なかよし2010年11月号感想

付録は実にわかりやすく使いやすい組み合わせですね。流通が冷房でないことを考えたら中身を入れないのは賢明です。
エッセンシャルオイルを入れたら溶けそうですが、それこそワセリンと蜂蜜もかなり役立ちます。蜂蜜は強力な傷薬にもなりますからね。

新連載や読みきりと、いろいろ手探りしているようですがどうなるやら…
でもとにかく、若い作家の読みきりはそれ自体面白いです。連載と違って悲しいまま終わったりしないからというのもあるんでしょうね。

園芸少年(森永あい/原作:魚住直子)キミノネイロ(フクシマハルカ)ハートキャッチプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)わたしに××しなさい!(遠山えま)先生に、あげる。(山田デイジー)甘い悪魔が笑う(鳥海ペドロ)AEISA(安藤なつみ)神か悪魔か(茂呂おりえ)野ばらの森の乙女たち(白沢まりも)非科学常識ケータイくん(瀬田ハルヒ)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)地獄少女R(永遠幸)予告

園芸少年
とにかく作品は楽しませてもらいましょう…というか森永作品も原作も今まで読んだことはありません。
冒頭からも緻密な丁寧さはよくわかります。
二時間自転車、自転車が壊れなかったことのほうがすごい。
僕はあまり考えていなかった高校に入ったので、実感は少なかったですね。それよりとにかく買い込んだ高校生向けの参考書、さらに大学向けの参考書を目標に置いて、半年で高校分の物理と数学は理解するんだと暴走してましたっけ。
モブもすごく丁寧…そして突然、ものすごく怖そうな顔!
それがこのギャップ?びっくりさせます。
人は見た目によらないにもほどがあります。
共学高ですか…楽しそうではあります。
進学校にはそんな安心感もあるんですね。単純に、公立の小中学だと勉強をさせてもらえない、でも名門校なら勉強を邪魔されない…それだけの話なのかもしれません。
ボロボロの倉庫やビニールハウス、それも印象的な描写ですね。
いきなり目が覚めたらこのツラはびっくりするでしょうね。
飲み残しの水を植木鉢に注ぐ…それだけの行為、うまい始まり方です。
全部に水をやってみる、とこれも男の子らしいいたずら感覚の実験…人間は原初から科学者でもあった、ということを強く納得させられます。
照れくさくなると体をかきまくるという仕草も分かりやすいです。
この男どもの暑苦しさは凄まじいものがあります。
ごまかしたら後ろには先生…まさに前門の虎黄門(ママ)の狼。
結構真面目にやってますね。
ツンパカがツンパカなのは…というか人間がどうであるか、って責任じゃないですよね。彼がそんな性格なのは遺伝とごく幼児の頃の環境、でも幼児期の環境というか親の対応にも、その子自身の性格との複雑な関わりがあるわけで。
思い切り濃い絵でのダンボールがまた強烈ですね。
男子ばかりの話ですけど、女の子も楽しめると思いますよ…男の子という生き物についての好奇心はあるはずですからね。

キミノネイロ
まさに「抵抗は無意味だ」…
「ライバルにはおしえませーん」といわれた時点で、もう明星ちゃんが鈴木くんを好きだってことは確定したんじゃ。
席が出席番号順なのはどうにもなりませんけど、 でもクラスが違うよりはいいじゃないですか。
頭がよくない、と言ってもテスト勉強は努力で何とかなるらしいですよ?
人気と言ってもその人気は違う気もします。
この妄想は楽しいですね。
男子ども、アホですか?
で、鈴木くんのこの言葉は?まあ他の誰かならどうなのか、椿屋さんだけがだめなのか…
あ、そういうことですか。
なんというかどうにもならないというか…まさに「れじすたんすいずふゅーたいる」。

ハートキャッチプリキュア!
可愛いです。猫って可愛いけど結構凶悪な捕食獣なんですよね…一匹の子猫が弧島の、そこだけにしかいない小鳥のひとつの種を絶滅させたとか。
後悔の塊…でも戦い抜いたということなのでは?戦い抜いて敗れた人を責めはしません。
アクションシーンの鋭さは相変わらずすごいです。
復活…これはこれでカッコよすぎます。合計何人なんでしょうね。

わたしに××しなさい!
唇と見せて…まったく意地悪というか。
なんというか結構素直というか。そんなんじゃホストにはなれませんよ?
ここからの、あるいみデレまくりは見ていて楽しいです。
女子の唇に集中してしまうのも男子中学生ですね…あ、元々男子中学生でしたっけ。忘れてました。
唇、そりゃ切れますよね。金管楽器も刃物ですし。というか地面に置いたら壊れますよ、楽器はそりゃデリケートなんですから。
「ほんとうにきみのこと好きなの?」…厳しいというか冷たいというか。さて何のフラグやら。
ピアノに押し倒すというのは音的にもおいしいです。
本気で抵抗する、あ…メトロノームは痛い。
それで、好きという言葉をはさみつつのキス…好きかどうか知っているのは心より体…

先生に、あげる
よく理性を保ちました。声をかけないのもいかに必死だったかわかります。
いきなり背中から、肩をつかんで…すごい近づき方。こりゃリアクションしますよね。
いきなり連れ去られそうになって、城島くんのこれはカッコいい!
それなりのお礼、相変わらず礼儀正しいというか…でもここ先生とかに見られたら…
なんというかますます憎悪が激しくなりそうです。せめて…しおりさんも人間として描いてほしいですね。
必死で流星群を見に行って、「ヒミツの場所」に女生徒連れこんじゃまずいでしょう。李下に冠を正しちゃ…
星が見える絶景、この空間の取り方はさすがに素晴らしい魔術師。
ぎゅっと抱き寄せる手…恋より先に愛、という感じさえします。
次から…胸が苦しくなりますね。

甘い悪魔が笑う
この甘さは相変わらずですね。いきなり裸というサービスもさすがです。
で、寝ぼけているのを見て全部着替えさせる…おそろしい。まさか、風呂場で全身洗ってからとかはないですよね?
「見ちゃったよ寝顔」…確かに極悪非道。
わざわざそんなことを練習する、ってそれが女の子というものなんですね。
ため息ついての助け舟、全部お見通しでしたか。でもこの追い討ち…まさに悪魔。
テーブルマナーとかもしっかりと…というかこれ整えるの、どこで学べるんでしょう?
相手なんかすぐ見つかる…残酷。
「酔うわけないよ だってそれジュースだから」…えげつな。
風呂場に連れ込むというのもすごいといえばすごい…
それで、「ずっと変な態度とって〜「もういいの」?」、確かにそうなんですけどそれを責めるのは残酷すぎるのでは?人間であることを責めるようなもんですよ。
濡れた彼の顔がまた悪魔過ぎます。
完全に計算済み…あれだけの恥をかかせておいて。
ここまで残酷美形を描きまくれるなら、いっそ「グイン・サーガ」をナリス中心にやってほしいですな。

ARISA
本当の敵と味方は誰なのか…真鍋くんも動き出しましたか。
守りきる…というか警察は無理にしても、私立探偵に警護を依頼するという手もあるのでは?
くじけさせるのが敵の狙いだとしたら…逆に真鍋くん、自分の間違いを見て…
自分を作っている物語を否定するのは、それほどに難しいんですよね。
携帯電話に爆弾?携帯電話を使ったIDEはイラクやアフガンで、何百人ものアメリカの青年の命を奪い、また何十万もの現地人を殺していますが…
何があっても…守れる約束じゃないですよね、結局。人は一人なんですから…
空いた救急車、倒れた真鍋…でもこれはミスといえます。
王様は全知全能ではない、という証拠ですよ。

神か悪魔か
静かな振る舞いとあまりに激しい感情、胸が痛くなります。
これだけ身勝手に自分の感情ばかり暴発されたら、ひっぱたきたくなるのもわかります。
「ルーのこと…っ」好き、と言ったら本当に消えるかもしれない…
再び過去の記憶?
間にもう一人ある、もう一つの物語が…永遠に繰り返される物語?次は、また彼女が不老不死になり、また次の彼にめぐり会って…消えられるときまで?
カードは正解を教えない、どうすれば断ち切れるのでしょう。
ただ台詞を交換し、キスを交換する…どれほどの年月、繰り返せばいいんでしょう。

野ばらの森の乙女たち
額へのキス。でも暖かい…うわ、でもこっちはこわい。
「気持ちわるい」あまりにも残酷な言葉。
さらにこの花瓶の水…うわ…
お互いの気持ちがわからなくなる、というのも向こうもそうなんでしょうね。
「関係あるわよ」って彼女が見ていないところでは…
そして突然のキス!なんかめちゃくちゃ甘いんですけど。
蝶を握りつぶす、というのも恐ろしいです。
なんというかみんな残酷すぎる…こんな何も知らない子が入っていいところじゃなかったのかも。

非科学常識ケータイくん!
 携帯電話をトイレに流してしまった。憧れの先輩にアドレスの入った手紙を渡したのに…絶体絶命のピンチに、海外にいる両親から新しい携帯電話が届く。
 それでありがたいと入れたら、まず「ケータイくんモード」と「通常モード」を選択しろといわれ、ケータイくんモードを選択したら電源が落ちてそれっきり。
 翌朝、いきなり妙なイケメンに起こされる…と思ったらその男は「デンワキター」と連呼し、口から友達の声が流れ出した…
 しかも転校生扱いで隣に座るは、髪の毛が変形して答えが出るのが電卓モードだわ、内蔵アプリで雨が降るからと傘を買わせるわ、もうしっちゃかめっちゃか。
 ちなみに面倒だからマナーモードにしようとしたら、至近距離で見詰め合って命令しなくてはならない。
 で、先輩からの連絡は…と思ったら、彼が「異性交遊を察知し着信拒否する」という機能を使っていたことがわかる…
いや強烈に面白いです。冒頭からこれは最悪の悪夢ですね。まあ僕の携帯電話が今壊れてもほとんどまったく支障ないですけど。月に一度使うかどうかの携帯電話のために月3000円、年に36000円、十年で三十六万…中古車なら買えますよ…
というか「通話できない携帯電話」を売り出してほしいもんです。要するにカレンダー・目覚まし機能があるMp3プレーヤー。カレンダーからのアラーム予約だけでなく、毎週何曜日の何時に鳴らすか一日十種類ぐらい設定できるの。
直れと壊すというのもすごい。というか店に行けばアドレス・電話番号を受け継いだ新しい携帯電話は一時間で手に入るのでは?
携帯電話が美形に、というのはそれこそエロゲなら…いや「ちょびっツ」の頃から…
この意地悪顔の超絶美形、むしろ懐かしいというかやや「甘い悪魔が笑う」とかぶっていそうというか。
いきなり電話になるとこの情けない顔、思わず笑ってしまいます。
信じなければ人間関係をなくす…そりゃどうしようもないです。
マナーモードを設定する方法、どんなクソ恥ずかしいことなのか…楽しみにさせる構図ですね。
フリーメールをいきなり口から出すのがひどい。
「メニュー→ステーショナリー→電卓」って、なんというかあまりに携帯電話すぎるんですが。
テストでの不正、といっても体内埋め込み携帯電話が実用化されるのもあと数年では?
手で触れただけでお財布ケータイが機能するの、店員もおかしいと思わなくちゃ。でも僕が実際にスイカのチップを指輪、いや手の竹刀だこに埋めても、どの店員も普通にスルーすると思います。
設定のドアップは強烈。
交番で雨宿りしている、というのもぐたーっとなりますね。
着信拒否っておい。でもまあ…この機能は、女の子の親にとっては夢の機能ですね。
で、この先輩…本性出すの早すぎ。まあオチは読めてましたが。
携帯電話の中身まで知られているというのは悲惨です。というかそれだけの機能があるなら、少し視野広げたら今すぐ予防できる犯罪は何十件もあるのでは?
倒れている先輩を蹴飛ばす…ひでえ。
倒れて携帯電話に戻ったのをぼろ泣きで、単なる充電…さらにこの取扱説明書…ありえねえ。ひでえ。
なんというかめちゃくちゃ面白い作家になりましたね。

初恋ランチボックス
この扉、すごいとしか言いようがありません。
話を聞こうとしない…サエちゃんのほうが逆に切れたから救われた、本来陰湿になりそうな話でもすごく明るく持ってきてくれるのが嬉しいです。
「帰ったってさむいだけだし」…
「おまえはガマンしすぎだ」「こたえてくれるはずだぜ?」…彼の言葉が温かすぎます。でも万一の拒絶…まともな情愛のない人間である可能性もあるので、そのときには自分が受け入れる、と宣言しておく必要はあったのでは?
それにしても、本当に強い二人です。
姉の感謝の言葉も温かいですね。
どの料理もすごくやりやすくて確実です。
二人の息がぴったり合っているのが見ていてすごく嬉しいです。
「それはおまえのぶん!」という、優しさには優しさで返す…胸がぐっと熱くなります。
母親が心配してくれた…そしてこの言葉…
そっちも案外簡単にいきましたね。
フランス留学というのもお約束といえばお約束…
それにしても、同じ心苦しい展開でも、こんなに違うんですね。痛い思いをさせるための展開と、心を暖めるために笑いを混ぜすごく強い暖かさで下支えされている…絶対的な絶望を乱用しない…本誌の作家も編集も、これを手本にしてほしいです。

地獄少女R
今回は男子…
悪人はのさばり続ける、と言っても実際には、「邪悪な人間」の平均年収は必ずしも高くないようですね、犯罪で収監されたりすることも多いし、アルコール依存症の確率も高いし、元々まともな仕事ができないし判断力に欠陥を抱えているので。
まあある程度以下の破綻国家なら別かもしれませんが、それはそれで邪悪さの中の学習能力の低さが裏目に出てあっさり殺される可能性も高いでしょう。
邪悪な人間が成功するのは独裁者になれる地位を得たときの話です。
全員で囲んで、そして凶器で拳を潰す…模範解答のようなやり方ですね。さらに口裏まで合わせると…といっても、ヤンキーと空手の名選手、どちらの証言を警察は信用するでしょうか?決まっています。
といっても地獄少女以外にも方法はいくらでもあります。空手の名選手でもああやって制圧できた…逆に、遠距離からクロスボウで狙撃すればどんなヤンキーでもかないません。近距離でも刺激性の薬を入れた水鉄砲とテニスコートの網を適切なサイズに切った物だけで三人ぐらい簡単に制圧できます。自宅に放火するのも防御不能です。車を盗んでひき殺すのも、それこそ空手の達人十人集めても確実に殺せます。
というかこいつら、ノリノリですね。
で、これでハッピーエンドのつもりですか?死ねば地獄…「人が全世界を儲けても、自分の命を損したら、何の得になるだろうか」(マルコ8:36)
僕には、この作品の読者・関係者にはまずこれを言いたいんです。信仰に恵まれている人全ての魂を損なわないでほしいのです。
ただし、僕は神を信じていません…その前提で言えることは、どんな状態でも生きている限りできることはある、警察は確かに「あなたをひいきする神」ではないけれど国際的に比較すれば桁外れに機能しているし、今は携帯電話など技術もあります。恐喝いじめ事件で入院先で隣になったヤクザが助けてくれるように、意外なところに助けがある可能性もあります。
邪悪な人間は存在し、人を家畜化することには長けているけれど、恐怖によって麻痺させられている感情さえキャンセルして冷静に見れば、二キロ先の茂みから超音速で飛ぶチェイテック.408弾をつまんで止められる超人ではありません。盗聴器を探し出す能力も、人の内心を確実に読む力も、警察を買収する力もない、目や男なら股間を軽くはたかれただけで数秒間は動きを止め、紐で首を絞められれば十秒で失神し数分で失禁しつつ死亡する、脆い肉袋でしかないのです。
現世に絶望するのではなく、他の手段を理性的に探してください。邪悪そのものを理解し、対処可能なものであって、邪悪に支配される自分を罪悪視するのをやめてください。
どうか間違った邪悪なメッセージを子供の心に流し込まないで…それこそ祈るような思いです。

…先月号の予想が外れて本当に嬉しいです。原作つきであっても。
増刊予告の菊井先生も含め、実力がありながら出番が少なかった作家がどんどん出てきてくれるのが本当に嬉しい!
それにしても、原作者も作家同様きっちり紹介文作ってたら今頃パニックですね…数撃ちゃあたるは外部作家と原作、ってわけでしょうか。

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