なかよし2010年1月号感想

どうせ検定なら、それこそキャンディ・キャンディのカルトクイズからやってくださいよ。まあ僕はそれはわかりませんが。
でかすぎるペンはとにかく目を引きます。

2010年の「なかよし」がどうなるか…小鷹先生のオリジナル連載がどんなふうに誌面の空気を変えてくれるか、楽しみにしていましょう。

AEISA(安藤なつみ)メルヘンちゃん(茶匡)わたしに××しなさい!(遠山えま)初恋ランチボックス(小鷹ナヲ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)ミリオンガール(桃雪琴梨)どきどき!たまタン(こげどんぼ*)ボーイフレンド(山田デイジー)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)ちよこれいと(フクシマハルカ)地獄少女R(永遠幸)フレッシュプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)予告

ARISA
みんなの殺気は背筋が寒くなりますね。よくもまあ、「人間が本当に望むこと」を知り尽くしているもんです。
真鍋くんでも、動かそうと言う力には疑いを持ってしまうのが、この「誰も信じられない」前提の怖さです。
このクラスに転校する…笑うしかないですねそれは。
この不先生の何も知らないぶりには頭を抱えます。というより、人の群れが外部に情報を出さない能力がそれほど高いとしたら、いかなる犯罪抑止も可能では?
彼女自身もある意味転校生と同じ…まあ確かにトイレと昇降口がわかれば何とかはなりますね。
「授業よりいいところ」…まあそりゃアンタにとっては保健室とか体育倉庫のほうが授業よりいいでしょうけど、つばさちゃんにとっても授業よりいいとするにはよほどの…まあこれ以上はR-18ということで。
屋上が天国に近い…この心臓手術のあとはエンジェルハートを思い出させますね。
ダチたちと過ごすのが楽しい…前の彼女の、あまりに幸福な生活…戻ればいいのに。この事件に対する妄執を捨てることができれば…全ての情報を警察に委ねる、インターネットに流す、私立探偵を用いるなどの選択肢はいつだってあります。
生きてるだけでラッキー…確かにそうですね。
役立たず…つりあわない…実際には「弱みを握られて支配されて」いるんですが、本人もそれに気づかせないと言うのがおぞましいです。
ありさちゃんの病室を保護することはできないのでしょうか…監視カメラとか。
確にかにこれはこの上なく楽しいでしょう。でも…「深淵をのぞく者は、自分も深淵にのぞかれている」…それを飼い慣らし、一方的に楽しむことは人間は不可能です。飼っている側も、意識していなくても心の奴隷でしかないんですよ…麻薬中毒患者が麻薬の、正確には麻薬によって改変された脳生理の奴隷であるように。

メルヘンちゃん
雪に縁がない地方というのは悲しいです。
何事にも材料がいるのは当然ですね。まあ「布をおこづかいで買ってあげる」のが正しい解決策には違いないです。
クローバーのブローチ…なんか幼稚園の名札みたいです。
それを作り変える、というのはまあ先まで話が読めました。でもこれもまた親切心なんですが。
迷惑、というのは本当に重い言葉です。「たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である」(コリント人への第一の手紙13章3節)という有名な言葉がありますが、むしろ僕はそれに、「愛」よりも「智」を入れたいです。
もし智がなければ…たとえば「よきサマリア人」を実践しようと見ず知らずの怪我人に治療しようと酒を注いだとします。で、その相手の宗教では酒に触れたら穢れた存在になり自らを焼き殺さなければならないとして、それを知らずに酒を注いでしまったら、僕はその人を殺したのです…見捨てるより悪い。知らなかった、善意だったですんでいいのでしょうか。
実際…アメリカ建国直後、独立宣言起草者の一人である有名な医師が、黄熱病で全滅に瀕した都市で家族にも見捨てられた病人を献身的に治療しましたが、彼はというか当時の医学が瀉血(切って血を出す)しか知らなかったため、彼が生かした人数より殺した人数のほうが多かった、ということがあります。キリスト教の価値観でも当時の医学水準でも彼は聖人レベルの善です…でも結果的には…
キリスト教的には、行いがかえって相手の迷惑になったとしたら、それは愛が不足しているからだ、という論理にすることでキリスト教自体の完全さを護ることができます。でも…どうやっても智が足りない、聖霊によって智を与えられることがない凡夫にどうすることができるのでしょう。
らびこのことを理解する展開の早さはお見事。
というかこの会長&犬何者…。
午前零時に泥だらけで帰宅…それが一番大事かも。

わたしに××しなさい!
「かわいいな」は魔法の言葉ですね。
それを真剣に確認する、というのも意外な反応…こんな反応されたらびっくりしますよ。
晶くんが気の毒すぎて泣けてきます。
その話になったときの父親の反応も泣けてきます。というかこの父親のエプロンかわいすぎます。
強引に引っ張り出せればそりゃ勝ちますよね。
量思いになればラブ小説も…という思考のずれっぷりが素晴らしい。虚数どころか四元数ぐらいにはなっていそうです。
「素でいればいいのに」も男子にとっては魔法の言葉かも。
好きなわけないだろ…はは。しーらない、というのが正直なところです。
マミ?何か本気で話動きそうですね。
晶くんの優しさと強引さのバランス…これほどいい男が目に入らない、というのも不幸な話です。

初恋ランチボックス
ずっと毎回これなのか、それとも他のパターンが見つかるのか…楽しみにしていましょう。
好きな男見すぎ。まあ男の子も女の子のこと見てますけどね。
「やらねぇぞ」…笑うほかありません。
応援している友達が…あらあら。
努力家でもあることも知っている、本当の思いだとわかっている…ここのサエちゃんの優しさがすごく心地いいです。
眼中にも入ってない…女の子がファンクラブ状態になったらどうすればいいんでしょうね。
すごく真剣に友達のために考えるのも…心配ですけど心は温まります。
毎朝10km走る、ってオーバートレーニングにならないでしょうか?
「運動したあとコンビニ軽食だけとか」は苦笑しました。
確かに冷えて固まったパスタ弁当…罰ゲームですね。パスタって本当に調理から食べるまでの許容時間が短いです。
朝四時と言うのがすごい。
朝ごはん抜きって朝四時に入るんですかあんたは。
確かにジュースは便利です。栄養はどうか知りませんが(加熱殺菌で本当の栄養は全部死んでるとも聞きます)、カレーに野菜ジュースを入れれば簡単にかなり味が変わりますよ。
保温機能つきの密閉式弁当箱…確かにあります。
運動直後の体に栄養面ではどうでしょうか?
「LOVE」メッセージつきとは思い切って踏み込んでますね。
疲れているときこれは、そりゃ効きますよ…それにしても結構彼も強引ですね。
温かい半分こがすごくくすぐったいぐらい愛情一杯で、おなかから温かくなります。
オリジナルでやるとこれだけ素敵な作家だったとは…。

しゅごキャラ!
時間も場所もとびこえる星の道…999が走ってそうですね。
新旧ご対面、こっちのほうもいろいろドタバタしてますね。
お見受けいたす…どうせなら股旅系口調のほうが…と思ったらなぎひこのほうがやりやがった。
白波五人男なんて僕は知りませんよ。
こっちの夫婦の問題までどうにかするとは。
心の鍵…なるほど。だとしたら、キリスト教とイスラム教、イスラエルとアラブ、日本と中国、白人と黒人…どれだけの錠があるんでしょう。鍵があったとしてもどうしようもないのでは?一人の鍵が開いても、新しいものの味方を心に抱くだけでも自分を支える民族神話・親兄弟を含むあらゆる同胞を裏切ることになるんですから。ただそれが、敵民族を皆殺しにしないというだけでも…
いきなりバカップル化には頭を抱えます。
それで次回が最終回ってこれでどうするんでしょう。

ミリオンガール
金をどこにしまうか、と言うのも難しいですね、考えてみると。というかこの学校は多額の現金を持っていて没収されないのでしょうか。
このマネーゲームは命に関わる…というかこのマネーゲームには、「人間を解体し、あらゆる臓器から血液一滴髪の毛一本まで医療用に活用するシステム」が裏にあるのでしょうか。それとも…スナッフ?児童売春システム?
なんというかこの世界法が弱すぎです。
ただ倒産しただけじゃなく、その危ないゲーム…確かにまきこまれたくない、というのはわかります。
親にマイクロチップを分析する能力があるかどうか、というのがルールで言われていないのが気になります。
どんなゲームなのか…
どんな罠があるかわからない、というか単純なカードゲームと確率的に同値であればそれで考えれば…

どきどき!たまタン
きっかけにもほどがある気もしますけど。
本気でこれからアイドルものに?とちょっと呆れながら見てます。
「どうしてあなたがさきなの」その理不尽も含めた覚悟がないとこの世界は…というか人気と言うのはとことん不条理です。受験のようにわかりやすい世界じゃないですよ。
で、それが作戦だったんですね。
魔法だけでみんなを動かしてしまった…考えてみると歌やダンスに、付け焼刃でも頑張るシーンってなかったですね。
今の自分より…確かにそれだけですね、できるのは。
あっさりアイドルを辞めるとは…
分岐点って自分でつかむのか、それとも外から来るものなのか…どうなんでしょうね。

ボーイフレンド
塾に行かなければ受験にならない、っておかしい気がします。
それぐらい人間が弱いだけなのか、それとも本当に学校で渡される教科書の水準が低いのか…
「ママのおなかにあかちゃん」で、この表情…今回すごい表情が多いですね。
倒れて血を吐いている…どんな症状でしょう。
おばあちゃんが助けてくれなかったらどうなっていたでしょう。
というか再婚がどうであっても、それで子供のいじめに悪い対処をするようじゃ親の資格はないんですが。
前の学校に戻る…これまた恐ろしいことを。
大丈夫か…確かに転校は救いにはなりませんでしたし、ね。
恐怖で体が動かなくなる…そう、宮台氏の「「いじめ」とは、人の「自由」な日常的活動のベースになっている「尊厳」(他者の承認を契機とする自己価値)を、回復不能なまでに傷つけることで、以前と同じ生活を送れないようにしてしまうことです。「尊厳」を破壊することで「自由」を奪う営みこそが、「いじめ」の正確な定義です。」という定義を思い出します。
階段の影で服を脱がせ、自分のコートで覆う…羞恥より合理性、これができるのってすごいですよね。
あまりにも「見捨てられた」感覚が強くて…なんというか、『地獄少女』を感覚的に連想させる部分がすごく多いです。運命よどうか地獄に人を追い込むことはしないで…と祈るほかありません。

妖界ナビ・ルナ
今回は解説ですか…
力を持たない王家…いくつかのドラゴンクエスト4のネット小説も思い出せますね。
逆に人間界のほうが彼女にとっては近いかも。誰も力を持たないのですから…
というか三人が追われたのっていつの話でしょう。子供が生まれた部屋は高度成長以後に見えますが。
子供が生まれたら命が危ない…それでも…
双子…なぜそれほどの憎しみを?
そして彼が悠久の玉を手に入れたらどうなるのでしょう。

ちよこれいと
彼女が「ホントだよ」といったのはリコちゃんのためでしょうか。偽りの上にも恋を咲かせることは…
「ぜったい好きにならないから」という言葉で、もう偽りの上だと気づいてしまいましたね。
リコちゃんにとって、その「嘘をつかれる」ことのほうが重い偽りなのに…
本当に好き、その思いを彼女は受け取れるでしょうか。そんな余裕は彼女に…ぜんぜんないですね。ひたすら鈴を求めるだけで…
で…本当に…同一人物?一体何があったのでしょう。事故で記憶喪失にしても名前とかが変わるって…

地獄少女R
扉の「こんな悲しい物語は、閻魔あいにしか解決できない!」という言葉に、笑いたいやら怒鳴りたいやらその両方が爆発的に来ました。
いつもほっといても解決する事態、もっといい解決策がいくらでもある事態を最悪通り越した地獄にしてるのはあんただろうが!
今までの事件全て、シティーハンターやミス・マープルや金田一一のほうがずっといい解決ができます。ブラック・エンジェルズだってもっとましな解決はできます。というかまともな警官や教師が一人いれば解決した事態ばかりです。
リストラとアルコール中毒…実際ものすごく多いでしょうね、これは。
多分前の仲良し家族も欺瞞が多かったんでしょうけど。
「春になるころには」…この希望に執着する心理って、宗教のもとでしょうね。
この状況で児童相談所など公的機関に通報することが…というか、この世界には「元々公的機関がない」のでしょうか?確かに日本の公的福祉の貧困は凄まじいですが、今の制度でもできることは多くあります。
子供が働かせて、といった時点で児童相談所やNPOへの通報などをする親切な大人も高い割合でいるはずです。少なくとも僕なら話を聞いてそうします、それだけなら僕が一銭も出すわけじゃないですし。
「常に最悪の大人に当たる」この作品が出しているメッセージが、将来子供が困った時にどんな悪影響を及ぼすでしょう?大人は一切頼りにならない、親切な人間などいない、この世界にまともな、合法的な道での希望は何もない…そう信じる子供を作りたいのでしょうか?
通報があってもそれでも…それこそ、子供に「何かあったとき通報しても無駄だ」というメッセージを刷りこんでいるのでは?それは、世界に対する信頼感を奪うことは、下手な性描写より子供への害は大きいと思います。
「立派な仕事じゃない」とわかっているなら児童相談所に改めて通報してください、無視できないレベルの証拠をつけて。
「なんでオレばっかり」「おめえのせいだけだなんて思っちゃいねえさ」「子ども傷つけていい理由にはならねぇよ」という、この父親と輪入道の会話が妙にリアルで心にしみます。僕の年齢自体この父親に近いですし。自分は悪くない、自分は被害者だ…その心理こそ地獄ですが、現実に統計的には不景気の犠牲者であることも事実です。それを忘れて「自分は被害者だと思う心理を助長するから福祉はやめろ」じゃ悲惨が大きくなるだけです。
強く…生きたところで死んだら地獄。その時点で全ては終っているんです。地獄が存在するなら、死後地獄に落ちるとしたらどんな幸せな生涯でも、何万人の命を救っても、何兆円の金を得ても、どんなに正しくつつましく生涯をすごしても、ノーベル賞を何枚もらっても、全ては無なのです。
この邪悪なメッセージが、あとどれだけ垂れ流されるのか…ある意味わかりますね、エロマンガの発禁に狂奔する人々の気持ちも。

フレッシュプリキュア!
クライマックスに向けてどんどんヒートアップしていきます。
イースの動き、まあここで自己犠牲に走るのは当然ですけど…
責任を取れば罪から解放される…その罪悪感こそ、人の心の弱点の一つですね。
希望と罪悪感…どちらもキリスト教の柱なので、それを弱点と言い切ってしまうのはあれですけど。

ええと、これは…二ヶ月連続で新連載も読みきりもない、ということでしょうか。
やっと「しゅごキャラ!」が終るのはむしろ意外ですらあります。
まあなんだかんだ言って続きそうな気もしてますけど。

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