なかよし2009年春ラブリー感想

今回はどうにも本誌関係が多く、新人若手読みきりが少なかった感じがします。

新しい若手作家のシリーズが増えたのは…複雑です、嬉しい反面さらに新人若手の出番が減る、と。
本誌の連載枠のなさはとことん逆さに振ってもどうしようもない、だからせめてラブリーからシリーズで単行本を出す、本誌進出は諦めてくれ…ということでしょうか。あおい先生も秋本先生も美麻先生も、もちろん春瀬先生や青月先生や高上先生も、今本誌連載してもいい実力はあるのに…
まあでも本誌連載なければ単行本なしの原則で、数々の「るんるん」や増刊の素晴らしい連載が単行本化されずに消えた時代のことを思えば、ぜんぜんいいのかもしれませんが…僕の押入れ、いや国会図書館にあるそれらもいつか色あせるのかと思うと怖いです…

しかしなぜこともあろうに地獄少女が巻末やら…これじゃ増刊自体の後味が最悪です。後半の読みきりを何度も読み返してやっと気分を直して眠れたぐらいです。
確かにホラーを巻末にするのは昔からのある意味伝統ですが、だったら「蜘蛛女」だったらまだましだったのに。

妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)セレブな奴隷(青月まどか)夢みるエンジェルブルー(白沢まりも)ふあふあコットン(ハタノヒヨコ)おとなにナッツー(フクシマハルカ)名探偵夢水清志郎事件ノート(えぬえけい/はやみねさとる)1〜2mをかける少女(明日賀じゅん)メガネ王子(水上航)おんたま♪(美麻りん)パパとあたしのヴァーサスな日常(春瀬サク)蜘蛛女(秋元葉子)スイート×ペイン(渡辺留衣)魔術師にくちづけを(あおいみつ)若おかみは小学生!(おおうちえいこ/令丈ヒロ子)魔性の弟(寿えびす)チェンジ!(とぐさ壱耶)ロックンロール・スプリング!(進藤はるか)地獄少女(永遠幸)

妖界ナビ・ルナ
ベーコンとキャベツとアスパラ…塩コショウコンソメのスープでもおいしそうですし、サラダにしてもよさそうですし、アスパラをキャベツで巻いて焼いて、キャベツは残った脂で軽く炒めてもいいですね。
これもすごい偶然ですね。手元に落ちたちょっとした手紙が、届け先を知っている人の手にはいるなんて…
見舞い手続きは?…何も知らないからこそ自然に歩いて抜けた時に誰もが見舞いと思ったのでしょうかね。
自分にそっくりな天使が主人公を…それはそれで楽しいですね。
誰かが届けてくれたら、というのもよく考えてます。
手術して治るという保障はありません、よほどの軽症を除いて。あるのは冷徹な統計のみです。その統計を受け入れるのは…子供にはきついですね。人間が統計的な存在でないのが残念です。
ここで「とわこ先生」の人相を聞けばいいのに。
間違えられて聞いてしまう、というのもうまい。
ふうせんとか屋上のハトの足とか、どちらも無理なのは良くわかっていて…
この嘘にこめられた優しさ、この写真はルナちゃんにとってもかけがえのないものだったでしょうに…

セレブな奴隷
…今回はとにかく最後の華ちゃんがとことん素敵でした。
いきなり襲ってます…というかこの状態でパンツが見えないって…というよりこれだけ長くこの状態でいて貞操が保てているほうが不思議です。
人間ってなんにでも慣れるもんです…
貧相だ、ってどこが?めちゃくちゃナイスバディじゃないですか!
いきなり美少女アイドルに、って別にこのVIPならアイドルぐらい普段から会っているのでは?
「おれたちとられてやいてるのか」と、結局この三人は華ちゃんのことしか関心がないのが苦笑させられます。
堂々と口説く、ってなんでこんなことになったやら。
何でも好きなものをプレゼント、というのは…でも大抵の女の子はこれには参るでしょうね。
三人とも葉の浮くような台詞には慣れてるんですね…普段のこの三人がどんなだか、苦笑するしかないです。
でもって華ちゃんの扱いがどんどんひどくなる、というのは…読み返してみるとこの三人、単に華ちゃんをからかってるだけ、というのがひどい…
わざと怒らせてドキドキさせる、というのも結局はSMですよね…
早彩さんも本性見せるの早すぎます。
演奏して、という要求、公開録画なら台本にない質問はないのでは?こうなることを予想していなかった番組関係者・マネージャーが無能なだけですよ。
「あんたメイドでしょ?」という表情の邪悪さは見ていて悲しくなりました。
でも見事にハープを弾きこなした華ちゃんの美しさは凄みがありました…ここであまりにも邪悪を制御できなくなったのはなんだか痛々しくも見えます。
確かに悪役の自滅を気持ちよく描く、というのはわかりますが…
というか財産がどうのじゃなく、もっと長期的な信頼関係を築いてスポンサーにしたほうが早彩さんにとっては有利だと思うのですが。あまりに考えがなさすぎますし、感情制御力も低すぎます。
愛情表現…ちょっとため息しか出ません。
どこに向かうのでしょうか、この作品は…

夢みるエンジェルブルー
今回の可愛らしさはいつも以上で、蜂蜜バケツに頭を突っ込まれたようでした。
普通の女の子たちのモデル、というのも結構リアリティがあって楽しそうです。
モデルごっこ、そりゃやっちゃいますよね。誰もがわかる気持ちでしょう。
転ぶたびに受け止めてくれる先輩…だめだ甘すぎる…あと僕が買った一冊だけの紙の不純物ですがここの天音ちゃんの、ちょうどひげになるところにゴミが入っていて爆笑させてくれるんですが。まあ単行本は大丈夫でしょうが。
ガムをくれるときの表情、もう…甘すぎて可愛すぎてどうかなりそうです。とうとう先輩もドキン、としてますし。
二人の雰囲気がふと良くなっていく…そのままだったらどうなっていたでしょうね。
すごくうまい、さりげない恋の始まりです。
珍しく人のためじゃなく自分の恋からデザインが浮かびましたね。
ファッションショーシーンの華やかさもさすがです。
裏の忙しさを描いているのもリアルですね。
そして天音ちゃんがモデルをやるハメに、というのはわかってますけど嬉しいです。
「オレがおまえを一流モデルにしてやるから」と、先輩の暗示はそりゃ効きますよね。たまりません。
唇をなでる筆の色香が妙にすごいんですが。
終った瞬間泣き崩れるのも可愛いですし…33ページの笑顔ときたら体が蜂蜜になってとろけるかと思いました。
やっと恋が動き出して…これからがますます楽しみです。

ふあふあコットン
ちょ、もったいない、なぜ!本誌にも出たしアニメ化だって期待できる作品だったのに。
二年で十三個…百個になるのは十五年ぐらいかかるでしょうか。
なんでこんな崖に…まあ危ないのは楽しいですが。
竜巻といっても森にここまで被害が出るって…森と竜巻の映像はあまり知らないですので、実際どれだけの被害が出るものなのかはなんともいえません。
コットンさがしは色々楽しいです。
リアルな狼とデフォルメされたイノシシが混じっているのも楽しいですね。
上空から…このクレーターを作って死なないってどんなタフさですか…というかその大きさなら、空気抵抗でそれほど速くはならないと思うのですが…
それでみんなからしあわせの毛玉、それで森を元通りに、というのも…なんというかすごく終り方はよかったのですが、やはり終るのがとにかく残念です。

おとなにナッツー
ど、どうして出しちゃったんですか!前の「ナッツ」では決してヒーローの大人版は出さなかった、だからこそ想像を絶するカッコよさを想像する楽しみがあったのに!
バレンタインデーでチョコと告白なんて男の夢…それもらってこの態度はないですよ。殴りたい。
「ギューってなってチューってなってはっぴーえんどv」ってそれ僕も同じような妄想抱いてましたよ。
ホワイトデーを楽しみにするのも気持ちよくなりますね。
棗の家族も美形ぞろいで…
大学に入れてもらえないイメージはすごくわかります。僕も小さい頃は似たようなことを考えていたでしょう。やはりフクシマ先生の、子供の心がわかる能力はものすごいです。
大学は花見の真っ最中…だめだこりゃ。リアルすぎます。
あっさり大人になってみる、というのもやはり決まりますね。
酒は飲んでないですよね?ここで飲まないのはほぼ無理ですが…脳の構造も大人になるのでしょうか?
女子大生の膝枕、って棗の同級生男子には死ぬほどうらやましがられそうなシチュエーションです。女子大生だったらそれこそ教育実習生と同じですし。
この距離で瓶を額にぶつけるってものすごいコントロールなんですが。普通口に当たって歯が折れることになるのでは。
人形でヘンタイの家に誘い込まれる…これはちょっとマンガ好きの大人に対する偏見を助長するのでは?
大人棗は…やはり想像にしておいたほうが…
二人で王子さまとお姫さま、というのもすごいですねなんというか。なんでもありで…まあ酔っ払ったような感じで楽しみましょう。

名探偵夢水清志郎事件ノート
帆の描写が結構しっかりしています、僕には微妙な間違いはいくつかわかりますが。残念なのが蒸気煙突がありながら外輪がないことですが…当時は確かスクリューは開発されていないはず…
黒船ということで蒸気船のイメージが強いですが、ペリー艦隊の船も含めて蒸気機関は補助的に使われるだけ、ほとんどは帆走でした。
今回の話は日本史とも深く関連する、非常に面白いテーマです。
あらぶゆ、と大胆に出るのもまたいいですね。
じゅげむ…ははは。確かに奇妙な東洋人が…ですね。
なぜパリに行くはずがハワイに…器用な人たちです。
とことんドジで働けない、というのもなんかわかる気がします。
読み返すと転ぶシーンがすごいです。
ここの暮らしは楽ではないが、日本に帰っても楽しいことはなにもない…それが移民の悲哀、それは今でも世界に何億、これからは何十億もの人がそうなるかもしれない…
といっても、アメリカに移民した日本人…だけでなく各国の移民たちも多くは奴隷労働に苦しみながら亜和ちゃんのような子供は英語を覚え、そしてその息子は戦争に行って市民と認められてその奨学金で大学に…とステップアップして一級市民となっていきました。
ただし重労働・苦労が報われるとは限らない、報われない場も多くあるのですが…
移民労働者に対する搾取構造、というのもこうして具体的に描かれるとわかりやすい分胸が痛くなります。
逆に「ルナ」たちも苦しい立場には違いありませんが。
日本史にとっての移民の重要性も小さくはありません。日本人移民に対する恐怖感も太平洋戦争の重要な原因の一つですし、移民を解決策として覚えてしまったことが朝鮮・満州・南方への進出の理由、ひいては太平洋戦争の原因でもあったのです。そして引き揚げた移民たちの膨大な超低賃金労働力が高度成長をもたらしたという面もあります。
おじいちゃんの下駄だから…
「ずっと見てきましたが」で夢水の性格をつかんでしまったのも苦笑します。
そばで脅迫…鬼。
間合いの外を衝撃波で…さらに銃弾を…もうなんでもありですね。
ちなみに銃身を切っても安全ではありません。
くすぐったがるのを利用してすりかえるというのも見事。
本当の意地悪と本当に優しいのを区別することができる、というのは大切ですが子供には難しいですね。
それが…現代につながってしまうのは見事でした。
しかもレーチの挑戦がまたも!これは何度見ても実に楽しいです。
バカの限りを尽くして…と言っても全部僕にはわかりすぎるバカですが…やっと押して、電話番号を入れてなかった、というバカにはもう…お姉さまのバスタオル姿にさして色気がなかったのがちょっと残念。
そこで本人からの電話でクリスマスイブあいてる、これはもう倒れました。
で、なぜハワイに…ははは。
次にどんな騒動が待っているか楽しみです。

1〜2mをかける少女
男子バスケのマネージャーの一人、佐藤由椰ちゃんは筋金入りのドジ…そんな彼女が突然、テレポーテーションの超能力に目覚めた!
でも2mぐらいずつしか移動できないから全然役に立たない。

すごい面白さでした。絵などもさりげなくですがすごく良くなっていますね。
バスケ描写のあっさりした感じもすごくいいです。
駅から線路の上に落ちる、ってよく無事でしたね。しゃれになりません。
ためしてうまくいくのはすごいです…ここの変な服と強調されたスタイルに爆笑。そう、考えてみるとなぜ、単に超能力があるだけでいいのにあんな変な服に着替えなければならないのでしょう。そのまま普通の服で活躍してもいいのに…009などだったら、あの特製の服じゃないと超音速に耐えられず裸になってしまうからとかありましたけど…考えてみるとその服とスーパーガンを普通の兵士に支給しただけでもかなり戦力になりそうな…
普通に走ったほうが断然速いというのも面白い能力です。
助けるのに間に合うとは限らない、だからフェンスを縛って注意書き書いて…誰の言葉だったか、ちょっと飛べてそれがなんになる、と。こういう工夫を、誰にも言われず進んでやることのほうが超能力よりずっとすごいし、それを椿くんも見てくれている…実にしっかりいいテーマが出ています。
瞬間移動で壁抜け、というか…この瞬間移動、物体交換がちゃんとあるのでしょうか?茂みに飛び込んでも爆発はしなかったようですが…女の子が鼻血を流しながらがんばるというのもすごいです。
というかこれは、完全に空間を飛び越えるタイプの瞬間移動ではなく、単なる超高速移動?だったらぶつけたとき鼻血じゃすまない気もしますが…いや、ためらいで壁の直前に出現してしまっているだけ?
このホラーは笑うしかありませんでした。
つい、めいっぱい近づいてしまったのは…十分役に立ってますね、この能力。
すごく面白いですし、メッセージもすごくいい…素晴らしい作品でした。
なんとかもっと、明日賀先生のずばぬけた実力は活かせないものでしょうか…「なかよし」ってつくづく実力が意味を持たないような気がします。

メガネ王子
なんでもない愚痴を友哉にしている、というのがなんだかよいです。
美人卒業生、となると…嫌な予感がすごくします。最初の人当たりがいいほどに。
先輩と会ったとたん入れない雰囲気を作ってしまうのも、嫌な予感をうまく強めてくれます。
「さぞかしよくないウワサを」と言った時点で、もうみちるちゃんを誹謗しているようなものですが。
そりゃまあ…落ちこみますね、どう見てもかなわない…
三人で出かけると言うのも先が読めません。またどんな意地悪が、と予想してしまいます。
読み返すとここでの先輩の挙動不審もわかりますが…はあ。いやもう…
「いえないんだよ」という言葉がまた意味深長ですね。読み返すとラブラブですが。
やめるっていってやめられるていど…そうなんですよね、どんなにやめたくてもやめられないのが好き、ってこと…
苦しくて苦しくて仕方がない、でも…すごく想いが伝わってきます。
卒業式の演出はさすがに素晴らしいです!こんなことされたらみんな一生忘れられませんよ。
あらためて好き、と告白して、抱きしめられて…そして留学…
あくまで…ため息しか出ないですが、逆にどんな次回作があるか楽しみにもなってきました。

おんたま♪(文字化けした方へ:八分音符記号です)
全員部活参加の学校で、勉強・運動・その他何もできない…さらに母子家庭で金がかかるのも無理な初音ちゃん。学年主任が合唱部の顧問なので薦められるが、音楽を聴くと変な化け物が見えるのでそれは一番無理!
ぶつかったカッコいい男子に見えるなら来い、と合唱部に誘われ、それは絶対音感を通り越したものと知る。だが母親は音楽に関わることを許してくれなくて…

初シリーズおめでとうございます!
冒頭の可愛らしさがすごいです。何もできる気がしない、というのもなんだかわかります。
ただ全員参加の部は幅が広いですから、ただ宿題しているだけとか本を読むだけとか掃除するだけの部も多いのでは?
歌に対する激しい恐怖、そして実に可愛らしい奇妙な…すごく印象が強いです。
そして母親の否定的な態度も、とにかく印象を強めます。僕自身はそういうのは過激な暴力・性描写と質的に変わらないのでは、という気もしますが、この話の場合は最終的なよさもあり、簡単には判断できません。
いきなり歌いだしたかっこいい人と、その時に見える変なもの…そして仲間たちも個性豊かで楽しそうで、わくわくもしてきます。
いきなり体力つくりというのも本格的ですね。
超・絶対音感…共感覚という現象をわかりやすく表現したとも言えそうです。
それが変と思われてきたから不快な感覚ばかりだった…音楽に対する不快感が鋭すぎる感性のせいだった、というのは『愛の旋律(アガサ・クリスティー)』も思い出させます。
高い音を出すときのガラスの仮面目は実に楽しいです。
音符たちの表情の豊かさも実に楽しいですね。
帰ってきてすぐ寝ている彼女を見る母親の優しい雰囲気が、読み返すと単なる悪役じゃない複雑さも与えてくれます。これもまた見事ですよ。
そしておんたまたちが乱舞する音のイメージ!僕ら普通人も脳の中で、脳の配線がつながっていないから見えないだけで脳の中では音がこんなふうに世界を作っているのかも、と思うとすごく興奮します。
音楽を否定する…「才能なんてないのよ!」という言葉、読み返せば傷ついているからこその攻撃性だとわかりますが、すごく読んでいて傷つきます。
言い返せない、自信がない…それが一番辛いですね。自分の中に何の強さもない、否定しかされてこなかった…それも母親が勉強以外の価値観がなく、それでは自分は劣っているからでしょうが…ここの苦しさはどうしようもないです。
絶対音感や共感覚は必ずしも才能ではない、というのも…才能という言葉って怖いです。本当に必要なのは膨大な努力なんですが…
おんたまから仲間それぞれが見えてくる、それで励まされるように思ってしまう、というのもすごくうまいです。
強さがないといっても一人で強くなれる人はそうはいない、みんな人に…
母親に強引に連れ出されるシーンではそれこそ、僕自身が切りつけられるように辛かったです。
父親がそうだった、というのはかなりショッキングでした。
「好き!」と叫ばれて真っ赤になったところで「歌が!」には笑うしかありませんでした。
なんというかすごい作品になりそうです。これほど実力がついていたとは…よく見ると絵の美しさなどのレベルアップもすごいですし。
これからがますます楽しみです。

パパとあたしのヴァーサスな日常
マスコミにばれることは予想していましたが、展開はかなり予想外でした。
こうして読み返してみると、墓参自体がかなりリスクが高い行動でした。そして母親を真田家の墓に入れたことも。
頭の上にのしかかるのも見ていて楽しいです。犬をなでている時にわざと床のほうに押さえたりもしたのを思い出します。
そしてこの週刊誌…やられた、というかマネージャーの力不足では?事実無根、というのも、法的な証拠をそろえられたときにはますます不利になります。
凌ちゃんをすごく傷つけたのも確かですが。
この記者は凌ちゃんを拉致してどうするつもりだったのでしょう。やばい通り越して犯罪です。
宏哉くんも…相変わらず役に立たないなあ…というかこの作品、ヒーローポジションがカズヒコだからどうしても宏哉くんの立場は弱いんですよね…
記者の言動が、きわめて高圧的に…まるで犯罪者を追う警官か標的を追う殺し屋のようになっているのがむかむかします。
理由も説明せず「でてってくれ」というのも酷いです。
親戚とも連絡が取れて、というかできるのならそうすればよかったのに…隠し子のまま同居しようとしたのが最初から言語道断に甘かったです。
あくまで独身ということにし、隠し子の存在も認めようとしない事務所の側の間違いですよ。そちら側について何も語られていませんが…
たった一年同居しただけ…なんとなく大きらい、とメールを出してしまうのが複雑ですね。
記者を殴るのは色々気持ちよかったです。執念というか憎悪に近い感情になっているのが伝わってきます…人間の狩猟動物としての面でしょうか。
やっと抱きしめて…こういってくれた、ため息しか出ません。
もうかくし子じゃない、そのために払った犠牲は大きかったですね。というか、凌ちゃんが一度もかくし子なんていや、世間に公開して、といわなかったのがなんだか残念に思えます。
記事形式の単行本広告もいいですね。
大胆な切り口の、非常にいい作品だったと思います。連載中の実力向上もめざましいですし、春瀬先生も本誌などでももっと活躍して欲しい作家ですよ。
まったくなんで本誌が二つないのか…

蜘蛛女
古い洋風家屋に住み、人の頭蓋骨を皿に乗せてナイフとフォークを置く少女…その周囲にいる大型の蜘蛛…少女は微笑を浮かべて「つぎの主演女優はこの子にしようか」と、顔が浮かぶ本を閉じ、出かける…
人の心には数々の罠があります。
それも、「サバンナの群れサル」が意識を手に入れ、大きすぎる群れを作って暮らしていることの代償です。意識があるほど高いコンピューターを内蔵するショベルカーに戦闘機を操縦させているようなもの、人間が進化した生活と今の生活が全然違うんです…。第一自然界では、一つのことしかしなければ環境が変わればすぐ絶滅します。とくに少産少死で群れ動物となると、自分の利害と群れの利害の矛盾などを処理する複雑な心がなくてはなりません…。
僕は蜘蛛恐怖症気味なので、かなりこの絵面は強烈です。
最初のところでは、真帆ちゃんは普通の可愛い子にしか見えません。だからこそ怖いんですよね、普通の子にでもさまざまな魔が誘惑する余地がある、と。
チェリーちゃんの可愛らしさはすごいです。そういう細かい面でも成長が著しいですね。
だからこそ「ねがいかなえてあげよっか?」のときの怖さも引き立ちます。次からもこれが決め台詞として繰り返されるのでしょうか?
自分の字で書いた覚えのない答案、というのはびっくりする以前に怖くなります。
でもこのやり方では、伊藤くんに教えてあげることはできないのでは?僕はこういう形での成績はいらないです。むしろ、もっと深いところをわかりたいんです。
チェリーに疑問を持って追ったら崖、というのも結構怖いですね。崖そのものが怖いですし。
いつも同点だし内容…特に文章答案が一字一句…となったらさすがに先生も疑わないでしょうか?このかなえかた自体が間違っているしか言いようがないですね。逆に、知能が低いからこういうやり方しかできない…とか?
ここでやめていれば、餌食にならなくてすんだのでしょうか…逃げ道はあったのでしょうか?
高坂さんについて、まるで悪人のように見てしまっているのも真帆ちゃんの心の中の香苗ちゃんなんでしょうね。
そして、嫌われたくないから逆に香苗ちゃんを…確かに子供の攻撃は、攻撃に回ったほうが勝ちという面が強くあります。僕もそれが、罪悪感の残る思い出としてあります。でも、伊藤くんは真帆ちゃんのことを信じてくれたんですから、それに応えるには誠意しかなかったのに…
香苗ちゃんが学校に来ていないのも無視して…罪悪感をかみ殺すのも人間の常ですが…
最初は普通の元気な子でしかなかった真帆ちゃんがどうしてこうなったのか、それが人間の常だ…そう思うとすごく悲しい話ですね。
そしてこの罠、よく考えたものです。
香苗ちゃんに心を開こうとせず、チェリーを追ったのも間違いでしたか。
いきなり逆に出てくる顔も怖いです。鏡に映る魔の顔、そしてあまりに巨大な…まあ実際の蜘蛛の顔はかなり違い、ガリガリとはまた違うもっと恐ろしい食べ方をするんですが…毒で麻痺させ、消化液を注入して内部から溶かして液になったのをすするという。最後のところの笑顔も怖いです…
結局伊藤くんは…真帆ちゃんのことを信じる発言をしていたのに手を引っ張って、とちょっとわかりにくいです。
とにかく人間の罠としてはわかりやすいですし、恐怖感もしっかりしています。
ここのところハッピーエンド気味の話が続いていたので、今回のラストはまた意外でした。
というかデビュー作から、どちらに転ぶかわからないスリルがありますし、やはり力は素晴らしいですよ。

スイート×ペイン
幼馴染に告白したら、困った顔をしたので冗談とごまかしたら彼女ができた、といった…
傷心の梨央ちゃんの前に出てきた、お別れ会の幹事のパートナーになった人気者のトモくんが、ウソの笑顔はやめろと攻めてきた。

しっかりしたテーマ、簡素で柔らかいタッチから伝わる深い思い、読み返すほどに味が出てきますね。
物語の恋と現実の恋の落差、言葉からもすごく共感してしまいます。
いきなりお別れ会の幹事、というのもうまく話が進んでいます。
これまでのトモくんがどんな存在だったのか、ちょっとそこが弱いような…人気があるというだけで。
「まためんどうなこと」は読み返してみればいつも梨央ちゃんの事を見ていたと…というかそのために立候補したこと自体、七割がた告白ですよ、梨央ちゃんのために立候補したってわけなんですから!
いきなり「さっきなんで泣いてたの?」ときたのもしっかりテーマ(ウソの笑いはやめろ)を強調しています。このテーマが繰り返し強調されるのもすごくいいです。
「木内にカノジョができるとはな」は、彼自身チャンスと思う自分と、彼女の幸せを祈っていたのに…が葛藤しているのがわかります。
木内くんの彼女は…ちょっと嫌味な悪い感じもしますが、多分それは梨央ちゃんの目で見ているから…
トモくんの助けかたもすごく優しくて、くすぐったい恥ずかしさも感じますがそれもまた快感です。
いきなりすごく悲しそうな顔を見せて「男の子はさ」と言って涙する…すごく想いが伝わってきます。「いつから好きだとかどんだけ好きだとか」という言葉も…
「オレだってそうだし」もうまい!さらにそれで「相手はどんな子なんだろ」とトモくんに興味を感じて…
後から抱くようにして「梨央のかわいーとこ」と助けてくれるのもいいです。
「まーたウソ笑いする」と、ウソ笑いのテーマを強調して…そして頬を背に持たせる、二人乗りでそうするのって恋人同士でも相当馴染んでいないと…すごく見ていて心地いいです。
みんなにくっつかれるトモくんにヤンキーみたいな顔する、というのもいいです。結局恋心が移ったことの自覚は言葉ではしていないのもまたコクがあります。
そして「きょう告白しようと」で…また、ウソの笑顔…
あ、「きーちゃん好きだった」と過去形ですね、もう。そしてそこから彼の思いにも気がついて、一気に…子の盛り上がりようがまた素晴らしい。
彼の紙吹雪も、キーアイテムとしてもさりげなく素敵です。
さらに、もう一度トモくんの視点から読み返したらまた本当に素晴らしいです。ものすごく強い思いが、上半身の力が抜けるほどあふれてます。
すごく素敵な作品です。これだけの力があるとは…その力、もっと高めていい形で出してほしいです。

魔術師にくちづけを
古びた旧校舎、最上階の一番奥の部屋。呪いや魔法の薬をつくったり、願いをかなえてくれるという魔術師がいる…魔術師には、対価として自分の「大切なもの」をささげなければならない…
その魔術師は、一冊の本を開けるための鍵として人間の「大切なもの」が必要なのだ、という。
好きな幼馴染の男子に近づく女子のことを口にし、思いをあきらめる薬を求めた依頼人のかれんちゃんに魔術師は、ぬいぐるみや生写真ではなく、すずらんの花が封じられたペンダントを求める。
彼女はそれを拒み、放り出されそうになって抵抗した結果魔術師の部屋を壊してしまい、代償として働くことに。

祝シリーズ!これだけ力のある作家ですから順当とも思えますが、むしろ本誌連載に出してほしいという思いも強くて悔しくさえあります。
神秘的な雰囲気がよく出ていて入り込めます。
確かに不気味な雰囲気は出ていますね。
読み返してみると、かれんちゃんの注文は実にうまく本心を隠しています。
大切なもののせこさはわかりますが、僕も中学校の頃はもっとくだらないものが「大切なもの」でした。
今の僕の大切なものは…僕が僕であること、だとしたらそれが何よりも僕にも周囲の人にも災いなのでしょうが…あとは膨大な増刊のバックナンバーなど、僕が書いた文書のデータなどですが、どちらも僕以外にはゴミです。
結構やりとりがコミカルなのも雰囲気壊していいです。
本当に大切なものは首にかけているもの…読み返せばわかりますが、それに執着している限り…あ、この作品自体のテーマが、執着をやめろ、ということでしょうか?それは正しいのかもしれませんが…辛いです。
吸い出されるのを防ごうとして大損害、それで…
というか執着をやめろ、というのならその本に対する執着も…というのは卑怯でしょうか?
その本の内容は何なのでしょう。
下僕というのは苦笑させますが、読み返してみるとその労働が彼女の心を癒してくれていたことがわかります。働くって、仕事の質にもよりますが結構救いになることもありますね。
潤くんと会ったときのその雰囲気から、それまでの二人の関係が一気にわかるのも…
お守りも手放さない、薬も作るということの無理…
白石さんと潤くんの関係も、読み返してみると胸が痛むようなものです。抱きしめようとして止めた手と彼女の言葉…
そこに飛び込んでしまうかれんちゃんの思いも。
白石さんの立場から見れば、どんなにそれが…
本当に薬を必要としているなら薬は完成しているはず、という言葉も読み返すとすごく重いです。胸が痛いぐらいに。
そしてお守りを渡して…読み返すと、それはどれほど自分が彼を不幸にしているか自覚してだとわかりますが…
魔術師の言葉…「気が強いほう」、「白石という女は卒業後遠くへいき」…このどんでん返しは叫びたいほど見事でした!
自分自身を止めたい、という気持ちも痛いほどわかります。僕もずっとそうでした…学校帰りの駅で、好きな人のいる方向のホームに乗らないためにポケットの中でナイフを握ってそれ以上一歩でも動いたら殺す、と自分を脅迫したことが何度あったことか。あの時この作品に出会っていれば…
「自分の檻にとじこめてしまった」と、自分が使っている力の意味を理解しているのもすごいです。
薬ではなく本当に必要なのは…二人を呪縛から解放すること…潤くんも完全に無罪ではないですね、その状態は彼にとってある意味心地よくもあった…
このすずらんの幻想的な風景は見事です。
ために、ではなく…勇気…僕自身の殻さえ溶かしていきそうなほど、このシーンの力はすごいです。恐ろしいほどに。
で、結局下僕は続く?次からもかれんちゃんが出てくるんでしょうか?
次以降どんな話になるのか、楽しみなシリーズが始まったものです。
本当に怖いぐらい、僕個人にとってもすごく力のある作品です。

若おかみは小学生!
「なくしたらあの人にわるい」…源蔵さん?おばあちゃんの昔のことを思うと笑ってしまいます。確かにすごい美少女…
いきなり出てきた霊能者、ひげがなかったら超絶美形じゃないですか。惜しいのはひげがある美形とも違う、どちらともつかない感じがしてしまうこと…
旅館などは幽霊や霊能者などとは縁が深くなるのは仕方ないです。どうしても自殺や心中は一定の割でありますし。
普通だったら怪しい変な人と追い出すところですが、それで疑いつつ受け入れてしまったのでしょうか。
また藍竜さんの目に悪い感じがしなかったとかもあるのでしょうか。言葉からも見た感じからも誠意は感じられますし。
二人の幽霊が全部見ていて…というか霊にとっては、成仏するほうがいいのでは?いや、その除霊が霊を殺すのと同じように残酷なものだとしたら…
あちこち旅をしてたまに、というのもさびしい決断ですね。
相談相手になるのが源蔵さん、というのも納得です。
おかみさん、と言って案内させたのは確かにウソではない…うまいです。
真月ちゃんもちゃんと事情を察して源蔵さんに先に伝えている、というのは…大学、いや今の僕でもそこまでは多分できませんよ。
そして…誘導尋問!お見事です。「もっとちがうことを話したいんじゃないか」というのもすごく誠意があっていい言い方です。
若い修行時代の源蔵さんがまた超絶美形なんですが…
源蔵さんがどう助けてくれるのか、藍竜さんの正体は…何かと楽しみです。

魔性の弟
るいちゃんに、血のつながりのない弟ができた、でもとにかく可愛かった…そして八年後、美形になった魔性の弟のまーちゃんにいつも振り回されている。
ある日、憧れの先輩に誘われてデート。だが、ずっとまーちゃんがついてきて邪魔する。
…ページをめくった瞬間、脳味噌爆発しました。なんと言うか笑いが強すぎて銃ごと吹っ飛んだ、と言う感じです。
なんだこりゃあああああああああああああああああああああああと絶叫したくもあり。
何でしょうこの強烈なフェロモンは。
「むしろあたしを飼って」という言葉がまたすごすぎます。
大西センパイの弱さはある意味気の毒になるほどです。
そして理想のデートと思ったら隣に、おい!ってツッコみたいです。座り方とか服とかがすごくさりげない。
「こんなにこぼして」って甘えまくりじゃないですか。いつもそうなんですね。
手を握られてドキッとしたら、今度は肩に…というかそっちしか見ていないのがまた…
「これからは弟くんじゃなく」という告白も、それ自体はいいのに…読み返すとギャグにしかなりません。
「あの人やめなよ」って、やはりわかってるんでしょうか?
体調が悪いのをすぐわかられてしまう、というのも苦笑します。
好きな子の体調に気づけない、というのは…どうしようもないです、そこまで敏感な人ばかりとは限らないし。
というか結構強引な人なんですね。
観覧車じゃなく家のベッドに急ぐべきでは、という気もします。優しく寝ているのを見つめる表情もすごく素敵でした。
薬の口移しってもう…何と言うかひたすらインパクトですね。
次回作はこの上何をしでかしてくれるやら。

チェンジ!
可愛くて男子にちやほやされている咲ちゃんと、暗い感じでいじめられている坂井ゆうちゃんがぶつかって人格交換!
咲ちゃんは翌日いじめられても持ち前の強気で突っぱね、そして自分を作らなくていい生活が楽しくなる。
でも元々咲ちゃんの悪友のような感じだった幹夫くんが急に仲良くなった二人となぜか仲良くなり、ゆうちゃんのことが気になると言った。それで咲ちゃんは自分の本来の体はゆうちゃんにあげる、ずっとこのままでいようと言うが…

ものすごく楽しい作品でした。全体の印象がいいんですよ。
最初の、すごく飾っていて負のイメージもある感じからすごく印象が強かったです。
普通のほうがいい、という幹夫くんは…咲ちゃんを昔から知っていたのか、それとも本当に好きだから彼女の本質が見えるだけなのか…色々話の外まで想像させてくれます。
ゆうちゃんを見て、最初は「外見暗い子とか」としか思わないけど、落ちそうになったらとっさに助けてしまう…いいところもある、と彼女のことを見直して…
というか三階?普通死にますって。
いや家じゃなく病院で精密検査でしょう。
人格交換は男女間が多く、それで色々お色気も楽しめるし男女それぞれの苦労も、というのが多いですが、女同士の人格交換というのもすごく面白いことになるものです。
リーダーシップを取ることに慣れている咲ちゃんの性格の強さがよく見えてきます。
なぜか幹夫くんと、中身が咲きちゃんのゆうちゃん…困った状態ですね。
心配してくれるのが嬉しくて、そしてほめられたのも…ほめられたのはゆうちゃんですが…嬉しい、と気持ちの動きがすごくよく出ています。
いじめに対するこの対抗は鮮やかでした。根がよほど強いんですね。
転落事故が変化の原因として解釈されるのもうまい。
ずっと下を向いていた、って…ゆうちゃんの側からとか、家でとかいろいろ略していますね。
「笑顔でいればだれかがたすけてくれるから!」…どういう生き方をしてきた、というかそれで生きてこれた…可愛いというのがどんなに得か、というか…いろいろすごいです。
「いまのゆうはかわいいの!自信もって!」というのも考えてみると事実ですが、奇妙なユーモアを作ってしまいます。
咲ちゃんのほうはいい人といわれるのは初めて…よほど陰口たたかれてきたのでしょうか…
幹夫くんと三人で遊んだり、それも外見を作らないことがまた楽しい、と…楽しい、という気分もすごくよく出ています。
笑顔でお礼を言う、というのには慣れていないのも可愛いです。
礼儀正しさなどが、中身がゆうちゃんの咲ちゃんも可愛くしている…というのもゆうちゃんの側からのこの話を色々想像させてくれます。
そして「ゆうのこと気になってる」から、「あげるよ」という言葉…ゆうちゃんもずいぶん成長しましたね。そちらもすごく気になります。
そしてまた元に戻って…あ、人格交換のことは幹夫くん、信じてくれたんでしょうか。
かっこつけるのをやめての告白もすごく素敵です。
そして…外で告白を聞いて軽く息をつくゆうちゃん!その小さな表情がなんて雄弁なことか。
最後の「ココロをたいせつにすれば」と、テーマをすごくはっきり言葉にして伝えるのもしっかりしています。
すごく好きな話です。次回作がすごく楽しみになってきました。

ロックンロール・スプリング!
軽音部の新入部員、玲美ちゃんは実は兄の友人、ハセちゃんといたくて受験をがんばり、軽音部に入った。
音楽祭のバンドにも参加するけど、ものすごく下手で練習してもどうしてもからまわりしてしまう。
それで自ら身を引こうとするけど、部室の机に置かれたピックに書かれたメッセージを見て…

とにかく熱い!すごく好きな雰囲気ですし、快いです。
笑顔も見ていて気持ちいいです。
兄のキャラクターが結構濃いですね。
ギターを弾いたときの壮絶な…ジャイアンという言葉を混ぜているのがうまい。
男の子に抱きついている女の子、「どさくさ→」とあるのがまたいいです。
先生は顔も出さないのに強烈ですね。
ハセちゃんの優しさもすごく素敵です。
「美男美女のカップル←自分でいうか」もすごく苦笑しました。
事故で接近してしまう、さらにその事故のランドセルが…この争いをギター一つでなだめてしまう、ってもうこれは魔法ですね。
キザっぽい、というのもすごくいいです。素直に「でもかっこよかった」と言うのもいいですね。
音楽を楽しむ気持ち、とまっすぐ伝えてくるのも元気になります。
でも…それですごくがんばっているのに、それでも…ここは胸が痛くなりますね。本当に努力しているのにうまくいかなかったら、もう何もかも否定的になってしまいます。
自分じゃないほうがいいのか、という気持ちも痛いほどわかります。
祭りの明るさと玲美ちゃんの悲しさがすごく対照的で胸が痛いです。
後の女子が「ごめん」とスケッチブックに書いて出してくれるのも嬉しいです。
回想から一気に本番に入る演出も素敵でした!
そしてすごく素直で激しい告白、まっすぐ抱き返すハセちゃんもすごい…
で、全校生徒+一般客!しかも兄の前!ああもう!
そして何最後のハセちゃんの超クサ台詞!頭抱えて転げまわりました。
なんというか…ため息しか出ません。
次回作はどんなことを決めてくれるのか、すごく楽しみです。

地獄少女
誰が原作だろうと変わりないですね…
最後のどんでん返しさえなければ、思いがけず世界が違った二人が仲良くなり、成長してともに歩こうとする素晴らしい話だったのに。
なぜ…これではこの話は、「悪い運命に見込まれたらどう成長しても、どう前を向いて生きても無意味だ」としか言っていないです。そんなメッセージをなぜ読者に…
「蜘蛛女」と比べてみてください。同じホラーでも、「蜘蛛女」は誘惑に負けるなという戒めになります。でもこの話は戒めにすらならないです。正しい道を歩こうとしても地獄に落とされるのでは…生き残ったほうもこれでは、前を向いて歩く気にはなりませんよ。
この話が…「地獄少女」は、読者の少女たちに何を与えていますか?関係者一堂、毎朝鏡の自分を見ることができていますか?この話をご自分の幼い娘に読ませられますか?

本当に「ラブリー」のメンバーは素晴らしいのに…なぜそれがもっと認めてもらえていないのか、泣き叫びたいような想いです、正直。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ