なかよし2010年8月号感想

付録がコンパクトなのはとてもありがたいです。

表紙の甘い魅力は圧倒されますね!

最近連載の回転ペースが早いのはいいと思います。長期連載が多いと沈滞ムードになりますからね。

「GO! GO! なかよし団」は変に面白いです。ハタノヒヨコという作家自体はすごく力がある作家なので、活用して欲しいですね。このタイプの作家で活用されずに消えていったのが何人いるか…

先生に、あげる。(山田デイジー)わたしに××しなさい!(遠山えま)ハートキャッチプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)神か悪魔か(茂呂おりえ)野ばらの森の乙女たち(白沢まりも)AEISA(安藤なつみ)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)メルヘンちゃん(茶匡)地獄少女R(永遠幸)甘い悪魔が笑う(鳥海ペドロ)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)予告

先生に、あげる。
 まじめだけれどそれほど頭がいいわけじゃない田中あざみちゃんはみんなにも阻害され、何の光もない日々を過ごしている。
 彼女の日課は、昔大病した姉の見舞い…ある日、姉は自分のための大人っぽい服をあざみちゃんに着せた。
 その帰り道、カバンをひったくられ、それを追ってカバンを取り返してくれた男にお礼をしようと、メモ用紙がなかったので手に携帯電話番号をメモし、それからまた彼が何かなくしたようなのを探すのを手伝う。
 それからあらためてお礼に行き、衝動的にキスしてしまった。
 そして翌日、再会…新任教師だった彼と。

雰囲気の甘さは相変わらず酔わせます。
なんにでもなれるからなんにもなれない…その極端さがまた若さ、ですか。
まあ本当にとことんなんにもなれない人も今は多いですけど…「なれる」が「家と車を買えて専業主婦を養え子供を一流大学に入れるだけの収入」という意味なら。
まあ経済はおいといて…真面目だと馬鹿にされるっていやな風潮ですね。いつから子供たちの世界をそれが支配するようになったのでしょう…
というか山田先生の作品全体に、なぜこの哀しい雰囲気をいつも感じるようになってしまったのでしょう。
この空白が何十年続く…戦争中では、男はみんな十八になったら死ぬんだ、女だって一億玉砕で死ぬんだ、と自然に覚悟させられていましたが、それと今と…
といってもこの空白だって、そう何十年も続くとは思えません。財政破綻にピークオイル…この文明が砂上の楼閣であることには変わりありません。
でもまあ、これは…そう、「恐怖の大王が来なかった」ことのある種のトラウマがあったのかもしれませんね。宮台氏の「終わりなき日常を生きろ」ですか…
共感できすぎて怖いんですがこれ。読者に、強く共感できてしまう人が少ないことを祈りますが…大多数でしょうね。
下駄箱などの細かなシーンだけで伝えてくるものの多さには驚かされます。
妹にこんな格好をさせてそのまま返す、というのは真面目すぎて浮いているのを心配してでしょうか?
引ったくりをぱっと追って、この男のカッコよさはすごいです。
手に字を書かせたり、そのまま探し物を手伝って手を握ったり…ここはしゃれにならないほどドキドキします。
ただ、僕だったらお礼されるのはわずらわしいので、はっきりと全て断るでしょう。でもそれはそれで、嫌われたのかとか誤解されかねないのですが…
宅配便だったら裸で出てもいいんでしょうか?僕は着替えますよ…パジャマぐらいには。
あと、僕なら一人暮らしの家に、女の子を迎え入れたりしません。外の喫茶店などに誘いますよ。
引っ越したばかりの、水が垂れる給湯器の生活感はすごいですね。
星を見に来る、というのは同年代の女をセックス前提で誘う口実なんでしょうね、普段使っている。寄る男の部屋にというのはそういうことですし。
本当にただ星を見たい時に誘える場があればいいんですが、望遠鏡は外に持っていくと壊しやすいですし。
手をつなごうとしてつなげない、というのも胸がぎゅーっとなります。なんでしょうこの手の柔らかさ…握ったらしびれるような感じがするんだろうな、ってすごく思います。
いきなり「キスしてください」でキスして走り去る…この大胆さにはびっくりしました。女の子って怖い…
彼の身になったらある種の恐怖感すら感じるでしょう。
そして…あああああああああっ!先生っておい…さてジョーくんがどう動くやら。
なんというかドロドロ確定です。覚悟して読んだほうがいいですね…

わたしに××しなさい!
時雨くん壊れかかってますね。
猫をかぶってるのがつまらない、というのはいいんですが…「小説に使えないぞ」…人間としての道徳観はゼロなんですね彼女には。
というか今の学生に、「人間としての道徳」なんて存在しないというか捨てなきゃ生きられないですね。SSやポルポトよりひどい気がするのは僕だけでしょうか。
というかそれに小説頼ってるのって問題では?別のネタはないんでしょうか。
ゲームはおしまい、ってゲームの件も吐かされたのでしょうか?
何この夢…いくな、と眼がさめたらそこに彼の顔がある、というのはいいですねえ。
一分だけそばにいる…
楽でいるのと楽でないのと…みんなすごく楽な方法を見つけてしまっている気がします。
今度は水野さんが壊れる、というか本気でみんな一度壊れたほうがいいのでは。
それこそなぜか絶滅動物がたくさんいる島にでも放り込むかなんかして。

フレッシュプリキュア!
忙しくなってきましたね。
パワーアップ…ロボアニメ用語で言う乗り換え?
少女アニメはその点楽でいいですね。新試作機よりは金はかからなそうです。
オバケだと思ったらまたかわいいのでしたか。
花を使った表現がすごく豊かで、何かが伝わってきた気がします。
三人目は…まあある意味みえみえですけど。
アニメ見ないと分からないのは辛いです。

神か悪魔か
ついびくっとしてしまう、その反応で相手が傷ついて拒絶されてしまう…悲しいぐらいよくあることですね。とことんどうしようもないんですよ。
差別をしてはならない、といくら自分に言い聞かせても、動物的な反応をなくすことはできないようです。
見た目は可愛いけど種に毒がある…この花が何なのか見ただけでは分かりません。
不老不死の呪い…それは地獄にほかなりませんね。なのにどれだけ多くの人がそれを求めるか…
確かにロミオとジュリエットは…まあ詳しくは原作を英語で読みましょう。
「うごいてないよ」…このふわっとしたさわやかな感じでこんな重いことを…
キス作戦と言い出しておいて自分がキスすることを考えていない、というのがなんというか可愛い。
キスをする、と意識するとどうしていいかわからない、段取りでパニックになる、これもすごいです。もう頭吹っ飛びそう。
本当の愛の言葉だけが呪いを解く、というのも定番ですね。
同時に消える…実際にはどうなるんでしょうね。
いろいろ深いのが見えてきてドキドキします。

野ばらの森の乙女たち
なんて夢…朝起きたら、まあなんかもう…こんな男子禁制の世界は僕には感想を書くのも…
逆に美男美女の普通のキスだったら大丈夫だったのでしょうか?まあ性愛がどうなるかの理由を問うのは政治的に正しくないので。
やっぱりのぞきはばれてましたね。
いきなり学年代表…というか声をかけられただけでみんなには嫉妬の渦ですな。
何この新聞…笑うしかありません。
指の傷をなめられる、このシーンのエロさはすげえとしか…
社交ダンスを何が悲しくて女同士で…まあ、宝塚と思えば…
書庫にいたらいきなり後ろから、これもドキドキしますね。
それでダンスに誘われ…うわああああ。
やっかみがあるから近づかないで、と…なんというかこれを言うのってすごい勇気では?
いきなり押し倒されて…あんたも女の人なんですが。
なんというかこの作品にどう感想を書けばいいのかまったくわかりません。

ARISA
影おくりそのものも楽しそうですね。
何があっても味方、という言葉が子供にとってどれほど重いか。
一番になれば、というのも子供がよくやる過ちですが、逆にそれ以外に何があるかといえば…ないですよね。
頑張っても越えられない壁、そこで「何があっても味方」という言葉は支えにならなかった…届いていなかったのでしょうか。
どこで道を踏み外したのでしょう。
単純に五百点満点を目指す勉強をしなかったこと?もっと別の目標を見なかったこと?
そしてクラスに蔓延するゲームに眼を向けなくなっていた…
さらに、あまりに繰り返された無茶な願いに、メールを無視するのが習慣になっていた、そこまでいったらもうどうしていいかわかりませんよ。間違っていたとは言えません…
人間にはどうしようもなかった、としか言いようがないです。

初恋ランチボックス
うまい。
一度すれ違ったときの難しさ、でも一人じゃなければ乗り越えられる…たまりません。
ぱっとあやまればいい、でもそれも受け入れられない…胸が痛くなります。
僕もほっとけないというのはいいと思います…友人がいるのはすごくいいですよね。
どうしたの、とやるのをやめてしまうのは見ていて辛すぎます。このままだったらすごく辛いことになってましたよ。
「自分のこともだいじにしてやれば」…それ録音して聞かせてやりたい。
SHIORIさんのところに行きにくくなるのも大変でしたね。
今回はレシピのみ、ですか。
わたせる気がしない…根本的な問題を忘れてましたね。
そしてまた昨日の、助けるのをやめた子、ここからの展開は本当にうまいです。
人を助けるだけじゃなく、サエちゃんも助けられているんだ、というのが。
一人じゃくじけそうなのが二人いれば…
タルタルソースなど、既存調味料は活用できたらすごく強みになるらしいですね。僕は面倒なので…というか醤油や味噌もある程度既存調味料ですな。
またあなたの隣で笑いたい…泣き叫びたくなる言葉です。それを完全に諦めるまで何年かかったんでしょうね…
すごく素敵なお弁当です。ちょっとカロリー高そうですが。
心配される、ということを分かった…それだけのことに、幾夜眠れぬ夜考え抜いたが伝わってきます。
完全に恋人同士ですよね、この二人…まあこの関係もいいんですが。
つくづくすごい作品です。

メルヘンちゃん
今度は妖精界へ、というと嫌な予感がすごくあるんですが。まあリアル妖精話(編集・子供向けフィルターがかかっていないオリジナルに近い民話)大量に読んでると…
あくまで処刑、っておいこら。なんか怪物くんの父親を思い出させます。
心にもないことを言って別れるのはわかっていてもぐっときますね。
妖精を殺虫剤で追い払うって…
ファイト一発って言葉、版権上問題ないでしょうか?
この根性話は見ていて楽しいです。
茨の道を木を倒して…すげえ。上のキザ顔とのギャップがすごい。
水面を走るってもう人間じゃないんですけど。
全ての罪をかぶるから…さてまあこんな超人が二人いたら…

地獄少女
これが実話交じりだったらいやだ…
「よふかし」という雑誌名が笑えます。
あいちゃんなにやってるんですか。
嫉妬というのも見ていると嫌になります。やってる側は気持ちいいんでしょうけど。
といってもそれで地獄少女って…というか、ここであいちゃんがやってるのはアシスタントやってて自分が悪いのに私怨ぶつけてるとしか思えないんですが。
修羅の道ってさぞ作者自身も実感あるんでしょうね…
というか地獄行きが確定した身で墓参りなどいけるのでしょうか?
もはや墓前にあること、個人を思い祈ることも許されぬ穢れた身では?地獄確定とはそれほどのことでは?

甘い悪魔が笑う
 隣の男子校のイケメンを見つめているハルルちゃんだが、バカお嬢様学校は名門男子校に見下されている。
 知り合えたらいいな、と思って、両親とも忙しいので寂しい家に帰ったら、一人の少年が訪ねてきた・・・あの人?
 母親からの電話で、なんと彼の親の会社が潰れそうなので援助することになったけど、ただ借りるのもなんだからと彼が執事として働いてくれることになった、と…
 さらに彼のサドっぷりに振り回されつつ馴染んでいくけど、彼に悪評が立つのを聞いてある決意を…

とにかくすごい!めちゃくちゃ可愛いし、細い体から漂う色香の強烈なこと!
冒頭から何この甘い空気。
「おバカ」と「お嬢様学校」って矛盾してません?お嬢様学校はどれも超高偏差値・高学費両方だと思いますが…
ポッキーは落ち着きますね。すごい発明です。
ドアを開けたときのびっくりもえらい伝わってきます。背景の庭描写がすごく細かい!
ここであたふたするの可愛いですね。
金持ち同士じゃ…というか金の貸し借りするほど親しいのに子供同士が知り合いでもないって。
せっかく脱いでいる時に後ろを向く…ズボンをはきかえるところは描かれていたらものすごく間抜けな変態…
執事姿の決まり方が普通じゃないです。どこでどんな訓練をなぜ受けたのやら。
犬耳が出たギャグ顔がまた可愛い!
そして「素でいくね」の悪魔顔!ぞくぞくしました。
まずしたいことは勉強ですか…
腰から手に伸びる手がすごくエロイんですが。体の線と柔らかさをものすごく強調してます。
それを犬、って…危険な人もあったものです。
車の運転手は誰なんでしょう。まさか…日本の運転免許年齢に特例はありえましたっけ…
主人と犬ってとんでもないこと言いますね。さらっと。
かかわらないようにしよう、というのももったいないですが…
父親もすごい…大変ですね、両親とも一方的だと。よく離婚しない、というかお互い干渉しない域にまで?
あくまで勉強している、ここのハルルちゃんの美しさは普通じゃないですよ。
服を選ぶので「ペタンコを強調したいんですか」…うわあああああああ。
よくここまでのことができるものです。学科勉強もしながら。どれだけのことを普段からやってるんでしょう。
「だれかのためにがんばれるってすごいね」と自然にいえる彼女もすごいですよ。
ここの二人の暖かく濃密な心の通い合いがすごく素敵です。
彼のことを気遣って一人で食べてもおいしくない…でも父親も母親も、一人でずっと…みんなで食べられたらいいんですけどね。
「いっしょに…食べちゃおうかな」というシーンのパワーもすごい。
一人で帰るとすごく寂しく思える…切ないですね、ここは。
彼女の豊かな表情が、見上げる首の角度とか、すごく惹かれます。
そしていろいろばれたときの彼の不名誉、それでの彼女の行動…すごくびっくりさせられました。
この男装の美しいこと!
「真実をしったきみたちは」…いたたまれないでしょうけど、自分も同じ人間だってこと忘れちゃダメですよ。
いきなり車に向けてにじり寄ってぎゅっと抱きしめる、甘すぎます!
本当にデビュー作離れしたとんでもない作品。
次回作がどんなすごい作品になるか…どんな連載で出てくるか今から楽しみです。

妖界ナビ・ルナ
最終回…確か原作は第二部もあったと思いますが(原作は読んでません)。
冒頭からあくまで妄想…前回も妄想がありましたけど。
カザンまで馴染んで、楽しそうに…
健在な両親がまた胸が痛いです。
カザンがやれやれ、とおすわりしているのが楽しいです。
友だちも…あまりに妄想で…
仲のいい姉弟としての二人、見ていて胸が痛いですね。
家族だから…孤児たちがどれほど家族を求めているか。逆に家族を持つ人はどれほど孤児をうらやんでいるか…
全てが夢だった、でも逆にこの作品が伝えたいことは…前の夢のほうだったのかもしれません。
もっけとスネリ、取り戻せたのはその二人だけでしたか。
それだけでも生きられる…
最後にやることは道の封印、でも…そう、生まれてすぐにタイをさらった黒幕、そいつの心臓に鋼と鉛を叩き込まない限り終わりにはならないのでは?
最後の使命を果たす、ここのルナちゃんは神々しいまでですね。
この梵字は…順に「バン」「ウン」「タラク」「キリーク」「アク」…それぞれ主要な種字としてはバンが大日如来、ウンが馬頭観音、タラクが宝生如来・虚空蔵菩薩、キリークが阿弥陀如来・千手観音・如意輪観音・大威徳明王、アクが不空成就如来など、どれもきわめて力のある字ですが…それを連ねたのが誰の真言だかは見出せませんでした。五大虚空蔵菩薩という情報もあり、かなりよく使われる真言でもあるようですね。
タイの木箱にあった文字、でもそれはねじまげられてしまいましたが。
それを受け継ぐ…こじつけかもしれませんが、彼女が少しでも生きる意味を見出せるのなら…
これから彼女がどう生きていくのか、第二部のコミック化があるかどうか…
ないとしたら菊田先生のオリジナルの新作でしょうか?それもたまらなく楽しみです。
どうなるにせよお疲れさまでした!大変な原作を見事に描きつくしてくれた、並大抵のエネルギーではなかったと思います。

来月号はやっとしゅごキャラがフィナーレ…まあ作者にいろいろありますし、でもずいぶんと引き伸ばされた終わり方のような。
そしてフクシマハルカ先生の新作、今度は明るく楽しい作品であればいいです。読んでて苦しい思いをするのはもういいので。

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