なかよし2009年秋ラブリー感想

今回はどの話も、何度読み返しても飽きない噛むと噛むほど味が出る話ばかりでじつにいいです。

でもやっぱりまずいですよ、シリーズでない読みきりが二つしかないというのはいくらなんでも!
しかも次号からまたシリーズが増えたら一つだけになるということでは?

シリーズが嫌いなわけではないんです。今シリーズやっているのも好きな作家ばかりですし、その点はすごく嬉しいんです。
でもそれだけじゃなく、単純にたくさんの新人作家の読み切りを読みたいんですよ。
もちろんみんなシリーズがやれればそれが最高なのですが、それができないのはわかっています…これだけ多くの作家がシリーズを出せること自体は嬉しいんです。
でも、逆に今回出ていない多くの作家さんの作品読みたいんです。このままでは、シリーズを持っていない新人若手作家の出番は事実上完全になくなりますから…

「ラブリー」のシリーズが多くなるのが流れなら、「ラブリー」はシリーズ専門にして、別の増刊を作らなければ。
ちょうど連載中心の「るんるん」と読みきり中心の「なかぞう」の関係みたいに。

1年5組いきものがかり(フクシマハルカ)星の-W-王子さま(花森ぴんく)魔性の弟(寿えびす)TSUBASA(安藤なつみ)オオカミ少年(水上航)夢みるエンジェルブルー(白沢まりも)地獄少女R(永遠幸)おんたま♪(美麻りん)にげない。(高上優里子)名探偵夢水清志郎事件ノート(えぬえけい/はやみねさとる)あずきパティシエ(ゆみみ)むりやり探偵部!(佐藤みなみ)若おかみは小学生!(おおうちえいこ/令丈ヒロ子)3〜4cm先にかける少女(明日賀じゅん)デリシャス・トラップ(水沢友希)深一くんのユウウツ(伊藤みんご)いつか、空の下で。(福月悠人)5月の恋ひこうき(桜倉メグ)蜘蛛女(秋本葉子)

1年5組いきものがかり
フクシマ先生がいないと増刊も本誌も動かないようです。というか増刊でエロ、本誌でせつな系という組み合わせも以前と同じ構造ですね。
いきなり上から上下逆で足をなめられる、という衝撃的な始まり方はさすがお見事。
でも血をなめずにふくらはぎばかりなめてますけど?
そりゃまあ蹴りますよね。
千秋先生のキャラクターもなんだか懐かしいです。フクシマ作品にはこのタイプがいるほうが楽しいです。
吸血コウモリには狂犬病問題があるのですが…大丈夫でしょうか?
十字架が効けばいいんですけどね。
このうずまきメガネが昨日の吸血鬼とは…ギャップが大きいのも楽しいです。
コウモリと吸血鬼の関係も面白いです。
「オレじゃ不満なのか」という先生の言葉は最初に読んでれば単なる冗談ですが、後に冗談じゃなくなりますね…
全部ニンニク入り弁当ってほとんど狂気です。というか男子は誤解しないでしょうか…精力つけて何をさせる気だ、と。
でも実においしそうです。今度やってみた…むりですね、連休初日でなければ食べるものじゃないです。
あっさり正体を明かしてくれるのは、正直緊迫感ないです。というか正体を暴いた後のことを何も考えてなかったのでは?
メガネのままどうどうとバンパイアをやっているのがまた楽しいです。
先生がバンパイアハンターというのは予想通り…でも先生が本気で生徒に迫るのはまずいですよ。
血をあげるためにわざわざ上をはだけるのがすごいエロいです。
血が妙に生々しいですね。吸われた表情も、一々言葉じゃなく、快感はあったけどそれが快感だと自分でも知らないといういちばんたまらない…
先生もバンパイア?バンパイアハンターじゃなく?

星の-W-王子さま
家の中にブランコがあるとはすごい。
クリスマスの約束が破られたのは…?
成長した後姿が妙に印象的です。
このお屋敷に堂々と訪ねていける度胸は素晴らしい。
双子…笑うほかありません。
どちらかわからないのに、って彼女にとってはいいがかりですが、男にとってはやはりこいつも自分を見分けてくれない顔や金だけによって来るバカ女か、でしょうか。
どっちかわかるまで…指紋は?
勢いって住居不法侵入という立派な犯罪なんですが。
二度と会えない、ってまた屋敷から離れる予定でも?
この美形双子とのデートは、そりゃまあシンデレラですね。
箸で食うというのも風流です。海外の高級店や晩餐で実際にやって、無作法とされるかクールとされるかは紙一重ですが。
二人とも優しい、ひきつけられるのは東…定石です。
「初恋なんてぜったいかなわねえよ」…何があったのやら。
いきなりキスするのも楽しいです…というかすぐ離さずむさぼってません?
さて後編はどうなるやら。時節によって二ヶ月に一度出るペースはこういう前後編にもちょうどいいです。

魔性の弟
ますます過激化してますね。
フェロモンの強さには圧倒されます。
冒頭は前回ほど圧倒的なインパクトじゃないです。というかあれを越えるのは事実上不可能でしょう。
序盤のテンポの速さはとても見やすいです。
このぱっとした美しさもすごくインパクトありますね。
魔性に免疫があるというのもすごい、というかこれだけの超絶美形が二人並べば、野次馬が考えることは一つですね。お似合いなのは事実ですし。
転校する前の昔は姉ポジションだったんだろうな、とも思えます。
カレーパーティーってどんなことをやるんでしょう。面白そうです。
いきなりのキスを見てしまう、ここの心情描写はさりげないけどすごいです。
強盗のフラグもいいです。
なぜ叩いたか自分でもわからない…とにかく応援しよう、という心の微妙さがすごくドキドキします。
透子ちゃんが魔性にやられかけておびえるシーンもドキドキしますね。そのまま押し倒されたらどうなっていたでしょう。
カレーは…いつもの分量でしか作れません。何よりスーパーでの、人参・ジャガイモ・タマネギの包装自体が大きい鍋一杯にちょうどいいですし。
普通の家を襲う強盗っていうのもずいぶんとハイリスクですね。
まるくん強すぎ。
「まぎらわしい」という言葉に透子ちゃんのドキドキがうまく入ってて苦笑します。
これはシリーズで続くのでしょうか?結構強烈なのですが…
これでない作品も読みたいです。

TSUBASA
す、すごい…
手書きでこんな手紙を書けたとしたらすごいです。
というか…結局は双子ですね、無茶は似てます。
はっきりと別人なんですが…物腰というか何もかもが。
教室に入ったらいきなりこれは…はは。なんというか狼の群れに子羊…
「いくぞ」といきなりすごまれてもう激闘、これがつばさちゃんの日常だったんですね…
数学で倒してしまうのはうまい!
ダチ…たしかにこれはお嬢様にはきついです。
「この人たちのせいで」って、それは…まあそう偏見で感じるのはわかります。
みんなまとめて優しい人にして…恐ろしい発想です。というかダチの皆さん、まだ別人だと気づかないのでしょうか?
「ネロをうたがった村人全員ブッコロス」はとてもよくわかります!大爆笑。
ゴミの分別をちゃんとやる不良というのも面白いですね。
いきなり人質というのも大笑いでした。というかダチの皆さん…拳銃相手に立ち向かわないでください…
抜いたナイフの曲線がぞっとしました。エマーソンコマンダーに似てますね。
僕はこの内曲がりはあまり好きじゃないです…自力で砥げないので。
材木で殴り倒して「ごめんなさい」って…
最高の仲間…まあ少なくとも、ありさの側の皆さんよりずっとまっすぐでいい人たちですよね。
…退学は赤点…あまりのばかばかしさにへたりこみました。
陰湿といえる本編の雰囲気を一気に吹き飛ばしてくれる明るさとパワー、すごく楽しめました。

オオカミ少年
冒頭、この構図から…全身を見たらどうなるかはわかったでしょうか?
男の立場から見れば、お子様といわれようとこれほど幸せなことはないのでほっといてください。
尻尾を引っ張ると変身する、というのもいいですね。犬は尻尾はいやがりますが。
つながれてなさい、って…考えてみると犬には毎週日曜日悪いことしたものです。
変身してしまえば首輪なんて、ってまあそれも当然ですよね。
噂をすれば影、というのも…というか服を調達するまでの騒ぎを想像するとぞっとします。
足を踏みつけての言い訳もよくもまあ素早く思いついたもんです。
「ずっとそばにいるつもり」…動物の正直さってうらやましいです。昔の僕もそれに近かったんですが…今それを取り戻すのは無理ですね。
自分以外の人間の女の子にあったこと…というかそれよりメスの犬にあったことがあるかどうか聞いたほうが…
他にお嫁さんがいるかもしれない、まあそれは確かに。あっさり探しに出てしまうのがすごいですが。
やだやだと言ってほしい、というのは困った女心です。
確かに犬レベルの常識じゃ通報されても…というか男にとってはうらやましい…
さっそくプレゼント、それで尻尾を振って…いや犬にはチョコレートは禁物ですよ?
こういうどたばたは見ていてすごく楽しいです。
先生にまで「お嫁さんですか」って、女はいくつになっても女ですし…
だれでもいい…はは。
避雷針から飛び降りて平気というのはものすごいです!
無造作に背負ってくれて…まあ、「こんなこといわれて嬉しくない女の子がいるでしょうか」という決め台詞もうまく出てます。
なんというか…こういう底なしのドタバタは実に楽しいです。エネルギー使いますけど。
…これ、男女逆転だったらどんな話になるやら…

夢みるエンジェルブルー
お疲れさまでした。
ふられたときの暴走ぶりはすごいです。
あっさりと「フラれちゃった」と…この明るさの嘘、でも逆に明るくしてなきゃ辛すぎるんでしょうね…
留学と聞いて葵センパイの真意がわからないってどこまで…
勢いで家まで押しかけてしまう…こう激しく責められるのは男としては強烈ですね。
ヘアピンを捨てようとしてやっと泣きじゃくる、このときまでふられたことに現実感がなかったんですね…早く現実感を持たないと何十年もじわじわと苦しむことになります。
青磁くんが強く抱きしめてくれたのはほっとしました。心が楽になるだけの効果でも大きかったのでは?
花を見ても空を見てもイメージが沸いてこない、デザイナーとしても…そのときに前に助けた子…ここで合えて全員じゃなくて、たくさんの女の子たちの一人だけというのもいいですね。
空の上に輝くエンジェルブルーもすごい印象強いです。
恋をあきらめても夢が、デザインがある…仕事って素敵です。
青磁くんへの返事もすごく誠意が伝わってきます。彼の優しさもすごく素敵…
見送るシーンもすごくすっきりしました。でもそれ、センパイの真意を思うと怒りさえ感じます。
一年もたって…彼もうぬぼれすぎですよ、振られたと思いこませて丸一年放置なんて!残酷すぎます。
いきなりキスして…彼女の気持ち自体は顔を見ればすぐわかったと思いますけど。
ちょっとそこだけ納得行かなかったですけど、すごく素敵な作品には違いないです。
ずいぶんと長いことしっかり増刊と本誌双方を支えてくれて…お疲れさまでした。
次回作がどんな可愛い作品になるか、楽しみにしています。

地獄少女R
…どちらもガロアやパウリから見ればゴミ以下なのに…ごく狭い群れだけの視野しかないというのはむしろ罪悪です。
と言っても僕はそっちの視野しかないのが災いしてますけどね。ある問題が解けるか、その問題が数学・物理学全体でどこに位置するかしか考えないので受験には効率が悪いのです。文系は勉強という考え自体がなく知っているかどうかだけです。
自分が一番、って全国模試は?
塾のテストが二位なのを問題にする親って?と誤解させるのはうまいミスリードでした。親に、どこを間違えたのか聞くだけの知的好奇心と、間違いと道徳を切り離せる知性と、無条件に愛していることをアピールできる愛情表現力があれば…
藁人形をずっと持ったまま…それで先生として出てくるとは。
「いつだって地獄に流せる」という心理は、暗殺技術についての自信でも得られるのでは?
ランク付けの価値観を疑うこと自体は心強いのですが。
七人家族っておい…
自分よりランクが上の人なんていくらでもいる…それに気づいた時点で、読むの自体終えたほうがいいような気がしてきました。
結局こうなりましたか…やはり藁人形を水に流した時点で閉じたほうがよかったです。
なんとか内田さんは助かったようですが…もっとこういう、助かる側の話が多ければいいのに。内田さんが助かったのは結局、親の愛情を信頼できていたからですね。今までの被害者も、誰かひとりでも信頼できる人がいれば、というケースばかりです。

おんたま♪
ますます絵の可愛らしさはすごいことになってます。
ゆがみまくったおんたまには苦笑しました。
みんなも緊張していたんですね。
肩をもまれてうひゃっとなるのは…普段天然でスキンシップしているのはあんたなんですからいい気味じゃ。
告っちゃいなさいよ、となるのもわかります。
そろいまくりというか…双子中心とかこのあたりは少年漫画的な感性を感じます。よくあるスポーツマンガのサイボーグ状態のライバルチーム。
美形双子に話しかけられるシーンはいろいろ期待しましたが、読み返すと…
そろっているのがきれい、というのは人間の美意識としては重要なんですが…ナチスにつながりますからねえ…
お弁当、というのはすごい感性ですね。合唱部がすごく好きだ、というのがすごく伝わってきます。
おかーさん…男の子がそう呼ばれたらいろいろ終わりですよ。
やったことを事実上自白しているんですから、さっさと運営側に訴えて失格にすることはできないのでしょうか?
「CRASH!」でもなんどもやられていて、まるでこの手が業界全体で許容されているような印象さえありますけど…実際にここで訴えていたらどうなっていたでしょう。ちなみにドアノブの指紋で明白な証拠になります。進行係に訴えることがなぜ悪いのか…そこにちょっとゆがんだ、ある意味道徳的な感覚があるような気がするのです。
ソロで歌い始める、そこにみんなが加わってくる…ミュージカルでも客席からの登場は本当に盛り上がりますよ!
告白が結局流れたのは…まあ次が楽しみということで。
今回の話自体はちょっと陰湿な部分がありましたが、全体に流れるとても強い肯定的な感情がすごく楽しめるんです。

にげない。
全く独立の恋愛ものとしても十分楽しめました。
絵の感じがちょっと変わったような?さらにすっとしたというか凛としたというか、清涼感のある美しさが加わったような。
かわいい笑顔が苦手と言うのはモデルとしてはちょっときついかも…今まではそのキャラで通用したんでしょうね。
背後から尾行されるというのは…人通りの多いところに離脱するとか…僕ならまず肩の力を抜いて呼吸を深めの腹式呼吸にし、周囲から武器になるものを探し…とやりますが、女の子には難しいでしょう。中学一年なんですから、誰かが送るべきでしたよ。
震えているのを見て「送ってく」ってすごいいい男!
うんざりする内部生と、それとは違う奈子グループの対照がすごくわかりやすいです。
素直に感情を出せればいいのに、という悩みが丁寧に積み重ねられていてすごく説得力あります。
素直に会いにいけず、わざわざ買い物のふりして…ツンデレ、とは微妙に違いますね。
それが習慣になってしまう、というのもすごくドキドキする関係です。糸山くんはどう思っていたでしょう…彼の側からみるのも楽しいです。
美形優等生二人組との撮影、というのも贅沢ですね。BFと…って二人いるんですが…
髪に触れられたときの圧倒的な感情というか官能がすごく伝わってきて、息もできません。
クラスメートに見られてしまい、そこでの反応…翌日、奈子ちゃん「阿澄くんと」って察してますね、ちゃんと。
もう告白できなかった、というぐらい気持ちは固まっていたんですね…
奈子ちゃんの優しい手もすごく思いやりを伝えてくれていて素敵でした。
写真での普通の女の子としての表情に、あらためて気持ちを固めなおして、この大胆な行動には圧倒されました。
呼び出しさえしない、みんなの前で堂々と…すごい強さです。弱さを自覚したからこその強さ…
阿澄くんの、抱きしめて連れ出す行動も圧倒されました。それも周りに見せつけるためなんかじゃない、糸山さんが震えているから、それだけのために…愛ってすごい強さです。
あんな顔させたくない…「おれが守るから」…もう息もできないですよ。サボっちゃお、と誘うときの笑顔の可愛らしさも素晴らしいです。
この憎悪の視線が…最終回にどんなことにつながるのか、むしろ胸が痛いですが…なんと言うか本当にすごい作家になってます。
「にげない」というタイトルより、むしろ「群れない」というタイトル…いや群れてはいます、奈子ちゃん中心に。でも違う、差別構造を容認し、自分の弱さから逃げて考えずに群れているんじゃない、逆に自分の弱さから逃げず、考え、感じたことを素直に出す人たちの「群れ」…やはり「にげない」ですか。

名探偵夢水清志郎事件ノート
結構長いこと続きますね。
教授の一つだけの質問、それがどれほど核心なのか…
真衣ちゃんの行動は見ていて嬉しくなります。まあ教授が寝ているということは危険はない、でいいのでしょうが…
夢でのホラーオールスターは大笑いしました。
考えることって何を考えているんですか。大笑い。
やはり教授のことを思ってしまう?って幽霊…?
「ヒイアカさんはカノジョじゃない」…何の情報?
いいご身分の捜査ですね。
幽霊の話がなぜ幸せの話に?
レーチが真っ赤で目が泳いでるのがかわいいです。というかあくまで「岩崎」呼びなんですね。亜衣ちゃんも意識してる…真っ赤なのを日に焼けたと勘違いしているのがまたすごい。
わけわからなくなって、そして着いたところが…これはすごいパワーが伝わってきました。
ほとんど抱きついて…二人とも真っ赤!
地元の子、ってそういうわけでしたか。「英語しゃべれたっけ」は確かにムードも何も…
クリスマスプレゼント…最高にもほどがあります。素直に「ありがとね」と言えてたり、結構意識してたり…
たまりませんなあ。
そしてレーチが消えた、って…どうなっているんでしょうこの地域は。

あずきパティシエ
すごいなあ、としか言いようがありません。こんな素直に感情を出せるなんて…
本格的に修行を始めましたか。
大洋くんも、結局こういう形になったわけで。
「ブログにも書くなよ」が苦笑します。
いきなり積極的に出てくる和華ちゃん、すごく迫力ありました。
「基本もしらないくせに」は人を黙らせる力があります。
大洋くんに積極的なアプローチをしてくるのは…「あたしの」ってなんて言おうとしたんでしょう。それで下僕といってしまったのは大笑いでした。
いきなり商品にされてしまうと言うのは苦笑しました。
「好きな人へ」というのもえげつないですね。
好きな人、が当然大洋…でどんな和菓子が好き、と聞いて「ふかい意味はないからね」は転げまわりました。
偵察って…何をやっているのでしょう。というか和菓子業界にいてそれほどの名店が近くにあるのにしらなかったって…
おばあちゃんの温かい態度がすごくほっとします。でも修行ではすごく厳しかったり…
三歳のときから修行してた、というのもすごい。
がんばらなきゃ、という発想は前向きでいいですが…
怖いから気持ちが聞けない、というのもかゆいです。
和華ちゃんが孤立していることで心が痛くなって…というかもろ聞かれてますし…
ここで愛菓ちゃんが考えているところ、読み返してみるとまたすごいです。
確かにこれは…ホントに中学生か…
「都築さんのことが大好きなんだもん」があまりに素晴らしい言葉でした。
悪意をぶつけてきたライバルがさびしいということを理解して、こんないっぱい友情を注ぐことができるなんて…本当に心が豊かなんだな、とつくづく思います。
大洋くんのはっきりした言葉も嬉しいです。
合作にしてしまった、というのも素敵でした!
そして「愛菓といっしょにつくったの」…確かに胸キュン。
「ついで」も転がりました。遠心分離で体から塩が出ていくぐらいに。
大洋くん、告白しようとしたんでしょうか?
とにかくすごいとしかいいようがないです。

むりやり探偵部!
すっとぼけた感じは相変わらず楽しいです。
男という生物(ルビ:なまもの)ときたら…。
これだけ女の子にもててたらそりゃまあバカみたいに思えるでしょうね。
いきなり事件がどうで引きずられて…確かに電波です。
確かに美女が…いきなり抱きついてきた、と思ったら母親って…
「お父さんてよんでもいいよ」ってみんな守備範囲広いですね。
いきなりカツ丼が置かれて「取り調べようってのか」「それはわたしのおやつです」…カツ丼のカロリーは恐ろしいものがあるのですが…ちなみに取調室でのカツ丼についてはWikipedia日本語版に詳細記事があります。
「お母さんが心配なんですね」「口のまわりをなんとかしろ」も大笑いしました。カツ丼を口の周りにつけたままいい台詞言っても…
「お母さん大好きなんですね」と無造作に言って大喧嘩、というかえらい目にあわされているのに平気で「お客さんです」って…
というかイントロ長すぎます。
心霊現象も探偵…そうそう、アガサ・クリスティも怪奇話を結構書いてるんですよ、『死の猟犬』とか。スパイものもありますけど。
「いやです」「うるさいいうことをきけ」という必殺思わせもお約束ですが最高。
「だれでもいいです」…「もしなにかまちがったら」…この会話はもう笑いすぎて…あ、妙な手つきって親指の位置が違うのでは?
というか「イヤだ」と結構強引に迫って、ここは男ですね。
本当に香りがしているとなると逆に心霊現象じゃないですね。
夜香木…いいですね。
で、真相は…「あいびき中ですか」で「許さんぞ!!男との交際なんぞ」…もろマザコン…ちまきちゃんが心配したとおりでしたね。大笑いするほかありません。
さらにサプライズパーティーだったとは。
しかも本当に幽霊が、というのもいいオチです。「いっしょに寝てください」があまりにも情けないというか…いやあ楽しさでは最強です。

若おかみは小学生!
わるさをしなければいていい…確かに。すごく単純な解決法です。
ちゃんとしていればトラブルにならなかったかも、という反省も立派ですね。
ライオンに変身と言うのは確かに猫にとっては怖いかも。実際に猫にとって怖いのは猛禽類でしょうけど。
巨大猫じゃらしとかはちょっと間が抜けてます。
「おっこのユーレイづかいのあらいこと」は大笑いしました。
なんかもうここまで平和だと…
みんな入浴させて…
藍竜さんの美形は凄まじいまででした。笑うほかありません。
弟子にしてくれというのも古風ですね。その寺ってまさか裏高野では…
「真月はおじいちゃんが大好きなの」というのは…そして源蔵さん…どうなんでしょうね、本当はわかっているんじゃないか、という気もします。
そして今度はウリ坊にそっくりな男の子…どんどんハイペースでいろいろ起きてきますね。

3〜4cm先にかける少女
ぜんぜんわからない、のに恋に恋していないというのがうらやましいです。
いきなりの告白シーンはすごくきれいでした。
それで後ろに落っこちて、これで死んでたらあまりの罪悪感に…
いきなり手の骨が見える、ってすごい。
そしてオッサンの裸…まあパンツが透けなかったのは幸運でした。
石の下の虫とかケータイの内部とか、見えたら面白いです。
チャラい、という印象はあまりないですが…
ヅラの留め具が見える、とか…こういう人の知らない面を見るのはものすごく面白そうです。
彼の言葉、すごくちゃんと好きになってくれていたんですね…と思ったらカバンの中、これはびっくりしました。
女子に告白するゲーム、というのもひどい話です。
この誤解はとけるほうが難しいものだったのでは…あえて超能力とは別の偶然で解けたのが楽しいです。
透視で見たものと噂を同一視するのが面白いですね。テレパシーだったら違ったのでしょうが。
絵の下の落書き…これは一本取られました。
そして、くまの着ぐるみの中が入江くんなのを、透視なしでわかってしまうのも素敵でした。
今回は徹底してやや大人っぽい絵、そして今までのぎこちない雰囲気が全くなくて…すごく素直に楽しめました。

デリシャス・トラップ
これもシリーズ化するとは。
ちゃんと彼氏がいるのに遠慮なく呼び出される…災難ですね。
ピーチ姫って任天堂に…?
メイド服…女の子もこういうの好きなんですね。というかこんなのどこで、いくらかけて、その金はどこから出して手に入れたのでしょう?
泉くんの兄…楽しそうな口調から、こんなことになるとは思いませんでした。
いきなり出てきて人のスプーンから食べて…いきなり「親父の店処分しようと」…
というか相続関係はどうなっているんでしょう。
昨日のプリンは泉の父親の味だった…おもいがけないところで縁があったんですね。
父親の味を完成させるというのも大変ですね。無防備に手を握ってるの、彼氏に見られたら大変では?
蜂蜜を利用しているとは。
それを見ているカズ先輩、なんか微妙なポジションですね。居場所がないというか。
場所もいいのなら…といってもリスクは高いですけど。
互いに会話できないというのもわかります。
「どうしてですか」といえるのも他人のあおいちゃんだけ、と…
「父は過労で死んだ」…彼もすごく真剣に考えていたからこそ…でも自分が海堂で見ているものだけが絶対だと思っている…
自分でプリンを作ろうとしてもやはり、というのは笑うほかありません。
「藤崎くんのことが心配?」という先輩のまっすぐな目…半ば以上あきらめているのでしょうか…
作っている泉くんの姿を見て即座に電話する思い切りのよさがすごい。
というか大人とここまで話せるっているのがすごいです。
あおいちゃんの笑顔がまた素敵です。
いろいろな蜂蜜…それはそれですごく贅沢な話ですね。
ドキドキしてしまう、って恋のほうはどうなるのやら…ちゃんと彼氏がいるはずなのに…
揺れてますね。

深一くんのユウウツ
 エリート学校の完璧生徒会長、東条深一くんの唯一の悩みは…マスカラが飛んできて服をいきなり汚したりした、山下南ひきいるギャル軍団の存在。
 ある日、副会長の山下さやかさんの下駄箱に手紙を入れて呼び出して告白したら、来たのは山下南だった…入れる場所を間違えた?
 今更言えずにつきあうはめになり、まあさやかさんにもつきあってる人はいたし…まさに学園生活は地獄に。

独特の空気がまたうまく熟成されてます。
優雅、と思ったらいきなり…
これはもう切れるほかなさそうです。
思い切り怒鳴ってしまって、そっちのほうが人間味はありますけどね。
副会長の女の子を隠し撮りとは…かわいいことをするもんです。確かに品のいい美人です。
振り返って完璧に演出して告白したら…これは大笑いするほかありませんでした。
すぐ真相を言ってしまえばいいのに…自己イメージが高すぎるから…
さらにさやかさんにも彼氏がいた、なんというか告白しないでよかったですね。見てる分には笑えます。
いきなり「顔かせよ」…なんというかいろいろ終った、としか。
ギャルのよさ、で女装させるって…しかもそれをみんなに見られて…というか着替えるまで抵抗しないって一体。
「ちっとは人の本質を見ろよ」は強烈でした。やっぱり結構頭いいじゃないですか…
いきなりの大乱闘は笑うしかありません。
絆創膏までラメってすごいですね。
ついラメ絆創膏をつけたままにしてしまう…本質的には彼女の知性にひかれたのかも。
前の待ち受けをそのままにしていたのを見られてしまう、というのも思いがけない…読めてはいましたが、この展開はやはり胸が痛いです。
「いいわきゃねーだろ」は爆笑しました。確かにまだわかんないの、ですよね…
涙がマスカラに混じると悲惨なことになりますね。すごいインパクトです。
ぎゅっと抱きしめる力強さもカッコいいです。
まっすぐにけれんなく…実においしかったです。
次回作はどんな作品になるやら。思い切り遊んでくれると面白いです。

いつか、空の下で。
 音楽科の試験を前に入院を宣告され、嫌がっている渉ちゃんが、同年代の入院患者の衣織くんと出会う。
 彼は小児科の子供たちと遊ぶのが好きで、渉ちゃんの歌を子供たちに聞かせたりする。

この作品もすごいの連発でした。
まずすごいのが、「死」「奇跡的治癒」という二つの安易を避けたことです。
その二つの安易に話を盛り上げる手段を避けて、ごく普通の経過をたどらせて内面描写に徹する…それにどれほどの勇気がいることか。
絵もすごいですね。恐ろしいほどすっきりと澄み切っていて。
どうして今なんだ…あまりにも理不尽、努力してきたのに…やっと夢に手が届くところなのに。
出会いの印象も結構強いです。
小児科って何歳まで小児科なんでしょうね。というかそれを知らない僕は…少なくとも十四から三十過ぎまで病院の診察券すら必要ありませんでした。
先生には子供扱いされてますね。
ウサギという淘汰のことを思い出す…それから回想につながるのもきれいなつなぎ方です。
「夢かなえるんだ」という言葉、読み返してみると衣織くんには辛いだろうな、とわかります。
それでいきなり「うたってよ」…一番歌を必要としている人たちはこの子達ですよね。
歌いだしてからのあまりに淡く深い美しさ、ごく淡く感覚を包み込んで印象だけを伝えてくる…すごい!
衣織くんの気持ちで読めば…「歌は記憶をよびおこす」言葉の痛みがすごく重いです。
いまできることがある…これも衣織くんの気持ちで読めば…ため息しか出ません。
まだ試験に希望を持っている、それで一生懸命なのに…この症状の激しさ、そして…直視せざるを得ない、私権はもう無理だという…この絶望の姿はあまりに重くて心が押しつぶされそうになります。
本当に才能もあり、努力もしてきたというのに…神しか呪う相手がいない…
友達にも八つ当たりしてしまう、その気持ちもわかります。このときの冷たい表情もぞっとします。
それを見ている衣織くん、その表情にも死ぬほど見覚えがあるんでしょうね…
「夢をあきらめなきゃいけない」気持ちは…読み返している僕は知っています、彼は死ぬほど知ってる、と。
そうじゃなきゃ出ない笑顔…これがまた見ていて気が狂いそうになるほど痛いです。
病院にいる子供たちを笑顔にすることを今の夢として生きている…なんかもう心の全てが痛い痛いと叫んでいるようです。
今ここから…どんな形で夢をかなえていけるのでしょうか。
二人の未来を…心から祈るほかありません。
ただ今の笑顔だけが嬉しいです。
なんてすごい作品でしょう…これだけの作品を作れる作家を、どう活かすことができるでしょう。

5月の恋ひこうき
 気が弱くて断ることができない宮田さんは応援団に憧れているが、自分には無理だと書きかけた入部届けも捨ててしまった。
 でも応援団の矢崎くんとぶつかった拍子にそれを見られてしまって、強引に入部させられてしまう。
 彼が紙飛行機の形でくれる励ましに支えられ、必死でついていくけれど、彼が先輩を好きだという噂を聞いて…

ある意味びっくりしました、信じられないほど、はっきり言えばすべてが古くて。むしろ懐かしいです。
でもすごくきれいで完成度が高くて、なにもかも素晴らしい!僕はすごく好きですよ、こういうのは。
別に古いのというのは悪いじゃないですよ!いいものはいいんです!
ふわっとした柔らかみ、強い輝き、細かさがかもし出す甘さ、何もかもがすごく素敵で魅入られるようです。
いやなことをいやといえない、という自分に対する嫌悪と応援団に対する憧れ…それはすごく伝わってきます。
提出する勇気もない届けがゴミから見つけられてしまう…うまい。
というかこの教室の床が木なのがすごく懐かしい感じがします。
走りこみからやるというのがすごいです。
めぐみ先輩と矢崎くんの関係も楽しいです。
「オレといっしょにがんばるんだよなー!」というこの輝きの強さときたら!満腹です。
紙飛行機でのアドバイスもかわいいです。それを受け取ったときの嬉しい表情もすごい。
わざわざ自主練まで…名前呼びがこうくすぐったいとは。
四つ目の紙飛行機…ここまでのアドバイスそのものも素敵です。読者によく見て欲しいぐらい。
それでめぐみ先輩のためだと話を聞いて、これはすごく激しい混乱が伝わってきて叫びだしそうになりました。
郵便受けに最後の紙飛行機…ずっと前から仕込んでる、逆に彼女が自分から逃げるところがあるところも見ていた…
学校で待っていてくれた、というのがまたすごい。それで思わず告白してしまって…
「紙飛行機は芽衣子のためだよ」という台詞がまた体が爆発しそうになります。
この圧倒的な情熱とパワー、完成度の高さ…次回作がどれだけ素晴らしいものになるか、今から楽しみです。
心から歓迎します!

蜘蛛女
動物は成長したら繁殖して死ぬだけですよ。あくまで「魔」ではなく「生物」なんですね。
最初のモノローグはこの幼虫の思いでしょうか?
でも幼虫が醜く蝶が美しい、地を歩くことより空を飛ぶほうが楽しい、というのは人間の価値観に過ぎません。
幼虫のときしっかり食べて栄養を蓄え、うまく隠れて鳥などに食べられず生き延びることも蝶となって子を産むためには必要なことなんですよ。
恐ろしく醜い…外も中も、それが容赦なく伝わってきますね。
キレイだったら…その「だったら」思考って本当に有毒ですね。
雑誌を叩きつけた時にふと見せたおぞましい表情、その直感に従っていれば無事だったのでしょうか?
自然にやせてくる、そうなったときの思いがけない可愛らしさには驚かされます。
美しくなっても魂は醜いまま…そして突然出てきた変な男、というかカバンを側頭部にぶつけるとは見事な対処を。
整形…そりゃそういわれるでしょう。
魔法が効きすぎてモデルとそっくりになったら…逆に皆に自分だと認識してもらえない、それはもう当たり前としか…
この崖から落ちた時点でもう死んでますね。
そして…ちゃんと復讐に出られる、というのがあるだけ…
この背中が割れて中から出てくるというのはすごいです。
なんかこれは蜘蛛とかそんな次元じゃないですね。
成体になったら、とにかく繁殖相手を探さないと…この男は雄蜘蛛?それとも蝶?
ここからは本格的にストーリー部分になるのでしょうか。どうなるのやら…

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