なかよし2007年8月号感想

タオルはすんげえの一語。
小物入れもシンプルで非常にわかりやすいです。

最近ずいぶんと新人が元気ですね。
どうも僕はラブリーで活躍しているメンバーばかり見ていたようですが、その偏りを意識的に除けば今の本誌は新人の大躍進が起きています。

今月号にはいくつか、書き下ろしコミックのお知らせをある程度ページを取って載せてありました。わかりやすく、とてもありがたいです。

小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)ココにいるよ!(遠山えま)Yes!プリキュア5(上北ふたご/東堂いづみ)デリカシーがない!(瀬田ハルヒ)もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)イノセントワールド(山田デイジー)スクール×ファイト(原明日美)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)地獄少女(永遠幸)予告

小川とゆかいな斎藤たち
大人気ですね。
冒頭からすごく濃い絵です…
全財産25円…キメラのつばさを買ってひと稼ぎするしかないでしょうね。
というか全財産がわずかしかない、というので『ここはグリーン・ウッド(那州雪絵)』のとあるシーンを思い出しました。
考えてみると、日本では25円では事実上何も買えないのになぜ今の一円が日常貨幣の最小単位(為替用語では銭が残っているようですが)になるのでしょう。十円が最小単位だったらどれぐらい不便でしょう。また逆に、今の十分の一円が最小単位だったら何か便利でしょうか?
買い食いは僕も耳が痛いです。無駄金を使って無駄なカロリーを摂取し、無駄に歯を汚しているだけなのですから…
ドッグフードはかなり栄養バランスがいいらしいし味も悪くないらしいですが、添加物の基準も原料肉の安全基準も事実上ないので恐ろしいことになっているそうです。
人間としての尊厳…いい言葉ですね。
その会話も聞いている成田さんたちってストーカーですか?ドッグフードを食べようとしているのを撮影すればそれはそれでスクープになると思います。
ドラマの都合のいい展開と、携帯電話を拾うのを重ね合わせて…ここから先は、正直恥ずかしすぎて感想が書けないです。
ひたすらバカでした。
まあ…こういう都合のいいことを考えている人は、「スーパーリアルRPG(検索するか本屋でv)」でも見て頭を冷やしたほうがいいでしょう。
多分僕も現実とお話を混同することが多かったので、恥ずかしくて正視できないのでしょう…

番外編は、なんというか…そりゃまあ恨むのも当然だな、としか言いようがないです。
成田さんも最初はごくフレンドリーな態度だったんですね。「このクラスなじめそう」で希望を持ったら、これはもう…悪意があるとしか思えませんでした。
悲惨すぎます。

しゅごキャラ!
今回はすごく素敵な話でした。つい忘れがちですが、読者は幼稚園から小学生の女の子なんですよね…その多くにとって、今回の話はものすごく共感できる話でしょう。
冒頭のあむちゃん、柔らかい表情とハードな服が微妙に合っていない気がするのですが。
手土産にとビワ、というのがあまりにもいい家過ぎます。
赤ちゃんの描写はすごくリアルです。「オス?メス?」「オス」という会話が苦笑しました。動物ですよ、人間も。特に子供は。
赤ちゃんが起きようとするたびにみんなびくびくする…それも『ここはグリーン・ウッド』にありましたね。あのときの、破傷風を扱った映画の話は怖かったです。今月号、どうもグリーンウッドを思い出すことが多いです…
刀でビワをむいているのは豪快な眺めです。でも、実際次元解析したらすごくやりにくいでしょうね。
人がむいたビワを食べる、というのはうまい考えです。
誰が…となったところでエルちゃんが大声で真相を叫ぶのは苦笑しました。下手に説明するより早いです。
自分の×たまのことを言おう、としたら大泣き…「社会に不満」「エサでもあげて」と…大人として扱う前者と動物として扱う後者、たぶん後者のほうが正しいのでしょう。ただし後者、動物としての人間は愛情も必要としますが…まあそれは群れるサルでも同じことです。
オルゴールの音色で気をそらす、というのはうまいです。
「会議はいーのー?」という言葉に、さりげなく嫉妬が出ていてここは気をつけなきゃな、とびくっとしました。
赤ん坊に慌てるみんながすごく楽しいです。
赤ん坊がいるときにアルバムが薄くなる、というのも…どうしようもないのですが。
「かわいいだけでごはんもトイレもできなくて」というのが赤ん坊の本質ですね。逆にその赤ん坊を可愛がり、慈しみ育てるように人間はプログラムされています…種族を維持するために。
なりたい自分が赤ん坊、というのはすごく共感できますが、僕は…大人になるのを拒否する感情が強い反面、子供に戻るのも嫌です。親による保護と裏腹ですがさまざまな束縛、一人前でないことに対する不満は忘れることができません。
ミルクの支度一つが実に大変ですが、考えてみると粉ミルクと哺乳瓶というシステムでずいぶんと楽になったものです。
しゅごキャラたちのおんぶレースは楽しい幕間でした。
あむちゃんが赤ん坊の扱いに慣れている、というのは意外でしたね。
「お姉ちゃんてことばはなんかずるいな」という言葉もすごく本質を突いていて、姉や兄である子は皆すごく思い当たることはあると思います…逆に弟や妹もそれはそれで大変ですが。
さっきよりあったかい、ということからすぐ病気に気づくとは…ここはかなり緊迫感がありました。
でも動かさないほうが正解だったのでは?この状態のことを考えておかなかった両親が悪いのですが、今それを言っても仕方がないので最善を尽くすのもまた正解でしょう。
ボトルシップの悲劇はなんというか、崩れ落ちるような感じがします。
やっと×たまのことを言い出せましたね。「とり返せばいいだけよ」とは確かに簡単です。
×たまになるのも時には仕方ない、と受け入れてもらえればそれほど素敵なこともないですね。逆にこちらも受け止める強さが必要でしょうが。
コアラ化し、赤ちゃん道を究める宣言…これには笑い転げるほかありませんでした。でも、精神年齢より背伸びをするのも危険ですが幼いふりをし続けるのも、しばらくは有利に見えますが後でとんでもない人格のゆがみができてしまって大変ですよ。経験者として。
ここで海里とムサシの言葉…うまく引っ張ってくれます。

オレンジ・プラネット
もう言い訳不可能ですね、この状況は。どうにも栄介のほうが近い…もう太郎ちゃんも、心のどこかでわかっているのでは?
完全無視されて、わかっていないるいちゃんが逆にすごいですね。
みんなが騒ぐのはなんだか心地いいです。
この期に及んで仲直りしようとしているのがバカすぎます…
太郎ちゃんも、るいちゃんにふられても花岡さんがいるから大丈夫そうですね。
香ももう嫌になったのでしょうね、直接「だれがいちばん好きなの?」と攻撃に入りました。
そんなの…って答えは出てますね…
なにもないです、と泣き出すのがすごく素敵です。いい先輩ですね、とことん。しかもお嬢様…
ウェディングドレスを着せてしまえば、大抵の女の子は全部吹っ飛ぶでしょう。
でもそれで、チカ先輩とあいつの結婚をイメージしてしまって…そこに彼が入ってくるとは!
ウェディングドレスのまま外に走り出してしまった、というのはもうごまかしようがない…
香と栄介の関係、そしてハルさん…まさに香、トリックスターの面目躍如。
「とっくにフラれてんじゃん」…最初からふられていた、入る余地は最初からなかった…むしろ、それを承知で見守る立場のほうがよかったかもしれないです。
雨の中ウェディングドレスというのも絵になりますね。もちろん現実にはどれだけの損害か、考えると恐ろしくなりますが。
るいちゃんの激しい感情の爆発には、心がずきずき痛んできます。
残酷ですよ、あまりにも…栄介が。

かみちゃまかりんchu
静かに緊迫感が高まる…といっても表面はひたすらコスプレコスプレコスプレ。
聖英コンクール、の知らせで背景が露骨に宝塚です。
あと今回、なんだか大きいキャラが多いですね。でも自然に見えるのですから、うまい節約です。
そして三銃士の池田…というかほとんどガラスの…古典的な絵に鬼がプライバシー保護線つきダースベイダー!もうどうしようもないです。
仲間じゃないから気安く接することができない、というのも寂しい言葉ですね。
いきなりキリオが出現して…さらにガラスの仮面ネタ…
ミッチーを何とか説得しよう、と空回りしているのもちょっと見ていて痛々しいです。
神化をやめれば…どんな未来が来るのでしょう。ひょっとしたら、ミッチーが離脱したのも運命の掌の上では…オイディプスが予言を聞いて育った国を去ったように…そのままでいればよかったのに。
ひたすら叫んでいる花鈴ちゃんは見ていて辛いです。誰も指導者がいない…
そして神の夢も気になりますし、キリオの意外な優しい面も。
優生くんの家が火事になった、というのは前の「おぞましい力」と関係があるのでしょうか?
神くんも来て三貴神が三銃士、というのもお約束ですが豪快です。

ココにいるよ!
遠山先生が天才的な表現力の持ち主だ、というのはよくわかりました…どうかその力に振り回されず、使いこなしてほしいものです。
呆然とした表情が涙に変わる…安心感に、容量を超えた感情が押し寄せてパニックに…ここの描写から見事!
そして袖で涙をぬぐうのを見てハンカチで触れて、この優しさと…むしろ内気な告白。
椅子に座っていたその上に座ってしまうとか先生にも呼んでもらえないとか、神の不在証明はますます磨きがかかっていますね。
日向くんが「おはよっ」と声をかけるのも、彼の立場から見れば…告白して、やっと声をかける勇気が出てきた…とも読めてしまいます。
自分を見てくれる人がちゃんといる、というのがどれほど嬉しいかもうまく伝わります。
ネットでの反応も、それはそうですよね。
「日向くんて…どういう人なんだろう…」と興味を抱くのが、恋の始まりだと彼女が気づくのはいつでしょう。
頭もいいし、剣道部で頑張っている…などどんどんいろいろ興味をもっていく、その積み重ねも丁寧に描かれていて好感が持てます。逆に僕は…好きという気持ちばかり強くて、でも相手を知りたいという思いが不思議なほどなかった…
剣道の描写は、確かに防具とかはきれいなのですが本質的な手の内はどこまでわかっているでしょう?
まあ打ち込むシーンはよく描けています。
万が一にも、というのを否定してしまう心理もなんだかわかります。
彼はごく当然のように普通に声をかけてくる…読み返してみると、バカと叫びたくもなります。
彼女が校舎から出てきたのを覚えている人がいた…そのときは神の不在証明を使っていなかったのでしょうか?
ここでの、横前面を使った女の子達(一人男子)の目…ものすごい恐怖でした。「日向になにしたのよ」…逆に日向が何をしたのだろう、ですが…
輝くんの機転はありがたかったのですが、読み返しても…彼に悪意があるのかどうかわかりませんでした。そうしなければひどいいじめが始まっていたでしょうが。
また、輝くんがすぐ彼女に真相を告げて傷つかないようにしなかったこともいぶかしみました。
日陰に戻った、という感じは想像しただけで泣きたくなります。
そして授業もさぼってひまわりとにらめっこ…一瞬でも希望を持ってしまうと、余計に辛くなる…なぜか泣きそうになります。
ここでの日向くんの必死の表情…それで「わたしはいてもいなくても同じだからっ」…この言葉が痛いほど共感できてしまって…
「オレがこまるよっ」の一言を、誰もがどれだけ求めているか。
そして、この赤くなっての告白…彼の気持ちもすごくうまく伝えてきます。
さて…はたして輝くんはどういう人なのか、いろいろはらはらさせます。

Yes!プリキュア5
このビーズ細工メーカーも実に面白いです。
リサーチでみんなの浴衣が本当に華やかです!
カップル扱いされて戸惑って…いるのに宣伝としてカップル決定、この強引な展開、ついでにのぞみの妄想と実に楽しい。
茶番も人ごみも好かん、という気持ちはわかります。でも…一度浴衣を着て祭り、というのもやってみたかったような…多分、好きな子はよそで楽しんでいて僕は…寂しいままか、両親とべったりのどちらかでしょうが。
小川を飛び越える、浴衣でのアクションはある意味色気さえありました。
誕生日を花火で祝ってもらう…王族?
花火を見ている二人の、手と手の距離が微妙です。

デリカシーがない!
和田樫桃(わたがし もも)ちゃんは両親の海外転勤で寮制の共学を急に探して…慌てたのがいけなかったのか、なんと男子校に女子一人だけ!なにしろ男街金太郎学園というすさまじい学校名。
女子一人だけで負けないよう生徒会長になった桃ちゃんだけど、副会長の佐野くんにいつもへこまされ、大喧嘩ばかりで二人そろって江鳩くんに突っ込まれる毎日。
でもある日、二人連続で風邪を引いて…

なんというか…すげえ。
冒頭の設定、というか三ページ目までの苦労話で三〜四話使ってもよかった気がします。
逆に女子高に男子一人だけ、というお色気マンガが昔チャンピオンであったような。
元気な生徒会質の議論、なんかわけのわからない猫と犬のオーラ、見ていて楽しいです。
何とか別の解決策はないでしょうか…たとえば身障者用トイレとか図書準備室とか。
男の群れの中で生着替え…かなりすごいかもそれ。
江鳩くんのツッコミも絶妙でした。
魚を流さないようにするには流しに網を張ればいい、となぜ考えないのでしょう。
「あたしにはいつも江鳩が味方してくれるしーv」は佐野が水をぶっかける気持ちがよくわかりました。
この水かけっこは楽しいです。「ぜんぶぬいで寮まで走っていけや!」というのも…逆に、みんな気を遣いまくりだったらかえって大変では?
いきなり「素直になれない?佐野が好きなくせに」と直球!ここでの桃ちゃんのアクションも楽しいです。
ブラすけて、とばたばた…もう楽しすぎます。
そして寮…本当に独り占めで、寮母のお姉さんにも可愛がられている、というのが伝わってきました。
薬を持ってきてくれたのは嬉しいですが、実際には風邪には薬はほとんど意味がない、ビタミンC剤大量+マルチビタミンミネラルをスポーツドリンクで飲んで暖かくして寝るのが一番です。
「もしかしてあたしのコト…好き?」なんて大胆!熱のせいでしょうか?何か暴れたくなります。
あ、保健室という手もありましたか。
薬を飲まないでこじらせた…って風邪に薬は効かないのですが。単純に、七月でも夜は寒いのに女子寮まではるばる行ったのが悪かったのでしょうが。
これで「見舞いにいってあげなくていーのか?」と、こういう江鳩くんの態度から彼がいらいらいらいらしているのがよくわかります。
くちびるが色っぽい、という表現は瀬田先生の面目躍如。
いきなりこけて、書類関係でまたケンカ…ため息しか出ません。
江鳩くんのぶち切れは強烈な切れ味でした。でもこんな感じってどこかで見たような。
そしてノックして「残念江鳩でした」で、いきなりプレゼントを舌切り雀…「江鳩愛してるぜ!」「愛がいたいっ」という会話がまた絶妙。
どうやって人一人詰め込んで運んできたのでしょう。実はすごい力?それとも物陰に台車?でも台車でも、こんな悪い道を人一人はきついですよね…額の三角はちまきがまたお約束ですが絶妙。
りんごと薬が入っているというのがまた親切です。もう笑い転げました。
江鳩くんが猫の育成ゲームを暗く楽しんでいるのもまた楽しいです。
とんでもないウサギ部屋、それで慎重にリンゴをむいて、やっぱり手を切って…ああもう、息が詰まります。
股間ぎりぎりにナイフが刺さるのも悲鳴を上げたくなりました。うわああああっ!
それで、ここで江鳩の名前を出したらそれは怒るでしょう!
パニック状態で抱きついてやっと「好きなのに」…もう疲れました。
ブサイク、といってキスするのもすごいパワーを感じました。
そしてそのままベッドにもぐりこんで、自己嫌悪…それでベッドに飛び込んで、って考えてみると…寮母のお姉さんがいなくて独りだけ、ということは…誰でも好きな男子を引き込めるか、または餓えた狼の群れが…あはは。
不器用というかなんと言うか。最後の…一緒に寝た状態から眠れないから帰る、というのもこっぱずかしいです。あーラブラブ。先に進む根性はないようですね。
はあ…とにかくすごい作品でした。結構デビューしてから経っているのに、どんどん荒削りになっていくのがすごいですし、いろいろな作家の影響が散見しますが…連載でじっくりもまれたらどんな作風に昇華するのでしょう。
楽しみです。

もどって!まもって!ロリポップ
ただひたすらラブラブでしたね。たまにはこんなのもいいです。というか毎回この調子だったら楽しいのに。
冒頭から「ゼロにあきたから」…なるほど。
みんなで一体何をしたのでしょう。
残り三つ、本部がちゃんと監視していていろいろ没収していたとは…恥ずかしい。
しかし、どんな口実で会議室を占拠したのやら。
ラブラブにさせて横から奪い取る…確かにうまい作戦です。それに読者の僕が見ていて楽しい。
イチイファンクラブにイチイを奪わせるなど、七瀬の陰謀はさすがにうまい。
みんなが帰り道でちょっかいを出して失敗するのも見ていて楽しいです。
八雲の不良コスプレは恥ずかしいですし、七瀬のフォローも絶妙。
フォルテはさすがに有能ですね。
「なにがほしい?」と迫るのがすごくドキドキしますね。ベランダからのぞく…というか次何をされるか楽しみにしてニヤニヤしているニナちゃんが可愛いです。
それで、催眠が解けて残念、またケンカかな…と思ったら「演技でいーから」がうまくいきましたね。それで…ゼロ、ほんとに素?
うわああああああああ!
それでぎゅっと抱きしめて…もう見ていて恥ずかしくてもう…ああ。のぞきに加わっているような気分です。
キスで終わらず、滑って押し倒して心臓が…鎖骨が…これはもう、これで出なければ望みはないです。
四人で飛び込んでかけらをとって、やっぱりぜんぶ見られてた…これは恥ずかしいです。
「おまえのことちゃんと大切にしたいから」も痺れました。
まあとことんラブラブでよかったです。飛んでいったかけらが何をするかはともかく。

イノセント・ワールド
本誌読者はこれをどう受け止めたのでしょう?扉の予告の、一巻のマークが答えでしょうか…でもどうせならそのまま本誌連載、という予告のほうがよかったのですが。
プールに行く、というのがなぜそんな悩みになるのか、なかなか理解しにくい…その戸惑いから始まるのが実に読み応えがあります。
葉月くんの、可愛らしさとカッコよさのうまいバランスもよく伝わってきます。魅力的でしょうね。
環ちゃんとは対照的な、可愛くてか細い女の子…なんだ、とふと気がつきました。
葉月くんもすごい身長コンプレックスを抱いているようですね。
会議室でまじめにやっている彼を見て、なんだか違う顔を見るのが素敵です。でも環ちゃんにも、そんな違う顔はもうたくさんあるのでしょう。
小学校を卒業して二年なのに懐かしい…本当に昨日のように思える反面、まるで年月も記憶もないように全てがおぼろげで混乱しています。
あくまで身長を気にしている葉月くん、でも環ちゃんも身長は気にしているのはわかっている?
バスケ部での会話も、なんだか残酷な感じです。葉月くんと環ちゃんは、恋人にはなりそうにないとみんな思っている?
ふと食べすぎを気にして食事をしなくなる、それで「太るぞー」と言われて気にしてしまう…「なんであたしこんなにあせってるんだろ」という言葉が重いです。
ダイエットとしては、食事を抜くのは最悪だということぐらい誰か教えればいいのに…
プールに行きたくないと思っているのにいえない、それで逃げてしまうのがなんだか切ないです。
後ろ姿を見る限り、別に太ってはいないですよ。『ご冗談でしょう、ファインマンさん』というすごく面白い本にありました。女は誰もが自分のスタイルには満足していない、世界最高峰であるプレイメイトさえも。
逃げ出して貧血、というのも食事を抜いたりしたら当然です。
二人で帰って、なぜか彼が怒っているのがわからない…このスケベ!どれだけ楽しみにしてきた?
学校のプールに二人で入って、ああこの「うしろ…むいててよ」という言葉がまたなんかエロい。
自分の体型が気になる、と言っても…むしろスタイルはかなりいいのでは?彼も体型をほめればいいのに、逆に大人っぽくていいスタイルだ、と。というか絵では、どの方向にも極端ではないですね。太ってもいない、かといってグラマーでもない、ごく自然にすらっとした長身らしいスタイルです。
葉月も身長のことばかり気にして、どっちもどっちです。
額への突然のキスがまたすごい熱くなりました。
すごく丁寧な描写と深い共感、これからもいろいろな形で本誌に出てきて欲しいです。

スクール×ファイト
クラス別に行き先が違う…といっても家の経済力に差がある以上、当然では?逆に下に合わせるのが今までの日本の平等主義でしたが。
というか、修学旅行があるだけいいですよ。僕は高校時代修学旅行がなかったのですから…
いきなり後ろから「初のお泊りはキレイなとこが」…雪、すっかりなじみましたね。
ゼロ組だけで行っていればなにかとよかったのでしょうがね…
勝手に返る、っていい度胸ですまったく。
韓国とかモナコとか、それぞれいろいろなところに行きますね。そんなバラバラでは学校側もさぞ大変でしょう…まあ旅行代理店に任せればいいのですが、責任だけは学校が取らなければならないのですから想像すると悪夢です。
悪魔のような班分けですね、これ。
それで班行動厳守…なんかもう笑うしかありません。これはぜんぜん楽しくない、というか藤堂さんは完全に眼中になし?それはそれで彼女がかわいそうになります。
ずっしーお守りって?それでここで爽良くんと…あ〜あ。京都の修学旅行というと、『いちご100%』のあの恐ろしいまでの偶然出くわしの組み合わせを思い出して転がりそうになります。
京都で隣を歩くのは最高でしょうが…多分、キャンプ場できもだめしをするほうだ楽しかったと思います。不安はなかったでしょうが。
結局お守りも彼女のために…影でそれを見ていた涼も、それを藤堂さんに渡すとは…罪作りなことを。
「あの方じゃないとダメだと思うんです」という言葉…何をどこまでわかっているのやら。不思議な人です…何か地味に存在感を増してきましたね。
そして雨の中、たそがれているのを…触れた瞬間「もうダメ」と抱きつき…胸がつぶれます。
流されそうになったのを「フー!!」と振り払うのはほっとしました。息止めてましたよ。
熱があったのにわざわざ修学旅行に…なんというか、可愛い面もありますね。
そしてここで爽良に目撃されるとは。抱きつかれているところを目撃されるよりまずいですね、明らかに未来ちゃん、心を少し開いていましたから。
キスのことなんかよりそっちのほうが…というか涼は?
もうあまりにこんがらがって、ぐちゃぐちゃです。

キッチンのお姫さま
わざと負ける、って水野くんに失礼な話ですね。それって逆説的にナジカちゃんの実力を最大限に認めているということでは?
「大地まで空のようになってほしくない」のなら、一刻も早くナジカちゃんを学園から、一家の前から完全に消すべきです。事故に見せかけて殺すのが一番いいでしょうが、費用を出してフランス留学を手配するなどしてもいいのです。できるだけ遠くに、二度と大地と再会しないように。というか地獄少女に…それぐらい怨んでいるのでは。
近くに置いていること自体、理事長にとっては身を焼かれ続けているということですよ…あまりにも愚か。
手を抜く以外にもわざと負ける方法はありますよ。もっと難しいでしょうが…客にとって不都合な真実を突きつけるような、逆に技術自慢になるような作品にすればいいのです。それなら技術的には全力を出しながら、審査員の怒りを誘うことはできます。
茜のレシピアイデア、そして両親の教え…それを裏切るのがどれだけ…さぞ満足でしょうね、理事長にとってはこの葛藤は。
ノートを破るナジカちゃんの苦しみは、表情が凍っている分余計に強烈でした。
「あきてきちゃった感じもするし」って嘘にしても…つくづく下手です。
ノートを抱きしめるときの、画面からあふれ出すような大地の愛情と…ナジカちゃんの両親への、料理への…ラベンダーハウスへの想い…
大地の胸に飛び込むのも、他に支えがないからでしょうか…それとも恋心が育ちつつあるのか…
大地の土下座は何を頼んだのでしょう?単純に勝ってくれ、でいいのでは?星夜が何をすればいいのでしょうか。彼がわざと負けたらラベンダーハウスが潰されるだけですし…
一体どうなるのでしょう。

地獄少女
今回の話は、地獄少女が余計なことをしなければ単なる感動話と問題提起シリーズの平均で済んだのでは?
逆に呪われるのが母親でなかったことに少しびっくりしました。
というか警察がひたすらバカすぎです。実際にここまで警察が何もつかんでいないことはあるでしょうか?警察が完全に鼻薬をかがされているなら、最後に助けが来るはずはなかったですし。
そして、この話を読まなければわからなかったのですが、日本の法・社会・行政制度全てが、いかに家族…親権の保護に恐ろしいほどの力をかけているか。
親と子の心が通い合わなくなり、子が家庭にいることに我慢ができなくなる…それは誰でも必ずよくあることです。
その時にどうするか。
こうして、大都会に家出した場合…この作品ではその危険性を警告していたのですが、現実にはここまで悲惨なことはむしろ少ないです。いつだって膨大な少年少女が都会に家出しているんですよ?
あまりにも最悪を通り越した描写が、実際に家庭にいることに我慢できない子供の出口をなくしている気がするのです。この作品は「親はお前を愛しているんだからどんなに辛くても家にいろ、家から出たらこんな悲惨な事態しか待っていないんだ」「警察・法は頼りにならない、助けは地獄少女だけだ」というメッセージを伝えているようにしか読めませんが、それでは出口がありません。家で壊れるまで我慢するか自殺しろ、ということでしょうか?
また、本当に親が愛を知らない虐待者だったときにはどこに逃げればいいのでしょう。地獄少女以外に逃げ道がない、というメッセージはあまりにも残酷です。
もっと昔であれば、多くは親戚の家に行くことができました。基本的に親が産む子の数が多く、だから多くの親戚が田舎や比較的近くにいたのです。
でも今は、その親戚自体が少なく、その親戚との関係も一般に希薄になっています。遠方にいて無理な交通費がかかることも多いですし、子供が親戚の住所も知らないことが多いです。だから彼女も親戚のところに行けなかったのでしょう。
そして、このように都会に飛び出した場合…確かに大抵、売春や児童ポルノを扱う犯罪者の魔手にかかります。
しかし…現実には、同じ犯罪者でも彼は現実味が薄いほど愚かで短絡的です。携帯電話を持たせておいたこと自体、即捕まらなかったのが奇跡と言っていいほどに犯罪者としての合理性を考えれば愚かなことです。
また暴力を振るうのも、商品を傷つけるのは女衒としては下の下です。
より現実的には、同じように家出少女を食い物にしている犯罪者は…家出少女が飢えている優しさと希望をうまく与え、そして徐々に暴力を加え、周囲と連絡が取れなくして視野を狭めて…もっと巧妙に、愛情と暴力を使い分けて犠牲者を支配し、ヒモと売春婦の共依存状態を築いて積極的に売春に協力するように仕向けるはずです。
それはそれで…悲惨ではありますが、家出少女にとっては「欲しいものを与えて」いるのです。
昔は犯罪組織も、様々な意味で家庭というよりどころを失った人にとって、それなりに共同体と居場所を与えていたのですが…そのような出口もなかったようですね。今は現実に、そういうのはなくなっていたのでしょうか。
ではどうすればいいのか?僕はあえて言います、今の政治制度が悪い。
上で法・行政・政治制度が家族を保護している、と言いました。それをより具体的に言えば、民法には親権が規定され、それには保護義務と裏腹に絶対的な監督・懲戒・後見権など多くの権利を実質無制限に認めているのです。成敗権がないのが不思議なぐらいですよ。
本質的には成人するまでの子供には、親の許可がなければいかなる権利もないのです。物を買うことも、持つことも、働くことも、住むことも、免許を取ることも、金を借りることも、結婚することも何もできないのです。
そして日本の行政は、福祉サービスは基本的に家に丸投げしています。家から離れた人間はもう人ではないのです。そのことは格差社会の問題からも少しは伝わっているのでは?
日本は保証人社会で、たとえ成人していても保証人…親という意味…がいなければ住むことも生活保護を得ることも働くこともできないのです。それも日本の行政制度がいかに家を保護し、家に依存し、家族の外にある人間を認めないかの一例に過ぎません。まあアメリカも似たようなものですか、『ジャンパー〜跳ぶ少年〜(スティーブン・グールド)』という小説には、家から出た子供は超能力と大金があってさえ、住み暮らすことさえ困難であることが克明に描かれていました。
つまり何が言いたいのかと言えば、家庭にいられないと感じた子供がいつでも、好きなところに行って福祉役所に駆け込めば、その地の施設でちゃんとした職員に助けられて最低限の生活・教育・医療を保障されて生きることができる制度があれば、家出人が犯罪者の食い物になる必要もないのです。
とにかく家族からの安全と最低限の生活さえ確保されれば、あとは状況に応じて暴力や虐待がないかを客観的に調べ、じっくりと双方の心を癒しながら、また家族の元に帰るか、または別々に新しい生活を始めるか選べる…それが理想なんです!
調べればそれに近い制度はあるかもしれません。でも機能しているでしょうか?子供達にちゃんとその制度の存在が知らされているでしょうか?
警察に助けを求めれば家に連れ戻される、という恐怖から犯罪者に支配され、売春を続けることを選ぶ子だって少なくはないのですよ。家庭が地獄であることは絶対にない、というのが日本のあらゆる制度の絶対的な前提なのです。だから家庭が地獄である子は、家族という制度を守るために無限に犠牲になってもらおう、となっているのです。
誰も賛成はしないと思います。「家は神聖にして侵すべからず」は日本国憲法より、明治憲法より深いし、おそらく全人類が…地獄にほかならぬ家に閉じ込められ、投票に行けない人たち以外…洋の東西を問わず命をかけて賛成する根本原理ですからね。もちろん家族には大きなプラス面もあります。でも大きなマイナス面もあるのです。
地獄少女も…救う道はいくらでもあるのに、彼女は選択があれば絶対に救いを選ばない…罪人が地獄に落ち、被害者が死後地獄に落ちる道を選びます。彼女こそ地獄に落ちればいい、そして人間皆が。
そう思わせる作品は最悪ですよ。講談社漫画賞審査員の藤本先生のコメントが、実に多くのことを語っています…逆に永遠先生が気の毒です、それほど、認められるだけの実力を持ちながら…なんでいつもいつも、伝えるメッセージが最悪なのか!光の側に戻ってきて欲しい、光の側の作品を描いて欲しいです。描ける力は絶対にあるのですから!

来月号はフクシマハルカ先生の二本立て?むしろ心配になる、「ちゃお」の一部作家に匹敵する量産ですね。
そして花森先生の新連載…話はありきたりのようで、多分エロ満開でしょうか?前作で学んで、面白くてわかりやすい作品だったらいいのですが。

柏木先生の「すっぱだもん!」は連載もあるのでしょうか?
とにかく今度はどんな爆発があるのか楽しみです。ついでにお色気も。

そして夢水、久々に現代に戻って、今度はどんな話でしょう。
レーチが活躍しているといいのですが…僕は漫画版を読むまで原作は読まないことにしています。

目次へ

ホームへ

もえるごみへ