なかよし2009年3月号感想

なぜこれまでこの一言に気がつかなかったのでしょう…「邪悪」。いつからでしょう、「なかよし」本誌に、非常に濃厚な「邪悪」の腐臭が常に漂うようになったのは。人を傷つけ貶める作品があまりにも多くなったのは。パンではなく石を魚でなくヘビを(マタイ7-9,10)…麻薬を、光ではなく闇を与える作品が増えたのは。
いくつかの「男子が女子に冷たくしたり優しくしたりして振り回す」作品は本質的にサドマゾヒズム関係が非常に強く、人の破滅を描く作品も、希望なく追い詰める作品も、圧倒的な大人の悪意も…人間の最悪の面ばかり。
邪悪には人をひきつける力があります。邪悪と深く関わる権力欲は進化心理学的にも人間の心理に根底的に染み付いています。でもそれを作品の魅力とするのは、過激な性描写・暴力描写同様本質的に麻薬です。麻薬や銃器を子供たちに蔓延させるよりも邪悪なことです。
性的描写・暴力描写が減った替わりに、読者をひきつける「麻薬」として究極の麻薬…「邪悪」を意識的に使っているとしか思えません。邪悪と戦う経験をつけるためにやっているとも思えないのです。
編集はもうそれをやめてください。邪悪な空気が強い作品を本誌に出さないでください。
読者の親は、邪悪な空気をかぎとったら…おろかな差別狩り・表現規制ではなく、人の心の深くにある邪悪に対するセンサーを信じて…編集に抗議し、なくならないなら購読をやめてください。
僕以上の「なかよし」ファンがいないことは誰もがご存知のはずです。だからこそ「邪悪」という言葉が浮かぶのがこれほど遅かった…僕がこう言っているのがどんな思いか、読者は理解していてくれると信じます。
もちろん全作品ではなく、素晴らしい作品も複数あることは確かですよ。

また、僕は別に…何も悪い事のない、現実とは全く違う世界を描けと言っているのではありません。
たとえば同じく、現実の世界のさまざまな問題を扱っていても高上優里子先生の「まけない。〜教室のあたし〜」などは悪の側と一見見える人も非常に人間的で、人間の根源的な悪を暴きつつその…闇の底の光をとても強く歌い上げています。そんな作品であれば何も文句はないのです。

こげ先生の作品はアニメ向けがすごくわかりやすいです。というか某ユナを思い出させます。

茂呂先生の作品は最高でした!こういう作家がもっと本誌に出てきて欲しい、こんな作品であふれていて欲しいと心から思います。

どきどき!たまたん(こげどんぼ*)AEISA(安藤なつみ)妖界ナビ・ルナ(菊田みちよ/池田美代子)AAA(フクシマハルカ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)フレッシュプリキュア!(上北ふたご/東堂いづみ)夢みるエンジェルブルー(白沢まりも)マジカルダンス!(小鷹ナヲ)こどもじゃないから!(瀬田ハルヒ)サファイア(花森ぴんく/高橋ナツコ)恋する保健室(茂呂おりえ)新・地獄少女(永遠幸)予告

どきどき!たまたん
これまた極端に対象年齢を落としましたね。
やや配置がギャルゲーっぽいですが、まあそれもわかりやすさと言えばいえます。
今度は母子家庭?といっても前作で孤児設定は誰もが忘れていると思いますが。
僕も安売りは好きですが、わざわざ調べていくより「元々安いところ」を知っておくほうが多いです。
この売れっ子アイドルはどう関わるやら。
「わわー」とぱたぱたしたり、リアクションの大きさや「すーぱー☆」を繰り返す独特の口調もすごく可愛らしいです。
「鳥か!?飛行機か!!?」というのは今の読者に…最近の映画版にはありましたっけ?かなりUFOらしいUFOですね。
その乗員が初恋の人だった、となると、絶望する前に喜ぶというのは子供らしいですね。
月神…ゲマなどを思い出させる、こげ先生らしいキャラですね。単純を極めているのもいいですし。
月姫というとゲーム名を思い出しますが、それとは別で…というか政治とも関わっているのですか。
とつぜんの転校生がこれは、そうだろうとは思いましたがすごかったです。
口調も独特ですね。
このカードも商品化できそうですね。月の相から…
聖なる乙女月乙女、というのもアニメなどで扱いやすいでしょうし、子供にもわかりやすいでしょう。
「進化」って、意味を間違えていませんか?一つの個体が時間が経つに連れて姿を変えていくのは「成長」変化が大きければ「変態」です。「進化」とは、常に百とか億とか子供ができ、そのほとんどが死ぬ環境で、他とは違う特徴がある子が生き残り、その特徴をその子の子に伝えて…と長い世代と自然淘汰の末に種自体に起きる変化です。
アイドルが世界を救うというのも少女ものに共通する深い要素ですね。男子の場合「戦士」ですが…その点やはり「美少女戦士セーラームーン」は見事でした…
素質がある女子を集めたクラス、というのもすごいですね。どんな素質でしょう?美しさ?家柄?
扉から入ったときに、彼女だけいきなり雑音…読み返せばもう選ばれているから試験不要とも思えます。
ここでたまちゃんが選ばれなかったのは、初読時にはとても意外でした。
涙がストラップに落ちたときの変化の華やかさもさすがでした。
彼の反応を見ていると、「七年前の彼」が「月茜くん」だとも限らないと思えます。双子がいるとか。
どんな作品になるやら。邪悪な臭いが漂う作品でないことを祈りたいです。

ARISA
死ななかったのは意外でした。そう…おおばやしみゆき先生の「きらきら☆迷宮」も思い出させます。
警察の反応自体かなり問題では…自殺未遂があって何も調べない、というのは実際にはあるでしょうか?最初から「この世界では警察が頼りにならない」という前提を置いてしまうのは「地獄少女」同様では…いや、もしかしたら警察も手を出せないレベルの話とか?
健くんの健全な常識と暖かさが、これからどんな展開になっても助けになってくれる、と信じたいですが…逆に彼が裏切った時の痛み、彼に別れを告げなければならなくなるときの苦しみはすさまじいだろうな、と今から予想できてしまうのが悲しいことです。
犬に吼え返す表情はすごいです。ある意味さすが。
「部屋にエッチ本かくしてます」からの言葉、当たり前のこと…人間にはそう全部できるわけじゃない、ということ…エッチ本という言葉の衝撃も強いですし。
親は本当に知らないでしょうか?知っているかもしれませんし、現実から目をそらしているのかもしれません。
つきとめなきゃ、って…危険がわかっていないのでしょうか。人を死なせるようなこと…そして、もしかしたら警察も手を出せないようなことかもしれません。
暴力だったら何の問題もなく対応できるからの勇気…でも入ったときのクラッカーシャワーで、すさまじい恐怖と屍臭を感じました。
ノートの中身は…要するに勉強がわからないことのほとんどは、数学に関しては語彙の問題のような気がします。「内角」「外角」の定義がわかっていなければそれ以下はわかりようがありません。
「AならばB」には記号論理学までいけばもう少し深い意味があります。そこもやっておいたほうがよさそうですが…
みんなの優しさと、一人が向ける冷静な目…彼は正体を見破ったでしょうか?
この時間、と言われて…記憶があいまい、でごまかして…ここから吹き上がってくる恐怖はすさまじいものがあります。
机を叩いて「王様」と言葉を繰り返すのも、人間の最も原初的な儀式の威力ですね。音、単純で衝撃的な言葉の繰り返し…そう、まるで南米のある国で、内戦で放置されていた耳の聞こえない子供たちが施設に集められたとき、短期間で彼ら自身が自分たちで身振り言語を作り出した…言語の本能が人間にあるように、人間には「いじめ」「儀式(宗教・魔法)」の本能がある…
あと展開にもよりますが、携帯電話禁止の声も強まりそうですね。
でも正直に言えば、このような「邪悪」の要素が強い作品は安藤先生には描いてほしくないです。できればその…深い闇の底に光が見える、善悪含めて人間であることを強調した作品になることを祈りたいです。

妖界ナビ・ルナ
本格的にタイとの対決に向かっているのでしょうか?
いきなり修行、でなぜモールス信号などという新しいものを?
ついでに普通の勉強も、というのは親切ですね。
頼む予定だった願いはすごく素直です。人間の一番の願いでしょう。
火事でやっと家族の愛情に気づく…そんなものかもしれません。
しずくさんが消えたのは、水晶玉が失われたことと関係があるのでしょうか?それとも正体を人間に見られた、関係したトラブルが起きたから?
「あれを見つけないと」というのは、やはりあの店にあった水晶玉から定期的に力をもらって人間の姿を維持していたのでしょうか?
足の鱗はかなりリアルに怖いです。
タイに玉を求めるときの彼女の顔はかなり怖いです。
妖怪をひきつける歌声…これはこの二人だけじゃなく、ほかの妖怪も呼び寄せているかもしれません。
ハンカチを外し、封印を解除した、ここの決意の描写もしっかりしてて迫力があります。
どういうことなのか、面白くなってきそうです。

AAA
反省、って何を反省すべきなのでしょうか。
…脅迫に対して、ちゃんと先生に相談し、警察に告発しなかったこと?
女子姿で悪徳に潜入しようとしたのは初めてですね。
「二度とくんな!」と突き放すところの辛さ…決して健全な関係じゃないですね、この二人は。
うららちゃんの厳しさには驚きました。でも彼女自身は、自分の言葉を疑ったことは一度もないのでしょうか?恐ろしいほどの冷酷さ…僕が歴史教科書のアイルランド・じゃがいも飢饉に対して感じるよりも低い共感…
なんというか、呆然とします。「普通の人間」であることには、同時に悪魔さえ怖気をふるうような冷酷さが必要…
書くべきだった反省文には、そんな冷酷さを彼女自身も持っていることを誓わなければならないのでしょうか?ナチスの入党宣誓よりひどいのでは?
この署名運動は…それだけ自覚できただけでも、格差の壁を取り払って物を見ることを覚えただけでも素晴らしいですが…
黒田くんのキスにも驚かされます。
最終回、やっと真相がわかるのでしょうか。

しゅごキャラ!
回想に戻る、ですか…ここから、大人の圧倒的な力と邪悪さと、子供がそれにいかに抵抗できずゆがんでいくかをいやと言うほど見せられるわけですね。
巣立ってひとり立ちする…といっても、羽が生えきる前に親が死ぬか、巣から落ちた雛は死ぬだけですけどね。自然では生まれた子供のほとんどが死に、運のいい少数だけが生き延びる…人間だってついこの間まではそうでした。ワクチンも抗生物質もビタミンもない時代、十人産んで三人生き延びるのが当然だったんですよ。
人の心を読む司さん…確かに大人には無理ですね。
「幸せってなんだろう」と問うのも、とても重いですが子ども扱いしないことを子供は求めますから、彼が本当に求めていることでしょう。
バイオリンで稼いで、というのも司さんなりの教育だったのでしょう。それに突っ込むあむちゃんたちに苦笑します。
そしてどうして捕まったのか、司さんにはイクトを逃がす力はなかったのか…

小川とゆかいな斉藤たち
今回は男の子にとっては非常に恥ずかしい話ですが最高に楽しい話でもありました。
やはり成田が出ない話は素敵です。
イギリス人って、なんで金髪ならイギリスなんでしょう。むしろ北欧系では?
平和戦士キンパツマン…なんかサイヤマンとか、いやこれは思い出さないほうがいい…
なんというかこういうのは、あまりにも危険な記憶に触れてきます。
四年前終ったアニメのショー、というのは物悲しいとかそんなもんじゃないですね。
借金がどうとか…まあ他三人にはすごく面白い、というのがなんだかあれですが。
客がいないと言われて瞳孔が開いた大喜氏の姿がまたすごい。
救出作戦もなんというかすごいです。
ビラを配ったりサンドイッチマンをしたり、ここまで恥を捨てられるのってむしろカッコいいです。これが兵器だった頃の僕には…戻れそうにないですね。でも思い出したくない記憶にさいなまれて苦しむばかりの今と、あの頃とどちらが…考えないほうがよさそうです。
「恥で死ぬ」というのがすごくよくわかります。
これで見事に客満員とはすごい。
で、ここで借金を取り立てて何かメリットが?逃げられるのを警戒してでしょうが、卵を産む鶏をどこで締めるかですね。
小川さんが人質になり、しかもそれがショーの一環にしか見えない…
というかここでの大喜先輩、いつもに似合わず弱すぎます…あ、人質がいるからでしたか。
フィナーレ用爆発スイッチは爆笑しました。そしてこの決断の早さ…小川さんまで吹っ飛んでいたら…
「小川のヒーローになりたいんで」という台詞はカッコよかったです。
こういうことができるから侮れませんね、この作品は。かなり見方が変わりました。

フレッシュプリキュア!
相変わらずプリキュアは元気ですね。
冒頭の不気味さからいきなりの「フラれちゃった」の号泣、引き込むパワーがさすがにすばらしい。
ドーナツを食べて踊ったらなんでも元気になる、というのも女の子らしくて素敵です。というかすごい頭身。
フラれた、というの自体が自分じゃなくて友達だった、というのがまたすごいですね。
幸せなどなくなってしまえ、というのも人間の根源的な心の動きの一つですね。
「ナケワメーケ」というネーミングはうまいです。というか今回は敵も美形でバトル重視?
不幸のゲージなら今ならガザ、アフリカ全域、アフガニスタンなどにいくらでもありますよ。報道されていないので僕が知らないところも多いと思いますね。
舞台に飛び込んで戦うというのも大胆ですね。
そして携帯電話から変身…ここの華やかさときたら!
ミユキさんも仲間になるのでしょうか?色々と楽しみです。
というか本当になんてとんでもない作家でしょう。なんて力強い光に満ちているんでしょう…

夢みるエンジェルブルー
冒頭の妄想と、青磁くんとの漫才が実に楽しいです。
忘れ物のノート…見るなよ、と言いたいですがね。
行ってみたら、男が勇気を出して誘ってくれているのを…なんか楽しいことになっていますね。
天音ちゃんも誰にでも明るいですね。
これは彼女にとっては恥ずかしくて消えたくなるでしょうね…。
つづきを書くつもりがない、というのもわかります。僕もいつだって、物を書くのをやめたいんですよ。でも書かずにはいられないのですが。
仕事でたくさんもらっている、どれも見るからに本命…ふふふ。
クラスメートに責められるシーンは見ていて辛くなりました。
人気者と自分の、身分の違いみたいな感じ…自分の弱さがばれたら怖いとか…それもすごくわかります。
ここでいきなり葵先輩が出てくるのはびっくりしたでしょうね。
今回の服はちょっと地味ですが、品がいい感じです。脚線美がとてもよく強調されてますね。
バレンタインチョコを添えての言葉、彼の言葉もすごく素敵でした。
肝心の自分が渡すのが義理チョコみたいになってしまう、というのは苦笑しましたが、天音ちゃんだけが知らない、目の前で食べてくれることの意味…
ああもうたまりませんなあ、このラブラブと光の力は。

マジカルダンス!
ついに本番ですか。
トーナメントで一度負けたら終わり…きついですね。
完璧って無理ですから。そんなことをいわれたら緊張が伝染して崩壊しますよ…というかカイの態度がかなりラブラブ。
「どさくさにまぎれて」という時点でユウナちゃん、カイの気持ちにも気づいてますね。
しかしあっさりと、それこそ「りぼん」の某作でよく見かけるような策略に…
アリスが出てきたのはびっくりしました。ハプニングを楽しむ…本当に助けたのはチェシャ猫、それも…すごい演出ですし、トランプを利用したジャンプも…よく本番一発で…
なんというかすごく輝いているようで、踊りの中の生命力がすごく伝わってきます。大事にしてほしい作品ですよ。

こどもじゃないから!
キスでこれほどぼろぼろとは…はは。
氷見ちゃんもなんというかしつこい…
いきなり優河くんが来て、というかなぜ母親の命日にこんなに集まるのやら…好かれているからでしょうね。
つい妹を無視してしまって、子供がいなくなって…ここからの大騒ぎはかなり緊迫感がありました。
昔の思い出もすごく痛みが伝わってきます。
服全部捨てて家出とか部屋ひっくり返すとか、かなり凶暴な子ですね…
昔のことを思い出したこともあって泣き出してしまうのはかなり胸が痛くなります。
というかこの歳で携帯電話を持っているとは…
しかし、これほどよく子供の痛みを直接、何のオブラートもなしにぶつけてくるものです。糖衣ビタミン剤をうっかり噛んでしまったみたいですよ。
親子というのがこれほど難しいとは…
血のつながりのない前妻の墓の前にいたとは…ここはかなりすごいです。
若葉ちゃんの反応もまた意外です。
いきなりキスの話になり、そして当然のように「好きだから」…はは。
さてどう返事するんでしょうね…。

サファイア
今回の下着姿にはかなり違和感を感じましたが…
まあとにかく、アクションも何でもがんがん好きなだけ飛ばしてください。何をやろうと止める気はありません。

恋する保健室
 体が弱くてちょっと影の薄い転入生、黒木さんが保健室で寝ていた。実は昨日、親友同士でぴしっとした村田くんとだらしない坂本くんと対照的な二人に傘を譲って濡れたから。
 そして保健室に坂本くんが来て、寝たふりをしていたらいきなりキスされた。さらに黒木さんが村田くんのことを好きなのも見破られ、いきなりカラオケに連れてこられる。
 坂本くんは村田くんとくっつくのを協力してくれたり、または村田くんの目の前で黒木さんに抱きついたり色々振り回してくれる。
 でも村田くんに彼女がいることを知って…

最高!なんて素晴らしい作品でしょう。
もうものすごく心地のいいシャワーを浴びたようです。
男の子から出てくるのもセオリーを外していて印象が深いです。男の子二人の好対照もいいですね。
保健室で、話したことなくて話すのが怖いから寝たふりをしていて、いきなりキスされる!これはびっくりしますしいろいろすごいです。
それで笑顔で去っていくって…なんかとんでもなさすぎます!
で、いきなり「キスまでした仲」ってあれは犯罪ですけど。
初めて声を上げたのでみんなに印象付ける、というのも読み返してみれば親切なことで…
「きのうはかさ」で期待したら「って一樹から」…これはもう…
「一樹のこと好きだろ」と、一々オーバーリアクションがあるのも楽しいですね。
名前を知っていてくれたのが嬉しかったから、というのも…読み返してみるとうまい伏線です。なぜ紗奈衣ちゃんの心が動いたのかをうまく説明してくれています。
とりもつ、といってカラオケで、ここの彼の気持ちを想像するのも切ないですね。
カラオケ…ずっと咳で行っていませんし、もともと数回しか人と行ったことがないので切ないです。
というわけでみんなで和気藹々と、という雰囲気は全く知りません。
「こいつはダメだよ」と抱きつかれて、一瞬内心期待してがっかりして、それを自責するという心理の揺れもじつにいいです。
村田くんとのデュエット…中学生の頃の僕が好きな子とデュエット、なんてことができていたらどんなにドキドキしたことか!
村田くんに用事があるから送るのは坂本くん、というのも…多分村田くんは、あれから彼女と会う予定が…ということでしょうね。
少なくともこれで、クラスの輪に入れることはできていますね。男子ばかりで女子同士の輪にはまだ入りきれていない気もしますが。
いきなり朝から「スキンシップ」で、すっかりスキンシップに抵抗がなくなっているのも見ていて楽しいです。
「好きで紗奈衣といるんすよ」という言葉もすごく胸にしみこんできます。
そして…ここでばれてしまう、村田くんに彼女がいたこと…
胸がじんわりと切なく甘く、たまらない思いが伝わってきます。
ここで「村田くんに彼女がいたことよりも」と、もう心のほとんどが坂本くんに占められている…
ここから村田くんの本性が出てくるのが最高に楽しかったです。大抵は薄っぺらいキャラになる二番手男が、ここから一気にキャラクターとして活躍し始める…
悪魔の小さい羽と尻尾、そして…
保健室での、「なんだ男かよ」に紗奈衣ちゃんが来てくれるのを期待していたことがわかるのも苦笑します。
ただ笑ってる顔が見たくて嘘をついていた…
村田くんの嘘はすごいですね。というか紗奈衣ちゃんの気持ちも全部察して…ふふ。
「ぶっ殺すぞ」という表情がすごく強烈でした。
だからこそ、このハメには…笑いが止まらないです。
そしてこのセカンドキス!
もう紗奈衣ちゃんの心の動き、村田くんのいい性格、坂本くんの前半の強引さと後半の不器用さ…ため息が何度も出ます。
一つ一つの心象表現も素晴らしかったですしね。
もう熱が…熱暴走…倒れそうです。
やっぱり「なかよし」って、すごく作家層厚いですよ!こんな素晴らしい作品をどんどん本誌に出してください!
茂呂先生の次回作も楽しみにしています。

地獄少女
まず警察。現住建造物放火…この場合おそらく殺人未遂も含まれる…は重罪であり、それに捜査が行われないこと、これほどわかりやすい犯罪で検挙されないことはほぼ100%ありません。未成年であっても相応の罰はあります。
また民事賠償も確実にあるので、どれだけの支払能力があるかは知りませんが再建資金もかなり得られる可能性はあります。
別に相手が、政治家の子弟などで警察・民事裁判とも動かない、という描写はないですね?
そしてこれ自体犯罪ではありますが、警察が頼りにならないのなら必ず暴力団が機能しています。本来の暴力団はただ金をむしりとるだけの集団ではなく、警察が頼りにならない場合の自力救済の手段として、嫌がらせなどを抑止するために存在しているのです。
暴力団による自力救済も、いやどうしても気がすまないのなら自分の手での復讐も犯罪・反国家的行為ではありますが、少なくとも子供一人が自分の来世を捨てるよりずっとましです。
来世を捨てたら、それはすべて以上を失うということです。
というより消したことで、取れたはずの損害賠償も失ったわけです。
警察・裁判所など社会制度には一切頼れない、自力も一切役に立たない、地獄少女しかないというメッセージが子供にどんな光を与えるというのでしょうか?

来月号の山田先生の新連載はやはりすごく嬉しいです!
山田先生らしい、いい作品であってくれますよう…邪悪の匂いがないことを祈らなければならないのは辛いことですが、編集方針自体が「邪悪を麻薬として使う」になっている可能性に気づいてしまった今、誰であろうと不安なんですよ。

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