なかよし2007年6月号感想

付録は一点集中豪華型ですが、やはり完全に「ちゃお」「りぼん」に負けています。
軍拡競争に脱落するように対抗する気をなくしたか、極端な予算削減でしょうか?
でも使いやすい鉛筆+消しゴムとノートのコンビはとてもいいです。

二本の読みきりはどちらも抜群にかわいらしく、とても嬉しかったです。
でも今まで、本誌に読みきりがまったくないという状況のほうがおかしかったと思います。
どちらの読みきりも連載を考えていそうでしたが…アンケートにはどちらに連載して欲しいですか、という項目はなかったですね。ふー。

ゆみみ先生が本誌に登場するのはとても嬉しかったですが、少し残念な形です。
普通の連載だったら大喜びだったのですが…このままタイアップショートで終わって欲しくはない作家です。
もちろんこの作品はかわいらしさが大爆発で素敵なんですけど。

小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)Yes!プリキュア5(上北ふたご/東堂いづみ)すっぱだもん!(柏木志保)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)夢みるエンジェルブルー(白沢まりも)スクール×ファイト(原明日美)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)ピンクvイノセント(桃雪琴梨)地獄少女(永遠幸)予告

小川とゆかいな斉藤たち
まさか表紙&巻頭カラーとは…人気があるのでしょう…ね…
いきなり靴下をくれて、このとんでもない噂。というか、もし本当に靴下が好きだとしたら、そのあげた靴下をどう使うか想像したのでしょうか?「はくかかぶるか」だなんて甘いです。
カラーページをめくっての大爆発はさすがにインパクトあります。
「ほかにはどんなウワサが?」と楽しむのはわかります。
それからのウワサのエスカレートがまた面白いです。本でしたら、僕も小学生ぐらいまで余白を食べていましたよ。
三段アイスを落とす、というのは面白そうです。
ありえない方向へのエスカレートは、まあ噂というものはそういうものでしょう。
元凶を殴る、といっても…ポアロがヒドラにたとえた代物ですからね…
虫眼鏡というボケはすばらしい。
で…こののぞき二人組、よっぽど暇なんですね。少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからずというのに。
この号外を真に受ける教師がかなりバカすぎます。
そのインチキ号外に元凶のヒントがあるとは意外でした。
そして…真相にはさすがに驚きました。
単に二人とも最低というだけですね。
で、結局小川さんが全てを許して済み、二人組に制裁を加えるのはお約束、と。
ダンゴ虫を食うのがすばらしい、というのはさすがにすごいですが。
電話を取られた瞬間の二人組の表情もすばらしい。
墓場というのも面白い制裁ですが、霊感がなければなんともない…はずですがね。
それを深夜デートとして告発するのは結構うまいです。
結局斉藤はるこさんが一番怖いかも。

かみちゃまかりんchu
アニメはちょっとあっさりしすぎていますね…もっと暴走して欲しいですが、原作がデ・ジ・キャラットほど弾けていませんしね。
そういえば『きらりん☆レボリューション』と続いていますから、かりんの前に『紳士同盟†』か『青空ポップ』でも入れれば数年ぶりの三連続…無理でしょうか。
和佐さんが小鳥だと意識すると、アニメでもさりげなく出ていますね。
高校生の変装も素敵です。
怖がっているのを利用してまたベタベタ、もう…こいつらときたら。
リカではなく妃路…というか、半身とかそういうネタってもう何年前でしょう。あまりにも長すぎて、伏線が生きる前に卒業している読者のほうが多いのでは?
いきなり和音にキスして、嫉妬で愛の進化を止めるとは…
強引に姫香ちゃんも連れて行かれたのはびっくりしました。
目覚めない和音くん、そしてミッチーが引く、と…もしかしたら裏から、より危険な方法で助けようとしているのでは?不安が大きいです。

もどって!まもって!ロリポップ
ずいぶん短期間で、というか中学卒業という大イベントがあっさり流されたのが残念です。
アルの正体に気づかないニナちゃん、そして…ゼロに「いまさらニナが話をきくわけない」とより深く支配を…殺したくなってきます。
ここでムカツク、となったのが、読み返してみれば自滅です。人間だった、なのか、それとも人間だからこそ邪悪にもなれるのか…ロボットには人の痛みがわからないから、肉体は壊せても最も強い意思、魂を破壊するような本当に有効な拷問はできない…
いきなり結界に閉じ込めて、これではせっかく時間をかけてニナちゃんの信頼を得たのも台無しです。
「しいていうなら逆うらみかな?」と…わかっているのに…
きてくれたゼロ、そして…声を出し続けて、イヤホンから音が漏れるというのはうまいです。
まさに自滅ですね。
イチイも怒っているのは、それこそ気持ちよく…斉藤三人衆並にやってくれ、と思いました。
メルがかばうのはむしろ残念でしたよ…邪悪なことをしていい理由なんてどこにもありません。
魔法が使えないから…まあ、魔法界生まれでもない普通の人間なのに強大な魔力を持つニナちゃんはこれ以上なくうらやましい存在ですね。
メルとアルの関係は無理にまとめすぎたかもしれません。
この卒業式がちょっとあっさりしすぎでした。本来ならもっと大きなイベントなのに…
高校などみんな、人間界に落ち着くようですね。でもゴウが追いかけて高校の先生になるとしたらかなり不自然では…まあそれは突っ込まないことにしましょう。
最後の嫌がらせは苦笑しました。
この双子試験官の話はあまりにえげつない部分が強すぎました…どうしても、連載だとその途中で嫌な思いばかりをすることになります。
次からはどんな話か…あまり嫌な話にならなければいいのですが。

しゅごキャラ!
他人のしゅごキャラからも?なんというか面白いことになっています。
自信を失うというのが、一番…たまごを×たまにしやすいのかもしれません。
大人から見れば、自信を失わせて支配するのがいちばんやりやすいです。
でもだからって、自信満々ならいいというわけではない…特に現実に背を向け、間違った方向に独りよがりの努力をするのはほぼ間違いなく失敗します。
難しいです。
エルちゃんの別の面は見ていて楽しいです。
太りまくってキャラチェンジというのもすごいことを…確かにそのキャラチェンジは、誰でも簡単にできますね。
「歌唄ちゃんを救いたいんです!」って確かにまっすぐですが…人を救いたいというのは大抵傲慢です。人に人を救えるはずはない、自分でどうにかするものです…または神だけが人を救える…。
結構わがままな面もちょっと可愛いですけどね。
空海がまた来てくれたのはなんだか嬉しかったです。なんだか自信をなくす方向ばかり多かったので、こういう明るいエネルギーはほっとします。
悩んでいるのもわかってくれるのはさすがに先輩ですね。
イクトと唯世くんの関係も、お約束ですがいろいろわくわくさせます。
自分らしさがわからない…新しいことに挑戦する、変わることを恐れない、という空海の前向きな姿勢はいいのですが、ちょっと怖いのが…「どんな自分にもなれる」というのは逆に、アイヒマンにもなれるということにならないでしょうか?
周りの権威・権力が要求したらその通りの自分になってしまうのでは…
ダイチと空海の関係は完璧なようですね。彼が挫折・苦悩するとしたらどんな形ででしょう…そしてそれをどう乗り越えていけるのでしょうか。
歌唄ちゃんの強引な挑戦、いつにない攻撃的な態度…これはこれでドキドキさせられます。
「競争が好き」…これは現在の新自由主義、競争を礼賛する風潮に対する風刺でしょうか?
ナイトメアローレライの、蝶の群れの迫力はさすがにすごい。
「勝ち負けつけるな競争するなってアレ全部大人のたてまえ」というのは事実です。でも、同時に他人は誰でも敵、誰でもライバル、一生懸命競争しろ、というのもまた大人のたてまえですよ。そうすれば労働者同士が団結することなく分断支配できますし、鞭だけでは無理なほど過労死も辞さず激しく働いてくれて利益をもたらしてくれますから。
実際には人間は群れ動物…群れの中での順位争いも大事だし、同時に群れ同士の戦いでは群れが協力しなければ敗れます。そのためには高度な協調性、やさしさも必要です。
結局は「競争する」のも「やさしく仲良くする」のも、どちらも利己的遺伝子の再生産に役に立つんですよ。そう考えると、僕はどちらも嫌になりますけど…僕はかなり深いところから支配するのもされるのも嫌いなので。
エルとあむちゃんのキャラなりは一体どうなるんでしょうね…

Yes!プリキュア5
確かに帝王学を仕込まれているお嬢様のほうがリーダーには本来向いているはずです。
特にイギリス型のパブリック=オックスブリッジ路線の教育はリーダーシップを鍛え上げてくれます。
というか自分の馬四頭というのはすごすぎますね。
しかし…本当に上北先生はすごい、馬をこんなに生き生きと描けるなんて!
馬についての講釈は痺れました。わかってますね、いろいろと。
人間と馬は、いろいろな意味で同じですよ。かれんさんが馬についていったことは、人間の社会でもほぼ完全に当てはまります。
みんながイメージしてしまった、厳格なリーダーと従順なメンバーの像…でもかれんさんがリーダーなら、軍隊式のプリキュアも容易にイメージできますし、あまり違和感はないです。
チームでの早食いバトルというのもすごいですね。
大好きだからみんなで楽しみたい、というのと、人を馬とみなして厳格に指揮統制するのと…前者が機能すればいいのですが。

すっぱだもん!
 アイドルの伊吹くんにかなりやばいレベルで惚れている梅ちゃんは実は忍者…素っ破の子孫だった!
 おばあちゃんに偉大な先祖の力を込めた巻物(というか魔法少女のバトン)を渡された梅ちゃんはいきなり可愛いくのいちに変身、スパイダーマン以上の身体能力で東京タワーのてっぺんまで上って、今度は変身の術を駆使して伊吹くんに会う!
 でもそこで、伊吹くんがマネージャーに変な仕事を強制されているのを見て…

復帰おめでとうございます。ニュースターという扉のあおりにはちょっと苦笑しましたが、まあもう一度初心から…w
なんだかやわらかくなって、可愛らしさはより伸びています。反面これまでのアルコールとかすかな松脂の強い鋭さは…
パスケースの写真にキスするので騒ぐ女の子たちは可愛いです。「今日は許すっ好きなだけぶちゅーっとやるがよいっ!!」のバカさにはもう…。
ミーハーなだけじゃなく本当に好きに…かなり危ないというか怖いです。
おばあちゃんの、いきなり忍者だという話…とうとう、ボケと思ってしまうのがなんとも笑ってしまいました。
しかし、忍者というかどう見ても魔法少女というのが…僕の中では忍者というものは陰惨で酷薄無慚な人外の化生なのですが。まあそれも、司馬遼太郎とか山田風太郎とか『真田太平記』とか『子連れ狼』とかいろいろ読みすぎてですけどね。
絵巻物がステッキで、それで変身すれば修行の必要も何もなく…お手軽すぎますが…まあファンタジーの魔法は講談の忍術と似たようなものだ、とありましたし、そう考えれば…
というか子供向きなんですから可愛くて楽しければいいんです!余計なことは不要!
変身シーンの脱ぎっぷりのよさ、そして可愛らしさもすばらしいですし。
東京タワーのてっぺんまで、というのも子供らしく素敵な感性です。
飽きてもう帰ろう、と思ってしまうのも違う意味で子供らしいです…屋根とか木とか高いところに上ると、しばらくは嬉しいですがそのうちなんだか寂しく悲しくなってくるんですよ。
あのボケ犬が優れた忍犬だったというのも面白いですね。
そして…忍術の使い方として、伊吹くんに会いに行くというのがもう…そっちに暴走しますか。
変化の術とかも怖いもの知らずというか。子供らしくてすごく魅力的です。変身したグラビアアイドルもすごく可愛いですし…
変化をおしゃれのために使うというのも面白い発想です。別に忍術は情報収集と暗殺と逃走、そして人々にまぎれて正体を出さないよう隠れるためにしか使ってはいけない、とは限りません…よね…
あくまで子供らしくパワフルな彼女の魅力はすごいですよ。
目が合ったら当然「だとしたらここはおたがい恋におちるシーンになるはず…」というのは、そのあまりに子供らしい自己中心的な発想に、自己嫌悪さえ感じますがすごく魅力的なのも確かです。
マネージャーもそんな種の裏の裏まで言わなくても、あくまで慈善募金だと言い張ればいいのに…こういうバカさも子供向け作品としてはすごく楽しいです。
そして伊吹くんの拒否のカッコよさ、そして梅ちゃんの登場も可愛いです!
マネージャーも忍者だったというのも楽しい展開です。
逆さ吊りを伊吹くんに見られたら恥ずかしいから食いちぎって脱出、という間抜けなところ、そして変わり身からの華麗な術…こういう表現力はさすがにすごいです。
ふらっと抱きついてきて語ってくれる伊吹くんの天然ジゴロも、読者は素直に流されて痺れてほしいですね。
そしてもっと本気になって、これから…これ、連載になるのでしょうか。伊吹くんとももっと進展する?
とにかく実力は保証済みの作家ですし、楽しみですね。
僕が子供にとっては可愛いし楽しいだろう、と書いたのは別に皮肉じゃありません。本来の小学生女子読者を楽しませることが「なかよし」の作品の使命です。

オレンジ・プラネット
再会しても…相変わらずフェロモン屋ですね、この人は。
泣きながら頭突きするのもわかります。
理科の先生って、と聞かれて言えなかった…いい訳のがれは恋の終わり、って恋は始まってもいないのですが…そう言ったら残酷でしょうか。
膨大なハルさんへの手紙…というか千晶は、ハルさん=栄介には気づいていない?
栄介が例の理科の先生、そしてるいちゃんがそれを隠していたことに気づいた太郎ちゃん…この絶望するような目は忘れがたいものがあります。
「おまえがるいを好きなんだろ?」という言葉は、せめてもの…分析のメスによる言葉の暴力?
でも「手ェだしたらブッ殺ス!」という言葉はカッコよかったです。
チア部というのもいい読者サービスですね。
そして夜の学校で、るいちゃんが部室に閉じ込められて…閉じ込めておいて「ごめんなさーい」と泣くのはあまりにわざとらしいのですが。
木から胸に飛び込んで行くのはすごく可愛いシーンでした。
かけてくれた上着を振り捨てて太郎ちゃんのところに走るるいちゃん、三人がついにひとつのフレームに…ここの緊迫感はすごいものがありました。
そして先輩の彼氏、婚約者が…えええっ!
もうこうなるとパニック状態にしかなりません。

夢みるエンジェルブルー
 おしゃれが大好きだけどなかなかお金がない森野天音ちゃんがある日、中学生なのにヘアメークのカリスマとして知られる中山葵先輩に強引に誘われた。
 行った先には大好きなエンジェルブルーの、未発表の服がたくさん!葵先輩の姉がエンジェルブルーのデザイナーで、少しユーザー世代の意見が必要だったのだ。
 それでドキドキしている彼女は、普段はおしゃれなんかに興味がない、と言っている高野さんが服を選んでいるのを見かけた。塾で好きな人にアピールしたいのだが、太っている彼女には似合う服がない、と思い込んでいるのだ…
 そんな彼女に似合う服を見つけようと奮闘し、そして葵の姉は天音ちゃんの構想を実現すべく…!

やっぱりこの可愛らしさは最高!服の質感がコンスタントにあるため、ファッションの魅力もよく出ています。
あと小さい弟がうまく動いていくれていますね。「みそ汁さめちゃうよー」と繰り返すのがなんとも可愛いです。
1250円…Tシャツも、というのは子供にとっていかにお金の問題が大きいか…中学三年で駅近くの受験予備校に入るまで現金を持たされなかった僕には正直わからないのです。金が足りるかどうかではなく、買ってくれるかどうかで、買ってくれるよう頼む精力は全部ゲームに…兄の受験でファミコンを壊されてからは、高校二年ごろまで物欲自体捨てていました。
あ、僕がファッションに興味がないのはそれもあるかも…すべて親が買ってくるものを何の疑問も持たず着るだけでしたから。たとえブランド品でも制服と変わらないんですよね。
よだれを流している表情、こういう…逆に無駄な線をなくした描写が今回の作品では光ります。うまく力を抜くことを覚えたのでしょうか。太っている高野さんを描くのが大変だったこともあるのでしょうね。
ファッションをバカにする気持ちはよくわかります。特に僕は流行嫌いで、おしゃれと聞くと条件反射的に「まぼろしの影を追いてうき世にさまよい うつろう花にさそわれゆく汝が身のはかなさ(讃美歌510)ばかり口ずさんでしまいます。でもそれは…単純に、好きな服を買うことが小さい頃から許されなかったため、ずっと自分を閉じこめていただけかもしれません。
中山先輩はもっと最初から出して欲しかったような気もします。
強引に連れて行かれ、そしてこの華やかなエンジェルブルーの新作の山!これはもう感動するでしょう。僕だって未発表の新鋭軍用銃やナイフが山積みの工場に連れて行かれたら夢中になりますよ。
お姉さんがすぐ葵くんを殴るのがなんだか楽しいのは…
この全身コーディネイトの天音ちゃんの可愛らしさときたら!服の質感がすごいですし…もうたまりません。
高野さんが服を選んでいるのを見て声をかけて、口止めから…なんというか、その気持ちもわかります。
僕も太っていましたからね…いや、今もかなり太っているでしょう、スクワットと剣道の素振りが四百ほどできるだけで。
笑われるのが怖いから、というのは…僕も似たようなものなのでしょうか?
人の服を選ぶのは別の難しさがある…というかコーディネイトって正解がない世界ですし。
弟が着替えで自慢することから気づく、というのもうまいです。それでびっくりして泣き出してしまうのも可愛い。
歩くのやだ、とぐずるのも…名前が出てこないのが残念です。
「わたしに似合う服なんてやっぱりないって」…そういう気持ちもわかります。
葵先輩のこのシャツや帽子の組み合わせもかっこいいです。
そして…ないものはうちで作っちゃう、というのはすごい!というかすごい権限…
弟があくびして「おきたー」というのがまた可愛い。
というかここはミシンなどもあり、ボタンも飲み込む心配があるし危険ですから、小さい子はちゃんと見てあげなきゃ…もうこの子の年ならそういう危険はないでしょうか?
自分が幸せな気持ちになるから高野さんも…素敵な思いやりですね。僕にはこれは無理です。
たくさんの人で作る、というのもすごくしっかり描かれています。
高野さんを強引にビルに連れて行き、葵先輩が待っていてヘアメイクもしてくれる…ちょっと影が薄かった葵先輩、ここでしっかりアピールしてくれます。
「おしゃれが似合わない女の子なんかいないもん」…もしかして、三十超えた男でも同じことは…無理ですけどね、いまさら。
変身した姿の可愛らしさはすばらしいです。ぽっちゃりした感じも逆に、なんというか柔らかそうで…すごく素敵な笑顔でした。
そしてこの意外なお誘い…夢の中、ですか…だからこそ少し危惧も感じます。カラー扉裏に、「デザイナーになるには、どうしたらいいですか?」という質問に「デザイナーの専門学校に行って…洋服を作る会社に就職するとなれます」と、その就職が多分卒業生の百人に一人、中でもデザインにかかわれるのは千人に一人でしょうから。
でも絶対安全な道なんて、今の世の中何もないですし…ひたすら堅実にやっても下流に落ちるときは落ちますからね。
この作品も連載になるのでしょうか?
となると…とにかく可愛いですし、いろいろ楽しみです。

スクール×ファイト
この復讐心が理解できてしまうのが悲しいです…そして未来ちゃんも。
泣きながら謝られちゃ、復讐するほうが辛いでしょう。「ずるいんだよ!」と叫ぶのもわかります。
でも本来復讐する相手はいじめた相手だと思いますが…そうならないのが人間の悲しい心理です。
助けに来たのが涼、そして…助けたのに「なにまたたくらんでるわけ?」と拒絶され、それに呆然とする…
責められてパニックになり、思わずキスしてしまうのを見ると、まさか…こいつ、ものすごく幼い人格なのでしょうか?
自分が何を求めているのか理解していない、何をしても誰もが当然許してくれると思っている…ものすごく甘えている?
このキスのショックはすごく激しく描かれていました。
突き放され、一瞬追って雨の中に崩れ落ちる…自分が何をしてきたか、初めて気づいたのでしょうか?
もしかしたら…とんでもないチャンスを失ったのかもしれません。ここで未来ちゃんが彼を信じていれば…無茶なのはわかっていますが…もしかしたら、彼を改心させられたかも。逆に、このすれ違いのせいで涼の憎悪がもっと激しい形になってしまうかもしれない…でもそれが彼の自滅につながれば…
それで爽良くんが好きなのに、と自覚してしまうのはうまいです。
「オレん家に早坂泊まらせるから」で、「おまえらいまよけーな想像してるだろ」ここはふふふと笑みがあふれてきました。
ぎゅっと手を握って付き添ってくれるのはすごく心強いですね…どちらが、ともいえないぐらい傷ついているんですね。
未来の兄がまた豪快というか…それで彼女が弱虫だとわかっているのもさすがです。
そして、復讐を遂げたはずなのにむなしさしか残らない雪…三人は一体どうするのでしょう。
まさか、前に雪をいじめた連中のところに殴りこむとか?
STOP!いじめメッセージもすごくリアルでした。でも…まだ甘い気がします。僕が何か言うなら…人間はいじめる生き物。群れる動物として「群れの中で順位を争い、下位を攻撃して順位を確認する」「群れの異物を排除し、敵とみなして戦う」のは人間の本質…だからこそいじめが魂を殺すレベルにエスカレートしないよう、コントロールしなければならない…常に逃げ道が必要です。
そしていじめられると人間はものを考えられなくなる(意識できない動物的な部分が、相手の「自分が上だ、服従しろ」という言葉以前のメッセージにイエスと答えてしまうため。そうしたほうが楽に群れを維持できて生存に有利)ので自力で助かるのはまず不可能だし、近すぎる人は助けられなくなっているもの(群れの秩序を壊すことに対する意識できない抵抗)だから、その状態に誰かが陥っていたらできるだけ無関係の人が助ける必要がある…
また一人一人が、人間の群れ動物としての本質、動物進化行動学としての人間をより深く知る必要がある…

キッチンのお姫さま
え、まさか星夜が?
プリンの王子さまが好きなのか、それとも空先輩が好きなのか…ちょっとそれを考えるとため息が出ます。
茜の友情には素直に感動しました。
大地と茜がお見合い状態になっているのは苦笑しました。そして…大地の言葉もすごく誠意がこもっていました。
ラベンダーハウスのピンチは実にせこい話で…ナジカちゃんの奔走には苦笑するしかないです。
金額の桁がいくつ違うと…まあ行動できるだけいいですけどね。
星夜くんの優雅な生活がナジカちゃんにいきなり振り回されるのが…相手にしたらこっちの品が落ちますよ。
なんというか、これで怒っている星夜くんはむしろ可愛いぐらいです。
菓子は別腹といっても、あれだけ食べてまだ…これはとにかくすごいです。
ちゃんと味の話もしながら食べているのがなんだかいいです。こういう味覚についての話ができるのはフジタさんを除けば星夜くんだけでしょうし…それでこの笑顔?
ラベンダーハウスの話でびっくりして、それで倒れる動きは実にうまいです。
そして夢での空先輩の遺言…見ていられなくて目を閉じてしまいました。そして深いため息。
思わず抱きついてしまうのもわかります…今でもどれだけ悲しいか。
小さい頃会ったことがあるから王子様とは限らない…大地という可能性は考えなかったのでしょうか…
なんかややこしくなりそうです。というか前に、星夜と茜ちゃんがいい感じでしたから、その意味でも何かと…はは。
今回のチーズケーキは自分で作っていないですし、結構難しいです。ちょっと強引だったかも…
でももう、今のレベルでは読者が簡単に作れる料理ばかりとはいかないでしょうね。

ピンクvイノセント
レンジ…気の毒に。もう完全にラブラブです…
みんなの前、ロッカーの陰でのキスはさすがにすごいです。先生もかなり過激なことを言いますね。
というか普通…金持ちはすごい優等生じゃ…ノーブレス・オブリージュで常人の何倍も努力し、金に飽かせた家庭教師が力を尽くしているもんなんじゃ…
「海であたしにあんなことまで」…みんな何を想像したでしょう。
図書室で「ここならだれもこないだろ」には、それはもう期待しましたとも。それで勉強はお約束ですね。
ぽーっとなって「いまなら先生にジャマされませんよ」に切れるのは…それはココナちゃんのことを思っているからですよ?
「勉強よりレンジくんがいればじゅうぶんなんです!!」というのは素直すぎますね。
今回はめずらしくパソ無事、といってもどこかで壊すと僕は思っていましたが…残念です。
やけ食いしようとエアリたちのところに行ったら、この二人…なんというか大人すぎます。
フランス語や英語を逃げずにガンガン出してくるのはいろいろ嬉しいです。
ふさわしいかどうかというのはあまり考えることはないでしょう…家だけ見ればレンジくんのほうがココナちゃんにふさわしくないですし。ただ歩みを止めず、少しでもがんばって成長すればいいんです。
お似合いカップルになりたいからがんばる、というのは単純ですがいいです。
そして見守っているレンジくん、「クラスも行事も…ぜんぶバラバラじゃん」と、彼にしてはすごく素直に言っていますね。今までのことから学習したのでしょうか。
「もし勉強で決めてたらはじめから」は爆笑。
自由英作文には呆れました…気持ちが素直すぎます。
これでWhere?…ここからの、英語でのラブラブ会話…エアリたちも二人きりのときはフランス語でそっちの特訓もしているのか、と思うと思わず逆立ちしたくなります。
本当に次々キスしていき、「and Next?」…今回はレンジが攻めですね。これからはガンガン攻めまくって欲しいです。
「これ以上キスするところなんて」ってまだまだ…ふふふ。All...
「おまえが…っかわいいからだろーが!」には、なんというか…本当に同一人物?という気にもなりました。変わりすぎです…気の毒に。
自由英作文で本当にあれをやるとは…ははは。
これからの超ラブラブが楽しみ、と思ったら次回で最終回…どうせならとことんラブラブをしばらくやって欲しかったので残念です。

地獄少女
カラー扉で「永遠さんは、その昔、人を祝っておりました」という言葉には、その頃に戻ってくれ、早くこういう作品をまた…と布団の中に叫びました。
今回は全体としていい話でした。
これまでがこれまでですから、この刑事が悪人なのでは、と…人を見ると悪人と思うようになってしまっています。
読み返してみたら、よく熱が出るのに瑞穂ちゃんが犯人探しばかりしていて弟にさびしい思いをさせている、ということが伝わってきて辛いです。視野が狭くなるといかに危険か…
家族の思い出が怒りに変わって「しっかりしなきゃ」と…その、しっかりする仕方が犯人探しの活動しか思いつかないのが悲しいです。
家での、親戚の邪悪な面も…もしかしたら、そのひき逃げ自体…とこれまであまりにも圧倒的な悪ばかり見てきましたからね。
弟はそれを見てしまったから、ただ姉と一緒にいたいと…直接いえず、犯人さがし手伝う、としかいえないのが切ないです。
そして…ネットで、地獄少女に頼めば、と…無責任、というと僕もそれ以上に無責任なことをしていたかもしれません。この『地獄少女』や他の作品の感想でも、さまざまな人の殺し方や社会的なものを含む傷つけ方を紹介しています…使わないでくれればいい、使うとしたら…ちゃんとわかって使って欲しいですが…
刑事さんも、もっと早く最高刑について伝えてくれればよかったのに…
「法律でどうしようもないなら」というなら、いっそ自分で殺すほうが地獄少女より僕はいいと思います。または…殺さなくても罪にならない程度に人を追い詰めるには…いや、それを書くのも、上で言うように無責任なことかもしれない…
「こうするしか」という言葉が、彼女の視野の狭さを感じさせて無性に悲しいです。
このひき逃げ犯の潔さは笑うほかありませんでした…最悪の笑いですが。ただ、呪った遺族まで地獄行き確定と知ったら…このひき逃げ犯に良心がある分、その苦悩は倍になるでしょう。
刑事もある程度察してはいないでしょうか?それも気になります。
地獄からの手紙に泣き崩れる彼女はちょっと見ていられないものがあります。
そして親戚の悪意に触れて、それでも…自分がどれだけ間違っていたかやっとわかって、やっと…地獄少女をキャンセルし、別の道を見つけることができた…これがせめてもの…
といっても、もう地獄行きが確定している事には変わりがないのが苦しいです。

来月号、遠山先生の新連載は予想通りです。
山田デイジー先生の登場は、わかっていましたがとにかく踊りまわりました。
ラブリーで大活躍の水無月先生、高上先生、ゆみみ先生、山田先生らが本誌に出て欲しい、とすごく願っていましたから。今月号から、少し不本意な形とはいえゆみみ先生も出てきますし、少しずつでも本誌に…もうひたすら祈っています。

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