なかよし2010年7月号感想

付録が薄いというのは手軽でいいですねえ…昔はいつもそうでした。厚紙組み立てが中心でしたから。

表紙が「なかよし」だけ男女ペアというのは目立っていました。

野ばらの森の乙女たち(白沢まりも)神か悪魔か(茂呂おりえ)1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)AEISA(安藤なつみ)ハートキャッチプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)わたしに××しなさい!(遠山えま)中川翔子物語(原明日美)メルヘンちゃん(茶匡)タンブリング(水上航)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)地獄少女R(永遠幸)予告

野ばらの森の乙女たち
音羽女学院って…講談社とかが音羽グループって呼ばれてますよね。
頭身が上がってすごく大人っぽい、強い美しさが出てます。
となりどうしのおさななじみ、となるとどうしてもどんな葛藤が隠れているのかが楽しみになってくるのが意地悪なところです。
友情の誓いとかを聞いていると、どうしてもはかないという言葉が出てしまいます。
助けてくれた王子さま…ええ、先入観がなかったら男だと思ってますとも。
二人のすごい人、といっても別にこの学校の中だけの価値観で、外を見てしまえば…というのも僕が学生時代、ガロアやパウリの背中しか見てなかったからのことです。
でもきれいですね!
朝の馬もすごく印象的ですね。
「ただし許婚をのぞく」というのがまたすさまじい…それほど徹底した、軍隊式の厳しさと陰湿さはこの時点ではまだ見えてませんね。
泉さまと繭子さま…こういうのを見てしまったときにはどうすればいいんでしょうね。技と大声出して相手に気づいてもらうのか、それともできるだけ早い機会に見たことを告白して沈黙を誓うか…
それで衝動的に女同士キスしてしまう…なんとも頭がぐちゃぐちゃします。
で「なに本気にしてるのよっ」ですか。はは。
なんというかすごすぎますね。「りぼん」の新連載のことはコメントせずにおきましょう…どうであれ面白ければいいんです。

神か悪魔か
絵がぐっと魅力的になってます。うまく肩の力が抜けた感じがしますね。
触れるから幽霊じゃない、とは限りませんよ。というか変な何かなのは確かですが。
「ちかいよね」という言葉がすごく直接的ですね。
それでぎゅっと抱きしめてしまうのもわかります。でも首筋にキスするのは…
というか全然嫌じゃないんですね。
ロミオとジュリエットは英語教材としてはどうなんでしょう。あと宝塚の脚本と曲なら違う感じも楽しめますよ、日本語ですが。
英語力があれば英語劇でやってしまってもいいでしょう。というか学習用の英語朗読CDもあるでしょうし、映画版も英語・字幕などあらゆるモードであるはずです。ちょっと女の子の裸があるので教室が騒ぎになりますが。
「やれ」…はは。
あたしたちがジュリエットになって…なんというか正直な人たちですね。
この笑顔はそりゃ、こうしたくなるのわかりますよ。
強引なキス、そのまま倒れそうになるのをかばってもらって、うわああ…
心臓が動いていない…そりゃ重大ですね。

1年5組いきものがかり
いきなりかみつき…最初から容赦なし。
増刊を読んでない本誌だけの読者には分かりやすい紹介でした。その過激さも。
満月のもと…満月って吸血鬼だけじゃなくて狼男にとっても…
うらやましがっている女の子は?
しっかり付録の時計を使っているのが苦笑します。
着替えでサービス、でも色気がゼロ、というのがフクシマクオリティ。
で、爆睡した翌朝の偽の自分?
「学校を出てしまえばもうオレたちは」…今の日本の法律や条例、学校道徳世間道徳はそれは許容していませんので。
何日も徹夜、って冗談抜きで死にますので。水や食糧や空気同様睡眠も大型動物には必須なんです。
あっさりと正体を出して「ページのつごうかんがえて」…おひ。
それで男同士…まあこれもある意味フクシマク…
強引なキスからのオチもいつもどおりです。
ええとまあこういう作品です。増刊もよろしく。読んで損しませんので。多分。

ARISA
クラス全員そろうまで、というかそれどころじゃないし、あと探してくるという人は虹遭難を予防するために止めるべきです。
というかホラーでは「ちょっとさがしてくる」は死亡フラグ…
この夢は何の伏線でしょう。
足は…これは見た感じ切り傷ですから簡単な止血で大丈夫でしょうか。
「ぬげ」はびくっとしました。それで本気で全部脱がして乾いた服を着せたんですね…
みんなの憎悪の目、心配など何一つない…ある種の分断統治。魔女裁判や旧共産圏など密告社会など、社会ストレスが限度を越えると、スケープゴートに対する強烈な憎悪と隣人に対する不信感と憎悪、信仰の対象に対する強烈な愛と崇拝はあります…独裁者にとって理想的な状態です。
全部話して…もし話したとしても、それは一面の真実でしかないのですが。
というかここで起きたことが完全に犯罪であることは…ポアロならこういうでしょうね、警察に行きなさい、と。

ハートキャッチプリキュア!
大人の理解があるというのは安心感ありますね。
この戦いの華やかさもさすがです。
変身できなくてもできることはある…
なんかますますアニメ見てない人お断りになってますけど、逆にアニメを見ている人にはすごく楽しめるんだと思います。

わたしに××しなさい!
のぞかれてるの丸分かり…
それでこの笑顔とは。
晶くんの殺気は相変わらず楽しいです。
首を噛んだときの反応を思い出してこっちが…これだから男という生き物はたわいもない。
いや別に死にはしません、怪我するだけで。
そして二人きりで、何をするんでしょう。
かくれんぼというのも極悪な…先の展開支配しすぎ。というか本当にこの作品のキャラってみんな、「支配」にものすごくこだわりますね。
自分の幸福より相手の幸福を優先するのが愛、というのが一片たりともない、ただひたすら支配ゲーム。すっきりした地獄もあるものです。
ストーリーを知っているのが晶の強み、ですか。
今度は脱がす楽しみまで…というか胸半分見えてます。
ゆっくりゆっくりじらして、「きれいだよ」とか、どこでこんな経験積んだんでしょう彼。
いや普通の男子なら胸に吸いつく衝動抑え切れないと思うんですが。
もうこれは遊びつくした五十のオッサンじゃないと…
後ろから抱きしめて首にキス、「好きでもないのに」という快心の一撃!
人を好きになること自体がタブーである二人…全くわかろうとしない…どんなに思っても通じない…なんかもう。

中川翔子物語
原先生の幅の広さとうまさがとてもよく出ました。
こういう質問から入るのもうまい。
友だちという言葉で支配しようとするいじめもよくありますね。その嫌悪感はよくわかります…嫌悪感には従ったほうがいいですよ。
小学校からの友だち…なんというか、それこそ別世界の過去から来たような存在ですね。
もし知られたら…その心理構造もいじめでは典型的です。
翔子さんがいじめられていることを知って、そのときの反応…さすがとしか言いようがないです。
そういう人一人いるかどうかで全然違いますね。でも逆にそういう存在が裏切ったときは完全に壊れるでしょうが…
とにかくさすがとしか言いようがなかったです。よくもまあこれだけ自分をさらけ出して…

メルヘンちゃん
森をリゾート地にした人が一番悪い…確かにその通り。
それでそこに行ってしまう、まあそれが第一歩でしょうね。どれほどそれが絶望的な道のりでも歩いてみなければ。
で、スコットランドに行く?
というか二階、ってやってることは夜這いというか住居不法侵入…
スコットランドに飛んでいくというのも豪快というかすごい。
こんな空で「実話だから」というのもひどい話です。ここでガラスの仮面目…
半日以上鳥に揺られて…トイレや水はどうしたんでしょう。時々着陸したんでしょうか。
というか半日でスコットランドに行ける民間旅客機ってあるでしょうか…軍用機の超音速巡航でかっ飛ばさないときついのでは?
会長はこういうところでは…本当にこんなホテルの社長と話すなんてできるんでしょうか?ページをめくるのが楽しみなような怖いような。
って侵入者ですか。
この格好で抱き上げられても王子様と姫じゃないでしょう。
「ならばこわれるまで使ってみよう」は爆笑でした。
この壁からの矢はほとんど「おまえは少年誌をなめている」じゃないですか。
というかこの矢でなぜ会長は死なないのでしょう。
妖精の力がなければ温泉がわかずホテルも儲からない、それって本末転倒ですよね。
なんというか強引極まりない…というかいろいろな犯罪で強制送還…

タンブリング
よくここまできたな…かなりの中略がありそうですが気にしないことにしましょう。
一体何があったのか、というか仲間を信頼しろっての。両方。
冷静な対処は確かに賢明ですね。
「おまえの約束しんじて待ってる」こう言えるのもいろいろあったからですが…
「オレが頭じゃ他校のヤツらにナメられる」ってそれ以上に悲しいこともないんですが。少なくとも筋トレと一人カラオケでの大声練習は戦闘・指揮能力を向上させます。
演技の描写は本当にすごい。男の、人の体をこれだけ生き生きと描ける作家は少年誌にだってそうはいませんよ。
本当に水上先生の力ってすごいです。
今までの活躍全部でも、その力は半分も出し切れてないんだなというのがわかって、叫びたいほど切ない思いです。

初恋ランチボックス
確かにこんなところに女の子を呼び出すのは…でも彼女はたくましすぎるんですが。
助けようとしたと思ったらいきなりとんでもない…カッコいい。
ミもフタもないまとめかた、ですが事実ですね。
「おわった〜?夫婦ゲンカ」はお見事。
不良、というのはどういうことなのか…どういうことなんでしょうね。
本当にいい人間なのかどうかは、上流階級のお坊ちゃまでもわかったもんじゃないです。
確かに不良の男子集団が女性を食い物にする可能性は常にあります。不良男子集団には女性嫌悪的なホモソーシャエティの側面があり、内部の不文律としてその成員にまともな恋愛を許容せず、全員で共有する性的搾取の形以外認めないこともよくあります…それならその女と普通につきあいたいといったメンバーの群れへの忠誠を確認することもできますし、快楽としても金銭としても有益ですし、自分たちの邪悪さを再確認してゆがんだ自尊心を高めることができます。
平等な群れではなくボスが献上を求めるケースもありますが心理的には同じです。
でも最高のお坊ちゃまとつきあったら麻薬中毒にされた、ということもありえないわけじゃありません。男子集団の本能的感情、そして本質的にその男子の群れを支配しているのが良心と道徳の文化なのか、それとも暴力と邪悪の文化なのかは身分や財産とは関係ないです。
かといって男女交際を禁止するのもそれほど意味はあるでしょうか?今はそう簡単に、全面的に縛れるわけではありません。
男女とも、緊急時に家族以外(子供は自尊心があり、恋愛と家族からの脱出には心理的に関係が深いので、恋愛が失敗だと自覚して家族のところに戻るのには抵抗がある)の逃げられる場、犯罪があれば確実に逮捕できるシステムが必要なんですが…前者は子供を保護するのは家族のみという家族イデオロギー、後者は学校は守護不入の聖域という学校イデオロギーが反対するんでしょうね…
親が金持ちなら、犯罪承知で拳銃・超小型の隠匿用ナイフ・偽装した携帯電話を買ってやって絶対男に見せないと誓約させ、娘の見る目が正しいことを祈るのが一番現実的でしょう。でもそこまで無茶なことはできないでしょう。
調理シーンはすごく丁寧ですね。
黒木さんが本当の男だったのはほっとしました。悠希くんの男らしさも驚きました…
それでこうして怒ったのは…ひたすらサエちゃんが死ぬほど心配だったから…言った彼もあとですごく後悔したでしょうね。
というか文句言うべくなのはサエちゃんの親です。
しかしすごい!これほどまっすぐな作品が今の「なかよし」にあるなんて。

妖界ナビ・ルナ
絶望は復讐にはしないんですね、彼女は…
あまりにも激しい悲しみと絶望…そしてこの妄想。胸が痛いです。
現実を受け入れる、ということがどんなに…死にたい、となるのも痛いほど伝わってきます。
もっけとスネリを助けられるかも…その希望さえあれば彼女は動くことができる、逆に守る者も何もなしでは…
なんというかただただ圧倒されます。原作もすごいし菊田先生もすごい。

地獄少女
こういうナイスバディも描けるんですね。
服着たままは確かに危険ですね。
胸がなさすぎて、と言っちゃうほうがみっともないんですが。
お姫様抱っこはある意味華麗な眺めですね。
泳いでいて足をつかまれる…それ以上怖いこともないですね。
でもなんというか逆効果というか、ここまでは笑えるんですが。
水着コンテスト…なんというか体から力抜けますね。
あいちゃん、何考えてるんでしょう。逆にマニアが喜びそう。というか曽根アンナ…何かストレスたまってません?
殺される…でも地獄通信を使わなくても反撃法はいくらでもあるんですけど。
自信を持って堂々と…拾った拳銃を使って射殺し、指紋もつかなかったのでばれずにすんだのだとしたら?自首しない限り自信を持って堂々とはできないのでは?自首ができないというのもこのシステムのいやらしい点です。
他にも対処法はいくらでもありましたよ…それこそ女としてのずるさ、駆け引きの領域で。それ自体は僕は嫌いですが、少なくとも暴力よりはましです。

新連載四連発ラッシュからすぐ夏の新連載大ラッシュ、って先月号までの四連発に何の意味が?パチンコの新装開店?
いや、このまま半年間新連載がないよりずっといいですよ。
連載の回転が早くなれば、普通はそれだけ多くの作家に出番ができますし。

それに嬉しいラインナップなので楽しみにはしています。

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