なかよし2006年11月号感想

付録は珍しく差別化されているのはいいのですが、ブラックライトペンについた注意書きを読むとこれは安全なものだろうか、という気さえします。訴訟対策として詳しい注意書きをつけているだけとも思えますが。
その点を抜きにすれば面白いおもちゃでもあるかもしれません。

作品自体はドラマチックなものが多くなってきています。
ストーリーで勝負するために多くの外部作家、外部原作があるのでしょうか?
読みごたえがあるのはいいのですが、どうも…ストレスがたまる展開が重なると読んでいて疲れるのも確かです。
肩のこらない作品と読みごたえのある作品を交互に並べてくれればいいんですが。

もどって!まもって!ロリポップ(菊田みちよ)ピンクvイノセント(桃雪琴梨)地獄少女(永遠幸)恋愛向上委員会ジューシーフルーツ(有沢遼)オレンジ・プラネット(フクシマハルカ)しゅごキャラ!(PEACH-PIT)スクール×ファイト(原明日美)シュガシュガルーン(安野モヨコ)かみちゃまかりんchu(コゲどんぼ)ふたりはプリキュア(上北ふたご/東堂いづみ)ボンボンビザール(白沢まりも/とおやましゅうこ)ゆめゆめ☆ゆうゆう(花森ぴんく)キッチンのお姫さま(安藤なつみ/小林深雪)予告

もどって!まもって!ロリポップ
旅行雑誌の裏にみるきゅーとの宣伝があるのは苦笑。
寺社めぐりですねるゼロに吹き出すのは可愛い、という想いがさりげなく伝わってきました。
みんなのちょっかいも楽しいです。
旅行での、いつもとは違う組み合わせでの写真はとても楽しいです。
女の子のこういう話…といっても男子もお互い様です。
一年半といっても、その大半は超遠距離恋愛でしたから…
ヨウちゃんの強引な二人きり大作戦は苦笑しました。羨ましいなあ…僕にとって修学旅行は、好きな子が転校していたから死人同然でした…余興の劇で少し頑張ったぐらいで。もし転校していなかったら…思い出したくないことがたくさんあるだけでしょうが。
縁結び神社のおみくじで喜ぶなんて可愛いです。この絵馬はもう転げまわりました!
あまりにラブラブで…
自然にキスしようとしたら真珠のかけらが出て、そっちに夢中…それでニナちゃんは無視、なるほど…それが基本パターンになりそうです。最高。
「あたしより飴石のほうがだいじなの…?」には苦笑するほかありません。
ここで大声で「キスしようとしたくせにっ」はゼロがかわいそうになってきます。
天国の道あんない…ってまたみるきゅーとネタ?
ちゃんと言葉にしてほしい、という要求はちょっと無茶だろ、というのが正直なところですが…やってくれました。
このキスは一生の思い出になりそうですね、これから何があっても…どんな知らせなのか…不安が募ります。

ピンクvイノセント
まさかこのパターンが毎回続くのでしょうか?うわ…
パソコンはそろえ…普通のパソコンオタクならこの状況は天国でしょうけどね。
ロミオとジュリエットに憧れるのを、ストレートに出してしまえるのは普通の子には羨ましいでしょうね。
公開告白って僕の造語では、という気がするのはどこかにおいておきましょう。
この太井くんは今回いい役をしてくれました。
脚本で思い切り遊ぶクラスメート、面白がってますね。シェークスピアへの冒涜なら原文でやればいいのでは?
エアリちゃんのお色気サービスは嬉しいといえば嬉しいですが…モデルという設定がこれからどうなるかも楽しみです。
毒薬作りの悪女は『鉄仮面』(『三銃士』の後日談であるデュマ版ではなく、ボアゴベ作、原題「サン・マール氏の二羽のつぐみ」を黒岩涙香が児童向けに翻案したもの。後に完訳読んであまりのストーリーひん曲げにひっくり返りました…)を思い出させます。
無抵抗のレンジくんをもてあそびたい、というのは過激すぎかも。
頑張るといってこれじゃ意味がないですって。まったくもう…崩れました。
またパソコンが壊れたのは笑うほかないです。もちろん僕のパソコンが壊れたらしゃれになりませんが…。
イヤガラセしてんのかよ、という彼の側の心理をしっかり描いているのは嬉しいです。
練習はちゃんとしている彼女の姿に彼も恥ずかしさに狂いそうになりながら練習、というのはけなげですね…
閉じ込めた犯人は一体どうやって彼がここにいることを突き止めたのやら。
駆けつけてのこの台詞は感動的でした。めちゃくちゃカッコイイです。
毎回パソコンが壊れるのだろうか、と思うと頭を抱えますが…まあいくつでも弁償できますけどね。問題は株のタネ銭を失うことでしょう…インサイダーという悪魔の誘惑が忍び込んでこないか、または…彼の立場だけでも李下に冠を正さず原則で株に関わることは許されない…

地獄少女
ものすごい豪華な扱いですね。
今回の事件については、本人はどうしようもありません。この状況に自力で抵抗するのは無理…わら人形が拳銃代わり、というある意味最悪の状態です。
むしろ先生が虐待に気づかなかったことが問題でした。
前半の幸せな感じと後半での異常性が凄まじかったです。悪の妄執もよく描けていたと思います。

恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
やはり来月で終わりというのは実に残念です。「わんころべえ」に並び、「なかよし」の大切な良心だったのに…
直接読者に会って、というのはこれまでなかったことが不思議なぐらいでした。
有沢先生自身が動き回っているのが楽しいです。
それぞれちょっと厄介な状態で、僕までこの相談の場にいるような親身な感じがしました。

オレンジ・プラネット
いきなり二年も…その間太郎ちゃん何をやっていたのでしょう。さぞ中途半端な想いだったでしょうね。
ある意味新しい状態ですね、そしてついに告白?
と思ったら…とんでもない誤解になってきましたね、というかるいちゃん、気づいていなかったとか?
確かにいきなりそういわれたらヘンな人、としか思えないですよね…
一体どんな運命が待っているのか…いろいろとためてくれます。

しゅごキャラ!
こういうピンチがあるとは…しかし、なぜか理性を保つのが辛いほど不快感と怒りを感じました。
この守護霊占いはすっかり目う物ですね。
人形を貸しておけばよかったのでしょうがね。
この着替えシーンは…ちょっとサービスにはなりません、対象外。
ブラに憧れるのも微妙な心理ですね。
プラネタリウムの管理人と王子の関係も面白そうです。
いきなりのキャラチェンジでとんでもないことになってきました…
しかし、なぜ卵をなくされたという時点で、仲間と相談しなかったのでしょう。先生を疑うことができない…と「地獄少女」じみた話になってきましたね。でも探すときには仲間の支援が必要でしたよ。
三人とも抜け出した、とばかり思ってしまうのも頭を抱えます。
「知ってるようでいて知らんにゃー」というのも意味深です。
路上ライブの中からこの切ない音が聞き分けられる、このシーンはすごく素敵です。
胸に手が伸びるので「胸がはじけちゃう」という感覚はドキッとしました。彼が無神経に手を伸ばせるのは彼女を子供としか思っていないからでしょうが…
このシーンの色々な、非常にエロティックな言葉やしぐさは頭がくらくらしました。
確かにエロガキですね、これ…
二人の小さな演奏は胸が痛くなるようです。
そんなときに…確かに夢の卵を狩るにはここはいい場所でしょうか。
この絶体絶命はよくできています…助けられるのは一人だけですね。
仲間に携帯電話で連絡する、という手があるというのは禁じ手でしょうね。
しかし…この作品で思うのですが、夢を追う生き方はリスクがあります…千人に一人のかなう人以外999人はどうなるのか、という。
夢破れて死んだ目で生きるか、それとも夢を追うことに依存して同じく壊れた状態になるか、その二択しかないのでしょうか?
別の、夢と同じぐらい自己実現になり、しかも生活・家族もちゃんと支えてくれる道はないのでしょうか…残念ながら今は、一度夢追人=フリーターになったら正社員への道が閉ざされるのでとても難しいのですが…
それを考えてしまうのが、この作品の嫌な…そして真実でもあるのかもしれません。

スクール×ファイト
テロさえ体制の一部となってしまう、というのが体制の怖さですね。
毎日登校すること自体に気合を入れなければならないというのは…まあ気合を入れてもこれですが。
そして他のクラスメートも、0組にいることにさまざまな事情がある…そうですよね。
一人一人にどうやって血を通わせていくか、まあ実力はわかっていますがお手並み拝見です。
高品くんには仲間意識はないのでしょうか?
警察の捜査として考えれば、この証拠では明らかに不十分ですが…
アリバイは聞いてもらえなかったのでしょうか?
0組は完全に、証言が信頼できないとみなされている…そう考えると裁判にならないですね。
犯人じゃないとわかってるけど、ゴミを排除するきっかけ…といっても、0組が全員退学になったらそれはそれで困るのでは?江戸時代の被差別部落民のように…
高品くんの動きは面白いですね。図書室で何をしようとしたのか…0組に落ちてる、という現実を知らせる必要は確かにあるでしょうね。現実を知らせることができないというのも不信の反面…とまた「地獄少女」の心理になっていますが…あ、この学園ではしょっちゅう行方不明が起きていそうですし0組には烙印が押されてる子がたくさんいそうです。
自分で決めたから受け入れる、という強さには胸を打たれます。
「あたしの負けは自分の気持ちにウソついたときだけなの!」という言葉は連載の一番最初を思い出します。
真犯人を使って今度はどう彼女を追い詰めていくか…楽しみなような恐ろしいような。

シュガシュガルーン
ポワーヴルと女王の会話はちょっとした清涼剤でした。すごくさわやかな感じです。
王国内の対立がこれからどうなるかも楽しみですね。
これからは猫に要注意、というかこれまでを見直すのも楽しそうです。
目を覚まさないピエールに対する悲嘆…ソールの冷静さはすごいです。
それでグラース大公に、ってなぜ大人と連絡を取らないのでしょうか。あまりにも彼女たちは大人の支援を無視しすぎています…ダンブルドア校長式余裕かとも思いましたが、ダンブルドアだって『炎のゴブレット』では隙を突かれて生徒を死なせています…
バニラちゃんがウーに惹かれているというのは意外でした。
裏というのはそういうことですか。この旅はとてもスケールが大きく、これからの冒険を楽しみにさせてくれます。

かみちゃまかりんchu
花鈴ちゃんが疎外されるというのは…考えてみると当然ですよね、あれだけ美少年独占して、しかも言いたくないというか覚えている読者はいないでしょうが育ちも違いますし…
ウェイトレス姿のかわいらしさはさすがです。
烏丸…え、キリオの妹?
カオスの種が憎悪を増幅する、というのは胸が痛いです。
一人で全部やる羽目に、というのは覚えがあります…そういうときに限って客が来るんですよ。思い出したくもない…はは。
誰も助けがない、それで子供の団体に外国人の団体…悲鳴上げたくなります。
ミッチーの助けはありがたかったですね。
かわら割りなんてしている余裕あるでしょうか、というのは気になりますが…
あ、みんなと話していないことにここで思い当たるのは嬉しかったです。
王者降臨は、本人さぞ恥ずかしかった…あ、イメージ映像でしたか。
みんなとの和解もとりあえずは嬉しかったです。まず謝ったほうが勝ちですね。

ふたりはプリキュアSplash☆Star
そうなんですよね…筋トレは。でも毎日だと疲れがたまるので、週一日か二日は休むこと、毎日違う筋肉を集中的に鍛えること、無駄に根性を追求せず水分・塩分補給はしっかりすることなどは覚えておきましょう。
あと足首を固定しないシットアップはむしろマイナスです…ここでやっているのはクラッチでしょうか?それならいいのですが。
確かに苦しいときに耐えることも大切ですけど、体を本当に壊さないように注意するのが難しいですよね…
そしてこの怪しい影の鍛え方は…星闘士?
この絵はどう解釈されるでしょう…
これが最後の戦いというのもちょっと寂しい気はします。
いきなり堂々とやってくる敵というのは爆笑しました。「思いだけでは望みはかなわん」…確かに努力も必要ですが…
女の子にとってはこのタイプは大抵不気味なんですけどね。
まあここまで正々堂々としていればいいですよね。騎士道精神もあるのでしょうか?
衝撃で岩が溶けるというのはすごい…ウヴォーギンとなら気が合いそうです。
しかし、ここまでの筋肉を描ける作家が少女漫画というのももったいない気もします。
「思いだけでは望みはかなわん」というのはある意味真実です。少なくとも筋肉は努力でつくものですから、生まれつきが違うというメッセージほど残酷ではないです。
満と薫、そして腹心と思えた存在の裏切りの予感…そしてキントレスキーとアクダイカーンの圧倒的な力と色々楽しみです。

ボンボンビザール
恋心が理解できないベベの性格描写が光っていました。
ななみちゃんの決意は胸を突かれました…想いが通じなくても、という覚悟があれば…そこまで恋心が、いや人間として成長していなければ告白する資格なんてない…
王宮の判断もドキドキさせました。「ななみが黒魔法なんて使えっこないって」というのも気になります。
ベベの一哉への感情はちょっと意外でした。
恋心が不思議…でも、それも現代でも世界の相当部分、そして歴史の大部分では恋など存在しませんでしたしね。
ウルフの魔法は地味ですがしっかりしていて、結構スリルがあります。
おまじないでそこまでの魔法になるというのはすごい…
ボンボンビザールでウルフの想いが出てきてしまうのはうまいです。
この山小屋の雰囲気がよすぎるのは吹き出しました。
この雨どいは何でできているのでしょう…金属?プラスチック?

ゆめゆめ☆ゆうゆう
妃女の言動の一つ一つが悲鳴のように感じられてしまう…
陽の世界を潰す、って陰陽は表裏一体ですから、どちらも壊れてしまいますよ?全てを壊してしまいたいということ…
他人のことを考えられる、というのを強調し、また烈火の過去も…うまく色々なココロの柱を組み上げています。
「だれかをギセイにするんじゃなくて」…人間はそれができる生き物じゃないと思うのですが…実際、地球の限界が見えたら人類はどれを選ぶのでしょう。大半を殺すか、それともみんなでうまく頑張るか…
烈火が弱っていくのを描くのも丁寧に積み重ねていますね。
月の誘惑、目的は一体何か…この儀式の失敗はどういうことか…
陽の麒麟の絶望にはどうしようもないほど共感できます。
欲望と恐怖が支配する世界…いっそ滅んでしまえ、という思いも。
優女ちゃんの言葉も伝わってきますが、それでも絶望のほうが大きいのも事実です。
あ、「愛」と「希望」にもう一つ「信仰」という要素もあるはずですが、今はその信仰がマイナスになっているように思えますね。そして、残念ながらこういう作品で信仰という要素は出せませんし。
妃女が烈火を殺そうとし、烈火がそれを受け入れる…ここも悲しさではじけそうでした。もう一つ陽の朱雀を捜すという手もありそうですけどね。
死の知らせは本当なのか…

キッチンのお姫さま
やられた!「空をかえしてくれ」の一言だけで、悪役に血が通い…作品全体に血が通ってしまう…本当に恐ろしいコンビです。
あまりにも残酷です。
この葬式は感情を凍らせずにはとてもいられません。
学園葬というのも残酷ですね…
人のせいにする、というのは悲しみのとても安易な逃げ道です。誰もそれに気づかないのか…
コンクールがだめだった、というのも残酷すぎます。
約束も守れなかった、そして…理事長の言葉…いっそ利益しか考えない、邪悪を形にしただけの機械だったらどんなに気が楽だったか!この理不尽な言葉が、彼が人間だと…どれほど空を愛していたかを教えてくれる…そして簡単なことも思い出させてくれます、人間でなければ悪になれるはずなどない…
皆の憎悪の視線も凄まじいまでです。
大地の言葉も逆効果なのが辛いですね。そう…結局は、ナジカちゃんを利用しようとした理事長が因果関係を言えば一番の…
大地が空先輩の代わりになろうとしているのも、見ていて切ないです。
茜ちゃんの励ましはすごく嬉しかったです。
味覚障害について調べてくれた、というのも嬉しいです。
自分を捨てるのが義務、というのも、他に選択肢はなかったのかが疑問です。
もしこの兄弟がともに協力的だったら、どちらもそれなりに自由もあったでしょうか?
「なにもかもすてて親父のいうとおり生きる」というのは彼にとっては死よりも辛い…僕も根が反抗的な人格ですから、それがどんなに辛いかは痛いほどわかります。
それすらも無駄で、どこに行ってしまったのか…
あまりにも残酷、と繰り返すほかありません。
本当にすごい作品です。

来月号も新連載や読みきりがなく、簡単に言えばあふれている連載のローテーションになっている…う〜ん、一つ一つの作品がいいのはわかりますけど…どうなるのやら。
今月号は多くの作品がストレスのたまる展開でしたから、すっきりさせて欲しいです。期待しています!

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