なかよし2006年8月号感想

マニキュアは地味ですが読者の年齢層は気に入りそうです。

ロリポップにゴーストハントと、アニメでまた打って出ているようですね。
それがどうなるか、そして新人が上がってきてくれるか…

キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)地獄少女(永遠幸)かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)恋愛向上委員会ジューシーフルーツ(有沢遼)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)ふたりはプリキュア(上北ふたご/東堂いづみ)ゆめゆめ☆ゆうゆう(花森ぴんく)ママコレ(遠山えま)シュガシュガルーン(安野モヨコ)ボンボンビザール(白沢まりも/橋本裕志)シャイ☆ソウル☆ダイナマイト(茶匡)予告

キッチンのお姫さま
あらためて講談社漫画賞受賞おめでとうございます!
なんか今回、妙に空先輩が女性っぽくなっているような…そしてここまでやるとは!
告白で、自分は王子様ではないと気づいてしまう空先輩、それでどうするか惑って、今は負担をかけないことを選ぶ空先輩…なんだかため息が出ます。
今度は世界というのもどんどんスケールが大きくなってきますね。そろそろ本格的にライバルが出てきてくれるといいのですが。
「はっきりボクの気持ちをいうよ だいじな話といっしょに」…フェアですね、自分は王子じゃないことも言うつもりで…
茜ちゃんもついでに自分も祝う、いい性格しています。
大地もどうにも…あ、結局この父親はただの悪で終わってしまいそうですね。ちょっと残念…もう少し複雑なキャラでも良かったのに。
「こんどゆっくり話をしよう」というのは重い言葉ですね。家族だからこそ話せないことは多いです。
「大地モテモテ」ってナジカちゃんはのんきですね。フジタさんの告白もなんだかじーんとします。
まず味で証明するというのも、うまく基礎設定の絶対味覚を使っています。そして、フジタさんにとっておそらくナジカちゃんの母親は初恋の人でも…いいですね、こういうの。
それで…うわああああっ!まさかここまでやるとは…時計が壊れる伏線もすごいですし…
ただため息の連発です。
賞も順当ですよ…「読者が望んでいない」からって、ちゃんとした物語を子供に与えてはいけないわけじゃないです。子供が好きじゃないからって、野菜や小魚を食べさせないのは間違っています。

もどって!まもって!ロリポップ
懐かしいです!
いきなり過激なシーンから始まりました。あ、「新・水色時代」のようにもう一度やり直しじゃなくてこういうやり方ですか。
で、結局…遠距離恋愛は大変ですね。うらやましい。
そういえば初花ちゃんとゴウは?
それでどうなるか、と思ったらまたいきなり何かを飲み込んで…ううむ。
で、ゼロイチイが出てきてまたなのか…一気にうまくジェットコースターに乗れました。
上級試験でまた同じことに…はは。自分のことがどうでもいいんだ、と思ってすねてしまうニナちゃんの気持ち、なんかわかります。
サン&フォーはまた捕まえて…前みたいに解剖じゃないだけいいですね。
暑く抱きしめて再開のキス(誤変換はわざと)…確かに無理かも。
しかし今回のドロップは凶暴ですね。というか、ニナちゃんにも潜在的な魔力がある以上、こうなることは予想の範囲内だったんじゃ…そして、ニナちゃんの魔力で制御できないのでしょうか?
二人でまた「おまえをまもる!」は嬉しいのですが、恋には決着がついているのにそれでいいのでしょうか…また三角関係にならないか不安です。
しっかり抱きしめて決めてくれるゼロ…う〜、クーラー入れよう!暑くて暑くて。

地獄少女
今回のケースは極端すぎて、ちょっと「どうすればよかった」が難しいです。
脅された時点で携帯電話で警察に通報していれば一番よかったのでしょうか?
雑誌に載っているアルバイトでこういう落とし穴があると…アルバイト自体するな、というのははっきり言って無理なことです。
必要なのはアルバイトに対しても情報収集をすることなどでしょうか?
最後の結論は「大人の世界ってこわいですね わたしみたいな子どもが足ふみいれちゃいけなかったんです」ですが、逆にアルバイトも何もしない、悪い情報には一切触れない…テレビやラジオ、ネットにも触れない、本や漫画も何も読まないようにして、勉強しかせず全く何も知らないで二十歳になればちゃんと大人になれるものでしょうか?
昔は親や学校が就職先や結婚相手を決めてくれたので任せていればよかったのですが、今はそのシステムは壊れています。
できるだけ親や友達の支援があればいいのですが、その親や友人も絶対信頼はできないとしたら…絶望的になります。

かみちゃまかりんChu
ひたすらロリ…といっても不思議ですね。
コゲどんぼ先生の出世作は「デ・ジ・キャラット」です…あれはロリ魅力が中心のはずでしたが、今回を読んでよく思い出してみると、ロリ魅力といっても微妙に、「ロリ」という言葉からイメージされるものとはずれています。
三人それぞれの動機がちょっとばかばかしいですね。
もう一人は錦織くん?じゃなくて…この女の子?
子供変身はさすがに三人とも可愛い!
幼稚園部に迷い込んだと思われてミッチーに話を聞いてもらえない…う〜ん。
すぐ遊んだりケンカしたりする男の子二人組は見ていて楽しいです。
ひたすらミッチーを追いかけるのも楽しいです。でも仕事は…ああ…
銭湯はさすがに…というか、神くんが子供の花梨ちゃんを脱がそうとするの、これ出していいシーンでしょうか?
ちゃんと守ってくれた和音くんも…ふふ。
子供のまま神化するのも可愛い。
え、やっぱりミッチーが最後の?なんか忘れられた伏線があるような…
ウラヌス・ネプチューン・アフロディテって世代も何もめちゃくちゃな気がします。
相変わらずエロエロのままの二人も見ていて楽しい…

恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
なるほど…この企画はお見事。
でもこれ、描かれた当の親は恥ずかしくて死ぬと思います。
あとお見合いも結構あるでしょうし。

オレンジ・プラネット
あ、あの〜…冗談じゃなくて?はは…うそ…まあとにかく×はやめましょう、×は。
「ヒマならオレとデートしない?」というのは、本来なら太郎ちゃんが受け止めるべきかもしれないのに…
太郎ちゃんにもちゃんとフォローはしますね、とんでもない形でですが。
太郎ちゃんの正直きわまりない告白、こっちが熱くなります。
ここで太郎ちゃんがちゃんと抱きしめることができたのも、先生にぶちまけることで思いをきちんと形にすることができていたからでしょうか…
特に思春期だと、初めて知る思いは形がなく圧倒的なエネルギーだけがあるものですから…うまく形にするだけでも大変です。
キス、と思ったら邪魔が入って…ほうっとしていたら、いきなりとんでもないことに!
うわあ…まあ、それはばれるのは当たり前ですよね。なんでもいつかはばれるものです。

しゅごキャラ!
王子様、あむちゃんに惚れてる?
キャラたちの生活も楽しいです。
キャラチェンジでのコーディネイトって、あとで変なことにならないでしょうか?
腕立て五百…さすがにそれはきついでしょう。
先生がついてくるのは当然です…保護者なしは認められないので…し、子供がそれを嫌がるのも当然ですね。しかも今時は、その先生や友達の親さえ信用できる保護者じゃないのでどうしようもないです。本当にコンパニオン・インプラント(ロバート・J・ソーヤー「ホミニッド」「ヒューマン」「ハイブリッド」)しかないのかなあ…
何でもイースターというのもすごいですね。
輝く夢…「ムリに決まってるのにねー」という、この先生はどういう…びくっとします。
まあ確率的には不利ですが、逆に志望者が皆それをわきまえて初めから諦めると、アイドルは誰もいなくなります。どうもジレンマのある世界です…誰もが完全に賢明だと、世界は至極つまらなくなります。
キャラの生態が猫みたい、というのも楽しいです…そこで野良猫が出てきて、これはこれで面白いですね。
人間がばたばたやっているのも、別の面から見たらこんなものだとは…ちょうど人間の歴史全部が、宇宙からそういう目で見れば小麦と米、それに後から加わったトウモロコシとジャガイモが分布を変化させる過程でしかないように。
歌唄ちゃんの思いとさりげない脅し、ちょっとここはぞくっとしました。
ステージのインパクトもさすがに強烈!そして…実際にも、ステージでは視線の魔術でファンをとりこにする技術がありますし…
ステージ破壊はこいつらですか。
そして冷酷に×キャラを破壊する、そしてその結果…ぞっとします。
もう一つ怖いのが、夢を失ったことでできた心の空白に、さまざまな依存症やアディクションが忍び込む可能性です。
いらないたまごを壊す…恐ろしいテーマです。
そして先生の正体も…なるほど、これから楽しみな作品です。

ふたりはプリキュアSplash Star
冒頭の躍動感はすごい!
大切な友情の証を奪って、嘘が嘘を塗り重ね…うまい。その最悪の形が「鬼平犯科帳」の「殺しの波紋」ですよね…
二人とも必死で探している、そして満と薫もそれを…あ、こうして弱点を攻めることができるということは、ある程度人の心が解っているということでは?人間を全く理解しない存在に拷問はできません。
ひまわりを見てやっぱ嘘は嫌だ、と思い切るのは素敵でした。
「だいじな話しようってときに」で二人ともわかってしまって、これはまあ…
そして、いきなり正体が…結構ショッキングです。アクションシーンの迫力もさすがですね。

ゆめゆめ☆ゆうゆう
少しわかってきましたね、世界崩壊ですか。
文明批判はわかりますが、陽の世界が豊かな心を取り戻せばそれで全て解決するでしょうか?
そんな簡単ではありません…豊かな心を得るには、ネイティブアメリカンのような広い自然に少ない人口の暮らし…つまり今の過剰な人口のほとんどを減らすか、または本などの、それ自体資源を消費する物でもある情報をたくさん持つかどちらかです。
事の本質は、世界全体で利用できる淡水およびエネルギーの総量と、人口とライフスタイルの関係です。
わかりやすさを求めず、丁寧にいろいろと読み調べて、ちゃんと環境・人口問題の全体像をつかめるよう努力しましょう。僕も頑張ります。
妃女の裸を思い切って出したのは英断です。これは安易なエロじゃない、必要なことです。
水浴から上がるときには、この角度なら肋骨が浮かんでいるほうが自然な気もしますが…
あっさりと罠にかかるのは苦笑するほかないです。
そしてこの憎悪…多分、誰にでもあるでしょう。
「努力もがまんもせず世界を食いちらす」…まあ確かに安逸な連中も世界を破壊していますが、勤勉な連中も…実に勤勉にあらゆる努力を惜しまず森を、地球環境を破壊しつくしてきたのですが…というか西欧文明が圧倒的な力で世界を制覇し、それまでとは比較にならない環境破壊を行ったのは勤勉革命といってもいい精神構造の変化もあったのですが…
妃女の憎悪の強さははっきり感じます。裸を堂々と描いたのも、それを伝える力になっていると思います。
ここで、ぶつかった瞬間いきなり戻ってしまったのはちょっとびっくりしました。
かなり唐突な展開ですが…どこに向かうのでしょう。命とひきかえの力…それも重い伏線です。

ママコレ
お、進んできました。
何がばれたら困るのでしょうか?
サッカーネタはタイムリーですが、考えてみると…今となってはむなしいです。
あっさりと試合に出るのがばれて…素直に理由を言えばいいのに。
みんなの応援に「友だちやめたい」と思うの、なんかよくわかります。
この怒鳴り合いは苦笑するほかありません。
ベビーたちも応援する気マンマン…これは可愛いです。で、饅頭は爆笑!そんな実もふたもないことをわざわざ描かなくても…
陽介本気モードのプレイはすさまじい迫力でした。
それを見て、タマちゃんが身を引こうとして…それで陽介本人が初心を思い出し、弱点を克服して…ここは強烈なカッコよさでした。
それで女のところにまっしぐら、じゃボール蹴りたくなる気持ちもわかります。
ここまでカッコイイとこ見せられて、惚れない女はいませんよね。
これから本格的にラブコメモード?楽しみです!

シュガシュガルーン
うわ、引っ張りますね。本当に兄妹かどうかわからない…たとえ血がつながっていても好き、というのはすごい決意…とも思いましたが、「もし兄妹ならあたしたちは恋人どうしにはなれない」と…惑っているようで。
というか魔女たちの世界でもその倫理があるのですか。
確かめられない、でも自分の臆病を自覚しているならまだいいです。
ここからの展開は微妙にもどかしい感じがありました。とても微妙で複雑な策略ですし。
人間は自己顕示欲の塊だというのもそうですね。それとは、無理に戦うより認めるほうがいいですよ。
「おれらの美学が許さねー」はかっこいいです。そして、みんながひどいのではなく自分がある子もいる…
というか誰でも、単純じゃないんですよね。誰にだって自己顕示欲はあるけれど…
ウーが嫉妬に負けて黒を育てていくのも見事な誘惑です。好きな人を守りたい、という当然の善意にも黒は忍び込む…
「それぞれ「自分の役」をいっしょうけんめいやってる…これがみんなが主役ってことなんだ…!!」この言葉は読者のことを思うと本当にありがたい一言ですし、僕自身もちゃんと肝に銘じないと。
ウーとピエールの決闘、そしてショコラのピンチ…まるで掌の上で操られるように、あらゆる心が操作されている感じ…
やっぱりすごい作家、作品です。

ボンボンビザール
厄介なことになりましたね。
「中一に見えないフケ顔」…確かに。
部外者じゃない、といったらまたペースに巻き込まれる…どうしようもありませんね。
で、こんなヤツが、と第一印象で最大限軽蔑させておいて…これはうまい。
ほとんどストーカーですね、これ。
ルー・ダンケの「それは完全に脈なしだな!」は爆笑!ひ、ひどい…
最後にはあきらめられない…あきらめるのはやめた…本物のストー…どっちがいいのでしょうね、諦められなかったら「二都物語」をひたすら夢見て生きていくのと。
誰とも話さない、といってもこれは難しいですね。しかし、もし成功していたらとんでもない形で距離が縮まる羽目になっていたのでは…瞬間接着剤で髪同士がくっついてしまうとか、もっと悲惨で岡田さんには強烈に嫌われる形で。
生水飲むな、という水道の表示にはびっくりしました。
一哉くんの優しさもなんだかほっとしました。
で、向こうでは西山くんが岡田さんに優しくしようとして…はあ…見ていて辛いです。
あれ…はさみがどう恋をかなえるアイテム…まあ察しはついていました。
はさみをプレゼントするのは…なんだか複雑。やはり髪を切って…単に信じたかっただけでしたか。
いや、本当の思いを強く伝えれば通じることもあるのかも…必ず通じると思いこむのは危険ですが。

シャイ・ソウル・ダイナマイト☆
さすがに活きのいい、素敵な作品でした。
増刊の小川さんもですが、こういう弱気な女の子が実にうまい!
コンプレックスは方言…なるほど。この方言が実に生き生きしていて面白いです。
まあ、方言を直すか筆談に徹すればいいのですが…そんな考えをもてるのは他人だけです。
でも外国人に比べればそんなのなんてことない、のですがそうは思わない…まあ自己中心ですが、当たり前なレベルです。
目が合って、彼が必死で話しかけてきて…こうして無口で助けるのはいいですね。
いきなり抱きしめるのはびっくりしました。
すっかり懐かれてしまっての困惑は見ていてすごく楽しいです。それで流されていろいろ教えるのも。
バジルくんがひょうきんな人だ、と人としてもわかっていくところも丁寧に描いているのもいいですね。
で…訛りをそのまま…ジョンと似たようなことに…
教えてもらうのを拒否したジョンのまっすぐな表情もすごく素敵です。
自分でぐるぐる回って、うまくコミュニケーションできない二人も丁寧に描かれています。
「ちゃんとしたことばさしゃべれ」この一言がどれだけ痛い言葉か…コインの両面として、その膨大な心の痛みと引き換えに日本の近代化自体があるのですが…
思い切って漢文と英語を公用語にして方言を温存したほうがよかったのか、いや…それをやっていたらやはり日本は全く違う国…とんでもない階級社会で文化もぐちゃぐちゃになっていたか、または近代化自体失敗していたでしょう。
必死で口をふさぐしぐさなど、思いの強烈さが伝わってくるのがすごいです。
二人で過ごした部屋を思い返すバジルの気持ちもすごくよく描かれています。二人がお互いを深く思って…あ、「瀬田感謝 茶匡」はここでちらっと笑えました。
そして、すごく暗くなったところでストレートに「オラんことキライか」と…あまりにストレートで胸が痛くなります。外国人だから、じゃない…すごく覚悟して言っている言葉です…
全部抱きしめてくれるバジルの言葉に、かたくなな部分が崩れていく…ここは胸が痛くなります。
と思ったらみんなが見ているのは爆笑!すごい。しかも二人とも二人の世界で全然気づいていない、そのなかで「好き」という言葉を思い出せなくてボケの連続からギャラリーの「それはなッ「すきv」っつんだよ」…燃え尽きました。
はあ…とにかくため息、大満足。
すごい作家が出てきたものです。こんなに「なかよし」の未来が楽しみになってきたのは何年ぶりか…

ええと、増刊の予告には全作品出してください。

来月号は、原先生の連載は順当で…川村先生が出てくるのも嬉しいです。
ギャグ祭りに夢水と実に盛りだくさんですね。

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