の目の温かさも…
次が楽しみでなりません。引き伸ばされすぎてますよ…その分亜衣ちゃんとレーチのラブラブは堪能できてますが。

若おかみは小学生!
扉には笑ってしまいました。
近所の人が苦しい時に味方になってくれる…地域が機能しているってのはすごく心強いですね。当然負の面もありますけど(初回の体罰とかは忘れてませんよ)。
誰もが失敗しながら成長していくのですから、こういうところが失敗を受け止めるところになってくれる…後により子ちゃんになにかあったらおっこちゃんが助けるかもしれませんし。
女の子同士の会話は楽しいですね。甘いものがあれば余計に。
今度はこの前の鳥居くんまで…でも堂々と男友達に「好きだよ」と言えてしまうのって信じられません。
なんというか、こうして恋話になれば失敗のことなんて吹っ飛びましたね。
握手を求めるって日本人の男子の行動かどうか…すごすぎます。女の子の夢ですね。
帰ってきたらかえってきたで男の子が二人、もうどうしていいやら。
おばあちゃんの反応がすごく自然ですね。子供が働くのが当然の時代の生き残り、という感じです。
かわいくなって…どうするんでしょうね。僕も男子だから当然かもしれませんが、自分を飾り美しくすることに小さい頃から全く無関心だったのでわかります。
髪が濡れているのでウリケンが意識してしまったのは苦笑しました。
真月ちゃんのおしゃれは桁が外れていますよねえ。
着物のほうが似合う…そっちのほうが強いかも。
倒れているのはおなかがいっぱいだから…うまく風呂に誘導して、この若おかみとしての言葉がまたすごく素敵ですね。堂々としてます。
さて…誰がお相手なんでしょう。でも占いとかに惑わされたりせず、自分で選ばないと。まあ自分で選ぶと言っても理性や意志の部分じゃなくて、脳のすごく深い部分ですが…というか人間の主人ってそれなんでしょうかね。

きみといた夏
 小さい島の学校、ひのはちゃんと陽斗くんは幼なじみ。これから受験が迫るけど、医者志望の陽斗くんは島外の学校を受ける予定。
 陽斗くんのことが好きと自覚したひのはちゃんは、ある日彼の受験票を拾ってしまい、それを隠すか渡すか迷ってしまう…

絵に無駄がなくなって、ぐっと品が出てきた感じです。扉絵はじっくり見ていても飽きませんね。
冒頭の二人もすごく明るい感じで見ていて心地いいです。
島のさわやかさもよく出てます。
「はさみど」ってなんなのでしょう?僕は聞いたことないです。
強引なお姫様抱っこで保健室、派手なことしますね。
傷口を見るのが苦手だった昔の彼と、いい対照になってます…成長したんですね。
「だかれた」ってずいぶんと過激な台詞ですね。さらにむりやり、ということばでどんな妄想したんでしょうこの女の子たち。
医者は自分のことを…投げ出す人間でないと勤まらないのが現実です。
いきなりベッドに引っ張られるところの、服の襟とか鎖骨とかやたら色香があってドキッとしました。
デート、と意識しまくっているのが楽しいです。
普通に手をつないでいる…なんとも切なく想いが伝わってきます。彼の側から読むとまたたまりませんね。
光に満ちた島の美しさ…「いかないで」となってしまう、その辛さはすごく分かります。
そばにいたい、その想いが強すぎるのも。
受験票を渡すかどうかの葛藤、それだけを丁寧に描いていくのが素晴らしい!
ついに渡して、そしてキスになる…ここのアップもすごくすっきりと無駄なく思いだけ伝えてきます。
すごく熱い思いだけがまっすぐ伝わってくる、なんというか一皮むけた作品でした。

Wish
 着飾るのが好きな青井ちゃんはいつも「ムダに遊んでばかり」と叱られており、それがとても重い。
 教育実習に来た大谷先生の「好きなの?」という言葉をきっかけに、自分の「好き」に価値がない気がして…

鮮烈!
絵も期待していた以上に成長して、複雑な服がうまく使いこなされてます。
何よりすごいのが、普通の作品では単純な「悪」として扱われる生徒指導の初老の男性教師を相互理解が可能な「人間」として描いたことです。それってめったにないことですよ!
「いらない好き」…すごくわかります。僕もいらない好きばかり多いんですよ。
理解されない悲しみがふっと全身から出ているようで、すごく身につまされます。
輝いて見えたからやっているだけ…他人に気持ちを言うことを諦めている、寂しさがすごく伝わってきます。
「好きっていらない気持ちなのかな」という繰り返される言葉が、繰り返される主題歌のように心に刻まれてきます。
いきなり「好きなの?」といわれてふっと心が通じる…互いに、「外見ばかりのバカ」「問題児」「理解してくれない」と決めつけているわけじゃない…すごく心が柔軟なんでしょうね。
自分でも髪を編んでる、ってどんな熱心さでしょう。
興味を持ってもらえる、というのは嬉しいですよね。ちゃんと話してくれるということも。とっくに諦めていたことを与えられたら…
ふっと心が通い合い、それが「ムダにならないこともあるんだなぁ」と…自信、自尊心につながっていく…
クラスの女子と話しているのを見て何を感じたのか、それがすごく深い部分の言葉になって…ここの彼女のうろたえた表情がものすごく可愛いです。
好きに優劣をつけてしまう、というのも世間や学校のものさしが内面化されているから…
言える人より苦しそう…彼女の苦しみが一つ一つ、すごく丁寧に描かれていて、読者はみんなすごく感情移入して追えると思います。
ピアスを取られそうになって、それまではこの生活指導の先生は人間だと思っていなかったんです。とても単純な、ゲームのキャラクターのようなものだと。でもそれが、大谷先生の一言…ちゃんと言えばしっかりわかって頭を下げてまで…ここはものすごく強い印象がありました。
圧倒されたと言っていいでしょう。
自分が心を開けば…なんて素敵なメッセージでしょう。
それからの、恋愛はむしろ蛇足にさえ思えますが、でもテーマをしっかり引き立てて話をまとめてくれています。
ラブシーンの熱さ・暖かさも素晴らしかったですし。
すごくしっかりとテーマを伝えてくる、ものすごく素敵な作品でした。このとんでもない実力、次にどんな形で活きるか楽しみでなりません。

地獄少女R
僕が住んでいたところは田舎だったのか都会だったのか。大人の目で見れば幹線道路沿いで高速道路大インターチェンジが近くですが、僕の目では森林率がとても多いド田舎でした。
今は大分変わっているんでしょうけどね。
秘密基地というのもよくありますね。
エアガンで猫を…そういう邪悪な人間ってどうすればいいんでしょう。
警察に連絡できたのは賢明ですが…
猫の可愛らしさがすごいです。
見つかったら何されるか…それを抑止する手段がないというのがきついですね。
相互カバーで常に動画を撮影し、いつでも警察に送信できるようにしておけば…
基地を取り返す、というのは…人間にとっては所有感覚はすごく強いですが、逆に嗜虐者はそれを奪いたがるのも…
三人がばらばらになっていく…より暴力的で過激な方法が選ばれるのも人間の群れですが。
止めることができなかったことがすごく辛いですね。放っておいても、地獄少女などなくても解決できた可能性が高いケースだったのに。

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