なかよし2005年冬ラブリー感想

表紙をめくると、いきなり変なものが目に。
僕はレイザーラモンHGという人を、私的にはもちろんテレビの公的人格も知りません、最近ほとんどテレビを見ていないので。
でも子供向けの本に出てきて望ましいキャラではないことは、第一印象でわかります。

セレブ特集で心配していましたが、もうラブリーの作家陣を信頼したほうがいいようですね。
全体に本誌連載番外編が多かったのが少し残念ですが、おおむね満足できました。
しかし、他のテーマでもそうですが、ネタが極力かぶらないよう様々な切り口から切っています…が、それは編集が配分するのでしょうか?それともかぶっていたらいいほうを採用していけば自然にこうなるのでしょうか?ま、どうでもいいですね。いい作品が読めればいいんですから。

雪が降ってきた(水上航)ママコレ番外編(遠山えま)セレブな彼女(川村美香)お嬢さまはいかが?(咲良あさみ)ビフォア・アフター(有沢遼)みるきゅ〜と番外編(菊田みちよ)クリスマスディナーは恋の味(さくや一歩)ふたりの王子(山田デイジー)ワガママなLOVE(ゆみみ)トモダチ番外編(原明日美)シュガシュガルーン番外編(安野モヨコ)王子様のつくりかた番外編(桃雪琴梨)地獄少女(地獄少女プロジェクト/永遠幸)あたしはパンダ!!(高上優里子)ぴよっこ・ガーデン(猫部ねこ)私立ヤバスギ学園(恵月ひまわり)バスルームvシスターズ(姫宮ユイゴ)少年少女大戦争(原田侑果)キャンディーズ★(とぐさ壱耶)ふしぎなミルコットン(美麻りん)圧縮エモーション(瀬田ハルヒ)しろいそらあおいそら(山名沢湖)いちご姫とバラ王子(福田リンコ)ラビット・ホップ(葉山清加)

雪が降ってきた
女の子には誰にでも夢がある、舞雪ちゃんの夢は静かに雪が降りしきる中ファーストキス……
その夢の一歩、まず兵藤雄大先輩に告白する!でも取り巻きに潰される毎日…そんな時、ラブレターを拾った雄大先輩の親友、仙台先輩が手紙を添削してくれ、いろいろアドバイスをくれることに。
その仙台先輩がすごい大きな家の人で、早速お弁当に挑戦!その他すごく真剣にスパルタコーチをしてくれ、あまつさえ経験地を上げるため学校でカップルのふりまですることに…
定番定食、でも「どっちの料理ショー」に出てきそうな極上の素材と包丁の冴え…やっぱり水上先生の読みきりはすばらしいです。まあ、コーチ依頼を承諾してもらった時点で、もう話は予想できましたが…想像以上のおいしさで大満足でしたよ。
先生かと思ったら友達、というアキちゃんがいきなり楽しい。仙台先輩に大興奮しているのも。隠れファンって自分がそうでは?ちゃんと他のモブの子も興奮しているのはさすがですが。
人のラブレターを開封して添削するなんて…ま、いいきっかけです。筆ペンは、使っていいのはある程度以上毛筆でうまい人だけでしょうね…「女の子らしくかわいい色ペン」というのが少し意外でした。万年筆のほうがしっかりした印象になりますが、やはり女の子らしさのほうが優先…古風ではなく、ちゃんと現実的な感性もある、ということですか。
強引なコーチ依頼は呆れましたが、すごく面白い感じです…仙台先輩の舞雪ちゃんへの第一印象を非常に低くしているのも、逆に仙台先輩の側の気持ちの変化がうまく描けていてすばらしいです。
「キョドるな」という言い方がなんだか面白いです。
お弁当…あきれ返っている仙台先輩の気持ちがえらくよくわかって、この試食シーンはなんだか楽しい。
見た目はすごいですね、これ…「うまくいったらおれもコーチをやめていいな?」と、ここでは真剣にやってはいますが嫌がっているのがよくわかります。読み返すと、それがどう変化するかを思ってちょっと気の毒にさえなりますね。
こういうすごいところがあるんですね…というか「おれの同伴がなきゃまずきみは入れない」という言葉に、腹が立たない方が不思議です。
雄大先輩はこの時点では、ただの軽い奴かどうか区別がつかないのもいいです。
やっとコーチ卒業と思ったらいきなり抱きつくとかに…引き込まれていく仙台先輩の心の動きがうまい。そしてその、熱く語る想いに、「きみに思われるやつはしあわせだな」と…なんていい言葉!
ここで一番内心のところで、二人とも好意が芽生えている…それを見事に暗示しています。
それが、コーチをこれまで以上に真剣にやるという方向になり、しかも…それが経験地を上げるって!
頭抱えてのたうちまわりました。禁断の想像はともかく、もう…どうなるかは目に見えて…と思ったら、ページをめくったら予想以上のことをするんですもの!手をつないで登校なんて。
みんなそれは怒りますよ。さらに雄大先輩にも近いときたら。すごい状態ですね。
そして、コーチのはずがだんだん仲良くなっている…口を開かせてじゃれあっているのも見ていてたまらないです。
しかし、この本…こういうことを本で勉強してコーチする、というのがなんだか…
近づいて、突然彼が目をあけてドキドキして…この内心で想いが転換し、それに気づき始めるシーンもいいですね。
そして雄大先輩が…まだここでは雄大先輩を信用することはできませんでした、単に人のものが欲しくなるタイプかな、と。
ここで、仙台先輩の「雄大の好きにしたら」で…彼も自分の想いに気づき始めている、ここの表現もいいです。彼の側の想いもうまく描けていますよ。
そして…いきなり「コーチはおわりだ」に、その喪失感と…冷静に彼女のプラス面を語ってくれて、成長したありのままを肯定してくれる…このシーンもいいです。どんなふうに仙台先輩が、始めの軽蔑から好意に、そして秘めた恋に変わっていくかがぱあっとわかりました。
そして…雄大先輩が結局いい人だった、というのがすごくこの話をよくしてくれています。
先に二人の想いに気づいていたのは雄大先輩だった…あ、雄大先輩から告白したのも、仙台先輩に舞雪ちゃんとつきあう許可を求めたのも、全部承知で二人の背中を押したようですね。うわ〜っ、すごい。
二人のめちゃくちゃな行動、いきなりのキス…これはもう頭がパンクしました。すごい。
押し流されるような熱い想いと幸福感…最高です。いやごちそうさまでした。

ママコレ番外編
1考えてみると、この体型はむしろ寒い地方向けかもしれません。まあ楽しいのはよく伝わってきます。
2みんなの四コマはとても楽しいです。陽介くんがかまって欲しいのは楽しい。
3カフカ…?まあ、みんなが変身しているなら大したことではないですね。それぞれの特徴がちょっとしたアクセサリーで出てしまうのはいいです。
陽介くんの夢も…はは。

セレブな彼女
人気アイドルのYOUと愛が熱愛?との報道に大ショックな、「YOU」ファンのしーなちゃんとメイクアップアーティスト志望のまおちゃん。二人で暴走していたら、まおちゃんがしーなちゃんをかつらとメイクで愛そっくりにしてくれて…そのことを忘れて愛とYOUが組んでいるポスターの前でぼんやりしていると、いきなりリムジンに引きずりこまれ…そこにはYOU本物!彼女を愛と間違えて、愛ちゃんがお膳立てしたデートに連れて行かれることに。違うと言おうとしても彼聞いていないし、何から何までやたら豪華だし…せっかくだから、お姫さま気分を…
発想がうまいです。アイドルとデートすることに、というのはある意味定番ですが、入り方も新鮮ですしドキドキより生活水準の違いを強調する…アイドルは当然セレブでもある、というのも新鮮な切り口です。
車に引きずりこまれるのはちょっと違う意味で危険な始まり方でしたが…いきなりこれにはびっくりしました。
ぜんぜん聞いていないマイペースのYOUがまた天然で面白いキャラです。というかマネージャーも聞いていないのか…
いきなり高級感のある店に…あこがれて喜ぶより、むしろおびえているのがかわいいです。
まちがいだといおうとするたびに、ドキドキで吹っ飛ぶのが面白いですね。
しーなちゃんが庶民感覚丸出しで、この状況に全く順応しようとしていないのも好感が持てます。
というかこのドジで気づけって…はは。本当はここで気づいていたんじゃ…
お姫様のふりをするなら、豪華な雰囲気にも順応して…できるわけないですよね。緊張してパニック状態で、地が出まくっている…この庶民ぶりはまた頭抱えたくなりました。
ちゃんとあわせてくれるYOUも紳士ですね…彼のいい部分を私的にもわかって惹かれていく気持ち、そして本当にデートをアイドルどうしでもアイドルとファンでもなく、男の子と女の子として二人とも楽しんでいるのも伝わってきます。
それから花火、本当に夢みたいという思いがすごく伝わってきます。向けられた恋心にYOUがドキッとするシーンもいいです。
ここで海に落ちて正体がばれる、というのも…とっさに飛び込んでくれるのも素敵でした。というか舳から落ちたら…停泊中なら艦首波に巻き込まれることはないですね。
飛び込んで助けるのは自分も危険なので…船には、描かれている縄付き浮き輪がありますので現実の場合はそれを投げるだけにしましょう。
で、こう抱きしめて、本当に今気づいたのでしょうか?あやしいなあ…
このくすぐったいぐらいのハッピーエンドも素敵です。
本物の愛ちゃん…このわがままなデートプランで、本気で落とすつもりだったのでしょうか…

お嬢さまはいかが?
お金持ちのお嬢さま、でもそれは反面すごく不自由ということでもある…奔放な瑞季ちゃんには不満の方が多い。
そして反省のために部屋に閉じ込められることになり、家庭教師が来ることに。その家庭教師(若い男、若林洋平)はいきなりくだけすぎて不良じみた態度になるし…
さらにお見合いまで!もうやだ、脱走する!

これもうまいピースですね、生まれながらのセレブの側から…厳しい躾は当人にとって、自覚がない限り地獄の檻でもある、と。それもある意味ノーブレス・オブリージュのうちなのですが…
冒頭からすごいことになっていますね。すごくわかりやすいです。
問答無用で暴力で支配しようとしてきた…逆にそれと相性が悪く、余計に反抗心しか産まなかったのかもしれません。
若い男を家庭教師として入れたこと自体、僕は間違いだと思いますが…年配の女性だったらどうやっても反抗心を強めるだけだったでしょう。
というかこの家には父親や祖父母は不在なのでしょうか?
若林先生の恐ろしいまでの美貌と、崩れ方のギャップがすごいです。
うさっぽんやピロン吉は…単純に精神年齢が幼いだけでしょうか?そしてなぜゲームに流れていないのか…ゲームは与えられていなかった?
「一人じゃシャンプーできない」というのがなんというか、いかにそれまで使用人には甘やかされてきたかわかります。「メイドの冬子さんとできとることバラすからな」が笑えました。
この見合い写真は笑うほかないですが…
で、脱走といっても…まあ子供はそんな後先考えていないものです。助けてくれるのもいいパターンですね。
一人で外に出たのも初めて…それまでどんな生活だったのやら。こうして閉じ込められる前も、事実上子供部屋に閉じ込められていた状態だったのでしょうか?学校は車送迎?全寮制学校に行っていたなら、ちゃんとしたところであればシャンプーも自分でできないというのはありえないです。
完全に他者が存在しない、全くの野獣の自由は…あこがれる思いもあるでしょうが、むしろ悲惨にさえ思えます。
あれがほしい、とただ何も考えずにクリスマスツリーの星を見る…これ以上ないほど子供らしい衝動ですね。あ、子供時代が与えられていなかったから、逆に子供のままだった…?
このツリーの星をとって、初めてなぜいけなかったのか怒られて…やっと田村ちゃんや親にどれだけ迷惑をかけてきたか気づいて…この、自分中心の世界からの転換はすばらしい説得力です。
このハンバーガーも彼女にとっては…本当にそれまでどんな生活だったのやら。
二人の心が近づいていくのもうまい描写です。
そして…まあこの騒ぎになるのは…というか、まあ母親の人選がよかったのか悪かったのか。彼女に大切なことを理解させることができたのは彼だけでしたが、逆に若い男ということ自体が問題ですから。でもすごく心の痛みが直接伝わってくる描写です。
それで大きく人間が変わった、そこもさりげなくですがよく描かれています。
お見合い相手の正体は予想通りでしたがすごく嬉しかったですね。
非常にうまく成長を描いた、すばらしい作品でした。

ビフォア・アフター
ぜんぜんおしゃれに気を使っていない妃呂ちゃんが雑誌広告のモデルに?でもそれは美形で金持ち、憧れの桜井先輩が、家がやっているエステサロンの宣伝に変身前と変身後を比べる企画だった。腹黒い友達にはめられてとは露知らず、自信のない妃呂ちゃんはすごく落ち込んで…
これも、セレブ…反面として格差社会という社会問題の根底を突いたすばらしい作品です。「下流社会(三浦 展/光文社新書)」で下流の条件が、収入の低さよりむしろ意欲のなさにあると喝破されました。逆に、少しでも前向きな態度があれば這い上がることができるということでもあります。
冒頭のこの企画はわかりやすいですし、オクヤマの腹黒さもいい香辛料です。
確かにこんなところ、セレブでなければ入れない…今の子供や若者に、どれぐらいそういう階層意識は定着しているのでしょう。
いきなりガラスにへばりついているのはすごいです。
男なのにオシャレに目ざとい、ストイックを通り越してぶっきらぼうな態度と観察力の対照が面白いです。
いきなり大声でスリーサイズはおろか…それを冷静に「棒だな」の一言で切り捨てるのがすごい。
このマッサージも面白いですね。きちんと説明があるのもいいです。
これを全部見られていたとは…それは恥ずかしい。
見なれてるというのも過激な言葉です。
で、この陰謀…人を過小評価しすぎてますね、妃呂ちゃんも桜井先輩も。
高級服でビビっているのも気持ちはなんとなくわかります。そして、ここから「どーせ」というこの作品のキーワードが出てくる…これがすごく共感できます。自虐的になる思いとそれに対する軽蔑と怒り、この対立がすごく伝わってきます。
どーせの連発に、頭ごなしにではなく「息子だからってテキトーに手をだせるほど甘くねーよ」と、むしろ努力があったことを強調する…そう、格差社会の本質の一つが「希望格差社会(山田 昌弘/筑摩書房)」という書名が示すように最上層だけが希望をもって努力し、中流の多くが「どーせ」と希望を失って努力しないことで下層に落ちていき、それが社会にフィードバックして格差が拡大していく悪循環…格差の存在自体は変わらなくても、全員が努力していれば国自体が向上するし最低層の生活レベルも大きく向上するのに。
小さいヤル気を評価してくれていたのに、それが軽蔑に変わってしまう…それがたまらんく辛い、という妃呂ちゃんの気持ちも強く伝わって、胸が締めつけられるようです。
それに「「わたしなんか」ってゆーな!!」が気持ちいい言葉です。
逃げず、「もう「どーせ」なんていわないから」と、前向きになるのも少しずつなのが…それが一気に、見たいい服をどこで買ったのか見ず知らずの人に聞くという大胆で正しい行動をとる、それに桜井先輩も見直して、とこの二人の心の変化がいいです。
この変身もすばらしい描写でした。まさにビフォアアフター。
この腹黒ズ、今更出てきても…といっても、この誤解が笑えましたね。「この時点の」を聞き逃して「ダメだな」だけ…ここで逃げて強引なキス、そして…愛情のこもった抱擁、とろとろしてきちゃいます。
本当に見事な作品です。欲を言えば、少しでもよくなろうという前向きな姿勢はオシャレだけでなく、基本的な生活習慣…朝食をちゃんと食べて間食をせずジャンクフードを避ける、よく運動して夜更かしをせずよく眠る、単純に挨拶や笑顔から始まる礼儀や身だしなみ、そして勉強や教養も含めて欲しかったですが。

少女天使みるきゅ〜と番外の書
連載開始早々カルトクイズとは。
僕もこのすごい服はチヤ子さんだと思いました。
一体何がなにやら、というのが正直なところです。まだ本格的にキャラが出揃っていないので、番外編の感動話はこれからを楽しみにしましょう。

クリスマスディナーは恋の味
全員フリーの図書委員会で、イブだけのカップルをくじ引きで決めようと委員長のお嬢さま、伊集院優梨子が言い出した。もちろん狙いは主人公の真名ちゃんもあこがれている向山比呂先輩。でも彼が、細工入りくじの9と6を読み間違えて、しかも高級クリスマスディナーの券まで運良く入手!でもテーブルマナーの壁でさあ大変…
絵の感じなどはいいところに落ち着きました。ギャグ顔と丸っこい可愛らしさのバランスがよく取れていて、とても表情豊かです。
いきなりすごい顔で主人公が出てくるのがまず笑えました。
この企画は実際ありがたいかもしれません。僕も図書委員のときやればよかったかも。
伊集院、比呂両先輩の描写もなんだかすごいです。主人公の影が薄すぎるぐらい…ヘタレ主人公とありますけどね。ここからすっかり面白くなっています。
9と6の読み違いはうまいアイデアです。
こういうことや、たとえば1を簡単に7にでも9にでもできるというのがアラビア数字の欠点です。もちろん漢数字も一を簡単に十にでも何にでもできるので欠点は同じです…逆に消しゴムがなくても間違いを直せるので便利でしたが、それも特にテストではより大きな間違いに結びつきやすいんですよね。理想的な数字というか数の表現法(何進法かも含め)を無から…歴史を無視して数学の本質だけから考えるのは昔からよくやる暇つぶしですが、回転対称性や変更可能性を排除してしかも書きやすく覚えやすい、分数や指数、複素数表現もしやすく誤解の余地がなくコンピューターで一意的に読み取りやすい…ううむ。これは自由研究としても面白いですよ、小学生から数学基礎論の専門家まで誰にでも楽しめます。
優梨子様と幸運…な九番男子のコンビも期待できました…結果は…かえって面白いかも。
あ、夜ほわんとなっているところがすごくかわいい。
しかもそれが、姉が暴走するような高級な…というかネットでテーブルマナーを調べて予習しておけばよかったじゃないか、といってしまうと身もふたもありませんね。
二人ともよく決めています。ドレスコードで門前払いにならなくてよかったですね。
いきなりこけそうになって抱きとめられて、シンデレラ気分がすごくよく伝わってきました。
それがわかっていて「きょうだけ彼氏」と強調する切ない思いも。
で、もう一組も変に暴走していますね。
この空気に落ち着かないのもよくわかります、特に予習がなかったら。あ…そうか、こういってはなんですがテーブルマナーに不慣れ、男の子がそれに合わせてくれるという点では偶然重なっている「セレブな彼女」は話の筋から予習が不可能だから、このツッコミが入る余地がない…なるほど。
優梨子様の暴走も見ていてすごく楽しいです。バラを噛みちぎるところなんか華麗でさえあります。
いきなりナプキンをこうして首に、というのがいきなりすごく子供っぽいしぐさになっています。先に周りを見てみればよかったのですがその後の失敗も、終始先輩や回りの真似をしていれば…あがっていてその余裕がなかったのでしょうね。素直によくわからないから、と先輩に聞いてもよかったのですが、それもまた恥ずかしいでしょうし。
しっかり合わせてくれる先輩の紳士ぶりにはびくうっと電流が走りました。ガーター勲章のエピソードさえ思い出しましたよ。
そこからの間違いのエスカレートは、もう頭を抱えるほかなかったです。
優梨子様まで合わせることはないのに…苦笑するほかありません。
で、いきなりパートナー交換を迫る優梨子様にもまたちょっとパニックになりました。
悲惨なのは兄…「あのーオレの役回りって」と自覚しているところがまた笑えます。
雪の中で呼び合う、このふわっと包み込むような暖かい感じは何とも言いようがないほどすばらしいです。
本当は彼もちゃんと予習してきた…でもそれにこだわらず、あくまで彼女に合わせた紳士ぶりには脱帽です。
最後のラブシーンもあったかくてよかったです。
どう比呂先輩が真名ちゃんに惚れたのかが伝わりにくいのが惜しかったですが、すごくじたばたほっこりできた、楽しい作品でした。

ふたりの王子
女子にすごくもてる王子様こと渡辺さんに、もう一人の王子様で渡辺さんが密かに好きな人、本田くんが告白してきた。
でもそうなってみると、つきあうということがわからない…

ちょっと今回はドタバタ風味で楽しさ優先ですが、さすがに切なさや暖かさも最高です。
冒頭のお姫さま抱っこは確かにカッコいい男役です。
もう一人の王子というのもいい…彼だけはちゃんと女の子扱いしてくれている、というのもなんだかいいです。
つきあうとどうなるのか何もわからない、というのもむしろ可愛くなってきました。それを楽しんでいる本田くんの視線も面白いです。
部屋だけはかわいい、というのがまたすごいです。
お互いにあまりベタベタできないタイプ…それはそれでいいのでは?
待ちぼうけを校舎から見ている本田くんには戸惑いました。読み返してみるとなるほど、です。
雪の中、相変わらずもてている彼に独占欲を素直に出せない、この心情もなんだか悲しくなります。
追いかけてくれるのも嬉しかったでしょうね。
そして、「カッコイイね」といってくれて、それが「かわいい」とも…どちらもいい褒め言葉には違いないですが。
少しずつ女の子らしくなっていく…ここで、カモフラージュという真相のショック!ここでドアを蹴りあけるのはまさにカッコいいです。激しい怒りの啖呵も心地いいほどです。
強引に抱きしめてかきくどくのもいいですね…目をそらしているのも罪悪感と熱い思いが伝わってきます。
お姫さま抱っこも素敵なオチです。

ワガママなLOVE
とってもわがままでいつも彼氏の響くんを怒らせている愛姫ちゃんが階段から落ちて、いきなり違う制服の女の子がすぐそばに見え、消えた。
その夜、その子…幽霊の早苗がまた現れて、とりついてやる、あの男とも別れさせてやる、と…

うわ、早苗ちゃんの気持ちわかる…まあこの年になれば、女の子のわがままは可愛いものですが。
絵が微妙に成長して、すごく表情豊かになっています。キャラの個性がくっきりしているのもいいですね。
ううむ、散々わがままいって怒らせて、それでうるんと「手ーつなぎたいのー」…かわいい。天然悪女ですね。
と思ったらまた台無し…「あたしより仕事のほうが大事なのね」ってそれ大人の台詞では?
すごく自己分析が多いのも面白いです。
階段から落ちて、このあとはお姫さま抱っこで保健室?いや〜ん。
早苗ちゃんの制服はこの学校の昔の?わざわざ絡んでくることないのに…前からこのカップルにつきまとっていたのでしょうか。
「だって響はあたしのこと大好きなんだもん〜」は呆れて言葉を失いました。すごい。切れる気持ちわかります。
結局とりつかれることになって、…一々「それって「たまにはきげんとっとこー」ってやつ?」と分析されるの、これが愛姫ちゃんにとってどれほど嫌なことか、それはよくわかります。一々分析の刃を刺されたら人間何もできません。
「響がかわいそうだから」…と、こういう言葉だけ見ると、もしかしたら水子の響くんの姉だったりしてなど色々想像が膨らみます。
あ、「あーあ カノジョきちゃったよ」という女の子の反応で危機感を…でもせっかく持ってきたコーヒーを飲んじゃってただ怒るだけじゃ、男の子にはどうしていいかわかりませんよ。
「つうか愛姫は〜いつも強い」というのも、本当に腹に据えかねた本音だったのかも。逆にそれでこう爆発されるんじゃ、どんなに好きでも…もう爆発しそうです。
これで「メールも電話もないしっ響のアホ」じゃ、早苗ちゃんが怒るのもわかります。
自分でも自分が…こうして自己分析するとすぐ落ち込むスパイラルになって、それがますます響くんを困らせる悪循環に…ずっとこうだったのでしょうか。
で、やっと早苗ちゃんがこうして行動を起こして…さあて楽しみ。期待通りですね、この素直な謝罪は…他人だからこそですが。
愛姫ちゃんが気づいてもらえない寂しさから早苗ちゃんの思いもわかる、というのも面白いです。
死因は単に交通事故でしたか。
響くんにとっては今の、早苗ちゃんの方がいい…でしょうね。
でもこうして「どっちが好き?」なんて、別人だとばらしているようなものでは?
で、いくらなんでも響くん突き落とすことはないのに…。
いきなりどうでもよくなって消えてしまいましたね。
それに、何か感じが違うということはわかってくれていましたし…やはりラブラブで、ちょっとばかばかしくなってしまいました。
ま、早苗ちゃんが怒るのはわかりますよ…
なんともいえない楽しい作品でした。

トモダチ番外編
正直どなたですかこの可愛い子は、というのが第一印象でした。
やまとのラブレター…確かにやまとというのは男女兼用の名前ですね。
それをからかっているのもいい悪女ですね。
昔の回想シーンで、にらんでいるのは泣きそうなのを我慢しているとわかる…なぜみんなはわからないのかが不思議です。泣くのを我慢したことがない子がいるはずはないのに。
教師が自分が面倒なことを人に押しつけて、というのも頭が痛くなります。
やっと彼女の前では泣くことができた…そうやって、なんとかみんなの中に彼女を入れようとするけれど…なかなかうまくいかないのが見ていて辛いですよ。
逆にやまとちゃんが、自分の取っておきの場所を示すのも二人の違いと心の通い合いがわかっていいです。
といっても立つのは危険では?
雪の中手をつないでくれるシーンもいいですね。寂しさを言葉にしなくてもわかってくれる…でも、反面お互い「言葉にしなくても」に甘えすぎて、互いにそばにいられなくなってからすれ違ってしまったのかもしれません。離れたら言葉しかないのですから。
会いたいのに電話できず、結局一人で泣いてしまうのも後のことを思い出して悲しくなります。この頃はそばにいたから、こうしてやまとちゃんがサンタさんになることができたのですが…
「やいてんの」という台詞もちょっと痙攣しました。で、このぶち壊しも…烈も変わってませんね。
そしてこの手紙というか…さぞ郵便局も大変だったでしょう。
というか、この幸せそうな笑顔を見ていると後の話につながりませんよ。

シュガシュガルーン番外編
魔にとってクリスマスはないのでは…キリスト教は全ての魔の敵です…といっても、クリスマスは本来異教の冬至祭りですから、キリスト教とは関係ないともいえます。ここはキリスト教以前の原始的な世界が残っているんでしょうね。
この無数のあらゆる不思議なもののラッシュは相変わらずすごい。
みんな楽しそうです。

王子様のつくりかた番外編
禅も結構オヤジですね…それぞれの妄想は全身の力が抜けました。
温泉が混浴なのは見え見えでした。相変わらず過剰サービス、と思ったら違う意味のサービスでしたか。
逆に見られちゃ世話はないですね。

地獄少女
…復帰して前向きに生きていく精神力があるなら呪う必要はない、現実的にも報復はいくらでもできる…以上感想終わり。
まあ、ストーキングに追い詰められる恐怖感は見事でした。ひたすらマネージャーが無力で…それはある意味どうしようもない、与えられた環境で精一杯やるほかないです。リスクのある仕事を選んだのですから。
何より薫が全部自白してしまったのが愚かでした…証拠をつかまれ、マスゴミにばらされるか…もっと恐ろしいのがばらすと脅迫され、ひたすらおびえて追いつめられて破滅することになる可能性だってあるのに。最後まで何食わぬ顔をしていれば地獄流しにされずにすんだものを…己の悪を制御できないのは悪人としても愚者です。
しかし…ひょっとして、この作品の被害者って地獄行きが確定しても、だからこそそれまで精一杯前向きに生きていくのでしょうか?
地獄行きの確定は、実質的に「あの世が存在しない」ことと等価と考えていいかもしれません。だとしたら、一度しかない人生だからこそ精一杯前向きに、という考えも成り立つかもしれませんが…それができる強さの持ち主が、呪いに依存するでしょうか?
天国と地獄…来世の概念は本質的には、応報によって悪を抑止し善を勧める効果と、この世でのカーストなど人力では解決困難な不運、格差に対する償いを約束することで下層が世界に順応し、格差のある秩序を容認するのを助けて秩序を助ける効果の二つの意味があります。それで地獄行きが確定したら、応報による抑止はなくなります。格差は他人との比較ですからさして意味はないはずです。
応報による抑止を失ったのだから、どっちにしても地獄と悪に走ってしまうと思っていましたが…逆にこの世で快楽を我慢して天国で楽しむ希望がなくなったら、この世で快楽を楽しむほかない…それもひたすら自分のわがままを通すだけだとうまく楽しめないから、賢明に楽しむ…
哲学レベルで考えると恐ろしくややこしいことになりますね。

あたしはパンダ!!
超能力一家の次女、杏ちゃんはまだ能力が出ていない。国が極秘に超能力者=Persons with Abnormal, Nonmaterial and Discarnate Abilities/PANDAを保護しているのだが、ばれたら引っ越すことになるのは変わりない。
ある日、風紀委員長で国会議員の子息のエリート、鹿狩くんに触れたときいきなり彼の黒い思考が流れこんできて、さらに弱みをつかまれ仕事を手伝わされることに。そしてあらゆる人の内心の悪が流れこんでくる…

タイトルと本格的超能力ものである内容のギャップがすごい。頭文字を集めて強引にパンダにしてしまったのがうまいアイデアでした。
秘密がばれて引越し、というとまず『きまぐれオレンジ☆ロード』を思い出します。
PANDAの解説もわかりやすいです。
逆に家族みんな能力があると、能力がないことがコンプレックスになってしまう…それがまた面白い。
他のみんなが能力を生かすのも見てみたいです。橙子ちゃんの予知能力が、一番大変だと思うのですが…たとえば好きな人の死や戦争、大災害を予知してしまうとか。
このさわやかな王子様の内面がこうとは…びっくりしました。いきなり悪魔の声が…うまい、これはどうにもなりません。
いきなり先生の心を読まされたり、すごくはらはらする展開ですが…読み返してみると色々わかって面白いです。
コピー機での心での会話がまた面白いです。それでさりげなくお茶のあったかさがある、というのもいいですね。
「どんな人間だってみんな心に邪悪な部分を〜」これも読み返すとますます重い言葉です。そして、これは超能力がなくても変わらないこと…それを受け入れることがどれだけ大変か。なにしろ、その「どんな人間だって」は自分も例外ではないのですから。
笑顔で誘ってくれている未織ちゃんの内心を読んでしまったショックも伝わってきます。そして、いきなり色々な人の…邪悪な部分が…本当はもっとよく読めば、人間は邪悪なだけじゃなくて色々な面があるとわかると思いますが、今は邪悪な言葉に敏感になってしまうのも理解できます。
そして、鹿狩くんの心まで読んでしまって…ここでは鹿狩くんもPANDAだった、ということまでははっきりさせていないのがうまいです。
あらゆる人の心が流れこんできて、押しつぶされそうになる思いも強く伝わってきます。
そして、事故からかばう瞬間に「ずっといわなきゃって思ってた ごめん」…この感動はすごかったです。
真相も…でも、「そいつの本心」というのが悪いことばかりではない、というのは彼ももう理解していると思います。まず読んでしまったのが家族の負の心となっては、傷が残るのも当然ですが。杏ちゃんはそれがなくてよかったですよ。
でも孤独感はあったのでしょう…
二人の温かな心の通い合いはなんだか喉が痛くなりました。
そして、未織ちゃんのこともしっかり許して…この成長もすばらしいです。「相手のこと大切に思ったら〜」という言葉もじーんとします。
最後のオチも楽しかったですが、実際には世界征服が必要かもしれない…環境革命を成し遂げ、人類が破局なく二十二世紀を迎えるには。この二人ならやれるかも。

ぴよっこガーデン
超お嬢さまのみみ子ちゃんは毎日が退屈。それで幼稚園に行き、友達百人を目指すことに。幼稚園には同じく退屈…男遊びに食傷したユミカちゃんと、さわやか美形幼稚園児のハヤトくんがいて…
やっぱり猫部先生の金持ちものは面白いです。というかなんだか読んでいて怖いです。
でもおねしょが続いているのに幼稚園はまずいのでは?
男遊びという言葉は笑えました。微妙に意味が違います。
で、みみ子ちゃんのこの登場は…色々な意味ですごい。
この先生もまともというか、まあ幼稚園児を相手にしていたら精神的には鍛えられるでしょうが。
「仲よしの子と二人一組」ってなんて残酷な言葉を!泣きながら幼稚園の屋根に登りたくなってしまいます…僕は幼稚園の記憶はろくにないのに、ほとんど本能になっているのでしょうか…これ以上思い出したら危険なのでストップ。
いきなりさわやかくん、そして女の子が誘ってくれる…まあいいか。
男を変えるたびに名前も変えるという高等技術を齢三歳で身につけているとは…将来どうなるんでしょう。
親友をたてにして何かやらせるのも、子供のずるさの一つですね…こっちは思い出すと破壊衝動が沸くのでストップ。
蹴り崩してすばらしい城にしてしまうのも…このまま友達百人への道?

私立ヤバスギ学園
確かにポスターは嘘すぎます。というかすごいネタが多い作品ですね。

バスルームvシスターズ
デビュー作の続編で、その妹のエミカちゃんが主人公。たまに相談などで一緒にお風呂に入るほど仲がいい姉妹、前は三ヶ月前、エミカちゃんが失恋したとき…胸は小さいエミカちゃんが、告白したら彼が友達との話で「ねえちゃんのほうならソクOKなんだけど オトコにさからわなさそうだし」「ムネでかいし?」「そーそー」…
それでエミナ姉さんが彼氏がいると告白してきて、悪い奴だったら別れさせる!とチェックすることに。
エミナ姉さんの彼氏、(デビュー作の)スガくんに、三ヶ月前からのつきあいだと聞かされ、教えてもらえなかったことにショックを受けるエミカちゃんだけど、それは失恋の傷を慮ってのことだった。八つ当たりも受け止めてくれ、はぐれた姉妹がナンパされたときも強烈なカッコよさで助けてくれた彼に、エミカちゃんも心ひかれて…
やはりこういう、昔の作品をうまく利用するのはいいですね。高い構成力がよくわかります。
美少女姉妹の風呂…なんてすばらしいものを(のぞくな)。サービスに堕ちない品も健在で嬉しいです。
姉の彼氏をチェックする、というのもなんだか面白いですね。
スガくんも相変わらず関西弁が明るくて元気そうです。
お姉さんとは対照的にエミカちゃんはすごく気が強いですね。こういうのなんだかいいです。
三ヶ月以上も大事なことを知らなかったのがショック…普通は家族でも色々隠すことが多いと思いますが、どういうものでしょう。
このやつあたりはちょっと可愛いかも。でも向けられたら大変ですね…
それを見て不安がっているエミナちゃんの感情の動きもよく描けています。
このナンパの間抜けさは…ナンパこそ女の子を大切にしなければならないのに、何か間違っています。
まあ、だからこそスガくんのカッコよさにはしびれました。すげえ。
仲がいい二人にずきっとして、撫でられる=子供扱いに耐えられなくて…自分の思いがショックなのが見ていて辛いです。
お風呂で優しく受け止めてくれるお姉さんの強さ、そして…こんなことでさえ素直に打ち明けられる妹の率直さも素敵ですね。それで、ここでは優しく「うん いいよ」といっていながら、デビュー作での気の弱さはどこか残っている、とエミナちゃんの性格もちゃんと掘り下げているのがまたいいです。
エミカちゃんの率直な告白とスガくんの返事もさわやかで好感が持てます。
そして、エミナちゃんの不安にエミカちゃんのおせっかいも最高!
こうなると、エミカちゃんの次の恋が楽しみです。またそっちも描いて欲しいですね。

少年少女大戦争
男女の仲が悪いクラスで、女子代表の梨加ちゃんと男子代表の嵐はいつもケンカばかり…でもたまたま梨加ちゃんの口が滑って告白してしまい、つきあうことになったけど嵐くんはどうもみんなに隠すことにしたようで、嫌いとさえ言う。
そしてマラソン大会でそれぞれ男女を代表して勝負することになり、嵐くんは試合放棄せずあくまで戦うと…つきあっているんじゃなかったの?
こういう男女が仲が悪いのも懐かしいです。
あ〜あ…どっちもどっちですね、男女とも。男女は中立に立てる子がいないから(性は複雑ですが、生まれがどうでもこの年代であえて中立を選べる=コウモリ宣言をする子はいないでしょう)仲裁者がいなくて面倒です。両方損をするだけなんですが。
一見バカだけど、こういうときちゃんとかばってくれた…確かにカッコいい。
きらいなんだろ、といわれて売り言葉に買い言葉で告白…これは吹っ飛びました。それに「お…オレも」って…うわ〜。
どうしていいかわからなくなて「ふつうにいこーぜ」というのも可愛い!
つい否定してしまうのは気持ちはわかりますが彼女を傷つけてますけど…
今回のケースは明らかに理は男子のほうにあるけれど立場上…これは面倒ですね。理だけで素直に謝ればいいのですが、ほとんど国同士と同じことです。
エロまんが持ってきてる子がいるんですか…まあ先生の眼から見たら、時期によっては「なかよし」や「ちゃお」だってエロまんがになりそうです。せいぜい「ヤングアニマル」程度でしょう…成人向けシールがつく代物ではないでしょう。というか、女子で事実上エロまんがを持ってきた子はこれまでいなかったのでしょうか?
こうしてどちらも是々非々で冷静に判断できずエスカレートするのが、戦争の根本原因なんでしょうね…というかそろそろ体育では、女子は男子に絶対勝てない年齢になってきているのですが…わからないとは気の毒に。逆に女子が男子を奴隷にすると約束してたらヤバスギ学園になってしまいますね。
立場上決闘することになってしまってますます言い出せなくなる…これも面白いですね。というか帰ってから携帯電話で話せばいいのでは?
と、このツッコミを入れさせないのが嵐の側のコンプレックス…それに男子が女子に、体力でも勝つと決めつけられたらそれは男のプライドというくだらない代物が黙ってませんよ。
敵でいながらつきあっている、というのは無理でしょうか?たとえばライバルと親友は両立しますが…ライバルで恋人というのはやりにくいかも。
で、「好きじゃねーよあんな女」は…もうバカだな、としか言いようがありません。
口げんかから「キスの一つでもしてみなよ!」はすごくおいしい展開でした。一気に迫って寸止め…それで不安になってしまうのも可愛いですね、大切だからなのに…
二人でケンカしながらペースを上げているのも、なんだかいい関係です…これからの二人はこんなのを繰り返すんだろうな、と楽しみになってきます。
転んだのを助けて同時ゴール、「とうぜんだろ西野はオレの彼女なんだから」はカッコよさに爆発しました!やっと男を見せましたね。
で、奴隷というのは…どうなるんでしょう。

キャンディーズ★
ヒナちゃんが松田くんに告白しようとしたとき、タイミング悪く屋上からキャンディが落ちてきて告白し損ねた。
それがきっかけで、落とした三年の堤くんと仲良くなり、恋についても相談するようになり、ついにアメ一年分を賭けて告白したけど、彼は「すこし考えさせてほしいんだけど」と…

ほっとします、ずっと出ていなかった新人が出てくると。すごくおでこの広さが印象的で、きっぱりした感じですね。明るい笑顔もすごく魅力的です。
飴でも高いところからだと結構危険なのでは?でも面白いハプニングですね。
告白の邪魔をした、というのはわかっているようですね。
二人で仲良く話しているのも楽しそうです。お互い恋愛感情はない、と前提しているからこそ友情をはぐくむことができる…いいですね。僕も覚えがあります、中三の時には僕が中二の終わりに好きな子に告白したことが知れていたから、安心して他の女子と仲良くなることができたものです。
いきなり告白のチャンス…あくまでアメを使って背中を押すのもいいですね。
で、この返事は…う〜ん、僕も引き延ばしはやられましたからどれだけ辛いかはわかっています。一体なぜ…
先輩のほうの、落ち込んでいるのを察してまたアメで励ます優しさから押し隠した思いが伝わってくるのもたまらないです。
砂糖は元々心を落ち着かせる効果がありますから、その意味でも的確ですね。
ずっと待たされる…それもまた他人事じゃないです。だから、逆に松田くんが何を考えているのか想像するのが怖いんですよ。
先輩が恋バナをしない理由は、僕はわかっていますが…うわ切ない表情。これでヒナちゃんのほうも一瞬期待してしまったことに気づく、ここもうまいです。
いきなりポケットに強引にアメを突っ込んで、というのもすごいですね…
松田くんにあらためて聞こうとして、それで…自分の気持ちに気づいてしまうシーンの、罪悪感のこもる感情描写は胸が痛くなりそうです。僕もこうであればもっと幸せだったかもしれません…松田くんは全部察していたのかもしれませんね。
そして先輩を追いかけて、アメの雨で告白…これも素敵でした。
この明るい笑顔が次はどんな作品で輝くか、どんな表情を見せてくれるか、どんなキーアイテムを使うか…楽しみです。

ふしぎなミルコットン
沙羅ちゃんは幼馴染の葵くんを恋してしまった…でも現状維持を選んでしまい、告白する勇気はない。
そんなときにおまじない効果がある毛糸、ミルコットンの話を聞き、やってみようと思ったけれどどこも売り切れ…ネットオークションで落札したのが、虹色に輝く不思議な毛糸。完成ついでにネズミーランドに誘ってみたけど、どうもムードが盛り上がらない。
で、強引にマフラーを巻かせたら、いきなり彼は甘い言葉を連発する王子様になってしまった…

デビュー作からどんなふうになるか楽しみにしていましたが、すごく柔らかい感じになりました。特に服の柔らかい質感がほぼコンスタントに出ているのはいいです。
幼馴染から現状維持を選んで告白できない…これもくすぐったくて見ていて楽しい状態です。
いきなりCMの岡谷くんが出てくるのも…ミルコットンというのも面白いアイデアです。
ネットオークションについての話は前に原田先生がやっているから、注意書きがいらない…こういう雑誌全体の積み重ねもなんだかいいです。
うふふあはは妄想はちょっと間抜けですが、まあディズ…ネズミーランドならいいムードは約束されたようなものです。
というか彼女、編物早いですね。
二人の趣味が合わないのも、今からくっついてからが心配です。逆にこれ、彼氏彼女じゃないから遠慮なくお互いわがままが言える…というかこれ、客観的にはデートですよね。
強引にマフラーをつけさせたら…この別人っぷりが最高。手にキスでは体に電流走って椅子から落ちそうになりました。
変なめがねをつけても崩れないというのはそれはそれですごい…
こっそり予約しておくというのもすごい。
観覧車でキスも定番ですね。最高のシーンのはずなのに、これではじめて…間違いに気づくとは。気づくのが遅い気もしますが。
これで思いがふくれあがって、強く葵くんを求めて…というかこの毛糸の魔力、すごい。
ぎゅっと抱きしめて、というか葵くんの記憶とかはどうなっているんでしょう…というかひょっとして、魔力じゃなくて全部演技だったとか?という怖い想像も出てきました。
でもこのラブシーン、いいですね…
二人用のマフラーでケンカしているのはそれはそれですごい。あ〜も〜お幸せに!
次回作もこの柔らかさがどんな作品になるか、楽しみにしています。

圧縮エモーション
木染ちゃんの一つ年下のおさななじみ、久弥くんは生徒会長だけどやたらえらそう。
そんなとき、彼が落とした生徒手帳を拾い、見てみたら、そこには自分への恋心を熱くつづった日記が…だがその日記をどうやって帰そうかと思うとちょっと顔をあわせづらかったり、さらに昨日の日記には「明日こそ木染に告白する!」と…それは今日告白するということ…パニック状態で寝てしまった彼女に、告白途中で生徒会仲間が割り込んできて、彼がキスをしたことも暴かれてしまった。しかも彼はそれを否定して、もう彼の気持ちがわからなくなり…

アイデアがすごいです。これは男子にとっては最悪の悪夢です…が、逆に女子が自分の妄想日記を意中の人に読まれるのも恥ずかしさは似たようなものでは?
冒頭のぶっきらぼうな、なんだか黒味が強い雰囲気からちょっとひきこまれました。ちょっと黒が黒すぎる気もしましたが。
根本的には生徒手帳にそんな日記を書くスペースはないと思いますが…校則が分厚すぎて(涙)。というか人の日記読むな…
内容がどんどんエスカレートして、「すげーエロくて」はもう壊れそうになりました。どこまで日記に書いていたのでしょう。
どうやって返すか…逆スリで返すのが一番でしょうね。それで間違えて別の子の服に…うわ、なんて恐ろしいことを考えるんだ。
話し掛けられて意識してしまうのも可愛い。ちょっと猫化しているのもさりげなくいいですね。
相手の欲しい言葉を察して、それで…もうすっかり、木染ちゃんが久弥くんのことを可愛くなってしまっている…ちょっと久弥くんがかわいそうになります。
ここまで内面を暴かれてしまったら人間終わりですね。
しかも今日が告白予定日だなんて…照れている表情も可愛いです。
どうしていいかわからなくて、そして…告白だとわかっていても心の準備ってできないものですね。余計難しいかも。
この邪魔はちょっと意外な展開でした…キスも。否定されたことで傷ついてしまって、もしこれは…手帳を読んでいなかったらどうなっていたでしょうか。
そして、あれだけ裏の裏まで読んでしまったのにまだ惑ってしまうというのが…いかに人が人の心を知るのが難しいか、わかります。
メールを繰り返し出しながら自分の思いに気づいていくのもいいですね。
翌朝の、すっかり二人とも憔悴して…なんだか痛々しいぐらい、二人の心の痛みが伝わってきます。
とうとう謝って…生徒手帳突きつけて「「告白」でしょ!」…このショックはただただ同情します。なんかもう、日記つけてなくてよかったなとさえ思いますよ…木染ちゃんの気持ちも強烈ですが。
それで「なんですぐ追っかけてこね―のよぉ!」もなんだか爆発しました。
そして、「トゥルンとしたくちびる」…もうこれは、久弥くんは死にたいのが正直なところかもしれません。幸せ者なんですが。
あ〜あ、完全に尻に敷かれるの決定…ある意味人生終わっています。同情していいやらうらやましいやら。
こんなすごい作品作って、次回作はどんなでしょう…楽しみです。

しろいそらあおいそら
ひたすらふわふわした可愛らしさ…読み返してみるとなにやら恐ろしささえ感じる感性です。
圧倒的な自然の脅威、でも動物に現実逃避があるのかはわからないのですが、動物の身になって思うと驚くほどこの会話と姉弟双方の思いがわかります。
「空腹のみじめさ」は人間にとって本来は根源的な経験のはずですが、残念ながら現代の富裕層(日本ではほぼ全員)には無縁なことです…まあダイエットはあるでしょうが。それはそれで生物としてはどうなのかな、という気さえします。
光を浴びてかすかな温もりに生への愛を思い出すシーンが本当にすばらしい。

いちご姫とバラ王子
バラ王子と言われる蜜野カオルくんに恋するひとり、樽戸イチコちゃんは告白したけどひどい言葉で玉砕…綺麗なバラにはとげがある、というわけでバラ王子なのだ。
失恋のヤケ食いにと少し離れたケーキ屋に入ったら、そこにカオルくんがいた!そこの息子であととりパティシエでもある彼に、翌日いきなり「親父に会わせたいんだけど」と呼ばれて大騒ぎ。でも用事はケーキバイキングの試食してほしいというだけ。それで彼の色々な面を知っていく…と思ったら、尾行してきたファンの女子に騒がれたとき「だいいちこいつはオレが一度フってんだし!」と追い打ち。

心情の積み上げが実に丁寧です。
すごく口が悪いからバラ王子…うまいこといいますね。
ヤケ食いをしようとしたら彼がいた、というのもすごく嬉しくなる出だしです。しかしカッコいい!
ケーキの描写もすごく綺麗で、白黒のハンデをものともせずおいしそうです。
おいしくて泣き出してしまう、というのも素直な思いが伝わってきます…それでカオルくんの側の心が変わっていくのも。
やはりまだ諦められない…そこでいきなり声をかけられて「親父に会わせたい」はあまりにも誤解を誘う一言ですね。これもうまい。
モテないんだなーって…学校で募れば行列ができますよ。
パティシエの白衣も似合いますね。今回は主に男のほうに出ていますが、スタイルのよさも素敵です。
真剣な仕事を見てあらためて彼のことを知っていく、その心の動きもよく伝わってきます。
こうして自分が打ち込んできたことを褒められる嬉しさも、クールな仮面を通して伝わってきました。
一気に仲良くなってきたところで、うわこれは厄介な…
イチゴちゃんを抱きしめて「うせろ」はぞくっとするぐらいのカッコよさでした。もてるのもわかります。でも…改めて否定しているときには、もうクールな仮面は崩れていましたね。
イチゴちゃんの絶望感、そして逆に刺が自分にも刺さってしまって呆然とするカオルくんの表情…こうして丁寧に思いを重ねてくれるとたまらない味になります。
あらためて自分の思いの強さを…もっと彼を知って本物になった思いを再確認し、こうして飛んでいく…もう爆発するようなほど思いが…
カオルくんが告白まではしない、というのもこれからの進展を想像する楽しみができますね。
次回作もこういう思いの積み重ねを楽しみにしています。

ラビット◆ホップ
東高の柄本穹(そら)ちゃんは、同級生もいるバンドのラビット・ホップに夢中…特に西高生徒の小阪くんに。
彼が東の文化祭でもライブをする、となって嬉しいけれど、他校の彼が文化祭に参加していいはずはない。準備のためお忍びで来てくれた彼、でもいきなりウサギの着ぐるみで…せっかく会えたのに引っ込み思案の彼女はうまく近づくことができない。でも定期券を落としてしまい、みんな現金を持っていなくて、路上で歌ってくれる優しさにもっと思いは募り…
絵がかなり未熟な感じでびっくりしましたが、光圧がすごく強いです。強い表情も魅力ですね。
金井くんがどう出てくるかもはじめは期待しました。
ライブの回想も強烈ですね。ものすごいエネルギーがばっと伝わってきます。
それがいきなりふわっと柔らかで丸いウサギ、というのもいいギャップです。
ちゃんと客の顔と名前を覚えてくれているとは、先が楽しみです。
穹ちゃんの緊張もあちこちから伝わってきてドキドキします。文化祭もそうですが、なんだか一気にタイムトリップしたような気分です。
定期券は…身分証明ができればすぐ再発行できるのでは?Suica圏だけでしょうか?
それでお金を貸してくれると、さらになかったら歌ってまで…この優しさと内面の熱さがそのまま出ちゃっている感じ、むしろあさぎり夕先生のキャラさえ思い出すようです。今はもう懐かしいぐらい…今も現実のティーンにこんな熱い子はいるのでしょうか。
歌っているときの迫力もまっすぐ伝わってきて、すごいですね。これだよな…新人の作品が好きなのは…
せめて一歩でも前に出よう、という穹ちゃんの思いも、もどかしいぐらい伝わってきます。
いい思い出、か…それを意識してしまうのも学生の哀しさですね。
服についた葉を取るというのもなんだかいいスキンシップですね。
そして先生に見つかって…こういう正面から生徒と学校の葛藤というのも、ここしばらく見ていなかったのでなんだか懐かしく新鮮にさえ思えます。
今は謝っておいて…うわ。「つつしみます」が「ひかえめにします」は笑い転げました…気持ちいいやつら。その仲間になんだか入れてもらっているのは幸せですよね。
先生もこうして待ち伏せしていたり、もうこういうのも今は何もかも懐かしい…
こうして電話で告白して、こんな大胆な行動を…その裏からのダッシュもすごくスリリングで、さぞいい思い出になるだろうなとうらやましさに胸が焼けそうです。
ぎゅっとだきしめ、そして強烈なライブの熱さ!
なんというか…これが青春なんだな、と…なんでずっと忘れていたんでしょう!もうもどかしくて爆発しそうです。
これからもこの熱さだけは忘れることなく、何も恐れずガンガン突っ走ってください!次回作が楽しみです。

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