なかよし2007年5月号感想

付録は実用性はある程度高いですが、残念ながら「ちゃお」「りぼん」が両方とも素晴らしすぎました。

そして本誌自体ですが…ふと、何か肝心なものが忘れられていないか気になります。後味が悪いばかりで、面白くないのです。まあ風邪を引いたことが影響しているのかもしれませんが。
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物という本で、食品添加物の敏腕セールスマンだった著者が自分の自慢の商品を自分の娘が食べているのを見てショックを受けた…今月号は自分の娘に薦められますか?
「話」として質が高いものを、とがんばっているのはわかるのですが、どうしても辛い思い、憎み裏切り陥れ…と人間の悪い面ばかり強く出てきてしまいます。
非常に難しいと思います。いい話、中身、手ごたえがある話を目指すこと自体は間違っていません…でも、新学期号が読んでいて面白くない、いやな読後感しか残らないというのはいくらなんでも致命的では?
増刊の読みきりでは重い話ばかりでも、最後には解決がありますから読後感はいいです。連載という形が問題かもしれません。
重い話を雑誌の中心にするなら、軽く爆笑できるギャグを適度に散らし、また同じ重い話でも解決編を適度に混ぜることでバランスをとることも可能なはずです。
重い話を書くなといっているわけではないですが、雑誌自体の読後感が悪くなったら本末転倒です。
どうか自分の娘に自信を持って薦められる雑誌を作ってください。

「きらら☆プリンセス」はキャンペーンに合わせたダイジェストでしたか。
好きな作品なので何らかの番外編、特にラブラブを期待していたのですが。

かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)スクール×ファイト(原明日美)Yes!プリキュア5(上北ふたご/東堂いづみ)小川とゆかいな斉藤たち(茶匡)シュガシュガルーン(安野モヨコ)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)ピンクvイノセント(桃雪琴梨)地獄少女(永遠幸)予告

かみちゃまかりんChu
冒頭の自己紹介は…まあ発売時期とアニメ開始を考えれば…
テスト結果を見てのオーバーアクションはちょっと気持ちいいです。こういうのもコゲ先生の本領ですね。
「わたし神さまなんです」というなら、Godとgodの違いを入れないと紛らわしいのでは?
その冒頭から不吉な夢のことでの悩みに、結構自然につながっているのが妙な感じですね。
姫香ちゃんも久々ですね。あんまり変わっていないです、さぞとんでもない美女になっているだろうと思っていましたが。
夢で一人一人の悲惨を見て、この情緒不安定は見ていて辛いですが、でも実際この年齢でそれだけのものを背負えるでしょうか?いや…昔だったらもう元服し、またもっと小さい子が堂々と切腹したりもできたのですし…
部活見学はちょっと楽しいです。
夢で謝っていたんじゃ、もうさすがにごまかしようがないですね。
抱きしめられて心を開くのはすごく素敵です。
「オレ…自分に自信なくなってたぞ…」というのはちょっと勝手な気もしますが、すごく素直な言葉だとわかります。
太陽を見せて「変えよう」というのはさすがにカッコいいです。

こうして前後編に分けた意味がいまいちわからないのですが…
で、がんばろうといってもどうがんばればいいのかわからないですね。
テストなら勉強すればいいし、スポーツなら練習すればいいのですが。
神くんのCDデビューもこれから話にどんな影響を与えるでしょう。
あと、神くんに姫香ちゃんを紹介するとき、彼には全部教えてもいいのでは?
作戦会議と思ったら本気で歌いだしてしまうのはこけました。
ハンデとして「魔法のネットアイドル〜」というのはせこいというかなんと言うか。
神くんの母親というのも意外な要素ですね。
そして珍しく暗いみっちーは…あ、いろいろ聞いたんでしたか。でも彼はその程度で落ち込むとは思えません…もっと深い意味があるのでは?
さらに神くんと烏丸家の関係も意外で、何がどうかかわってくるかわかりません。
むしろ敵とさえ感じている和音くん…そして姫香ちゃんとリカ、いやそれに鈴音くんも…いったい何が起きるのでしょう。

オレンジ・プラネット
太郎ちゃんの独占欲丸出しが逆に破局の予感を漂わせています。
「でも…ボクは甘夏を」には突っ伏したくなりました。そんなことにはならないですよね…
ハンカチを返しにきた、って…また千晶が出てくると思うとちょっと気が重いかも。
古いプラネタリウムが何の舞台になるか…というか「しゅごキャラ!」でもプラネタリウムが重要な舞台になっているのですが。
プリクラで、他の男の子たちもるいちゃんにちょっかいを出しているのも少しほほえましいです。
ラブラブなプリクラも…本心を考えるとため息しか出ません。
キスのプリクラを見て、真っ赤になっているのも、普通ならただ恥ずかしいぐらいラブラブですむのですが、この二人だと…単に火薬庫にしか見えないです。
風呂上りで「やらしーことかんがえてたでしょ?」もかなり爆発しました。
そう…前回までのことをきれいに忘れて読めば、今回の話ってすごくうらやましい、初々しいカップルなんですよね…きっと。
「ずっといっしょにいてよ…」という言葉自体、破局を予感しているかのように思えます。
そして…この再開は残酷すぎます。桜の雰囲気があまりにも…怖いとさえ思えます。

しゅごキャラ!
この卵の交換は面白くなりそうです。
自分の卵に×がついたら、何がそんなに問題なのでしょう。一時も迷うことが許されないとしたら、そのほうがむしろ残酷です。
挫折しては立ち直って、傷を負ったまま歩き続けるのが人間では?
新ガーディアンの真城さんは予想通りですが、三条くんも…意外と最年少で侍っぽいしゅごキャラ?
今までの活動を調べて「ムダが多すぎる」…すごいキャラですね。
×たまが増え、希望を失った未成年者が増えている件については敵の攻勢が激しいから、と外部に原因を求める考えはないのでしょうか?また敵の攻勢だけでなく、社会環境全体の問題は?
チームで、といっても…残念ながら新メンバーはどちらも信用できないです。
王子の「キミはぼくの好きな人だから」には崩れました…
で、起きたエルちゃんもすごいオーバーアクションですね。うばわれるとかけがされるとかって、何の話でしょう…おませさん。
二階堂と三条さん…あ、三条くんは彼女の弟か息子か…が昔つきあっていた、というのも楽しい伏線です。
真城さんの嘘泣きとか、いきなりキャラチェンしての×たま破壊とか豪快な行動も見ている分には…なぜか不愉快しか残りませんが。
でもエルちゃんの妄想っぷりと、いつのまにかなじんでしまうのは楽しいですが。
そしてダイヤの×たまが歌唄ちゃんのところに…どう交換するでしょうか。
それに新メンバーがどう絡むかもややこしいことになりそうです。

もどって!まもって!ロリポップ
ここまでやるとは…ただでさえお互い信じにくい関係なのに。
メルのストレートすぎる愛情表現はちょっと悲しみさえ感じます。本当はそれぐらい素直であれば、悩むことはないのかもしれません。
でも…みんながそうだったら、やはりうまくいかないでしょう。
ゼロとニナの微妙な距離、たいていのカップルはそこから破綻して行くのでしょうか。というか、この状況があまりに過酷です。
「好きな人ができたらメルはなにをすれば」「相手につくすとか?」という会話も興味深いです。
ニナちゃんのお菓子を潰したことについて、メルに悪意はないです…その後全部被害がニナちゃんに行くのも。
人を喜ばせることがどんなに難しいか…少なくとも僕に彼女を責めることはできません。僕には彼女のように思いを行動に移す勇気もないし、何かを動かす力も魔法に限らずありませんでしたから。まして喜ばせることなどできるはずはなかった…
それでゼロがメルをかばうのも、人間としては当然なのですが…嫉妬しているニナちゃんにはそのことはわからないですよね。
ここにアルがつけこむのはあまりに邪悪です。
甘いものを食べ、「かわいい」と褒めてもらえば人間はどうしても嬉しい…それがわかっている分、余計に重い怒りがたまっていきます。
身の上の嘘も、ただ…通り過ぎざまに絞め殺したいだけです。
人間が一つ一つ協力して巨大なものを作るのが、まるで魔法だ…というのはごく素直な言葉でしょうか?
まさに魔法ですね…でも協力して巨大なものを作るといえば、サンゴもアリ(シロアリ)もすごいものを作ります。
人間は…それが環境にとってプラスになるよう、自分を制御することさえできていない、それどころか宿主である地球環境を破壊しようとしている…サンゴやアリ、シロアリにも比較するのが失礼なほど劣ります。
そしてせっかく折れようとしているゼロに、アルの…「マクベス」さえ思い出す毒…
もういいかげんにしろ、と全てをぶち壊したくなってきました。
楽しいのでしょうね、これは女の子にとってはものすごく。
でも残念ながら、僕にはこういうふうに人をだまし、おとしめ、もてあそび、いじめるのを楽しいと思う感性がかけらもないのです。
それは多分…僕が異常なのでしょう。身体障害同様社会生活には不利な、重大な感性の欠如でしょう。
もちろん別に聖人君子ではなく、小学校から大学に至るまで毎日数十のセイタカアワダチソウをさまざまな手段で斬ってきましたし、物理的な暴力は本質的に大好きです…虫以上の弱いものでなければ。
おそらく人をおとしめ、だまし、もてあそぶのが嫌いなのは道徳的にも悪なのでしょう。人の心がわからず社会に順応できない、だからどう行動しても本質的な思いやりがなく、他人を傷つけることも多い…上記の、どうすれば好きな人を喜ばせることができるのかわからないことにも深く関わっているのでしょう。人をだましもてあそぶ楽しみがわかる人こそ、本当に人の心がわかるのでしょう。
でも僕自身は、僕のこれが楽しくない精神構造を変えるぐらいなら死んだほうがましです。

スクール×ファイト
たぶんこの世は、別の惑星の地獄に違いない。 オルダス・ハックスリー
新しいオモチャ、って人間はあんたにとってはオモチャでしかない…?
転入生があの、思い出の中の…心臓が痛いです。助けられなかった、勇気がなかった…それほど痛いことはあるでしょうか。
爽良に、嘘はつきたくないけれど知られたくないという思いも鋭く心を引き裂いているようです。
彼にもまだ話せないことがある、って?さぞえげつないことか、客観的に見たらくだらないことか…後者であってほしいのですが。
未来ちゃんの素直さ、雪くんの暖かさ…初読時は素直に受け止めてしまいました。今こうして読み返していると、もう心を止めてしまいたいです。
「一之宮って人に0組をボロボロにしろって」とそこまで出してしまうとは…読み返してみると、真実を混ぜた嘘がいかにおいしい餌になるか、それがわかってしまって…もう嫌だ!
ずっと雪とばかりいっしょで他のクラスメートとあまり話せない、というか…昔もその「守らなきゃ」と、守りすぎたのが間違いだったのかも。何か重大な心の罠がそこにあるのでしょうか?
資料室での爽良とのラブシーンも、読み返してみると意味深いです。
一之宮までだまして復讐を貫く、この執念深さは…それは理解できます、僕にも復讐心はありますから。ただ僕は人をだまして傷つけようとは思えない、それより暴力の残酷さをエスカレートさせるでしょう。
いきなり抱きしめると見せかけて自由を奪い…といっても、この体勢ならよほどの体力差がない限り抵抗すれば抜けられます。
ただ、未来ちゃんはショックのあまり抵抗する気力もないでしょうね。
爽良も行動を始めましたが、雪のたくらみに気がついた様子の一之宮もどう動くでしょう…意外と面白いことになるかもしれません。

Yes!プリキュア5
冒頭の猫ダンゴはすごくかわいいです。
説明はちょっとしつこいですが、アニメを見ていない僕にはありがたいかも。
変身もすごく華やかでした。
ココがぬいぐるみとして人気になってしまうのも苦笑します。
こういう作品がもっとたくさんあれば、今月号の後味の悪さも軽減されたかもしれませんが。

小川とゆかいな斉藤たち
か、かなり暴走していますね…どこにいくのでしょう。
扉の中華コスプレは何かを思い出しそうになりますが…なんか雰囲気とか微妙に、最…
冒頭ののんびりした感じはなんだかほっとします。本来彼女ってそういう子なんですけどね。
豪快な白の活用と、おもいきりすごいものを踏んでしまうのがまたすごい。
「ケモノくさくね」って結構勘がいいです。かかわんないほうがいいのにー…まさにそうなのですが。
あ、読み返してみると口元からある程度正体がわかります。それはそれですごいです。
秘密飼育での苦労もすごくさりげなく描かれていますね。
そして新聞部の陰謀も、もう毎回…懲りるという言葉は彼らの辞書にはないようで…
ボールを取りに行って屋上から飛び降り、豪快に部長を押しつぶして着地、これはさすがに爆笑。
そしてこれを縛り上げるとは、読み返してみるとすごい度胸ですね。
「却下!!!」のカッコよさはさすがでした。
今回の罰もすごいですね…縛って台車ごと行ってらっしゃい、行き先はホルマリン…ははは。
素顔のライオンが妙にリアルだったのですが…それでかまれて、よく死にませんでしたね…
なんかもう、熱が出そうです。

シュガシュガルーン
え、大人世代全滅?
星が降ってくる描写はさすがに美しかったです。
バニラの涙もいいです…でも僕が見たかったのはグラースの改心でした。
いきなり時間吹っ飛ばして戴冠式、そしてバニラの決意…彼女もこの話で大きく成長したようです。
もの戴冠式のお祭りも、最後の大騒ぎといった感じです。
ショコラの復帰もお約束ながら嬉しいです。二人の傷を癒すのにかかった時間もすごく実感を込めて描かれています。
村々での、バニラの非常に地味な活動をもっと描いてほしかったですが…それが一番肝心ですね。
人間界に行くというのも…本来なら二人で王国に協力し、和解をより確かなものにすべきですが。
三十年以上経っている、ってもう学校の人たちのことなんて思い出せません。
まあとにかくお疲れ様でした…名作には違いありません。最後が壮大になりすぎましたが、特に前半のさまざまな人間の心の罠を暴いていくところは素晴らしかったです。

キッチンのお姫さま
これを出してくるとは。
皆の反応…あれだけ憎悪の目を向けたかと思ったら掌を返すのには、まあ人間はそんなものだ、としか。
星夜くんもずいぶん…ツンデレ?
茜と星夜くんの組み合わせも面白いですね。
「むくわれない片思いっぽい」って、なんでそこまでわかっているんだか…
茜ちゃんの回想も胸が痛いです。そして、なぜ大地が父親や空を嫌っているのかもなんとなくわかってきます。
理事長室での電話…ラベンダーハウスまで…完全に憎悪に魂を蝕まれているようですね。
むしろ茜に、大地の変貌の理由を聞かせるのが目的のシーンだったようですが、結構後が大変です。
茜がナジカちゃんを強く拒否してしまう、それで「もどりたくないのに」…意地悪をしていた自分を惨めだと感じることには胸が絞られるようです。
だから…わざわざお菓子を作って告白…これはすごく感動しました。強い。ため息が出るほどの強さです。
大地が、それを食べることで思いを受け止める…その描き方も見事です。
大地の答えも男です。
星夜の言葉も意外と優しかったです。「ほんとは泣きたいくせに」なんて、今の彼女にとって一番、自分でも思っても見ないほど言ってほしい言葉だったでしょう…それも「オレに似てるからじゃね?」って、ここまで心を開くなんて信じられないぐらいです。
千の葉、と繰り返し繰り返し強調するのも素晴らしい演出です。
でも…やはり、理事長の憎悪の強さとラベンダーハウスの危機、そして大地…空に対する支配の邪悪さが心を蝕んでしまいます。

ピンクvイノセント
ああ、やはりまた羞恥プレイ…
レンジくんの怒りとココナちゃんの能天気には頭を抱えるほかありません。
「気づけよバカ…」って気づくわけないじゃないですか。言わなきゃわからないんですって。
二人の見晴らしのいい部屋、って入ってみたらなんだこりゃ。ゲームで女心のわからなさを強調するのも面白いです…ええと、壊すのはパソコンじゃなくてもコンピューターならいいんですね。
船が分割される豪快さには笑い転げました。
両親の思いもそれはそれでじーんとします。
豪快な飛び込みはいいのですが、お嬢様が足を開いて着地しちゃ…
海に落ちたココナちゃんに、迷わず飛び込むレンジ君のカッコよさはさすがです。でももちろん、ここでやっていいのは救命ブイを投げることだけです。
海中でのキスは華麗でした。
立ち泳ぎというのも豪快な話ですね、しかも着衣で…彼らの学校は着衣水泳もやっているのでしょうか?
泳ぎだす早さも不気味なまでで、とにかく豪快でした。

地獄少女
今回の話は…あまりの後味の悪さに吐き気がするだけです。
どうしようもない、この悲惨を避ける術はない…人間が人間であること自体を呪うほかありません。
自分の恨みを友達を守るためと正当化していなかったか、とか…どんな言葉も意味があるとは思えません。

来月号は読みきりが二つも!
もう「なかよし」の辞書からは読みきりという項目が抹消されたかと思っていました…嬉しいです。
でもせめてどちらかは、ラブリーで活躍中の新人・若手作家であってほしかったと贅沢な思いはありますが、本誌に読みきりがあるならば今後希望はあります。
柏木先生は本当に久しぶりです…どんなふうに成長しているか楽しみです。
そして白沢先生の登場も嬉しい!タイアップなのが少し残念ですが、かわいい作品になることは期待できます。

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