なかよし2010年12月号感想

「告白 本当にあったツライいじめ」の作者コメントからはとても強い感情が伝わってきました。
末尾にチャイルドラインの記事があったのも嬉しいです。
全体として、とことんまで雑誌全体でいじめと戦う、という感じまでは読み取れませんでしたが…どうせやるなら徹底的にやって欲しいものです。残酷さをアピールするだけじゃなくて、本当にいろいろな面から…残酷さのアピールと変わったことによる成功報告だけだと、邪悪な人間は楽しむだけですし、絶望している人間は「変わるなんてできるか」「何をやっても無駄だったんだ」でおしまいです。

付録のルームソックスは冬にはありがたいです。まあ床暖房がある人には無縁の苦しみでしょうが。
ふわふわに徹したのも女の子らしくていいですね。

表紙の青月先生、いっきに華やかな感じになりました!

ミスプリ!(青月まどか/Ruby Party)AEISA(安藤なつみ)わたしに××しなさい!(遠山えま)神か悪魔か(茂呂おりえ)キミノネイロ(フクシマハルカ)先生に、あげる。(山田デイジー)園芸少年(森永あい/魚住直子)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)ハートキャッチプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)野ばらの森の乙女たち(白沢まりも)地獄少女R(永遠幸)予告

ミスプリ!
青月先生の本誌連載というだけでものすごく嬉しいです。
切れのある美しさも相変わらずですね。
執事…まあなんというか、青月先生のアホな部分によく合ってます。
すらっとした感じが見るからにすごく魅力的ですね。
転びそうな子供を助けるシーンもすごくカッコいいです。胸はないですけどすらっとして鍛え抜かれた体格、強い生命感を感じます。
ミスプリ…なんというかすごい。
約束…強烈なのはわかります。
預金通帳をひったくられても、すぐ携帯電話で銀行に連絡し口座を凍結すれば問題ないと思いますが…金になるのは銀行印、またはカード+暗証番号だけです。
人助けを優先するのは当然ですけど、全額おろせるって…どういう銀行でしょう。というか銀行印もカードも三点セットで入って…いても、今は確か本人でも引き落とし制限が…
おわびなんていらない、というハッキリしたパワー…うらやましいですね、こうして自分の生き方に疑問を持たずにいられるって。どこかで取り返しのつかない後悔をしなければいいのですが…
幽霊屋敷から、さらに塀から飛び降りて、というのもいいパターンです。
この男の性格の悪さも強烈。
そして次々出てくる、よくもまあこれだけタイプの違う美少年を出してこれるもんです。
おばあちゃん…という言葉に違和感があるぐらいのお美しさですね。
なんというか、やっぱり。
四人の最高峰…誰を、と選ぶことはないんでしょうかね。
この華やかさときたらやはり素晴らしいです。

ARISA
軽傷…サイドブレーキを入れたのに、というのは…僕がこの事故を演出するとすればどうすればできるでしょう。
サイドブレーキは機械的です。遠隔操作は不可能。
救急車を買収し改造することは日本の公務員の一般モラルを考えればどれほど困難か、しかもこの事態があまりに短い時間で起きていることを考えれば、何日も前から準備する時間もありません。
可能性としては二つ…きわめて強力な念力と千里眼を持つ超能力者か、生身の体ですぐ近くにいて臨機応変に動けるか。となると真鍋くんや、つばさちゃん自身すら容疑者に入ります。
ここまでやってやっと信じられましたか…
手紙を読み返す…あるんでしょうか、ヒントは。
静華ちゃんの選択…その先に幸せはあるでしょうか。王様は追ってくることは?
双子だから…それが、としか言いようがないです。
このURL、どんなヒントが…「友だちになりたいって」この言葉、通じたのでしょうか。
最後の微笑…あまりにも美しすぎて怖いです。
ありさちゃん自身のネット?でもネットはいくらでも何でも捏造できます。
このKという人?
一体何が…今度はどんな形で裏切られるんでしょう。何も信じない、何も期待しない、最悪で当たり前…それぐらいの心持でいないと。アウシュビッツの「回教徒」のように一切の心も反応も抵抗も捨てて、どこまでも…

わたしに××しなさい!
キス…というか初キスがこれで本当にいいんでしょうか?
結局やらない、そりゃそうですね。そこまで人間捨てられたら…
マミちゃんもやっと感情をむき出しにしましたね。そして雪菜ちゃんも。
「やきもち…だよ」なんてもろに言って、そこまでやって「なごみ系」って言われたら男としては立場ないです。
あっちから近づいてくる…それはどうしようもないというか。
「時雨はおまえが好きなんだろう?」、さすが情け容赦なし。
で、そのイライラも全部小説…さすがです。まあ掃除とかの運動量が多い単純労働は結構いいんですよね。
というか濡れたらこのスタイルのよさが普通じゃなく見えちゃってエロいんですが…
で、またマミちゃんの嫌がらせだ、とわかっていても彼女を責めることはしない?
特別と他人…その中間にいろいろあるんですけど。友だち、という概念もないんでしょうか?
いきなり後ろ抱きで耳…まあなんというか、とっとと脱がせろ。
なんか雪菜ちゃんがすごく可愛い表情しまくってるんですけど。
そして…これだけのことをして、反省どころか…今度は晶ちゃんも毒牙に?

神か悪魔か
こうして大きく全身描かれると華やかですね。男女とも。
呪いを解く…これまでの人々が頼まなかったはずはないです。
悪魔のほうが、できないことがある…縛られている…
人を愛せるなら悪い人じゃない?極悪人とされる人でも、人を愛した人は多くいますよ。
小道具のほうに放られた短剣、これがどんな役割を果たしてしまうものか。銀は貴金属で柔らかいというイメージがありますが、鍛造した銀は刃として使える硬度を持ちます。
「みんながしあわせになれる方法を」…若い。何度繰り返されても…逆に永遠の年月を見てきたハンスは…
台詞でもいえない、というのも切ないですね。
カーテンを開けたときのキズナの表情、あまりに激しい感情に圧倒されます。
そして隠れてのキス…
「二度とキズナに会わないために」これもまた一つの愛の形ですね。
自分が不老不死に…それじゃ、「みんながしあわせに」じゃないですよ。キズナが不幸だったらルーもハンスも不幸なんですから…神よ、あなたは愛の神ではないのですか?裁きを止めることもできないのですか?
不死を移す…一瞬、芝居に入る不協和音。芝居の観客の目から見たときの違和感がまた見事。
その短剣は…不死者を殺す短剣?
これしかなかったのでしょうか…このもつれ合いは。

キミノネイロ
どうしようもないというか。ダマスコへの道でのサウロもそんな感じだったのでしょうか…
でかいからバレー、と勝手に決められ、なぜこんなに絡んでくるのか…
このイヤミそうな男子はどう関わってくるのやら。
本当は運動音痴…そりゃどうしようもないですね。
この妄想はいろいろ強烈です。
特訓で、すごく近づいてしまいますね。あれほど離れたかったのに。
なんと言うか悲惨ですねこれ…
好きな人に…そうですね。想像もできません。
ブロックに専念する…それはありでしょうか?ローテーションもあるのに。
足の色が変わっているのはかなりショッキングでした。
お姫様抱っこ…って男同士だと言うことは忘れましょう。
病院、家、アイス…ここのリズムは見事でした。
ひ、ひでえ…なにこの罰ゲーム。特に今は携帯電話にビデオや写真があるから残る…
で、こっちで呼び捨てになってどうするんでしょう。
なんというか…引っかかったのはこっちでしたか。ご愁傷様。

先生に、あげる。
一人の生徒だけを特別あつかいしちゃいけない…それを言葉にするというのはよほど追い詰められてましたね。
城島くんもなんというか報われませんね。
あくまでおわび…なんというか、お詫びとお礼ばかりしてませんか?
いきなりの拉致…やはりこういうむごい展開に、と胸がむかつきます。
走ってる城島くんをみて…よく察しましたね。
アクションシーンの激しさ、ここにはカッコよさとかのかけらもなく、ひたすらな生の暴力の醜悪さだけ…その方がリアルでいいですね。
「警察につきだされたくなければ」…本当は刑事告発すべきです。でも、逆にそれは二人の生徒にもリスクを負わせるのが現実…どうにかならないんですかね、この社会の暗黙の掟。学校の警察嫌い。世間の両成敗。
「心配させないでちょうだい」この言葉が子供にとっては痛いんです。彼は間違ったことをしたわけではないのに…
親にこのことを言ってほしくない…負担になりたくない…胸が痛くなりますね。
気づかれなければ…これまでも何度も怪我をして、自分で治した事があったのでしょうか?
「それでいいの!?」…ひたすら痛い。
「オレがきみを守るから」、家族にも弱さをさらせない子、だから自分が…でもそれは親の感情です。それと、彼女が感じている…そして彼も感じ始めている恋愛感情は矛盾しています。親のように弱い部分も守りつつ恋することなんてできないです、誰もが夢見ますが。恋しながらできるのは傷つけあい、自分ではどうしようもない情熱に押し流されるだけです。
そして親のような感情も恋愛感情も、どちらも、教師に許される感情ではない…特別。
目の前が真っ暗になりそうです。誠先生が全てを失い、あざみちゃんが罪悪感に沈むのは避けられないじゃないですか…
この「世間」というやつには一片の寛容も情けもない。どんな冷酷な代官…いや異端審問官やゲシュタポやKGBより残忍です。

園芸少年
あまりにショッキングな引きから…ゴキブリよりすごいですねこれは。
FBIって日本にはないですよ。
で…いきなり礼儀正しくて重い話なんですが。
靴を…確かに、フォーマルな靴下を切らしていて途中で買おうと裸足に礼服革靴で出て、誰にも見えるわけがない、見えたとしてもなんてことないのに異様に意識しましたっけ。
いきなり脅迫って。
徹底的にこのダンボールは…なんというかバルカン星人(スポックの星)では、と思わせるところがありますね。
普通に植物に混じってダンボール、というのがすごい。
BB?なんかかっこいい。アルファベットの、同じ文字二つで一番カッコよさそうなのは…やはりJJでしょうか?
このままどうやって弁当を食べているんでしょう…
水をやっても枯れた、ってまあ何事も経験ですね。ヒント・植物も生物ですので呼吸しなければなりません。
この小さい芽、感動がよくわかりますね。
水圧と言うのも結構植物には大きい…雨水が地面を叩く力も、長期的には土壌流出の深刻な因子になったりもします。
「とてもいいにくいことですが」というのが苦笑します。すごい丁寧。
スポックがはえてくる…想像しちゃったじゃないですか。
園芸用の本を一冊読んでこれ、というのもすごい。
自分たちも読んでみる、というのも素直でいいですね。
抜いて「すみませんでした」がなんか笑えます。
今度は苗からの植え替え…レベルアップですね。
昼休みに集まるのではなく…というか相当頭いいですね、これだけの計画を瞬時にできるなんて。
父親と息子の会話がまた男ばかりで暑苦しいですが楽しいです。
アライグマ…どんなことになるんでしょうか。
さらに英語の授業まで…ありがたい漫画です。
のぞきに着た人がいて、とっさの処置が面白すぎます。箱のまま寝て、箱の上に鉢を…なんて自然な眺め。そして外の…
というか、大和田くんが必死で止めていたのは聞いていればわかるでしょうに。責めすぎです…人にはどうにもできないことがあるのに。
で、「やめちまえ」「わかりました」…なんというか篠崎くんも苦労しますね。
面白いですよ。少なくとも僕には。読者に嫌な思いをさせることを目的にしてる多くの作品よりはずっと。

初恋ランチボックス
最高でした!もうこの数年でホント最高の作品でした。
メンバー全員…豪華ですね。現役芸能人まで…
夢が見つからないから告白できない…そんな、告白に条件つけてたらいつまでたってもできませんよ?
パーティの楽しさも伝わってきます。一つ一つの料理がすごくおいしそう!
丸焼きもあるのが嬉しいというかすごいいいオーブン使ってますね。
みんなのメッセージ…せめてものお返し、すごく暖かいです。
から揚げにコーンフレークとはうまいこと考えるものです。なんでもいいんですからね。
ケーキが無理ならフルーツサンド、というか丸鶏調理できるオーブンがあって電動泡だて器がないと?
バターに生クリームに…恐ろしいカロリーです。
料理をいろいろ考える仕事…それが夢になるのでは、とよく見守ってましたね。
最後に後ろから、この抱きつきかたいいですね!友情優先、って感じで。
このプレゼントも胸がすごく熱くなります。
告白させずにキス、最後にやってくれました。
本当に素敵な、すごく楽しい作品でした。正直終わらないでと叫びたいぐらい。次回作も心から楽しみにしています!

ハートキャッチプリキュア
光と影…この激しい戦いはアニメ版のレイアース第二部も思い出させますね。
デューンが砂漠の王、って…今、あの名画や原作を知ってる人どれぐらいいるでしょう。僕も比較的最近読みましたが、早川の文庫目録からは消えていますよ。
圧倒的な力、駆け足で一気に描き上げる…すごいですね。

野ばらの森の乙女たち
このカラーページすごい…
結構ストレートにやられましたね。「信じません」といっても…まあいくらでも信じないことはできますね。
結局ごまかしちゃいましたか、さくらちゃん。そしてあくまで守ろうと…
上級生との関わりというのもいろいろ厄介ですね。
繭子さま、一体何を仕掛けるつもりでしょう。
野ばらの約束…またえらいことになりそうなことを。はいはい男は出て行きますよ。
メガネかけて寝てると…当然ながら美女ですね。
いきなり抱きしめられる、というのも過激ないたずらですこと。
「いまは…」、過去形ですか。
で、この懺悔室…そういうのを変に使うのは重大な冒涜なんですが。
というか、キリスト教学校だったのにそういうシーンありましたっけ?
いきなり飛び降りる、というのもとんでもないというか凄まじいというか。
これだから思春期というのは感度の高い爆薬みたいなもんです。

地獄少女
つい嘘を重ねてしまう…ありますよね。
思いとどまる、と思わせて…地獄に流しても、それでも父の事務所が潰れたことには変わりないのに。
彼は受け入れているのに…愚かすぎます。
一瞬光を見てからの闇、ダメージが大きいです。
この扉を開く者、全ての希望を捨てよ…
一度感想を書き上げても、ダメージが大きすぎて胸が晴れません。気がすむまで考えなければならないようです…
まず思うことが「もう充分だろ?」です。
嘘を告白する勇気…それでも足りないって、ここはどんな世界ですか?そう、地獄なんですよね、流される先ではなく、この作品の現世が。
今回の話を、昔の児童文学みたいに「このお話の教訓は」と言ったらどうなるでしょう。「正直に勇気を出して話しました。でもダメなときはダメなのです。一度悪運に魅入られたら、素直に諦めて地獄に行きましょうね」…冗談じゃないです!
そんなメッセージ子供に与えていいはずがないじゃないですか。
いつものように、地獄流しの代案も考えてみました。
上の階層や嘘とかでびくつくより、その人々についてよく調べる…特に警戒すべき人物は弱みをつかみ、脅されたら相互確証破壊状態に持ち込む…でもそう考えていて、ばかばかしくなってきました。
なぜそこまでしなければならないんですか?なぜまともな人間には不可能なほどの情報収集能力がなければ、死後の地獄行きを避けることができないんですか?
理由は簡単です…最初から避けさせるつもりがひとかけらもないから。八百長試合にアキレス腱を切られ、レフリーや解説者さえ買収されて出されているボクサーのようなものです。
この世界自体が、被害者にとってはとことん敵なのです。地獄なのです。
さて、ここで少し発想を変えましょう…男女を逆転して。さらに嘘に関する要素を切り捨てて。そうすると…要するに、夜道でプロレスラーのような巨大な体格の暴漢に襲われたようなものです。告白する勇気を出し、もはや害にならなくても叩き潰してくる徹底した邪悪なのですから。
暴漢に襲われたら…逃げる、警察を呼ぶ、とにかくうずくまって急所を守るなどもありますが、相手が断固とした殺意があるなら…こちらも断固として殺す気、相手のほうがどう見ても強くても、死んでも目玉の一つだけでも潰すと覚悟するほかありません。
親の事業を潰されるのはどうやっても避けられなかった、なら地獄少女より自分の手で殺すほうがましです。相手は完全ではない…自爆テロすらきかない不死身の怪物ではないのです。
殺す覚悟があれば、より冷徹に考えればいくらでも手段はあるはずです。接した上の側の人間たちに、悪評もあるでしょう。それをたどって別の被害者に知り合うこともできるでしょう。それで被害者の会のようなものを秘密で作り、あとは2chやその他とりまきに噂を流すだけでもかなりのダメージを与えることができます。無言電話、放火、噂、ネット…これまで加害者が使ってきたような嫌がらせを使う手もあります。
あれだけの悪人、かならず弱みはあるはず…必死になれば地獄少女など用いなくても、また殺さなくてもできることはあるはずです。
圧倒的な邪悪に一方的に蹂躙される、それは実質「天災」とも考えられます。それほど理不尽な圧倒的な不幸に対して、僕自身神を信じていないので言ってはならないことですが、そのために「神」はあるという立場もあります。…この世界には徹底して神が存在しない、地獄以外の霊がほのめかされもしない、その意味でもまさに地獄ですが。
この作品は、あくまで別の道を決して与えない…でも現実の世界にはいくらでも別の道があります。
確かに現実に邪悪は存在します…が、そこまで頻繁ではありません。
そして邪悪は自分を無敵と見せかける術に優れていますが、本当の無敵は存在しません。必ず弱みがあります。
どうか、この作品から受ける悪影響が少しでも少ないものでありますよう…そして、この悪いメッセージを常に垂れ流している作品が早く終わって、永遠先生が本来得意としている、読者に光りを与える作品を描くことができるよう、心から祈ってやみません。
そして…この怒りが妄執にならないよう、僕自身自分を楽にしなければならないでしょう。一番賢明なのは…もう感想を書かないことですが。

増刊の作家陣は?まあ面白ければいいんですけどね。
というかなんでしょうねこれ。H&K-G3に見えますがマガジンが異常に細い…MP5にしては全体が長い、G3の9ミリパラベラム版なんてありましたっけ?
M16とかAUGとか近代アサルトライフルの多くには9パラのサブマシンガンモードが一応ありますけど…

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