なかよしラブリー2004年夏号感想

「特集はじめてのドキドキ」特に巻頭の「はじめてのビーチラブ」は保護者の視点から見ると、基本的に夏のアバンチュールを称揚していて非常に危険なものです。
「逆ナンしようよ」はきちんと警告をいれていますが。
むしろ安易な出会いに潜む危険を警告することが、子供向け作品としては義務なのでは?

そして今回のメンバーも非常によかったのですが、やはり近年大量にデビューした人たちが出番を失っているのが残念なことです。

ロリ 大波 ムーン 逆ナン けだもの JF 渋プリ いっしょ かりん ヤバスギ ゼッタイ デーパニ 秘密キス ヒミツ彼 モテ期 どープリ 花オバ トマト14 はコ ヨシワコ ハピリン 好きだから ぷち

初体験だよ!ロリポップ
これは爆笑するほかありませんでした。
この先生は結構面白くて好きなキャラです。こういうところをもっとどんどん出してほしいですね。

恋のビッグウエーブ
テーマ自体がなんか間違っているような…そして、それが巻頭カラーになっているということがこの増刊全体の悪い面が出てしまっている気がします。
これはむしろ、(学生入場禁止の)ギャンブルを隠れてやって大当たりしたようなものではないでしょうか。子供向きの作品ではギャンブルは扱うべきではないですし、あえて描くならあくまで長期の期待値としてはマイナスになり、多くは大損し、破滅の危険さえあることから描かなければならないでしょう。
同様に、冒頭の「ステキな出会いの予感v」と浮かれる言葉に、どれくらいの読者が同調しているのか…そういう思いからどれだけの中絶や性感染症、深い心身の傷があるか考えるとぞっとします。
安藤先生はこれまで、女の子の体を強調することはそれほどなかったのですが、この作品では全開ですね。見事なスタイルです。
男女とも若い子が出会いを求める気持ちは分からないではないです。いつもの学校のいつもの面々じゃない、全く新しい出会い…しかも真夏の海という開放的な世界!男女とも相手が三割増みめよく見えることでしょう。
おばさんのペンションで、という言葉に甘いことを考えていたら…で、「異性とのおしゃべり禁止!」という厳しい監視や酷使で、このおばさんを悪役と思ってしまう読者は多いでしょう。
でもそれは違います!当然のことなのです。親戚であるさんごちゃんによそ様のお嬢様(そのこちゃん)までお預かりするのですから、万一妊娠中絶騒ぎや性感染症の問題があったらどれだけ重い責任を負わされるか。まずそれを理解してもらわないと。
本当にこのおばさんの立場を考えると同情します…まあバイト代がただですむ代償として厳重に監視しなければならない手間と、万一のときに責任問題になるリスクを引き受けたのでしょうが。
この出合いの描写、はっとするような鮮烈なカッコよさからいきなりポロリと行く大胆さはさすがにうまい。
夜会う…それがどれだけ危険か、彼女たちが分かっていないのが見ていて辛いです。
難しいですよね、おばさんのような大人は付き添えない…子供はそういう大人の付き添いを信頼しませんし、大人の監視があるとムードは全くなくなります。説教も馬の耳に念仏でしょう。
では20代ぐらいの信頼できる人がエスコート…かつての社交界はそれで機能していましたが、今のこういう夏の海のような環境でハイティーンから二十代の若者を信頼することなどできるでしょうか?無理に決まっています。
どうすれば安全に出会いを楽しむことができるか、特に日本は社交界のシステムを輸入し損ねており、自由恋愛結婚開放以前はずっと見合いが中心でしたから…安全に自由恋愛で幸せになるシステムを知りません。分からないというのが正直なところです…女の子一人一人が自衛するほかないです。
この再会のパターンの堅実さは、余計なことを考えなければ楽しめます。でも逆にだから怖いんです、彼はたまたまちゃんとした人ですが、それは偶然の当たりに過ぎないのです…
でもこのオールナイトパーティは楽しそうですね。ちゃんと全員節度を守る保障があればいいのですが…無理ですね、それは。だからこういうこと自体全面禁止するほかないのです。
思い出といわれてそれを考える…まあ当然ですね。そういうのに警戒し、自分を守ろうというちゃんとした意識が彼女にあったことはほっとしました。ただ、大人としてはそういう、一番深いところで子供がちゃんとしているかどうかは判断できないので…一律禁止しかなくなるのです。しかも、この状況で彼がその気だったら、丸腰の彼女が自分を守る術はありません。死よりも深い心身の傷と、中絶や性感染症のリスクを負うことになったでしょう。
このお風呂は素晴らしいアイデアですね。お湯は海水でしょうか?
暁の波…危ないから絶対だめ、それをやりたがるのが子供…どうすればいいのでしょう。
自分が死んだらどんなに親が悲しむか、分かっていないのか…分かっていてもやりたいんでしょうね。自分が死ぬことはリアルには考えられないのが若さでもあります。
「はじめて見た 男の子のあんな真剣な顔」って、つまり普段彼女は男子の違う面しか見ていないということです…そして男子も、そういうことを女子に語ったりはしないのでしょう。それができるのも夏だからなのでしょうが。
このお風呂に一緒に入るのは、まあどうしようもないハプニングでした。
で…ナンパだと勘違いして、初めての想いを制御できなくて…という細やかな心情描写はさすがです。
見つかったシーンで、おばさんに悪い感情を持ってしまうのはどうしようもないです…僕はどちらも理解できるので、自分の中で板ばさみになるような辛さを感じてしまいました。
かばい合い、波の中の彼を見て自分の恋心を知る…このシーンは美しかったです。
こうしてまた来てくれる、本当に誠実な人でよかった…でもそれは、こっそり競馬に行って当たるのと同じぐらい危険な幸運に過ぎません。危険を冒さなければ得られないものもある、という反論はあるでしょうが賭けるもの、最悪の場合のリスクが大きすぎます。
さんごちゃんは自分を守ろうという意識はありましたが、どのシーンでも彼が悪い男だったら…最悪の事態は充分ありえたのです。おばさんや彼女の親の行動もまた正しいのです。
この作品はアバンチュールを推奨しているのか、と非難したくなるところはありますが、出会いや冒険を求める子供の心と安全を求める大人の都合の相克…現実を丁寧に描き、考えさせられる作品ではありました。
虚心に読み返すと他にもいい部分はたくさんありました。ラブストーリーとしてだけ見ればスタンダードないい作品ですし…読者サービスも個人的には楽しめました。

ムーンライト・トーク
これまた危険な状況です…しかし今回結構大胆に描かれた白沢先生の女体は、ボンキュッボンのボリューム感こそないですが恐ろしいぐらいに柔らかさ、しなやかさ、肌の質感が感じられてたまらないです。
ちか子ちゃんとゆりちゃんの考えは分かりますが…ちょっと危険ですし無責任ですよね。まあ和泉くんがちゃんとした子だ、と分かってならナンパよりましですが。
買出しに行かせるとはいいセッティングです。
さりげなく和泉くんが意識しているのが分かるのがステキです。
三つの作品が同一時空で、互いにゲスト出演しているのは面白いアイデアです。以前もさりげなく同じ学校での話だったというのがありましたが、こうして公的にやるととても面白いです。
そういえば、「ビーチラブ」シリーズで男の子たちがはいている海水パンツはみんなひざ近くまである半ズボン型ですね。それが流行なのでしょうか。そんなものより女子の水着を見ていたいのですが…
ちか&ゆりちゃんの盛り上がり方が見ていて楽しいです。というか自分はいいのですか?
ヘビ花火で楽しんで、ガラガラとロマンチックな告白が崩れていますが…この崩れているのは心の壁でもある気がします。結果的には大接近では?
温泉シーンはタオルがちがちのガードの固さがちょっと残念です。実際には温泉で、全身をバスタオルで覆うのはテレビだけだと思うのですが…ゆりちゃんの大胆さは嬉しいです。
三人の大胆水着も素敵!なんか露出度が低めのゆりちゃんが、胸が大きめのせいか一番目立つのですが…
ちとせちゃんが大胆さに戸惑っているところもよく描かれていますね。恥じらっているのは分かりますが…逆に体育座りだと、違うところが変に強調されてますよ。和泉くんは多分、チラッと見ては罪悪感で海のほうを見ようとしたり、動揺を必死で隠しているでしょうね。
くじらというキーワードがしっかりあるのもさすがにうまい。
日射病からのお姫様抱っこはかなりもだえました!和泉くん…恥ずかしかったでしょうけど…肌がもろでさぞ大変だったでしょう。こうしてみると、この水着は本当に大胆です。紐一本しか見えませんよ。
非難して、「こんどは帽子ちゃんとかぶれよ?」は実際気をつけたほうがいいです。
照れ隠しからケンカになるのはすごく可愛いですね。
そして…これは、潮汐ということを知らないのでしょうか?まあぶちきれた状態ですし。
しかし本当に危なかったです。ここまで守ってくれるヒーロー、女の子の夢ですね。
このシチュエーションは素敵に思えますが、肝心なことが約二つ、水とトイレはどうしたのでしょう。一滴の水もなしに一晩過ごすのは相当辛いと思うのですが。この状況に持っていける、完全防水で海水パンツに隠し持てるサバイバルキット…相当難しいですね。まず腰にパラコードを少し巻いておいて、フリーダムかミッションの小型チタンナイフでも海水パンツの中に隠して脚にテープで貼りつけ、ポケットに水にもぐってもいい完全防水にしたサバイバルキット…もちろんこの状況だとコンドームも必須ですね、水筒として(かなりの量の水を入れられ、また濡らしたくないものを保護することもできるので重宝します。イラク戦争ではイギリス軍が壊れやすいSA80ライフルを砂から守るのに使っているとか…現地に山ほどあるAK47を買い上げれて配れば、あれは砂も泥も平気なのに)。流されたときに喉の渇きを抑えるためには氷砂糖も欲しいところです。でもそこまでするのははっきり言ってアホです。ホイッスルを首に下げ、ライターとコンドームと防水にした無菌ガーゼをポケットに入れ、バンダナを持っているのがせいぜいでしょうか。
洞窟があったのは幸運でした。で…こうしてくっつくのは、彼もかなり大胆ですね。僕だったら何とか火を起こして石を温め、気や草の葉を集めて布団代わりにすることを考えます。
背中越しの温もりというシチュエーションも素敵です…肩を抱くよりむしろ。
二人の心が通い合っていく描写、そして…「なんでオレの名前呼んだの?」と、きっと決死の思いで出した決定的な質問をして振り向く決然とした目…ここは素晴らしいです!
キスで黙らせるのも大胆ですがすごくカッコいいですね。何もしなかったのもほっとしました。大切にしようという誠実さと嫌われたくない思いもあるでしょうが、まだセックスをリアルなこととして考える成長段階じゃないのでしょう。
まあ、いくら何もしてないといっても信用されないのは仕方ないですね。

逆ナンしようよ
これはある意味まともです。逆ナンなど、夏の思い出を求めるとこういうことになるという教訓になりますからね。
というか僕の理想は、昔の児童文学のように全て教訓がある、教訓のための作品なのでしょうか…まあそれじゃ今売れるわけがないとは分かっていますが。
「ハットリの少女マンガでない少女マンガ」は笑えました。ひょっとして『ベルサイユのばら』『悪魔の花嫁』のような大恋愛でしょうか?
ユキくんの存在が初めからあるのが楽しい点です。
ヒトちゃんが意外と当たったのが爆笑でした!
ユキくん、本当は「逆ナンなんかに引っかかるバカ男にほいほいついていくなよ!そんな自分を安売りするな!というか俺がいるだろう」と叫びたいのがはっきりあふれてきました。
特に汗を流して怒りを笑みに変えるシーンが素晴らしい!
そして、とっさに守ったシーンがまたカッコいいです!抱き合っているのがまたすごく初々しいというか…
笑ってごまかすのは見ていてすごく面白いです…若いっていいねぇ(もう冗談にならない…)
「ユキもちゃんとした男子だったんだ」という心の動きがすごく好きです。つまり、普段回りにいる男子はちゃんとした男子じゃなくて、男子というのは…外にいる存在?
下心も知らないでのんきに遊んでいる彼女は見ていて、乾いた笑いがむしろ浮かんできます。
そして…今更分かりました、こうして(外の)男子と楽しく遊ぶのがこの逆ナンの(多分『ビッグウエーブ』のさんごちゃんも)目的だったんだと!これだけを楽しむことはできないのでしょうか…
ユキくんが逆ナンパにあって気になって、という展開もうまいですね。
その揺れる思いの中…もしこれがなかったらどうなっていたでしょう。もしかしたら、もっと甘いムードを作って焦らず丁寧に(偽りの)愛情を注ぎ、求めたら成功していたかもしれません。
この夕日をカッコいい男の子と二人で眺めるシチュエーションも、憧れだったのでしょうけど…
「だったらいいよね?合意の上だよね」という言葉は確かにひどいものです。でも、逆ナンなどをした時点でそのレベルに身を落としているのです…彼がしていることは、一段低い世界での当然のことです。その低いレベルでの、暗黙の言葉では律ちゃんはもうOKを出しているのです。
ユキくんの心配は手に取るように分かります。そして傷だらけの彼女に、一瞬心臓が止まる想いだったのもはっきり伝わってきました。
真相は笑えました…そして、金蹴りという技を教えてくれたことはよかったと思います。本当にこれが一番有効なのです。忘れないように。もちろん絶対濫用しないように。男子にしか分からない、とてつもない苦痛をもたらすのです。
でも、普通に逆ナンに乗って、じっくり仕込んで…こんな目にあった男子の災難には少し同情します。自業自得といえばそうなのですが、相手を見極められなかっただけでもありますし、その気もないのに逆ナンをした律ちゃんにも非はあります。もちろん最後の最後で自分を守る権利はあります。端的に言えばどっちもバカ。
ユキくんがほっとする思いも強く伝わってきて、ここはたまりませんでした。
そして逆ナンから逃げようとしたユキくん…女の子の別の面を見てしまいましたね。
それで、このラストはほっとしました。ただそれは逆ナンとは言わないです。

けだものだもの
本誌連載とは別にこれはこれで、増刊の看板として続けるのでしょうか?
冒頭はまさしく「いきなりコレですか?」ですね。
これで迫られたら…うらやましいぞ!「ずんどーのくせに」はアホかとしかいいようがないです。
でもっていきなり女ハルキが…なんかもうくらくらします。理性捨てて酔っちゃったほうが、この作品は楽しめるかもしれません。
目撃した人は…むしろひたすらラッキーでは。女ハルキは胸丸出しですし。
で…この山下くんの態度は脅迫なのか告白なのかわかりにくいですね。
ハルキのぼけっぷりにはひたすら力が抜けました。何とか足して二で割れないもんですかね、女ハルキと。
「なにもわかってない」のは当たり前です、まだ子供なんですから。それで結ばれようなんて十年、少なくとも四五年は早い。
信じられない行動をとってしまった自分に戸惑う小夏ちゃんの心情がうまいですね。
本当にハルキ、小夏ちゃんの誕生日を知らなかったとは…死刑。
で、この状況で「だれがあんなずんどー女」にはもう、あまりのバカさかげんに言葉もありません。というか山下くんもハルキと小夏ちゃんの関係に気付けって…いや、気付いてあおってるんですね、こういう罠を仕掛けるということは。
せまりながら女の子が喜ぶことばかり言うのは見事なテクニック…ハルキが来なかったら落とせたかもしれません。ちょっとひどいことには違いない、僕の倫理コードからは外れていますが。
で、変身を見せてしまうとは…これは驚きました。
このケーキを食べるシーンは裸より妙なエロさがあるのですが…そしてケーキを舐めて口移しするシーンなんて。まさかこれから、じっくりと二人でケーキをディープキスしながら…と期待したらこういう落ちでしたか。
というか山下くん、ハルキの正体にどれぐらい気付いているのでしょう。

恋愛向上委員会ジューシーフルーツ
「自分を大切にすることだけは忘れないでおいてもらわなきゃ!」この一言が全てです。やっぱりジューシーフルーツはなかよしの良心ですね。この増刊自体、ドキドキ体験を中心にするならその言葉を中心において欲しかったのですが…みんな暴走しすぎ。
菱川さんの体験、田舎がちゃんとある家って今どれぐらいあるのでしょう。
この子どものふりをした積極的な迫りようには苦笑するほかありません。女ってずるい。
多分、彼にとってもあのガキがこんなきれいな女の子に、というのは驚きだったのでしょうね。
マシンガンクエスチョンは楽しいです…された側はたまらないでしょうけど。
「キスのしかたぐらい教えてもらおーと」って、さりげなくすごいことを言っていますね。
来年って…結局真剣につきあうつもりはないんですね。夏だけということ?
市川さんは、この状況は充分ラブラブですよ、遠距離恋愛に比べたら。
爆発した瞬間の爆走はびっくりしました。このスピード感はたまらないです。
チャイムが鳴らなかったらどうしていたでしょうか。

シブヤの王子様
すごくリアルな話です。
つい見栄を張ってしまって引っ込みがつかなくなるところは見ていて楽しいです。
地方の子供にとって、渋谷がどれほど憧れの地か…まずそれをすごくしっかり描いていますね。
怖い、というイメージもよく分かります。僕もはじめて渋谷に行ったときには、できれば拳銃かショットガンを隠し持って行きたかったです。
地図でじっくりリサーチするのは賢明ですね、もし地図で覚えた情報を足にダウンロードする能力があるなら。僕はそれがないので、基本的には足で覚えるしかありません。
渋谷に着いて「テレビで見る景色だぁ!」は、とても懐かしい感覚を思い出しました。中学生ぐらいの頃の僕もまさにそうでした!特にひとりで電車で遠出すること自体初めてなのかもしれませんし。
というかある意味ニューヨークみたいなものかもしれませんね、地方の人にとっては。
ハチ公前でのドキドキもよく描けていて、楽しいです。
碧くんが渋谷でも注目されるのは本当かな?という感じです。意識過剰では?
封切前だったのは、今読み返せば碧くんもおなじくらいあがっていたんだなとわかって微笑ましくなります。
「エスコートしてやるよ」も、何も考えずに見たらまさに王子様ですが…演技だと分かっている今は笑うほかありません。
変化はしっかり描かれていますね。
で、「休憩しようぜ」には一瞬椅子から飛び上がりそうになりました。ご休憩かと思いましたよ。
公園がこうなのは…笑うほかありません。
「はなれて歩かねー?」の理由がさりげなくしっかり描かれているのが素晴らしい。
「そこジャマだよ?」はひどすぎる、というか…即デートなんでっていえよ碧。
ここではぐれるのは危険すぎるような…まあ半分ヤケですし、ってもっと危ない。
このみじめさはよくわかります。畳み掛けるような描き方もうまい。
そして碧くん、まさにここは王子様です!
このキスは強烈でした。なんか息もつけないというのが正直なところです。

いっしょにいたい
戸川先生にしては珍しい路線ですね。でも、もしかしたらこれが僕が見たかった作品かもしれません。正統派の少女マンガの延長としての、自然なステップアップ。
始めは普通のラブラブだと思いました。それで家庭教師…となると、多分嫉妬だな、と気合入れたくなりました。
そしてまたラブラブな会話から…さてどうなるかと思ったときに、いきなり「お・泊・ま・りv」とすごい言葉が飛び出して…うぎゃあああっ!
ソフトクリームを落としているのに、二人とも気がつかないのが初々しくてよし!
思わず抱きしめて「シホがいやがることしないって約束する」これはかっこいいです。そうでなくっちゃ。
お風呂で迷う描写も、そして…母に嘘をつく勇気もすごく強く伝わってきます。
行こうと決め、決意を込めて返事しようとしたら…家庭教師登場!期待通りでものすごく嬉しくなりました。
これはもう、怒るのは当然ですね。まあ片桐が悪い。
「ヤキモチやくってのは」という言葉がすごく温かい重さがありました。そうですよね。
そして…こうなるのはまあ読めていましたが…あの、誤解しているような状況だとしたら、玄関先で押し倒すようなことは普通ありません。よほど飢えているならありえますが。
笑うほかありませんね。抱きしめれば勝ち、というのはちょっとずるいですね。
額から唇にキスが移動するのは、下手にその先を描くより強烈に痺れました。
先生の退散がまた見ていて面白いです!
そして…これはもうドキドキするほかないでしょう。枕投げで心が自然に開いて、ここで…多分、抱いてもOKだったと思いますが彼女を大切にしているようですね。
「いやねれねーって」という落ちも心地いい苦笑です。
これからも色々あると思いますが、この二人なら大丈夫と確信できます。ゆっくり自分たちのペースでステップアップしていくでしょう。
すごく心が暖まる、いい作品でした。エロ路線ならこうするのが理想ですね。

かみちゃまかりんサマー番外編
番外編は毎回本当にアホで楽しいです。
目のやり場に困っている和音くん、可愛い。
そして…烏丸兄妹、なんか間抜けな感じです。
「日焼け止め塗ってあげるよ」というやおい女子サービスはくすぐったいです、あまり見たくありませんでしたが。
指輪をこんなので奪うなんて絶対無理です。
で…水着を奪ってしまったのは爆笑しました。ただの変態です。
「すっかり取り乱してしまった」のを見てみたいです。
さて、どうこんなものを利用するのでしょう。
貝はやはり、ああいうプロポーションじゃないと似合わないものですね。というか横から見れば構造上見えてしまうのでは?
「それでおさまっちゃうんだ」は死刑です。
ヤシの実は本当に危ないです。死ななくてよかった。
で、女装はそういうことですか。入れ替わったふりというわけ。
こんにゃく攻撃で自爆し、シーツをかぶって落とし穴でも…この自爆連鎖はもう取り府の紺とでも見ているようなリズムと面白さでした。
そして謎の影も不安を誘います。
パンチラどころじゃない、もろで助けに来た和音くん…間抜けというか、こうして抱きしめるのはもしかして自分も怖かったんじゃ?
で、結局…どう言い訳したんでしょう。

私立ヤバスギ学園
読み返す気なし。さすがに許せません。
『アヒル』などこれまでの作品と同じ作者なのが、信じられないぐらいです。
こんな最低の面白さを与えていいのでしょうか?というより面白いですか?
確かに子供には、下ネタを楽しむ部分もあります。でも、この世界観はやりすぎです。

ゼッタイオンナノコ
これは非常にいい作品でした。
防具のつけ方、剣道の形、防具などの描写も基本的にはしっかりしています。一箇所だけ左手が右手よりになってしまったことがありますが…
宝塚の男役状態、それはそれで楽しむ人も多いのですが…好きな男の子がいるんじゃ不快なだけですね。男子立場なしはよくわかりますが、仕方ないです。男役に男が勝とうなんて絶対無理なんですよ。
「美少年の師弟愛」にはさすがに笑えました!宝塚もレズというよりホモ、ホモというよりやおいと聞いたことがありますが…ノーマルなのに。
小里ちゃんがそれほど強く(恋のライバルなどとして)出なかったのは残念です。というか…可愛いからってこの扱いはないですよ。これじゃ強くなれません。
それを意識して小里ちゃんを観察したりするくだりは分かりやすくてとても面白いです。
目をパッチリさせたら宝塚になったのは笑えました。でも、どうせならもっと宝塚を前に出して…いや、それをやるとテーマからそれますね。
ワンピースといういいキーアイテムができたのはいいです。
そしてリボンをハチマキと勘違いして、ここは爆笑!うまい。
タオルが「天童温泉」という先輩のボケなカッコよさは強烈でした。
男女混合試合自体、今ありましたっけ?一本試合も?
「たかが剣道だし」は許せる言葉ではない…ここまでがこんな言葉が出るほど壊れている、という説得力を持たせるほどではなかったのが、この作品の惜しいところです。
「今夜こそ先輩にわたしを女の子として見てもらうんだ」という言葉には、一瞬耳を疑いました。人間として根本的に軽蔑されたのに、女の子としてもくそもないでしょう?
剣道と女の子であることは矛盾しているか、先輩に聞いてみれば…そんな勇気があれば苦労はないですが。
ワンピースは一瞬好評でしたが、やはり小里ちゃんにはかなわない…そして残酷な言葉…ぐさっときました。
敗れたのを脱ぎ捨てたのは…ここはあえて色気を殺していますね。痛々しさが強く伝わってきます。
そして「知るか!!」と流木を手にしたシーンのかっこよさ…というか、なぜこのチンピラが正しいフォームで流木を振りかぶっているのか疑問ですが、それだけしっかり調べたことがわかります。
ただし、剣道はこういう乱戦では相当レベルが高くないと使えないです。そして一度敵を突き放してしまったら、剣道有段者の木刀は骨折や死を招く、ナイフや下手をすると拳銃以上に危険な凶器になります…
「どっから見ても女だろ!!」と叫ぶ、朝日に透けた彼女の体はアテナかアルテミスかという美しさでした!
ここからの先輩との会話は可愛くてもだえそうになりました。
手加減なしで打ち合うのがデートなんて、それほど素晴らしいことはないですね。羨ましいです。

デートパニック
爆笑するほかありません。あまりにもすごい話でした。
「唐がらしは」がとにかく爆笑!
そして失敗しておいて「ごめんね…」と、涙目上目づかい…ひどい。
「母親が大事じゃない子供なんてどこにいるんだ!」という超正論からこの落ちは、まるで高いところからいきなりぶち落ちたようでした。

秘密のKiss
お、お久しぶりです。ずいぶんと絵の感じも変わりましたね。まああれから六年も経っているのですから…すごくかわいらしく柔らかくなっていていいと思います。
この話は典型的な不倫話のような気がしました。
まずだんなが忙しくて淋しい状況…あ、ストラップというキーアイテムが頭からしっかりあるのがうまい!
まず大好き、という気持ちを暑苦しいぐらい出してくるのが心地いいです。
そして慎吾くんのキャラも面白いですね。まずにこっと笑顔、いきなり肩を抱くあっさりした態度…こういう世界もあるんですね。
いきなり「男に免疫ないでしょ?」が笑えました。
髪をさらっと触ったり、この甘い態度は…これはこれで身につけるのにずいぶん失敗したのでしょうね。
で、篤くんも行けるようになったことに爆笑!もう奈々子ちゃんに断りの電話いれて行けばよかったのに…こうして泥沼は始まるんですね…
携帯電話のたびにあのストラップが出てくるのがたまらないですね。
本当はここで、先方に彼氏がいることを伝えるよう奈々子ちゃんに頼むべきでしたが…どうしても言えずにペースに流されてしまうのがおもしろ悲しいです。
手をつなぐのも抵抗を与えないのがまた素晴らしい。
そして篤の姿…ここでいきなりキスされるのはびっくりしました!ええと、少なくともここまでは彼氏がいることを教えなかった未央ちゃんが悪いです。
ここからの動揺は見ていて、むしろ面白いです。
失いたくないから嘘をついて…「彼がいるから」とやっと伝えたのはよかった。ここから後は篤がかまうのが悪い。
そして篤の優しさが重くなって…キスの瞬間の彼の辛そうな目は、何かあると気付いていますね。
そして…ここは言うべきだったかもしれませんし、言うべきではなかったかもしれません。
そう、隆慶一郎『かくれさと苦界行』の、

正直な告白という言葉ほど、いかがわしいものはない。正直というのは告白する人の自己欺瞞であり虚飾である。本音をいえば、それは正しく自分が、楽になることなのである。自分だけが楽になって、辛いことはすべて相手にあずけてしまうことなのである。そのために相手がどれだけ苦しみ、どれだけ辛い思いをしようと、そんなことは知ったことではない。自分は正直に告白しただけである……。この場合の正直という言葉は、絶対に美徳ではない。相手の心を傷つけて平然としていられる浅薄さであり、破廉恥さであり、残酷さである。

という言葉をもし読んでいたら、墓場まで背負うしかないと思ったことでしょう。
そんな秘密も背負ってつきあうつきあいもある…相手をそこまで信じるのは、まだ半分子供の彼らには無理かもしれませんが。
着信拒否設定は便利ですね。というか先にしとけって。
まさか告白してしまうとは…呆然としている篤の表情と泣いている未央ちゃん、耐えられずに告げた別れ…彼の反応はまさか!でした。
それでも失いたくなかったんでしょうね。そして、よくもまあすぐ…自分も悪いと分かったものです。そして始めて男の怖い部分も分かったようですね。
キスで消毒するのはいいですが…本当に告白してよかったのでしょうか。これは永遠に答えが出ない問題かもしれませんね。
慎吾くんはさすがです。ま…そういうやつだということで。
とても面白い作品でした。これからどうなるのでしょう…定着するのでしょうか?それなら歓迎しますが。

ヒミツ彼氏
前身はあまりよく知りませんが(岡崎瑞希先生関連でステンシルは何度か読みましたが、ほか作品はあまり読んでいないので)、とてもスタンダードで面白かったです。
いきなり過激な言葉の嵐から…期待させてくれました。
そして、彼氏を紹介できないワケは…そういうことですか!
この二人、本当にお似合いですね。沙矢ちゃんは合わせているというより同レベルという感じです。
子供らしい言動もうまく描けています。あ、そういえば…最近ちゃおなかよしりぼんでも、小学生を主人公にした作品は「こっちむいて!みい子」ぐらいしかないですね。それは学年誌の世界なのでしょうか。
確かに小学生とつきあっていると知られたら、男はロリコン扱いされるでしょうが…女の子はどうなのでしょう。
二刀流もよくやりました。
「オレ 沙矢のこと好きだし 沙矢と一緒ならどこでも楽しいし」って末恐ろしいヤツ。きっちり男の顔ですし。
この馴れ初めも素直で楽しいですね。
で、このお子様向けアニメを二人で楽しんでいる…本当は同レベルで楽しいのに、それを認められない沙矢ちゃんはちょっと損しています。
いくらおしゃれしても仕方ない、つい姉弟のようになってしまうのは…あ、年上の彼氏ができたら確実に妹扱いされるという理屈はわからないようですね。
「キスはまだしたくない」は、タイミングが合えば大事にされていると喜べるかもしれませんが…それでこのケンカはちょっと痛々しかったです。
ここの大地くんは本当に真剣な目です。
そして…友達も見直して、授業中でも飛び出した思いの強さはすごくカッコいいです!
学校で女子にもてるのはまあ仕方ないですね。
どっちの先生も多分パニックでしょう、この状況は。公立で同じ学区ですごく近いところにある、A小を卒業したら皆A'中学に行くような関係なのでしょうね。
鼻血出して泣きながらぐずぐず手当てしてもらっているのは、もうどっちが年上かなって感じです。
鼻を赤くしての告白はすごく真摯で可愛いです。そして…大地くん、カッコよすぎ!
このキスシーンはすごくドキドキしました。
そして友達に紹介するのも…ま、羨ましいことでしょう。
すごく素敵なカップルですね、結局のところ。
とても後味のいい、楽しい作品でした。これからもよかったら登場してください。

モテ期がやってきた!
うん、独特の濃い魅力が全開で出ていますね。女の子の勝手な心理を丁寧に描いているのもうまい。
黒い髪と深い真円の瞳、濃い目のトーンがかかった制服…全体にすごく濃い印象があります。多分一番インク量は多いでしょう。
モテ期というのは、僕には年取ってから来るのかもしれませんね。できれば若い頃に来て欲しかったのですが。
それで…「模試の結果だよっ」は笑えました!これで一気に気持ちが楽になり、入りやすくなりました。
想いを表現する断片的な回想シーンは色々な意味で見事です。伏線だと期待しましたし。
水島くんと高村くんの紹介もさりげなくてうまい。
そして、突然…まず水島くんのラブレターにひっくり返り…文面を出さないのがまた想像させてそそります…そして高村くんの、なんか無性に恥ずかしくなりました。
二人とも本気、必死なんだとひしひしと伝わってきます。
それは気分いいだろうな、と憧れる気持ちから、すごく一つ一つ正直に描いているのが分かります。
鏡を見て自分に戸惑い、急に自意識を増すのもすごくリアルな心理です。
言いたいという心の叫びも納得できます。
とっさに計算して言わないことにするところが…はたから見ると変なのですが、この豊かな想像が面白いです。
浮かれまくっているときに行原くんの魅力を出すのが実にうまい。これはカッコいいです!
でも「おしい!!おしすぎる〜!!」という本音、そして「さすがに「じぶん、かってなこといってる」と思った。」というのがとことん正直でとてもわかりやすいです。
そして、つい高村くんに行原くんのことを聞こうとして…とっさに止めたのは偉い!ぎりぎりで踏みとどまったという感じですね。
そして行原くんの姿…彼の魅力も見事に描かれています。それがこの作品のよさですね。
ここでのりおちゃんの、一瞬深い淵をのぞきこむような内省の深さが見事!
そして…静かにクライマックスに向かう、透き通ったような美しさは息がつけないほど素晴らしかったです。
結果を描かないのも…充分ですね、どちらであっても後悔はないし、人間として大きくステップアップできたのですから。

どーなつプリン
こういう詳しいことは本編でやって欲しかったような。
お姉さんのほうは激辛も平気なんですね。
二ついっぺんに…この分裂はなんか『グレムリン』を思わせます。午前零時以降食物を与えると、とかはないでしょうね…
分裂を利用して商売というのは…このぼろもうけは笑えました。
相打ちになったら消えるというのは面白いですね。でもクロスカウンターは、実際には自分はノーダメージで相手だけ倍返しという技術ですが…成功すれば。もちろん失敗したら相打ちか自爆です。
なんだか対消滅みたいですね、これは。
ツインどーなつで元に戻ったのはうまい。ま、大赤字は…笑うほかありません。

翠くんの過去はまた面白かったです。
星野くん、ぬかづけで満足するのはどうでしょう。
しかし、『ミラクル☆ガールズ』に憧れているとは…まあ男女の二卵性双生児ってすごくやっかいなものでしょう。
昔は素直で可愛かった、って昔の甘えんぼで泣き虫な彼、すごく笑えます。
強く鍛え、ってなんか倉田嬢と似たような過ちを…自分はどうなのでしょう。ピーマンを押し付けるなど、かなりずるい気がするのですが。
ショック療法とかは分かる気もします。僕も結構やられました。あれも愛情ですが…本人は虐待としか思わないものです。
それで事故もあり、いい話で終わると思ったら…これはないですよ。

花の香りと小さなオバケ
素晴らしい!やはり本当にすごい。本誌に出ることなく、他の雑誌に出ているのがつくづく惜しいことです。
アロマキャンドルは僕も好きです。
このオバケはすごく可愛いですね。それを調べる、絵と言葉のリズムの調和も素晴らしい。
花の香りを食べるというのも面白いです。花畑でのこの入道雲の大きさは…もうすごいとしか言いようがないです。
創作文の宿題と思ったら、という落ちも素晴らしいです。

トマトと14歳
これこそ少女マンガです!こういう作品こそ見たいんです。
すごくリアルに14歳の想いが、直接魂に爆発するように流れ込んできます。
いきなりすごく激しい表情ですね!
授業にはあまり来ない…そんな子は僕の同級生にはいなかったので、ちょっと分かりにくいです。でも、僕の目が排除していただけで、本当はいたのかもしれません。
ただの役員が、ただそんな子がいるというだけで文句を言われるのは大変ですね…
自分は何をしたいのかわからない、だからなんとなく、自分にいける最高の高校とするのは切ないことですが、大多数はそうでしょう。
こうへらへらしているのにみんなに好かれているというのは不思議ですね。
彼の笑顔は実に純粋で、見ていて心地よくさえなります。
ノートを手で写すほうが勉強になるのは当然です。彼は勉強自体も嫌いではないのでしょうか。
いや…そんなことより、この教室の雰囲気自体が素晴らしいです!
まぶしげに彼を見上げる目、教室の暗さと光…泣きたいぐらいです。
そして友子ちゃんの心が少しずつ動くのもうまく描かれています。
母親が勉強だけを求めているように思うのも、実にリアルな受験生の心理ですね。
ノートにトマトがついているのがとてもふっと心が暖まります。
校長先生と畑仕事をしているのはすごくまぶしく見えます。汗がリアルですね。
教室の雰囲気が苦手、多分勉強がそれほど嫌いなのではなく、それより教室の…軍隊や工場をベースとした、秩序と規律、画一性自体に順応できない心のありようなのでしょう。
トマトについて生き生きしているのも素敵です。
「勉強たのし?」という言葉は…ぐさっとくるでしょう、すべての読者にとって。
本当は勉強は楽しいものです。本当は。それを理解するのはとても難しいのですが…サッカーやバスケより地道な反復練習が必要で、分かりにくい楽しさで…しかも、それが義務として押しつけられていたら余計楽しさは見えなくなります。
何のために自分が勉強しているのかわからない…ここは受験、将来のためと割り切ったほうがいいのですが。
髪というテーマもとても鋭い、逆とげのついた針が刺さるように痛いです。「人と違うことをしてしかられるのがこわい」という言葉がすごくリアルで痛いです。
特に母親の冷たい目線に自分を見失い、行き場がない思いがたまってくる…ここの描写も痛みが強く伝わってきます。
「欠席日数は受験に不利」はちょっとひどすぎますね。ひどくなって倒れたら、余計休むことになって元も子もなくなります。
ストレスで頭やおなかが痛い、気持ち悪い…この描写も見事!
壊れそうなところで明るく暖かく包んでくれる今井くん…でそれを言えるほど、心は開いていないのが淋しいです。
居場所がないのを支えてくれるのが今井くんだったのはほっとしました。彼がいなかったらすごく辛かったでしょうね…自力で立ち上がれるとしても。
「トマトもこばやんも好き」というストレートな言葉がどんなに暖かいか…
親にも見捨てられたように感じ、学校にも居場所がないように感じ…そこで今井くん一人が自分のために何かしてくれた、この無条件の愛情にやっと安らぐことができた…その安心感がすごく深く伝わってきます。
保険の先生も暖かく一人一人を見守っているのですね。それで初めて浮かんだ将来の小さなビジョン、憧れ…それを真剣に受け止めたのも素晴らしいです!
農業を自分の将来にしよう、というのも素晴らしいことですね。教室に順応できない彼を受け入れることができた校長…あっ!今井くんも、今の状態になるまでにどれだけ苦しんできたことでしょう。教室に順応できないことで、本当に破滅と紙一重の綱渡りがあって、奇跡的な形で今の居場所を…受け入れてくれる存在を見出すことができたのでしょうね。
「ホンマはいつか教室に戻りたいと」という言葉が、さりげなくその苦しみも暗示しています。
自分さえ変わればどこにいても自由でいられる、何だって楽しめる…すごく二人とも輝いています!
なんて素晴らしい14歳の輝き…ブラボー、と全身で叫びたいです。

はココミュ。
不思議な雰囲気の絵になってきましたね。
僕も携帯電話は十分の一も使いこなせていませんが、まあ電話ができるのですから充分です。
元々携帯電話の機能自体がオーバーなんですよ!電話なんてかける切る、マナーモード、電話番号キーがあればそれで充分じゃないですか。それに留守電のオンオフとメッセージ再生ボタンでもあれば、それ以上何が必要でしょう。
機械オンチ用の簡単な機械がすべての電気機器にあるべきですよね。
自分と同じ機種、とカッコいい人が声をかけてくる…これほど素晴らしい夢はないですね。
カッコいい人と出会えたのが嬉しくて、ベッドで猫に笑っているのが素敵です。
「二度目まして。」という題が面白いです。
このメール会話からどんどん気持ちが進展していくのが面白いです…が、よく考えると彼が本当にいい人である保証はないですね。
いきなり殺意を感じそうな暗い顔にはビビりました。その事情がまた面白いですね。雰囲気の割に普通の子だな、といい印象を与えてくれます。
のびーとした場所が好き、など気があうのも素敵です。
二人でくっついてカメラを撮って、もうこの顔を密着するのがもだえそうです!
することは大胆なのに、恋心が育つのはゆっくりなのが素敵ですね。
猫や亀の写真を送りあったり、それどころか…ちょっと大胆な写真を送りあったり…沸騰します。
二度目のデートの、空気すらキラキラする雰囲気もよく描かれています。
間接キスに気付いていてそのまま飲む彼の恥じらいと愛情もすごく胸が熱くなります。
そして…疑惑の電話も面白いです。
それで、おきてしまったすれ違い…これがまた辛いです。
真相はそういうことですか…なんだか微笑ましくて可愛いですね。見た目とのギャップがすごいですが、それは…僕も彼を見た目で判断してしまったということで、謝らなければならないでしょう。
キス写真は恥ずかしいですね。
さて、次はどんな作品を見せてくれるでしょうか。楽しみです。

ヨシオちゃんとワッコちゃん
また登場ですか。ふむ。
で…なんともいえずこのツキノワグマ、かわい不気味なのですが。
変に人間っぽいリアルさが…
シロクマとツキノワグマは交配可能でしたっけ?
やたらとさわやかなキャラが面白いですね。

ハッピーリング
新人賞受賞記事と少しイメージが違う、すごくシャープな印象です。
さらっとした感じの顔や髪と、妙にリアルな感じを出す服と体の印象のギャップが魅力的です。
手をつなぐ、という小さいことがこんなトラブルの元になるなんて…つい離れてしまって、お互いを思いやるあまり手をつなぎなおせない、薄いガラス細工のような繊細さがよく伝わってきます。
「ホントに好きな人の手なんてそーそー気やすくさわれるもんじゃないじゃん」は本当にその通り!片思いでもどんなに緊張するか、一生の思い出になるぐらい嬉しいか。
このおまじないはすごく説得力ありますね。
彼はちょっと顔の線が、目を小さくした分逆に女の子っぽい感じですが…それがこういう強引なことをするのは不思議なギャップがあります。
抱きしめる手つきや体の線が、その柔らかさと緊張感をすごくうまく出しています!
嬉しくて電話している顔や、鏡の前で振り向く顔のかわいらしいことといったらないです。
そして「いがいと…うまくいくもんだな」で、そのおまじないは嘘だと分かりました。
あ、待ち合わせの彼はカッコいいですね。
するっと手をさりげなく腰に回すのは結構えっちな眺めです。
そして…お姫様抱っこなどの密着がまたドキドキさせます!
呪いという疑い、竜と鎖のイメージのリアルさはびっくりしました。ファンタジーもやれそうですね。
それで、「もう二度と外さないって決めた」の…本当の意味が分かる今はもだえていますが、彼女がどう誤解したのかは笑えます。
もしこの誤解がなかったら、どんなふうにこのデートを過ごしているでしょうね。
そして…彼女の違和感に気がついた彼の辛さもうまく描かれています。
ここからの二人の心の動きは実にうまい。両方の思いをきちんと描いています。
すごく彼は勇気を出したのでしょうね…すごく素敵です。
おまじないの真相は笑えましたが、まあいいタイミングでした!
すごく素敵な二人です。
まだ未熟なところも多いですが、化けたら大きそうで楽しみです。

だって好きだから
すごく好みの作風です。なんか素朴で口に合っているというか。
いきなり振られるところから、というのはうまく引き込んできます。
そして強引な冒頭部、どんな写真なのでしょう…九条くんのキャラクターもわかりやすくていいですね。
バスケのフォームなどはかなりしっかり描けています。背景描写などもいいですね。
久しぶりにバスケをやってみたら、体が覚えていることに感動する…その気持ち分かります!僕も剣道をやめて何年も経ってから、受験勉強の憂さ晴らしに木刀の素振りをやってみたら正確に体が覚えていたことにすごく感動しましたもの。
リバウンドダンクのカッコよさも素晴らしい!
つい楽しくなって、そこでこの事故は無駄のない構成です。
怪我の描写と固い決意もしっかりとポイントを押さえていて、読んでいて面白いです。
昔の男が出てきたのはちょっと唐突ですね。それで九条くんが心を開いたのも不思議なことです。
この昔の男が敵方だったら、もっと盛り上がったと思うのですが…時間的に無理ですね。
そして、まさか髪まで切ってくるとは!すごい決意…この迫力に息を呑みました。
「そこまで背負いこまなくていいんだよ」もかっこいいです。そりゃまあ、これだけやられて応えなければ男じゃないですね。
バスケ部のみんなももちろん九条くんも、そして翔子ちゃんもすごくカッコいい、まぶしいぐらいです。
ポン、と肩を叩いて…黙らせて送り出すシーンは見事です。
正確なシュート、華麗なダンク…ここの描写も素晴らしいです。
九条くんの目の端に移った彼女、その女の命といわれる髪まで切った気迫に応える気迫…体が爆発しそうです!
本当にさわやかで素敵な作品でした。これからどう脱皮していくか、どんな作品を描いてくれるか…初心を忘れないでほしい、楽しみです!

プチッと!
妙なかわいらしさと極端なデフォルメが面白いです。
本当に久しぶりに生まれた四コマ作家、大事に育ててほしいものです。
チョークじゃなくて黒板ふきが投げられるのは怖い…確かに二十九歳は微妙ですよ。
バドミントンで遊んでいるのが笑えました。
「むかしとちがってあげ底した胸もかなりそれっぽいぞ」が大爆笑!男子にとっては実に実際的な注意です。
で…部長、ずっとクマで練習していたのですか。
これからどんな作品を出してくれるか、楽しみにしています。

次回予告が「秋の号」というのに、目を疑いました。もう十年も「秋の号」を待ち焦がれていたので…信じられない思いです。今でも夢じゃないかとさえ思います。
十月ということは二カ月おき?どんな周期になるのでしょう、これから…夢なら覚めないで欲しいです!

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